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OUCHI EIGO GUIDE

おうち英語とかけ流し

英語を「勉強して聞く」のではなく、 生活の中に英語が聞こえる時間をつくる。

おうち英語の「かけ流し」は、子どもを机に座らせ、英語音声に集中させる学習ではありません。 遊ぶ。食べる。着替える。絵を描く。 そんな普通の生活をしながら、毎日の暮らしの中に英語音声への接触時間を作ります。 目的は、一回聞いた英文を覚えることではありません。英語の音を英語として処理するために必要な、大量の音声経験を積むことです。

おうち英語家庭学習聞く力から読む力へ

かけ流しは「集中して聞かせる学習」ではない

かけ流しでは、子どもをスピーカーの前に座らせる必要はありません。

朝の身支度、遊び、食事の前後など、家庭で普通に過ごす時間に、生活の邪魔にならない音量で英語音声を流します。

「ちゃんと聞いて」「繰り返して言って」「これは○○という意味だよ」と、その都度教える必要もありません。

かけ流しの目的は、一回の英文へ注意を集中させることではなく、英語が日常的に耳へ入る状態を長期間作ることです。

ただし、「音が流れてさえいれば自動的に英語が身につく」という意味ではありません。継続した入力量、音源の内容、意味や文字への接続も必要です。

大量の音声から、音の規則性を学ぶ

子どもは、日本語を一音ずつ説明されて覚えたわけではありません。

周囲で繰り返される日本語、特に家族の会話から、よく現れる音、音の並び、語らしいまとまり、語順などの規則性を学んでいきます。

英語でも、大量の音声に繰り返し触れることで、音の分布、よく一緒に現れる音や語、リズム、語のまとまりなどに少しずつ慣れていきます。

このように、大量の入力から頻度や分布、共起するパターンを取り出す学習を、統計・帰納的学習と呼びます。

かけ流しの役割は、その場で英文を暗記させたり、口にさせることではありません。英語の規則性を学び取れるだけの音声経験を、家庭で蓄積することにあります。

まず育てたいのは「英語の音を英語として聞く力」

日本語と英語では、使われる母音や子音だけでなく、音節の形、強弱リズム、音のつながり方も異なります。

実際の英語では、単語が辞書に載っている形のまま一語ずつ発音されるわけではありません。音がつながったり、弱くなったり、消えたりします。

こうした英語音声を聞き分け、連続した音声を英語らしいまとまりとして処理できるようになる土台を、ここでは音声知覚形成と呼びます。

かけ流しは、そのために必要な大量の英語音声を、家庭生活の中で確保する方法です。

音声経験は1000時間単位で考える

英語を10時間、50時間聞けば、突然英語が聞き取れるようになるわけではありません。

英語音声への接触量は、もっと長い時間軸で考える必要があります。

おうち英語では、英語経験の大きさを考える目安として、次のようなスケールを用います。

約1000時間 英語音声にかなり慣れ、文脈のある英語が「何となく分かる」という感覚が生まれ始める目安。

約3000時間 英語を聞きながら意味を追う処理がさらに安定してくる目安。

5000時間以上 より多様な話者、速度、内容に対応する経験量の一つの目安。

これらは能力を保証する科学的な境界値ではありません。年齢、入力内容、意味理解、これまでの英語経験などによって個人差があります。

重要なのは、「1000時間で必ず聞ける」と考えることではなく、英語を聞く力は数十時間ではなく1000時間単位の英語経験として考える、という時間感覚です。

音声知覚形成の仕組みを詳しく読む

家庭なら「勉強する1000時間」にしなくてよい

1000時間と聞くと、とても長く感じます。

しかし、おうち英語では1000時間机に向かう必要はありません。

たとえば1日90分なら、90分 × 365日 × 2年 = 約1095時間です。

朝の準備をしている。遊んでいる。絵を描いている。食事をしている。

その時間に英語音声が流れていれば、生活時間の一部を英語への接触時間にもできます。

ここに、おうち英語の大きな利点があります。

「勉強する1000時間」ではなく、「生活の中につくる1000時間」と考えることができます。

かけ流しは「量」だけでなく「質」も見る

大量に英語を流せば、何でも同じというわけではありません。

特に英語音声に慣れていない初期段階では、明瞭な音声であること、話者や音質が極端にばらつかないこと、一定期間繰り返して聞けること、難易度が子どもの発達段階から大きく離れすぎないこと、後から絵・場面・文字などへつなげられることが重要です。

最初から多様な話者や高速の自然会話を無制限に与えるより、まず一定の質を持つ音声へ繰り返し触れ、その後に多様性を広げる方が、入力環境を設計しやすくなります。

何時間聞いたかだけでなく、何を、どのように聞いたかを考える必要があります。

YouTubeを1時間見ることと、英語を1時間聞くことは同じではない

YouTubeには、英語の歌、アニメ、読み聞かせ、科学動画など、良質な英語コンテンツも数多くあります。YouTubeそのものを否定するものではありません。

ただし、音声知覚形成のための大量入力を作る方法として、動画と音声のかけ流しは同じではありません。

まず、動画は画面を見るため、視聴時間がそのままスクリーンタイムになります。音声だけなら、遊びや食事など別の活動をしながら英語を聞くことができます。

また、動画の再生時間=英語音声の入力時間ではありません。

無言の場面、映像だけで進む場面、音楽、効果音などが含まれるため、60分動画を見ても、60分間英語の発話を聞いたことにはなりません。

さらに、次々に違う動画を見る場合には、話者、速度、語彙、難易度、音質、音楽、効果音が毎回変わります。そして、実際にどのくらいの英語音声を聞いたのかを把握しにくくなります。

大量入力の中心として考えると、スクリーンタイムが増える、視聴時間と英語音声時間が一致しない、音声の質や難易度が安定しにくい、総入力量を管理しにくい、という違いがあります。

したがって、初期のおうち英語では、安定した音声を大量に継続して聞くことを中心に置き、動画は目的に応じて補助的に使う方が、量と質を管理しやすくなります。

英語の聞き取りが育ってからは、多様な話者や内容へ接触する素材としてYouTubeを利用する価値は大きくなります。

おうち英語よくあるご質問を見る

かけ流しは「聞くだけ」で終わらせない

かけ流しは、英語習得のゴールではありません。

大量の英語を聞くことで、英語音声を処理する土台を作ります。

そこへ絵や場面を加えることで意味が結び付き、さらに文字を見ることで、聞いて知っている英語を読めるようにしていきます。

英語音声→音を処理する→絵や場面から意味が分かる→音声と文字が結び付く→英文を読む、という流れです。

この中で、音声、意味、文字を一つにまとめやすい媒体が英語絵本です。

聞く英語を読む英語へつなぐ

小学生では、かけ流しに文字と音読を重ねる

小学生にも英語音声への十分な接触は必要です。

ただし、小学生では音声を流すだけで完結させません。

文字を理解する力、意味を推測する力、音読する力を利用して、聞く→意味を捉える→文字を見る→音読する→内容を読む、へ積極的につなげます。

小学生に合った進め方

まとめ

おうち英語のかけ流しは、英語を覚えさせるためのBGMではありません。

目的は、家庭生活の中に大量の英語音声を置き、英語の音を英語として処理するための経験を積むことです。

そのためには、量=1000時間単位で考える、質=明瞭で安定し継続できる音声を選ぶ、という両方が必要です。

そして、かけ流しだけで終わらせず、音声→意味→文字→読解へつなげます。

よくある質問

かけ流し中に遊んでいてもよいですか?

はい。集中して一文ずつ覚えるための学習ではありません。ただし、音が流れているだけで習得が保証されるわけではなく、継続量、内容、意味・文字への接続も重要です。

何時間くらい必要ですか?

一律の必要時間はありません。ただし、英語音声の知覚形成は数十時間ではなく、1000時間単位の英語経験として考える方が現実的です。

同じ音源を繰り返してもよいですか?

はい。特に初期段階では、安定した音声に繰り返し触れることに意味があります。

YouTubeだけでおうち英語はできますか?

英語経験の一部にはできます。ただし、スクリーンタイム、実際の英語音声量、音声の質や難易度のばらつき、総入力量の把握という点では、大量音声入力の中心として管理しにくい面があります。

親が英語を話せなくてもできますか?

できます。親自身が英語のお手本になるよりも、継続して良質な英語音声に触れられる環境を作ることが大切です。

おうち英語とは

このページを親記事として、目的や学習段階に応じた各テーマを詳しく解説しています。

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