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2020年11月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.113 | 英語教育のゴールとは?

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
https://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal-2011
船津徹「英語教育のゴールとは?」(株式会社 児童英語研究所、2020年)


 子どもの英語教育でまず考えなければならないのが「ゴール設定」です。二カ国語を完璧に操るバイリンガルに育てるのと、日本国内で英語力トップを目指すのでは、学習をスタートする年齢も、整える環境も、かかる経費も、かかる時間も、子どもの努力も変わってきます。


CEFR B2レベルを達成すれば日本のトップ1%以上

 私の経験から申し上げますと、日本で「完璧なバイリンガル」を育てるのはかなりハードルが高いです。完璧なバイリンガルとは、私の定義では、

二つの言語で自信を持って会話や議論ができ
二つの言語で学年相当の授業についていくことができ
二つの文化的な違いに対応できる人です。

 これらの条件を満たすには、インターナショナルスクールに通い学習英語力と欧米的思考技術(ロジカルシンキング・クリティカルシンキング)を鍛えると同時に、日本語力も日本の子どもたちと同じように教科学習を通して学年レベルを維持していかなければなりません。
 子ども生活の大半を言語学習に割くことになり、スポーツや音楽やアートなど、人間形成に欠かせない「勉強以外のスキルの習得」に取り組む時間的な余裕がなくなってしまいます。
 では「完璧なバイリンガル」までは求めないとして、日本国内でトップレベルになるために必要な英語力はどの程度かと言うと、その答えが「CEFR B2レベル」です。具体的には次のとおりです。

・英検準1級
・TOEFL iBT 72
・IELTS(アカデミック)5.5
・GTEC CBT 1190
・TEAP(4技能)309

 ケンブリッジ大学英語検定機構によると「CEFR B2レベル」とは「自立した言語使用者」のことで、

・自分の専門分野の技術的な議論も含めて抽象的な話題でも複雑な文章の主要な内容を理解できる。
・母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。
・幅広い話題について明確で詳細な文章を作ることができる、レベルです。

これが実現できれば、日本では「立派なバイリンガル」と言えるのではないでしょうか。

出典:文部科学省(平成30年3月)


「CEFR B2レベル」を達成する方法 その1

特集イメージ1 「CEFR B2レベル」を達成する方法は大きく2つあります。
 1つは中学〜高校時代に英語圏に1年間留学する方法。そして2つ目は、幼児期〜小学生に英語のリーディング力を身につける方法です。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
 学校で英語学習に真面目に取り組み、中学〜高校時代に英語圏(日本人が少ない場所)に最低1年間留学すれば、帰国後は「CEFR B2レベル」を達成できる上、国際感覚と自信が身につきますから、人間的に一回り成長することができます。
 中学〜高校時代の留学は大学受験に不利になるのでは? という心配がありますが、英語の比重が高まる日本の大学受験ではむしろ有利になります。さらに留学によって「英語が話せる」ようになれば、大学卒業後にキャリアを形成していく時に大きな「強み」となります。
 長い目で子どもの人生を考えれば、中学〜高校時代の留学は、デメリットよりもメリットの方がはるかに大きいのです。
 「CEFR B2レベル」を留学で実現するためには、留学前に英検2級レベルを有していることが理想です。もちろんそれ以下、たとえば留学前に英検3級だった子どもが、1年間の留学後に英検準1級に合格するケースはあります。
 しかし留学生活をよりポジティブな経験にするには、英検2級を有しておくことが望ましいと言えます。英検2級レベルで留学すれば、留学先での学校適応がスムーズに進みますから、短期間で英語力の飛躍的な上達が期待できるのです。
 中学〜高校時代の留学の良さは、ティーンという多感な時期であるが故、異文化の同年代の仲間と信頼関係を築けることです。進学、将来の夢、異性関係、親子関係、友だち関係、このような悩みや葛藤を、言葉や文化の壁を越えて語り合う経験が子どもの人間形成にとって悪いはずがありません。
 留学を成功させるには、英検2級レベルの英語力に加えて「コミュニケーション力」を育てておくことがポイントです。コミュニケーション力が高い子ほど、すぐに異文化適応できますから、留学生活を楽しく、実り多い経験にすることができます。


「CEFR B2レベル」を達成する方法 その2

 「CEFR B2レベル」を達成する方法、二つ目は「リーディング力を獲得する」です。留学は難しいという場合「英語のリーディング力を獲得する」ことを目標にしてください。
 日本で「CEFR B2レベル」を達成するには、英語の本がスラスラ読めて、同時に内容を理解できる力、すなわち「英語のリーディング力」を獲得する以外に有効な方法が見当たりません。英語の本が読めるようになれば、子どもは読書を通して自学自習で英語力をいくらでも向上させていくことができます。
 と言っても、ただ英語の本を与えておいてもスラスラ読めるようになりません。英語のリーディング力を獲得するには「正しい順序と方法で」英語の文字学習を行う必要があります。日本の子どもが小学校で「かな五十音」から日本語の読み書きを習うように、英語の文字学習にも正しい順序があるのです。
 子どもが最もスムーズにリーディング力を身につけていく順序は、

「フォニックス」→「サイトワーズ」→「リーディングフルエンシー」です。

 これは英語圏の初等教育で行なわれている指導法であり、英語を第二言語で学ぶ子どもにとって最も「確実で」「効果が高い」方法です。英語の文字読みを適切な順序で指導することで、短期間で英語の本を読む力を育てることができます。
 フォニックスは英語の「ひらがな」に該当するもので、単語を一文字ずつ発音していきます。たとえば「cat」を「ク」「ア」「ト」と読みます。フォニックスのメリットは「正しい発音で未知の単語を読めるようになる」ことです。
 サイトワーズは英語の頻出単語のことで、よく使われる単語を、よく使われる順に覚えていきます。サイトワーズは英語の「漢字」に該当するもので「cat」を「キャット」と単語単位で丸ごと読めるように指導します。


どうフォニックスとサイトワーズを教えるのか?

 フォニックスはアルファベット26文字の「音」を教えることからスタートします。次に三文字単語(cat, hat)、四文字単語(clap, trap)と、綴りのパターン単位で読み方を教えていくと、すぐに短い単語が読めるようになります。
 フォニックスで3〜4文字単語が読めるようになったら頻出単語であるサイトワーズを並行して指導します。まずは「Dolch Sight Words」と呼ばれる220単語のリストを全て覚えることを目標にします。このリストはインターネットで入手できますので、プリントアウトして子どもの目に入る場所に貼っておきましょう。
 またYouTubeで「phonics」「sight words」と検索すればたくさんの動画が見つかります。これらを活用して英語の文字に親しませましょう。フォニックスチャートは私のブログ(船津徹の世界標準の子育て)からも無料ダウンロードできますのでご活用ください。【ameblo.jp/tlcforkids】
 フォニックスとサイトワーズを覚えると簡単で短い本が読めるようになります。と言ってもまだ単語を一つ一つ拾い読んでいる状態であり、内容理解が伴いません。拾い読みからスラスラ読みへと移行するプロセスが英語のリーディング力を身につける一番の壁です。これを乗り越えることができれば英語が身につき、ここで挫折すると英語力が伸び悩みます。


リーディングフルエンシーは「多読」で乗り越える!

 アメリカの子どもたちは小学1年生になると毎日20〜30分の読書をします。「簡単な本を多読すること」で活字に対する抵抗感を取り除き、リーディングフルエンシーを身につけさせることが目的です。
 読書練習が足りないと、正しいリズムやイントネーションでセンテンスが読めず、読書スピードが向上せず、読解力が伴いません。がんばって本を読んでも内容がさっぱり分からない。これでは本の楽しさを味わえませんし、学習意欲が低下してしまいます。
 日本では子どもに「多読」をさせることは一般的ではないかもしれません。しかし「多読」なしでリーディングフルエンシーは身につきません。いわば子どもが英語を身につけるために「避けては通れない道」なのです。
 多読をする時は「簡単で短い本」を大量に与えてください。子どもを本嫌いにする最大の原因が「難しすぎる本」「長すぎる本」を読ませることです。多くの親が、子どもが少し読めるようになるとたちまち難易度を上げてしまいます。
 最初は1ページに1〜2行、全部で16〜32ページ程度の短い本をたくさん読ませてください。「簡単!」と子どもが思えるくらいの内容が丁度良いレベルです。簡単な本を大量に読むことで単語のかたまり(フレーズ単位)で読めるようになり、読書スピードが少しずつ向上していきます。
 もう一つ多読で注意してもらいたいのが「内容理解を確認すること」です。子どもが本を読み終えた時「どんなお話だったのか教えて」「この単語はどんな意味?」と本の内容を日本語で説明させようとする行為です。
 そもそも子どもは英語を日本語に訳そうと思って読んでいません。子どもは英語を英語のまま理解できるのです。英語を日本語に置き換える習慣がつくと、読書スピードが遅くなるので注意してください。


ハワイイメージ1【編集部より】
船津徹先生の新著『失敗に負けない「強い心」が身につく 世界標準の自己肯定感の育て方』(KADOKAWA)全国書店にて発売中。困難に負けない「心の強い子」の育て方を詳しく紹介する一冊です。ポストコロナを生き抜くたくましい子どもを育てる知恵が満載です。ぜひご一読ください。▶︎詳細・お申し込みはこちらをクリック


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プロフィール

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2011年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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