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2021年5月号特集

Vol.278 | 英語教育 すすむ2つの二極化

「本気 vs. とりあえず英語」&「都市部 vs. 地方」の狭間で翻弄される若者たち

written by 船津 洋(Hiroshi Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
https://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/tokushu-2105/
船津洋『英語教育 すすむ2つの二極化』(株式会社 児童英語研究所、2021年)


「遊ぶ?!」それどころではない大学生たち

特集イメージ1 近年、大学生を取り巻く環境の厳しさが増しています。コロナ禍によるキャンパスの閉鎖、就活生に対する募集人員の削減や内定の取り消しが相次ぎました。また生活面では、親からの仕送り額が減り続けており、それに追い打ちをかけているのが飲食業をターゲットにした「自粛要請」によるアルバイトの激減です。

 そんな中、奨学金の返済に追われ中退を選択する学生までいる始末です。

 日本の知性の将来を担うはずの大学生が、これほど大規模網羅的に苦境に立たされることは前代未聞でしょう。これは未来の大学生をお持ちの読者の皆様におかれても、人ごとではないはずです。

 また、そんな昨今の大学生たちの苦境を知ってか知らずか、あるいは就職氷河期の経験からか、我が子には「より良い教育を」と願うのは自然な親心でしょう。
 そしてそんな親心を反映して、ミレニアムとリーマンショックで平熱以下に落ち込んだ幼児・児童期の「英語熱」が今、再燃しています。しかも、その発熱の仕方が過去とは異なる様態、ひと言でいえば「とりあえず英会話」から「本気の英語力」への転進という形を示しているのです。
 その流れは、「何らかの英語教育を学校外で実践しているご家庭では、小学生の1/4が英検3級以上を取得済み」という調査結果に表れており、都市部で顕著です。また、これは都市部に限ったことであり、地方は1人取り残されている姿が浮き彫りになりました。

 児童英語研究所では、2021年1月・3月の2回にわたり、「大学生の英語学習に関わる意識調査」と「子育て世代の英語教育に関する意識調査」を実施いたしました。

 そこには、大学生たちの「自分の英語力に対する無念さ」と「子育て世代の我が子の英語力に対する “超” 具体的な目標設定」の姿が浮かび上がりました。

 さて、最近の大学生は英語力の中にどんな「希望の種」を見ているのか、また、子育て世代の親たちは何を夢見て我が子に英語教育をしているのでしょうか。以下、今の社会構造の再分析を交えながら、今回の意識調査の結果を具体的に見ていくことにしましょう。


就職する自分を見ている大学1年生たち

特集イメージ2 我が社では、学生インターンたちが大活躍しています。そのインターンたちは毎年毎年次々と社会に巣立っていきます。もともと優秀な人たちですが、我が社ではそんな彼らに様々な社会経験をさせて、来たるべき社会人としての将来に備えさせています。
 1年生は日常の事務作業から始まり、2年生では教材製作にも参加、3年生にもなると頼もしく取引先やお客様からの電話を受け、4年生になると堂に入ったもので正社員並みに業務をこなします。

 そんな彼らとは、折を見ては就職先や就活についての相談に乗ったり、イマドキの就活事情を尋ねてみたりします。
 そんな中、興味深い話をしてくれた学生が複数います。曰わく1年時から履修可能な「卒業生を呼んで話を聞く」タイプの授業を受ける学生がとても多いらしいのです。
 もっとも、学生たちの話の内容は卑近です。現在の文科省から押しつけられている学業評価の ‘A, B, C, D’ の成績割り振りシステム下において、履修者が「とても多い」授業なので「 ‘A’ が取りにくい」という文脈で、あるいは、(さすが我が社のインターンだけありよく社会のことを知っていて)畢竟「あまり参考にならなかった」などという一人前の物言いで、ある意味、こうした授業への愚痴を聞かされるわけです。
 ここで、注目すべきはもちろん「愚痴の内容」ではなく「履修者が多い」点です。

 つまり、イマドキの学生たちは1年生の段階から「就活」あるいは「社会にいる自分」が視野に入っているということが、この講座に殺到する学生の多さから推察できます。
 ほんの数年前までは、大学1・2年生といえばサークルにバイトに明け暮れて、かろうじて単位を取るような健全(?!)な不届き者も少なくありませんでした。また、学業に専念するマジメな学生はいるものの、さすがに就活まで見据えているような学生は、僕の肌感覚では “皆無” でした。

 学生たちに、一体何が起こっているのでしょうか。


学生たちは「古いシステムは崩壊している」ことにうすうす気づいている

特集イメージ3 ひと言でいえば、「将来に対する不安」でしょう。

 気の毒でなりません。受験も終わり、ようやくホッとひと息。ゼミに入るまでの2年間は遊んで暮らすのが、かつての大学生の姿でした。しかし、ホッとするのは束の間で、今の学生たちは入学した途端に卒業後のことを考えているのです。

 私たち大人がしっかりしていないばかりに、若者たちにそんな思いをさせているのだと思うたびに、自分が情けなくて、彼らに申し訳なくて涙が出る思いです。

 ここで、彼らを不安にしている社会情勢に少し触れておきます。
 ちょっと前までは、若者たちの未来にはある程度のレールが敷かれていました。高校を卒業したら大学、大学を卒業したら「終身雇用」というメンバーシップコミュニティーが待っており、「年功序列型賃金」が前提のそれらコミュニティーでは辞めない限りは賃金が上がりつづける、そして何か不慮の事故が起こっても「企業別労働組合」が助けてくれる、いわゆる「三種の神器」がありました。
 古き良き後期昭和・前期平成の時代までは、「いち抜けた」と会社を辞めない限り、何の心配もなく社会生活を送れ「た」のです。そんな夢のようなシステムが、日本式資本主義経済と相まって上手く機能していた時代があったわけです。

 もちろん、今日の尺度で見れば、「三種の神器」など、どう考えても “無茶苦茶” なシステムでしょう。
 ところが、その無茶苦茶なシステムが大量生産した「働かないおじさんたち」や、そのおじさんたちを親として持つ子どもたちが、暢気にも「日本はスゴい」などというメディアから垂れ流される情報を鵜呑みにして、社会生活を送っているわけです。そして、彼ら、あるいは彼らの亡霊が産み出す「空気」が、未だにこの社会には漂っているのです。

 ところがどっこい、現実はそうではありません。

 グローバル化の波は日本の企業にも押し寄せ、日本式資本主義経済からの脱却は余儀なくされています。
 「終身雇用」などもう過去の話。少し前までは「肩たたき」とか「窓際族」とか「追い出し部屋」などというものがありましたが、今では、それらはパワハラにあたるらしく、「早期退職者募集」のなのもと、それでも間に合わなければ「キャリアなんちゃら」あるいは「出向」という名目でリストラが行われるわけです。その対象も、老年にさしかかる50歳代ではなく、働き盛りの40歳代に前倒しされています。

 「年功序列型賃金」も同様です。定年の延長は制度として取り入れつつも、給料の台形化は早くは30歳代から始まり、延長された定年まで会社にしがみついて働こうとするおじさんたちには、ガクンガクンと2段階も3段階も下がった給料が提示されます。

 そして、企業を追い出されれば、不安定な雇用が待っている。

 個人的には、不安定な雇用(一例を挙げればジョブ請け負い型の個人事業主)こそが本来企業と労働者との約束であるべきだと思っていますが、どうやら、人はそれを「不安定」と呼ぶらしい。
 彼らの身になってみれば、頷けなくもありません。例の “無茶苦茶なシステム” を常識と考えている人たちにすれば、一匹狼然として自分の技量で生きていくやり方は「不安定」とも映るのでしょう。
 もっとも、本誌をお読みの子育て世代の皆様は、おそらくバブル期より後、あるいは氷河期を経験されている世代なので、この話には頷いてくださる方も少なくないと想像します。

 そして、その社会の変化は社会人ばかりでなく、学生たちをも直撃しています。しかもコロナに追い打ちをかけられているのですから、学生たちにとっては、たまったものではありません。

 冒頭で述べたところの「親からの仕送り額」は毎年のように減り続けており、バブル期の12万円台半ばから8万円台前半の3分の2にまで落ち込んでいます。学生にとって一月4万円はどれだけ大きいか。しかも、仕送りは減っても逆に家賃は上昇傾向にあります。
 昔は「遊ぶ分だけバイト」をすればよかった。しかし、今では家賃や水道光熱費以外の生活費、あるいは学費まで働いて捻出しなければならない学生も少なくありません。
 そして、そんな彼らには「貸与型奨学金」という名のもと、住宅ローンの金利より高い金利でお金を貸し出す甘い甘いシステムがある。無知な学生は、下手をすれば卒業時に600万円ほどの借金を抱えて、マイナスから人生をスタートしなくてはならない。
 もちろん、私立文系でも学費600万、仕送り400万の合計1000万円を卒業までに負担するご両親のご苦労は言うまでもありません。

 それが現実です。

 イマドキの賢い学生たちは、一部の「スゴいぞ日本」的空気に踊らされることなく、現代のパラダイムシフトを肌感覚で感じています。そして彼らの豊かな感受性が、彼らをして「怖い未来」を想像させるのも仕方がありません。それらが、「社会」に関する講義に学生たちが殺到する一因ではないでしょうか。

 さて、それでは、学生たちが何を考えているのか、具体的に見ていくことにしましょう。


「自分の英語力に不満」恵まれている学生は約15%

※アンケート内容はこちら→https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000072437.html

 このアンケート結果で特筆すべきポイントを書き出すと以下の通りになります。

 「英検準1級以上保持者」が14.8%。「ほほう、結構頑張っているなぁ」という印象です。しかし、逆に8割半はよくても英検2級止まり、残念なことに大学生の6割は中学レベルの準2級以下しか持っていません。
 そして、予想通り、学生たちの75%が「現在の英語力に不満(とても不満23.6%、少し不満51.3%)」と答えています。

 そんな彼らに「大学受験までに身につけておきたい英語力」を尋ねてみると、これまた予想通り。「英検準1級以上」を望んでいる学生が28%おり、その理由は「大学受験に有利」(24%)、「大学受験に必要」(13.5%)、「難関大学に合格する為に必要」(12%)だからとしています。

 つまり、大学生の5割が「より良い大学へ進むために、より高い英語力が必要だった」と自らを振り返っており、大学生の3割は「英検準1級以上を持っていればなぁ」と考えていることが分かります。

特集イメージ4 しかし、現実的には「英検準1級以上」は夢のまた夢です。なぜなら、「学校の英語以外で英語を身につけるのに効果的な方法」を尋ねれば、全体の1/3にあたる33.4%が「長期留学」と答えており、そのほか、大体同じ割合で「英会話教室」「外国人の友人を作る」と感じているようです。
 つまり、「長期留学」が叶わないのであれば、せめて「英語を使う」ことに儚い夢をかけているのでしょう。



特集イメージ4 さて、疑問に感じることがありませんか。

 確か文科省は、”CLIL : Content and Language Integrated Learning、内容言語統合型学習、クリル” なる概念を持ちだしてそれを高校の英語の授業にもすでに当てはめているのではなかったのでしょうか(『パルキッズ通信2020年5月号』参照)。どうやら学校の授業での「英語使用」程度では、彼らの求める英語力は到底身についておらず、当然のことながら彼らは学校の授業には満足していないようです。
 それはそうでしょう。『パルキッズ』の考え方を敷衍すれば(『パルキッズ通信2021年1月号』参照)、CLIL程度の取り組みでは、英語をある程度でも身につけるための「インプット」つまり英語の刺激が圧倒的に不足しているのです。

 さて、ここでお金の話。
 できれば「長期留学」、そうでなければ英会話に通うか外国人の友達でも作って英語を話したいと考える学生が、果たしてどれだけ英語にお金を使う準備があるのでしょうか。
 もちろん、すでに述べたように、彼らは決して裕福ではありません。
 しかしそんな彼らの3/4を占める75%は、なけなしの小遣いから(最大)年間72,000円,月額にして6,000円程度は払うといっています。もちろん、(『パルキッズ』以外の現実社会では)そんな額で何ができるわけはないのは、彼らも知っているでしょう。しかし、何とも健気ではありませんか。
 もちろん、ここで残りの1/4の学生たちに目を向けると、一転、豊かさが感じられます。「年間72,000円以上」から始まり、いやいや「96,000円以上」が14%、さらには「12万円~36万円かけてもよい」という学生が5%いることも特筆すべきでしょう。
 年間96,000円以上の14%は、英検準1級以上を持っている学生数と一致するのは偶然と言えば偶然すぎると感じてしまいます。中には、このように恵まれている学生もいるようです。

特集イメージ4

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結局「英語だ」と気づくことになる一部の学生たち

特集イメージ5 以下「もしも “英語スキルを早い段階で身につけていれば…” 」との質問に対する自由記述の答えです。

 「大学受験のために学ばないといけない内容を減らせたと思う」

 確かに、大学受験で最も重視されるのは英語ですので、英語ができないことは大学入試においては致命的です。

 「ワンランク上の大学に行けた、選択幅が広がっていたはず」
 「もっと良い高校や大学に通えた」

 つまり、英語にかける時間を他に回せたならば、それは間接的にワンランク上の大学に繋がったことでしょうし、高い英語力を持っていること自体は直接ワンランク上の大学へと繋がるのです。

 「将来的に海外で仕事をする、日常的に英語を使う企業に就職できるなど、就職先の幅が広がっていたと思う」

 この方のように、英語ができないことが就職に関しても選択肢の幅を狭めてしまっていることに関して、残念であると感じている人もいました。
 ES(エントリーシート)の段階で英語力で落とされることもあるようですが、それよりもなによりも、大学名によるいわゆる「学歴フィルター」という暗黙裡の学生選抜が行われている現状を、彼らはひしひしと感じているのでしょう。

 要するに、英語ができないことには望む大学にも入れず、望む就職もできないことに、学生たちは気づいているのです。そして「もし英検準1級以上をもっていればなぁ」と感じ「いや、今からでも遅くない」と英語学習に精を出しているのです。

 そして、そんな学生も10年位すると親になります…


現実を見つめる親たち

特集イメージ6 「子どもの英語教育」はかつてはブームでしたし、現に今でもブームです。
 少し時計を巻き戻すと、知る限りにおいて20年ほど前までに、早期英語教育の一大ブームがありました。しかし、それは地に足の付いた「英語力」への希求ではなく、極端に言えば「みんなやってるから私も」「とりあえず英語でも」的な儚いブームでした。
 2000年代初頭のITバブル崩壊や、80年代から進められてきた「ゆとり教育」の反動と相まって、当時の儚い英語ブームはあっという間に霧散し、それに代わって、皆がこぞって中学受験へと雪崩を打ったわけです。
 当時、中学受験を控えたママたちの間で「英語」などと口を滑らせようものなら、鼻で笑われるような空気が漂っていたものです。うーん、無知というのは恐ろしい。そんな高慢なママたちも子どもたちの大学受験の段になってようやく「英語」の重要性に気づくことになるわけですが、、、時既に遅しと相成るわけでした。

 しかし、打たれてもなお、心の中で立ち上がるのが「英語への夢」です。その後も英語教育産業は徐々に活気を取り戻します。

 しかし、またまた霧散します。そう、リーマンショックや続く先の震災では再び「儚い組」の離脱が起こりガクンと英語の需要は落ち込むのです。
 それでも再び立ち上がるわけで、いやはや日本人の潜在的な「英語への夢」はひょっとすると「遺伝子に書かれているのではないのか?」と疑いたくなる程のガッツを持っているようです。業界人の1人としては、実に頭が下がるばかりです。

 さて、そのように浮沈を繰り返しながらも、生きながらえているのが英語教育産業ですが、どうやら現在のブームは、20年前のブーム、あるいは10年前の中興とは、その内容が変わりつつあるようです。

 英語教育産業自体は順調に売り上げを伸ばしているのですが、その構成要素に変化が見られます。
 つまり、過去においては英語といえば「とりあえず英会話」だったのですが、最近では「実用的な英語力」を身につけさせようと、地に足の付いた英語教育を実践するご家庭の割合が増えているのです。

 英語教育産業全体を見ると英会話の割合は4割で、残りの6割を通信教育あるいは教材販売などが占めています。おそらく、この流れは昨年以来のコロナ禍によって、さらに加速されていると見て間違いないでしょう。

 一体何が起きているのでしょうか。

 かつての英語ブームを下支えしたのは、バブル組の親たちです。言うまでもなく彼らは陽気で暢気で「バブリー」なんです。ところが、今の英語熱を主体となって上昇させているのは、「アイスエイジ」を経験した世代です。彼らは「ミニマリスト」でもあります。必要なものは買いますが、基本的には「持たない」を潔しとする方々です。
 思考は現実的、見る目は厳しく、流されず惑わされず、ひたすら我が道を行く猛者たちです。そんな彼らは「英語教育」に対しても、冷静な目で「これいる?」「これいらないでしょう」とバッサバッサと切っては捨て切っては捨てするのでしょう。実に爽快。
 彼らは、投資に見合った「実用的な英語力」を子どもに身につけさせようとするわけです。

 それでは、「実用的な英語力」とは何でしょう。

 それは、あらゆるシーンで役立つ英語力です。冒頭の大学生たちの悲哀を思い出してください。「もう少し英語ができれば」、「英検準1級さえ持っていれば」と大学や就職の選択肢を広げてくれる英語力。そんな実益に直結する英語力を求めているのではないでしょうか。

 つまり、大学受験を中心として、高校受験はもちろんのこと、最近では中学受験にも有利な英語、就活やその後のキャリア構築にも便利な英語力を求めるようになるのは、彼らの論理思考からすれば自然な帰結でしょう。

 すると、どうなるか。

 簡単な話、「本気で英語教育をする家庭」と、「うーんまぁ、うちのできる範囲でやっておこうかな」という「とりあえず英語教育をする家庭」で、子どもの英語力の「二極化」が起こるのです。


時間とお金の二極化。コストをかけない多数に対し、メチャクチャかけている少数派

※アンケート内容はこちら→https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000072437.html

 このアンケートの対象は「小学生の子に英語教育を考えている首都圏在住の親御さん」です。地方とは少し事情が異なるかも知れませんが、地方からでも結局は旧帝大や難関大を目指す点において、英語が果たす役割は同じです。地方の場合には都市部に比べて密度が「低いだけ」と考えて差し支えないでしょう。

 さて、「実践している英語教育」に関して尋ねたところ、半数が「英会話」と答えています。この点に関しては他のアンケートのソースとも上下1割程度の差の範囲で→一致しています。
 しかし、ここからが少し様子が違います。「英検受験」に精を出していると答えたご家庭が34%と3分の1を上回ったのです。
 小学生に英語教育を施しているご家庭の3世帯に1世帯は、英検を受験させているのが都市部の現実です。背景としては、英会話の利用比率は学年が進むと共に低下し、その代わりに塾での英語にシフトするご家庭が増えることがあるでしょう。おそらく、塾などで英検の受験が推奨されているのではないでしょうか。

特集イメージ4 次に「英語にかける諸コスト」をみると、ここにも二極化の傾向が明らかに見て取れます。
 英語学習に割く時間的コストでは、全体の75%が「週に5時間未満」、つまり毎日1時間未満を英語学習に費やしている一方、残りの25%は週に5時間以上。さらに細かく見ると、15%は週7時間以上、週15時間以上、つまり1日2時間以上も1.3%ありました。
 また、金銭的なコストに関しては、全体の85%が月額2万円未満のコストをかけているのに対して、15%は2万円以上、中には5万円以上も3%近くいることが分かりました。余談ですが、ここは「『パルキッズ』がいかにお安いか」噛み締めるところです。

特集イメージ4

最新のお知らせ

「英検なし」60%に対し約1/4は「英検3級以上取得済み」

 それでは、それだけのコストをかけて習得した英語力はいかほどのものなのでしょうか。ここでドラムロールです。

特集イメージ4 なんと、残念なことに「英検なし」が60%を占めました。毎月2万円、年額にして24万円(もちろん6万円未満もいらっしゃいます)はどこに行ったのでしょう。
 他方、英検を持っている4割の中で「英検5級・4級」は16%しかいないのに対して、「英検3級以上」を持っているのは23%で4人に1人いるのです。つまり、英語力の低い第1グループと、英語力の高い第2グループに二極化しており、そこに薄く中間層が挟まれている形です。
 さらに、英語力の高い第2グループの中で、7人弱に1人の15%は「準2級以上」を持っていました。この数字は、上の毎週7時間以上英語に触れている子の割合と一致しています。
 準2級と言えば、『パルキッズ』の学習における小学生のまず第1の目標級ですので、英語教育を実践されているご家庭の中で15%を占めるというのは少し驚きでした。しかし、それほど英語に時間をかけなくても、「準2級」程度なら、ながら勉強で達成できるのは『パルキッズ』の最大のメリットでしょう。

 そして、英語教育の目的と、目標とする英語の実力に目を向けると、ここにもひとつ大きな傾向が見て取れます。

特集イメージ4 英語教育を実践する目標として、「大学受験」をはじめ「留学」「就職」を挙げたご家庭が合計で51.4%(複数回答)ありました。同時に英検準1級を目標とするご家庭も46.4%ありました。
 つまり、目前に迫る中学受験、あるいは高校受験のみではなく、その先の大学受験や留学、あるいはその両方を目指すご家庭では、先の大学生のアンケート結果と同様に、英検準1級以上を目指しているとも理解できる傾向が見て取れました。

 また、英語教育の目的を高校受験に据えているご家庭が28.5%で、英検2級を目指しているご家庭が31.1%と、これまた2.6%というわずかな差なので、高校受験が視野に入っているご家庭は英検2級を目標としているとも読み取れます。


「中学受験は通過点」その先を見つめる親たちの姿

特集イメージ4 次に、今回のアンケートで我々の関心の最も高かった質問です。

 中学受験をする予定の有無を尋ねたところ、45.1%の半数弱が「ある」と答えています。
 続いて「ある」と答えた方に限定して「中学受験のためにいつ英語教育を中断するか」を問うたところ、なんと6割が「中断しない」と答えたのです。「小学6年生で中断する」と答えた4.6%を合わせれば、64.5%で中学受験組のうち3人に2人までは「英語教育を中断しない」と答えています。

 これは、なぜか。

 思い出してください。ITバブル崩壊直後のバブルの雰囲気を纏った親たちは、中学受験を控えて「英語」などという親を鼻で笑っていたのです。ところが、今日では「中学受験のために英語は中断する」というグループはマイノリティーにおいやられ、「中学受験もする」し「英語もする」という家庭がマジョリティーに逆転して返り咲いているのです。

 これは、上の問への答えに表れています。「大学受験」「留学」「就職」を見据えて「準1級以上」を目指すご家庭が半数いるわけです。そこに焦点を合わせるのであれば、中学受験は単なる通過点でしかないので、そのために英語教育を中断するわけにはいかないのが健全なロジックでしょう。


都会ではクラスに1人か2人は英検3級以上保持者がいる!

特集イメージ10 これらのデータ、特に後半の「英語教育を実施しているご家庭」云々に関しては、あくまでも首都圏、しかも英語教育を実践しているご家庭に限ったデータです。あくまでもサンプルの分析ですので、ここから日本全体のポピュレーションのあり方を推測することにしましょう。

 まず全国を見ましょう。2013年度の小学生の英検受験者数22万人のうち3級以上の受験者は4.4万人(全体比20%)に対し、合格者数は2.1万人(合格率48%)程です。
 これは6年間の小学校生活のうち1年だけを取り出した結果ですので、小学生全体の英検3級以上保有率を表してはいません。3級以上合格者数は6年間にわたり、毎年積み上がっていくわけです。
 小学生未満、幼児の英検受験者数は、小学生の受験者数の半分ほどいます。彼らは主に5級・4級を受験していると考えられますが、5級・4級の合格率が76%であることと、幼児期に英検を受験させるリスクを考えると、親は闇雲に幼児たちに英検を受験させているのではなく、合格の見込みがあってはじめて受験させていると想像できます。

 つまり、幼児期に5級なり4級を片付けてしまっていて、小1から英検3級以上を受け始める子もいるわけです。
 以上を考えて、今回は少し乱暴ですが、小学校の6年間に渡り3級以上保持者が単純に同じ率で増え続け、6倍になると想定します。すると、2013年度の場合には、小学生全体で12.6万人が3級以上を保持している可能性が見えてきます。
 当時の小学生人口は6学年で650万人なので、上記割合から算出すると、小学生で英検3級以上の保持者は全国を平均して1.9%、ざっと50人に1人となります。

 これは2013年度の数字ですので、これを直近の2019年度の受験者数に当てはめてみましょう。
 この6年間で、小学生の英検受験者数は22万人から27万人に増えています。一方で小学生人口は、650万人から620万人と減少傾向です。2013年の英検3級以上の合格者割合を2019年に当てはめると、27万(受験者数)に対して3級以上受験者(20%)にさらに合格率(48%)から、25,900人が3級以上に合格していた計算となります。これを2019年度の小学生人口620万人で割ると0.42%で、さらに単純に6倍すると小学生全体の2.5%となります。
 つまり、全国平均を予測すると、英検3級以上を持っている小学生の割合は、2013年の50人に1人の1.9%から、2019年の40人に1人の2.5%へと上昇したわけです。
 (※現実には、同一人物が年間に複数回受験する可能性があり、さらには同一人物が同年度中にひとつ上の級に合格する可能性があります。また、3級以上の受験者数に対する3級の受験者数の割合は65%程です。従って、実体は上記の数字の2/3程だと思われます。ただし、今回は単純化のため、とりあえず以上の点を考慮せずに以下も進めて参ります。)

 続いて、今回の首都圏の結果です。英検3級以上保持者が、英語学習中の人口に対して25%でした。
 小学生で英語を習っている子どもの割合は、調査方法や対象にもよりますが、どこも大体20%と出ていますので、それを学校外で英語を学んでいる小学生の割合と仮定しましょう。
 すると首都圏では、小学生全体(100%)に対する学校外英語(20%)、さらには学習者中の3級以上保持者割合(25%)から、全体に対する3級以上保持者の割合は5%と導き出されました。
 全国平均では2.5%に過ぎませんが、首都圏では倍の5%、なんと20人に1人ですから、1学級に1人や2人は英検3級以上の保持者がいるという姿が浮かび上がってきました。

 これはおそらく、首都圏に限ったことではなく、三大都市部でも密度は低下しつつも類似の傾向があると想像できます。すると、全国平均は2.5%で首都圏では5%ですが、都市部ではその中間値ほどの合格率となっているのではないでしょうか。


最後に

特集イメージ11 大学生の4人に3人までが、自分の英語力を不十分と感じ、約3割が「英検準1級以上」を「より良い大学」や「より広い就職の選択肢」の前提として求めていることが分かりました。
 また、そんな現実を反映して、小学生の英語熱は加熱しており、小学生の英検受験者数も上昇傾向にあります。しかし、それは一極に偏っており、60%の英検ナシ組、15%の英検5・4級「中間層」と、25%の英検3級以上「上位層」に二極化していることも分かりました。
 首都圏では、実に小学生の5%にあたる20人に1人が、すでに英検3級以上を持っていることになります。
 さらに、この傾向は都市部に集中していて、あくまでも計算上と断った上での話で非現実的ではありますが、3級以上を保持している小学生はほぼ都市部に集中しているという想定が出ました。
 「本気で英語派」と「とりあえず英語派」間の二極化に加え、英語熱が地方に対して都市部に一極集中しているという、極端な二極化の姿も浮かび上がってきました。

 これは、何を意味するのか。

 個人的には「地方にチャンス到来」と考えています。
 特に「実用的な英語力」の習得に関しては、「家庭でのコンスタントなインプット」が欠かせません。この点は『パルキッズ』を使用する限りにおいて、地方は都市部に対して何のハンディキャップも持っていないのです。
 また、都市部でも「とりあえず英語派」あるいは「やってはいるけど中間層」の割合が75%、あるいは都市部全体では95%までが、この中間層以下を占めていることから、地方にいながらにしても十分に都市部の子どもたちと張り合えることも分かりました。

 さて、今回はこの春実施された2回のアンケート調査をもとに、「社会」と「子育て」の間にどんと鎮座する「英語」に関しての「思考実験」を行ってきたわけですが、いかがでしたでしょうか。

 こんな現状を踏まえつつ、淡々と英語育児に邁進するひとつの勇気づけとなれば幸いです。



【編集後記】

今回の記事をご覧になった方におすすめの記事をご紹介いたします。ぜひ下記の記事も併せてご覧ください。
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夢を叶える親の心得
英検に合格出来ない理由
パルキッズで育つ子の英語力の本当のところ
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英語が身に付く人とそうでない人の決定的な違い

【注目書籍】『子どもの英語「超効率」勉強法』(かんき出版)

特集イメージ9 児童英語研究所・所長、船津洋が書き下ろした『子どもの英語「超効率」勉強法』(かんき出版)でご紹介しているパルキッズプログラムは、誕生してから30年、10万組の親子が実践し成果を出してきた「超効率」勉強法です。書籍でご紹介しているメソッドと教材で、私たちと一緒にお子様をバイリンガルに育てましょう。


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プロフィール

船津 洋(Funatsu Hiroshi)

1965年生まれ。東京都出身。株式会社児童英語研究所・代表取締役。上智大学外国語学部英語学科卒業。実用英語技能検定1級取得。30年以上に渡る幼児教室・英語教室での教務を通じて幼児の発達研究に携わるかたわら、「パルキッズ」などの英語教材を始めとした幼児向け教材を多数開発。また、全国の幼児・児童を持つ親に対して9万件以上のバイリンガル教育指導を行う。講演にも定評があり、全国各地で英語教育メソッドを広めている。著書に20万部のベストセラーを記録した『たった80単語「読むだけで」英語脳になる本』(三笠書房)をはじめ『どんな子でもバイリンガルに育つ魔法のメソッド』(総合法令出版)『ローマ字で読むな!』(フォレスト出版)『英語の絶対音感トレーニング』(フォレスト出版)など多数ある。

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