Vol.034 | アメリカの英語教育 その2
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引用・転載元:
https://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal/1404hj/
船津 徹(Funatsu Toru)『Vol.034 | アメリカの英語教育 その2』(株式会社 児童英語研究所、2014年)
アメリカの学校で行なわれている英語指導についてお話します。小学校の英語指導の柱は「リーディング力の育成」です。アメリカの子どもたちは日本の小学生とは比べ物にならないほど、たくさんの本を読みます(読まされます)。というのも、アメリカでは、子どもの英語力全体を向上させる近道がリーディング力の育成であることが広く認識されているからです。
子どもが小学校に入ると、まず「フォニックス」文字の読み書きを習います。フォニックスは日本語の「ひらがな」であり、文字と音の関係を教えるものです。フォニックスを覚えると、単語が正しい発音で読めるようになります。ただ、フォニックスで読める単語は全単語の70%と言われています。
フォニックスのルールに当てはまらない単語を指導する方法が「サイトワーズ」です。「the」「to」「you」「are」「he」「she」など、重要単語であるにも関わらず、フォニックスでは読むことができません。そこで、フォニックスとは別にサイトワーズを指導するわけです。サイトワーズは日本語の「漢字」であり、書き取りやスペルテストによって読み書きを覚えていきます。
サイトワーズが読書力育成のカギ
日本語のひらがなと漢字を覚えれば、文字や漢字を読めるようになります。でも、文字と漢字がつながって文章になると、大抵の子どもがスムーズに読めなくなってしまいます。原因は文字をひとつずつ読む「拾い読み」をするからです。文字をロボットのように音声化しているだけで、読んでも意味が通じません。
これと同じことが、英語のリーディングでも起こります。フォニックスとサイトワーズを覚えると多くの単語が読めるようになります。でも単語単位で読めても、単語がつながって文章になるとスムーズに読めなくなってしまうのです。
拾い読みから流暢な読みへとステップアップすることが英語のリーディング習得の最初の壁です。いくらたくさんの単語を知っていても、文章がスラスラと読めなければ、読書をしても大きな学習効果は期待できません。
この壁を乗り越える答えが「サイトワーズ」です。サイトワーズはその名の通り、よく見る単語であり、一目で読めなければならない単語です。例えば「the cat in the hat」というフレーズの中で「the」と「in」はサイトワーズですから、瞬時に読めなければなりません。これらを拾って読んでいるうちは、読みの流暢さは伴いません。
サイトワーズはあまりにも基本的な単語であるため、日本の英語教育では過小評価されています。しかし、サイトワーズ300単語が「全英文の約70%」を構成するという事実に目を向けなければなりません。つまり、300単語のサイトワーズを練習すれば、どんな英文でも70%は読めるはずなのです。
サイトワーズをマスターすれば英語は読める
YMCAやKamaaina Kidsが主催するサマーファンはローカルの子どもたちに大人気です。ハワイのビーチや水族館などを訪れて様々なアクティビティーを行う、子どもたちの交流を目的としたプログラムです。
もちろん遊びだけでなく、動植物と触れ合ったり、ハワイの歴史や文化を体験したり、ウォータースポーツをしたりと、盛りだくさんな内容です。サマーファンは一般に開放されており、ハワイはもちろん世界中の子どもたちと知り合うことができます。参加年齢は5歳から、期間は最低1週間からです。
サマーファンはアクティビティー中心なので高い英語力は必要ありません。でも最低限のサバイバル英会話(挨拶、トイレに行きたい、水が飲みたい)は知っていなければなりません。
市営・州営施設の教育プログラム
アメリカの学校で最も一般的に使われているサイトワーズリストが「Dolch Sight Words」と呼ばれる220単語です。このリストは子ども用に作られており、文字数が少ない頻出語で構成されています。リストはインターネットで簡単に入手できますから、単語カードを作って練習してください。
もう一つ、小学校でよく使われるのが、「Dr. Fry’s Instant Words」と呼ばれる1000単語です。「Dolch Sight Words」と「Dr. Fryの1000単語」をしっかり練習することで、全英文の90%が読めるようになると言われています。
英語教育を成功させる秘訣はリーディング力の育成です。そして、リーディング力を支えている柱が「フォニックス」と「サイトワーズ」なのです。
