OUCHI EIGO GUIDE
おうち英語と英会話
英会話は、 英語を身につける「入口」ではなく、
身につけた英語を「使う場」にする。 おうち英語を始めると、「せっかくならオンライン英会話も早く始めた方がよいのでは」と考えることがあります。 オンライン英会話には、相手とやり取りする、質問へすぐに答える、相手の反応を見ながら話すといった、対人コミュニケーションならではの価値があります。 一方で、英語をほとんど聞き取れない段階では、会話レッスンの多くが自己紹介や決まった質問への応答など、覚えたフレーズの練習になりやすくなります。 おうち英語では、まず家庭で大量の英語を聞き、相手の英語を理解できる土台を作る。そのうえでオンライン英会話を「実際に英語を使う場」として利用する方が、会話の時間を活かしやすくなります。
オンライン英会話で得られるもの
オンライン英会話には、おうち英語の音声入力だけでは得にくい経験があります。
相手の話が終わるのを待つ。自分の番になったら答える。聞き取れなければ聞き返す。表情や反応を見ながら言い方を変える。質問を受け、その場で答える。
こうしたターンテイキングや即時応答は、対人コミュニケーションの中で経験するものです。
また、知らない人と英語でやり取りすること自体が、子どもにとって楽しい経験になることもあります。
したがって、おうち英語とオンライン英会話を対立させる必要はありません。
問題は、英会話を「何のために、いつ使うか」です。
初心者向け英会話は、定型フレーズになりやすい
英語をほとんど聞き取れない子どもと、いきなり自由会話をすることはできません。
そのため初心者向けのオンライン英会話では、どうしても、
Hello. My name is … How old are you? I am seven. What do you like? I like … How are you? I'm fine.
といった自己紹介や定型フレーズ、決まった質問と回答から始まります。
これは悪いことではありません。
定型フレーズを知ることは、最初のやり取りを成立させるために役立ちます。
ただし、「決まった質問に答えられる」ことと、「相手が何を言っても内容を理解し、自分の考えを自由に返せる」ことは別です。
英会話レッスンを受けている時間が長くても、やり取りの大部分が覚えた質問と回答であれば、自由に英語を処理している時間は限られます。
自由会話には、先に「聞いて分かる英語」が必要
自由会話は、覚えたフレーズを出すだけでは成立しません。
相手が何を言ったのかを、その場で聞き取る。意味を理解する。何を答えるか考える。知っている語や表現を組み合わせる。相手の反応を聞き、また返す。
という処理を連続して行います。
つまり、会話の前提には「相手の英語を聞いて理解できること」があります。
相手の発話を聞き取れなければ、講師が質問を言い換えたり、ゆっくり言ったり、画面のヒントを使ったりして、やり取りを成立させる必要があります。
その状態では、会話レッスンを受けていても、実際には英語音声を自由に処理しているというより、レッスンの手順に従って答えているだけ、というのが本当のところです。
まず家庭で音声知覚の土台を作る
英語の会話を理解するためには、日本語とは異なる英語の音、強弱リズム、連結、弱化、脱落などをリアルタイムで処理する必要があります。
この英語音声を英語として聞き分け、連続した音声を意味へつなげる土台を、ここでは音声知覚形成と呼びます。
音声知覚の経験は、週1回25分の会話だけで大量に確保するのは難しいものです。
家庭であれば、生活時間の中に英語音声を置き、毎日長時間の入力を作ることができます。
したがって、おうち英語では、まず大量の英語音声→聞いて分かる英語を増やす→その後に英会話を使う、という順序を基本に考えます。
音声経験を1000時間単位で考える理由オンライン英会話は、土台ができてからの方が費用を活かしやすい
オンライン英会話は、1回ごと、あるいは月額で費用がかかります。
その時間の多くを、講師の質問が聞き取れない、何を答えればよいか分からない、同じ質問を繰り返してもらう、覚えた答えを言う、ことに使うよりも、相手の質問を聞いて理解する、自分の知っている英語で答える、予想外の質問にも反応する、話題を少しずつ広げる、ことに使える方が、同じ25分の価値は高くなります。
そのため、本格的にオンライン英会話へ費用をかけるなら、音声知覚の土台がある程度育ち、日常的な英語を聞いて意味を追えるようになってからの方が、会話の時間を実際のコミュニケーションへ使いやすくなります。
これは「音声知覚が完全に完成するまで会話をしてはいけない」という意味ではありません。
会話を楽しい経験として取り入れることはできます。
ただし、英語力を効率よく育てる順序としては、まず大量入力に家庭の時間を使い、その後に会話時間を増やす方が合理的です。
「しゃべらない」ことだけで成果を判断しない
おうち英語をしていると、「こんなに聞かせているのに、全然しゃべらない」と不安になることがあります。
しかし、理解と発話は同時に同じ速度で育つとは限りません。
子どもは、聞いて分かる語や表現を増やしながら、その中の一部を少しずつ自分で使うようになります。
発話だけを成果の指標にすると、まだ口には出していないが聞けば分かる英語や、絵本を読めるようになってきた変化を見落とします。
「何語しゃべったか」だけではなく、聞いて内容が分かるか、英語の指示に反応できるか、絵本や英文を理解できるかも見ます。
英会話で「発話練習」だけを増やしても、入力不足は埋まらない
英語を話せるようにしたいから、できるだけ多く話させる。
一見、合理的に見えます。
しかし、自分で話せる内容は、自分の中にすでにある語彙や表現の範囲を超えません。
まだ英語の入力が少ない子に「もっと話して」と求めても、出てくる表現は限られます。
自由に話せる内容を増やすには、その前に、たくさん聞く、たくさん意味を理解する、たくさん読む、ことで、使える語彙や文のパターンを増やす必要があります。
アウトプットを増やす前に、アウトプットの材料を増やす。
これを、おうち英語において英会話を考える基本姿勢にするのが妥当でしょう。
読みが育つと、会話の中身も広がる
日常会話だけで出会える語彙や内容には限りがあります。
絵本、物語、科学、社会、歴史などを読むようになると、子どもの英語の中に、会話だけでは出会いにくい語彙や表現が増えます。
その結果、今日何をしたか、何が好きか、だけではなく、本で読んだこと、知っている生き物、科学の話、社会の出来事など、話せる内容そのものが広がります。
会話力を育てるためにも、聞く力と読む力は重要です。
聞く英語を読む英語へつなぐオンライン英会話を使うなら「自由度」が増えているかを見る
オンライン英会話を始めたら、「レッスンを何回受けたか」だけではなく、やり取りの自由度が増えているかを見ます。
最初は自己紹介や定型質問でも構いません。
しかし、いつまでも What is your name?、How old are you?、What do you like? だけを繰り返しているのであれば、会話の経験は広がっていません。
相手の予想外の質問が分かる。自分から質問できる。一つの答えから話題が広がる。言い方が分からないときに別の表現で伝えようとする。
こうした変化が出てくると、オンライン英会話は「覚えた英語を言う時間」から、「英語を使ってやり取りする時間」へ変わっていきます。
まとめ
オンライン英会話には、対人コミュニケーションならではの価値があります。
ただし、英語初心者の段階では、自己紹介や定型質問への応答が中心になりやすく、自由会話にはなりにくいものです。
おうち英語では、大量に聞く→聞いて分かる英語を増やす→読むことで語彙と内容を広げる→英会話で実際に使う、という順序で考えます。
英会話は英語を身につける入口ではありません。
英語を理解できる土台が育ってから、「使う場」として利用することで、同じ時間と費用をより実際のコミュニケーションへ使えるようになります。
よくある質問
オンライン英会話は何歳から始めればよいですか?
年齢だけで決める必要はありません。相手の簡単な英語をある程度聞いて理解できるようになった段階から、本格的に利用する方が会話時間を活かしやすくなります。
幼児から英会話を始めれば、早く話せるようになりますか?
早く定型フレーズを言えるようになることはあります。ただし、定型表現を言えることと、相手の自由な発話を理解して会話を続けられることは別です。
会話練習をしないと話せるようになりませんか?
実際に会話する経験は必要になります。ただし、それは先のこと。まずは、話す材料になる語彙や文のパターンを、大量の入力から増やす必要があります。
子どもが全然しゃべらないのですが大丈夫ですか?
発話だけで判断しないことが大切です。聞いて内容を理解できているか、英語の指示に反応するか、絵本や英文を理解できるかも見ます。
オンライン英会話だけでおうち英語はできますか?
オンライン英会話だけでは大量の英語音声への接触量を確保しにくいため、家庭での音声入力や読みと組み合わせる方が合理的です。
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