ELEMENTARY SCHOOL × OUCHI EIGO
小学生のおうち英語
聞く力を、読む力・学ぶ力へつなげる家庭英語の進め方
小学生からのおうち英語では、幼児期とは異なる小学生の理解力、推測力、記憶力を活かし、英語のリスニングから音読と読解へ、さらに英語で新しい内容を学ぶ力へつなげるのがおすすめです。
小学生のおうち英語で大切なのは、単語や文法だけを覚えることでも、英語音声を流すだけで終わることでもありません。音声、意味、文字、読解を一つの流れとして結び付けることです。
小学生は幼児期ほど英語にに敏感ではなくなりますが、小学生には、文字を理解する力、内容を考える力、前後関係から意味を推測する力、自分で学習を進める力があります。
小学生のおうち英語では、こうした学習能力を活かしながら、英語音声、意味、文字、音読、読解を一つの流れとして結び付けます。
小学生には小学生に合ったおうち英語の形があります
小学生は、幼児期ほど音だけに敏感ではなくなりますが、それを補って余りある理解力、推測力、記憶力、学習習慣が育っているからです。
幼児期は、日本語にはない英語の音、強弱のリズム、音のつながりを比較的自然に受け入れやすい時期です。一方、小学生になると、文字から情報を得る、物語や説明の流れを考える、前後関係から意味を推測する、決められた順序で課題に取り組むといった力が伸びます。
小学生から始める場合に大切なのは、幼児向けの方法をそのまま続けることでも、最初から単語や文法の暗記だけに偏ることでもありません。
十分な英語音声を土台にしながら、音、意味、文字、読解を一つの学習の流れに組み込みます。小学生には、小学生に合ったおうち英語があります。
小学生のおうち英語も、英語のかけ流しと音声入力から始めます
小学生にも英語音声の入力は必要です。ただし、幼児期のように音声をかけ流すだけで終わらせず、意味理解、音読、文字、読解へつなげます。
英語には、日本語とは異なる母音や子音、強弱のリズム、イントネーションがあります。実際の音声では、隣り合う音がつながるリンキング、弱くなる音、消える音なども生じます。
文字には単語と単語の間に空白がありますが、音声には空白がありません。耳に届くのは、複数の語がつながった連続音声です。
日本語とは異なる英語の音やリズムを聞き分け、処理するための土台を、ここでは「音声知覚形成」と呼びます。この土台が育つことで、連続して聞こえる英語音声から、語や表現のまとまりを捉えやすくなります。この処理が「分節」です。
読む力を育てる場合にも、音声入力は必要です。文字から英語らしい音を取り出せなければ、聞く英語と読む英語が別々になってしまうからです。
小学生のおうち英語では、かけ流しやリスニングを入口としながら、その英語を理解し、読み、使える状態へ進めます。
日本語に訳さず、英語を語順のまま理解する力を育てます
英語のリスニングでは、音声を聞こえた順に理解する必要があります。
音は聞いたそばから消えていきます。一語ずつ日本語に訳し、文末まで聞いてから日本語の語順に並べ替えていては、実際の英語の速さに処理が追いつきません。
そのため、小学生のおうち英語では、英語音声と場面、絵、動作、出来事、前後関係を結び付け、英語を語順のまま理解する経験を重ねます。
これは、日本語による説明や和訳をすべて否定するという意味ではありません。日本語が理解を助ける場面もあります。しかし、英語を聞いたり読んだりするたびに、すべての語を日本語へ置き換える方法だけでは、英語の処理速度は上がりにくくなります。
日本語を経由して理解
英語を聞く・読む
↓
日本語訳を思い出す
↓
日本語の語順に並べ替える
↓
意味を理解する
英語から意味へ直接つなぐ
英語を聞く・読む
↓
場面や意味が浮かぶ
直解とは
英語から意味を直接引き出す処理を「直解」と呼びます。単語の意味を知らなくてもよいということではなく、語彙や文法を、対訳だけでなく、文脈や場面と結び付けて理解することです。
小学生期は、聞く力を音読と読解へつなげます
小学生のおうち英語では、聞いて分かる英語を、読んで分かる英語へつなげることが重要です。
英語音声を聞き取れても、その英語を文字から理解できなければ、読書、学校英語、英検、その先の学習には十分につながりません。
一方、英語の音声と文字は、一対一で単純に対応しているわけではありません。実際の音声では単語同士がつながり、弱くなり、文字上の単語の区切りと、耳で捉えた音のまとまりが一致しないことがあります。
そこで役立つのが音読です。
先に音声で触れた英文を、モデル音声に合わせて声に出して読むことで、耳の中にある英語音声と、目の前の文字を照合します。
音読では、単語を一語ずつ切って読むのではなく、英語の強弱、リズム、音のつながりをまとまりとして再現します。
この積み重ねによって、文字を見たときに英語の音と意味が立ち上がるようになり、やがて黙読の速度と読解力へつながります。
小学生の学習能力を、倍速学習とCLILで活かします
小学生は、音への感受性だけでなく、内容を理解し、予測し、知識を関連付ける力を持っています。
この力を活かす方法として、倍速学習とCLILがあります。
倍速学習で、英語を処理する速度を高めます
倍速学習は、速い音声を聞くだけの訓練ではありません。内容を理解している英語を速い速度で聞き、分節、直解、自動化を促す補助的な方法です。
速い英語では、一語ずつ聞き取って日本語に訳す余裕がありません。そのため、個々の単語だけを追うのではなく、文全体のリズム、語や表現のまとまり、文の流れを捉えようとする聞き方が促されます。
内容を理解している英語を通常より速い速度で聞いた後では、通常速度の音声が相対的にゆっくり感じられ、語や表現のまとまりを捉えやすくなることがあります。「英語が聞き取れた」という成功体験は、リスニングへの自信にもつながります。
ただし、内容を知らない難しい英語を速い速度で聞かせ続けるものではありません。通常速度の音声、意味理解、文字、語彙、音読、読解と組み合わせて活用します。
CLILで、英語を「学ぶ対象」から「学ぶための言語」へ
CLILは、英語と教科やテーマの内容を一緒に学ぶ考え方です。
CLIL:Content and Language Integrated Learning(内容言語統合型学習)
小学生になると、関心は身の回りの会話だけでなく、自然、科学、歴史、地理、社会、文化などへ広がります。
英語で説明を聞く。英語で物語や説明文を読む。画像や前後関係から内容を推測する。英語から新しい知識を得る。
この経験を重ねることで、英語は暗記や練習の対象から、情報を得て学ぶための言語へ変わっていきます。
日常会話だけでは出会いにくい語彙や表現にも触れ、未知の語があっても、題材、画像、既知の語、前後関係を手掛かりに、文章全体の意味を考えるようになります。
この経験は、説明文や長文を読む力にもつながります。
英語そのものが学習対象
単語、文法、表現を覚える
英語を使って内容を理解する
物語、科学、社会、文化を理解する
小学生のおうち英語が目指すのは、英語を学習対象として覚えるだけでなく、英語を学習言語として使える状態へ近づけることです。
小学生のおうち英語に合う英語教材の選び方
小学生のおうち英語で使う英語教材は、単語や文法を覚えるだけのものではなく、聞く、理解する、読むという学習を一つの流れとして進められるものを選びます。
小学生向け英語教材には、英語の歌や動画、英語絵本、フォニックス教材、オンライン英語教材、英検教材など、さまざまな種類があります。どれか一つの形式が優れているというよりも、その教材によってどのような英語処理が育つのかを考えることが大切です。
まず確認したいのは、自然な英語音声に毎日触れられるかどうかです。小学生になると文字学習を始めやすくなりますが、音声の土台がないまま文字だけを覚えると、聞く英語と読む英語が別々になりやすくなります。英文を文字で提示する教材であっても、モデル音声を聞き、英語らしいリズムや語のまとまりを確認できるものが適しています。
次に、聞いた英語を絵、場面、物語、動作などと結び付けられるかを確認します。日本語訳と英単語を一対一で暗記するだけでなく、英語から場面や意味を直接思い浮かべる経験を作れる教材が、小学生のおうち英語には向いています。
さらに、音声から文字、音読、読解へ段階的に進められることも重要です。短い英文を聞いて理解し、その英文を見ながら音読し、やがてまとまりのある物語や説明文を読む流れがあれば、リスニングとリーディングを別々に学ぶ必要がなくなります。
小学生向け英語教材を選ぶ際には、対象年齢の表示だけで判断せず、現在どの程度の英語を聞いて理解できるか、どの程度の英文を読めるかを基準にします。低学年でも英語経験が豊富であれば読解へ進めますし、高学年でも英語が初めてであれば、短い音声と絵や場面による理解から始めます。
小学生のおうち英語に適しているのは、英語を覚えさせる教材ではなく、英語音声を理解し、文字と結び付け、英語で内容を学ぶところまで発展させられる教材です。
教材選びで見るポイント
対象学年だけでなく、「自然な英語音声」「意味理解」「音声と文字の接続」「音読」「まとまりのある読解」「英語で内容を学ぶ活動」までつながるかを確認します。
小学生のおうち英語の進め方
小学生のおうち英語では、学校、宿題、習い事、遊び、読書、家族との時間を守りながら、毎日の生活の中に英語を組み込みます。
大切なのは、休日にまとめて長時間取り組むことではありません。短い時間でも、聞く、理解する、読むという処理を毎日繰り返すことです。
英語音声を毎日聞く
生活や学習の邪魔にならない形で、英語音声に触れる時間を作ります。集中してすべてを理解させる必要はありません。
音声と意味を結び付ける
絵、場面、物語、設問などを使い、聞いた英語の内容を理解します。
文字と音を結び付ける
聞いて知っている英文を見ながら、モデル音声に合わせて読みます。
まとまりのある英文を読む
一文ずつ日本語に訳すだけでなく、出来事の順序、段落の要点、原因と結果を捉えます。
英語で新しい内容を学ぶ
物語、自然、科学、社会、歴史、文化など、子どもの知的関心に合う内容へ広げます。
親の役割
親の役割は、英語の先生になることではありません。
英語を教えたり、発音を細かく直したり、家庭内で英語だけを使ったりする必要はありません。
毎日取り組める時間と環境を作り、進み具合を見守り、続けられるように支えることが中心です。
年齢・経験別の考え方
短い音声、絵や場面、短文、音読から始めます。
ストーリー、語彙、短い説明文へ広げます。
長めの文章、要点理解、英語で内容を学ぶ活動を増やします。
年齢だけでなく、聞いて分かる英語、読める英文、語彙量を基準に内容を選びます。
小学生のおうち英語は、音声から読解へ
英語の歌や動画を楽しむことも、英会話を経験することも、単語や文法を学ぶことも、それぞれ意味があります。
しかし、それらを別々に行うだけでなく、音声、意味、文字、読解を一つの流れとしてつなげることで、英語は実力へ変わっていきます。
英語に触れる家庭から、
英語で学べる家庭へ。
幼児期に比べて音への感受性が変化しても、小学生には、読む力、考える力、推測する力、自分で学ぶ力があります。
その力を活かし、聞いて分かる英語を、読んで分かる英語へ。そして、英語で新しいことを学べる力へ育てていく。
それが、小学生のおうち英語のあるべき姿です。
よくある質問
小学生からおうち英語を始めても遅くありませんか?
遅くありません。幼児期に比べると新しい音への感受性は変化しますが、小学生には、文字を理解する力、内容を考える力、前後関係から意味を推測する力、学習を習慣化する力があります。英語音声を十分に聞きながら、音、意味、文字、読解を結び付けることで、小学生からでも英語力を伸ばせます。
小学生にも英語のかけ流しは必要ですか?
必要です。ただし、幼児期と同じように音声を流すだけで完結させるのではありません。英語音声に触れる時間を確保しながら、絵や場面による意味理解、音読、文字、読解へつなげることが大切です。
小学生のおうち英語では、何から始めればよいですか?
まず、毎日英語音声に触れる環境を作ります。そのうえで、内容を理解できる短いストーリーや英文を使い、聞く、意味を捉える、文字を見る、音読するという順序で進めます。最初から単語帳や文法問題だけに偏らないことが大切です。
親が英語を話せなくてもできますか?
できます。親が英語を教えたり、英語で話しかけたりする必要はありません。音声や教材を用意し、毎日取り組む時間を作り、子どもの継続を支えることが親の主な役割です。
英会話教室だけでは足りませんか?
英会話教室には、先生と英語でやり取りする経験が得られる利点があります。一方、週1回程度では、英語音声を聞く量や英文を読む量が不足しやすくなります。家庭で毎日英語に触れる時間を加えることで、教室での経験を支える土台を作れます。
小学生のおうち英語には、どのような英語教材が向いていますか?
自然な英語音声を聞くだけでなく、絵や場面から意味を理解し、文字、音読、読解へ段階的に進められる英語教材が向いています。学年表示だけで選ばず、子どもが現在どの程度の英語を聞いて理解でき、どの程度の英文を読めるかを基準に選びます。単語や文法の暗記だけに偏らず、聞く、理解する、読むという流れを作れることが重要です。
倍速音声は子どもに負担になりませんか?
内容を知らない難しい英語を、速い速度で聞かせ続ける必要はありません。すでに通常速度で聞き、内容を理解している素材を使います。通常速度、文字、音読、語彙、読解と組み合わせ、英語のまとまりを捉える補助的な方法として活用します。
小学生のおうち英語は英検につながりますか?
英語音声を聞き取り、語順のまま意味を理解し、英文を読めるようになると、英検に必要なリスニング力、語彙力、読解力の土台が育ちます。ただし、受験前には、級に応じた問題形式、作文、面接などの対策を加える必要があります。
CLILとは何ですか?
CLILは、英語と教科やテーマの内容を一緒に学ぶ考え方です。英語で自然、科学、歴史、地理、文化などを学ぶことで、英語を暗記の対象ではなく、情報を得るための言語として使います。



