小学生のおうち英語
聞く力を、読む力・学ぶ力へつなげる
小学生からのおうち英語では、幼児期とは異なる文字理解・推測力・記憶力・学習習慣を活かし、英語のリスニングから音読と読解へ、さらに英語で新しい内容を学ぶ力へつなげます。
英語の音・リズム・語のまとまりに触れる
英語を語順のまま場面や意味へつなげる
聞いて知っている英語を文字と結び付ける
物語・科学・社会・文化から新しい知識を得る
小学生には小学生に合ったおうち英語の形があります
小学生は、幼児期ほど音に敏感ではなくなりますが、それを補う理解力・推測力・記憶力・文字理解・学習習慣が育っています。文字から情報を得る、物語の流れを考える、前後関係から意味を推測する、決められた順序で課題に取り組むといった力は、小学生期のおうち英語で大きな強みになります。
小学生から始める場合に大切なのは、幼児向けの方法をそのまま続けることでも、最初から単語や文法の暗記だけに偏ることでもありません。十分な英語音声を土台にしながら、小学生ならではの理解力と読む力を使って、音・意味・文字・音読・読解を一つの学習の流れに組み込みます。
幼児期の特徴
- 音への感受性が高く、自然に吸収する
- 反復に対する抵抗が少ない
- 音声から無意識に規則性を見つける
- 生活の中で英語を流しやすい
小学生の強み
- 文字から情報を得られる
- 物語・説明の内容を考えられる
- 前後関係から意味を推測できる
- 記憶を整理して積み上げられる
- 毎日の学習習慣をつくりやすい
小学生のおうち英語も、英語音声を土台にします
小学生にも英語音声の入力は必要です。ただし、幼児期のように音声をかけ流すだけで終わらせず、意味理解・文字・音読・読解へつなげます。
英語には日本語とは異なる母音・子音・強弱のリズム・イントネーションがあります。実際の音声では、音がつながる・弱くなる・消えるといった変化も生じます。読む力を育てる場合にも、先に英語音声へ触れていることが役立ちます。文字から英語らしい音を取り出せなければ、聞く英語と読む英語が別々になってしまうからです。
小学生のおうち英語では、英語音声を入口としながら、その英語を理解し・読み・使える状態へ進めます。
日本語に訳さず、英語を語順のまま理解する力を育てます
英語のリスニングでは、音声を聞こえた順に理解する必要があります。音は聞いたそばから消えていきます。一語ずつ日本語に訳し、文末まで聞いてから日本語の語順に並べ替えていては、実際の英語の速さに処理が追いつきません。
そのため、小学生のおうち英語では、英語音声と場面・絵・動作・出来事・前後関係を結び付け、英語を語順のまま理解する経験を重ねます。これは、日本語を一切使わないという意味ではありません。日本語による説明や和訳が理解を助ける場面もあります。しかし、英語を聞いたり読んだりするたびに、すべての語を日本語へ置き換える方法だけでは、英語の処理速度は上がりにくくなります。
訳して分かる英語
- 英語を聞く・読む
- 日本語訳を思い出す
- 日本語の語順に並べ替える
- 意味を理解する
- 処理に時間がかかる
直接分かる英語(直解)
- 英語を聞く・読む
- 場面や意味が直接浮かぶ
- 英語の語順で内容を処理する
- 速くても理解できる
直解とは
英語から意味を直接引き出す処理を「直解」と呼びます。語彙や文法を、対訳だけでなく、文脈や場面と結び付けて理解することです。
聞く力を音読と読解へつなげます
小学生のおうち英語では、聞いて分かる英語を、読んで分かる英語へつなげることが重要です。英語音声を聞き取れても、その英語を文字から理解できなければ、読書・学校英語・英検・その先の学習には十分につながりません。
英語の音声と文字は一対一で単純に対応しているわけではありません。実際の音声では単語同士がつながり・弱くなり、文字上の区切りと耳で捉えた音のまとまりが一致しないことがあります。そこで役立つのが音読です。先に音声で触れた英文を、モデル音声に合わせて声に出して読むことで、耳の中にある英語音声と目の前の文字を照合します。
音読では、単語を一語ずつ切って読むのではなく、英語の強弱・リズム・音のつながりをまとまりとして再現します。この積み重ねによって、文字を見たときに英語の音と意味が立ち上がるようになり、やがて黙読の速度と読解力へつながります。
小学生の学習能力を、倍速学習とCLILで活かします
小学生は、音への感受性だけでなく、内容を理解し・予測し・知識を関連付ける力を持っています。この力を活かす方法として、倍速学習とCLILがあります。
倍速学習で、英語を処理する速度を高めます
倍速学習は、速い音声を聞くだけの訓練ではありません。内容を理解している英語を速い速度で聞き、分節・直解の自動化を促す補助的な方法です。速い英語では、一語ずつ聞き取って日本語に訳す余裕がありません。そのため、個々の単語だけを追うのではなく、文全体のリズムや語のまとまり・文の流れを捉えようとする聞き方が促されます。
分節
連続音声から語や表現のまとまりを捉えられるようになる
直解
英語を日本語に置き換えず、意味へ直接つなげられるようになる
自動化
聞き取りと意味理解を、より速く自動的に行えるようになる
内容を理解している英語を通常より速い速度で聞いた後では、通常速度の音声が相対的にゆっくり感じられ、語や表現のまとまりを捉えやすくなることがあります。ただし、内容を知らない難しい英語を速い速度で聞かせ続けるものではありません。通常速度の音声・意味理解・文字・語彙・音読・読解と組み合わせて活用します。
CLILで、英語を「学ぶ対象」から「学ぶための言語」へ
CLILは、英語と教科やテーマの内容を一緒に学ぶ考え方です。CLIL:Content and Language Integrated Learning(内容言語統合型学習)
小学生になると、関心は身の回りの会話だけでなく、自然・科学・歴史・地理・社会・文化などへ広がります。英語で説明を聞く、英語で物語や説明文を読む、画像や前後関係から内容を推測する、英語から新しい知識を得る。この経験を重ねることで、英語は暗記や練習の対象から、情報を得て学ぶための言語へ変わっていきます。
日常会話だけでは出会いにくい語彙や表現にも触れ、未知の語があっても題材・画像・既知の語・前後関係を手掛かりに文章全体の意味を考えるようになります。この経験は、説明文や長文を読む力にもつながります。
英語を「勉強する」
- 英語そのものが学習対象
- 単語・文法・表現を覚える
- 正解を出すことが目的
- 英語の勉強が終わったら終了
英語で「学ぶ」(CLIL)
- 英語が学びのための言語になる
- 物語・科学・社会・文化を英語で理解する
- 推測・考察・発見が生まれる
- 知識と英語力が同時に育つ
小学生の英語教材は、学年だけで選ばない
小学生のおうち英語で使う教材は、学年だけで決められません。同じ小学生でも、英語がほぼ初めての子と、すでに英語を聞いて理解できる子、簡単な英文を読める子では、必要な取り組みが異なります。
教材を選ぶときは、年齢に加えて、これまでの英語経験と現在どの程度「聞ける・読める」のかを確認します。英語がほぼ初めてなら音声と意味理解を優先し、聞いて分かる英語が増えているなら文字や音読へ、短い英文が読めるなら読解やCLILへ進みます。
また、英会話は相手の英語をある程度聞いて理解できるようになってから、実際に使う場として利用するとよいでしょう。英文法についても、先取りを中心にせず、まず英語音声と読解を育て、身につけた英語を整理する道具として使うことをおすすめします。
小学生のおうち英語は、音声から読解へ
英語に触れる家庭から、
英語で学べる家庭へ。
幼児期に比べて音への感受性が変化しても、小学生には、読む力・考える力・推測する力・自分で学ぶ力があります。
その力を活かし、聞いて分かる英語を、読んで分かる英語へ。そして、英語で新しいことを学べる力へ育てていきます。
よくある質問
小学生からおうち英語を始めても遅くありませんか?
遅くありません。小学生には、文字理解・推測・記憶・学習習慣という強みがあります。英語音声を土台に、意味・文字・音読・読解をつなげることで、小学生からでも力を伸ばせます。
小学生にも英語のかけ流しは必要ですか?
必要です。ただし、音声だけで完結させず、意味理解・文字・音読・読解へつなげます。音声の量と質についてはおうち英語とかけ流しをご覧ください。
小学生のおうち英語には、どのような教材が向いていますか?
学年だけでなく、これまでの英語経験と現在の「聞ける・読める」の段階に合う教材を選びます。詳しくはおうち英語教材の選び方をご覧ください。
小学生にオンライン英会話は必要ですか?
必須ではありません。相手の英語をある程度聞いて理解できるようになってから、英語を実際に使う場として取り入れると活かしやすくなります。詳しくはおうち英語と英会話をご覧ください。
英文法は早く先取りした方がよいですか?
文法先取りを中心にする必要はありません。まず英語音声と読解を育て、その後、身につけた英語を整理する道具として文法を使います。詳しくはおうち英語と英文法をご覧ください。
CLILとは何ですか?
Content and Language Integrated Learning(内容言語統合型学習)の略です。英語と教科やテーマの内容を一緒に学ぶ考え方で、英語を「勉強する対象」から「学ぶための言語」へ変えていくことを目指します。物語・科学・社会・文化を英語で理解する経験が、語彙・読解力・推測力を同時に育てます。
