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2025年11月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.172 | 英会話は経験、リーディングは技術

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
https://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal-2511
船津徹「英会話は経験、リーディングは技術」(株式会社 児童英語研究所、2025年)


 多くの家庭が「英語をペラペラ話せるようになってほしい!」と願い、子どもを英会話教室や英語スクールに通わせます。しかし大抵の子どもが「カタコトの英会話」すら満足に身につかないまま小学生になり、学校の勉強や他の習い事で忙しくなり、英語から遠ざかってしまいます。
 また外国人の子どもが在籍するインターナショナルプリスクールやキンダーガーテンに通わせて、子どもが「初歩の英会話」を身につけたとしても、日本の小学校に通い始めると英語を使う機会は激減し、英会話力はあっという間に弱ってしまいます。
これは帰国生でも同じです。英語圏で幼少期を過ごし、英語ペラペラに育った6歳児が、日本に帰国して日本の小学校に通い始めると、あっという間に英語を忘れてしまうという現象が起こります。
 しかしその一方で、同じ帰国生でも、英語圏の「小学校」に数年間以上通っていた子どもは、日本に帰国して英語をまったく話さなくなっても英語力が極端に落ちることがないのです。
 この「差」はどこから生じるかと言うと、子どもが身につけた「リーディング力」の違いです。会話力は使わなければ短期間で衰えますが、リーディング力は一度身につけた技能が簡単に失われる心配はないのです。


英語は「技術」であり学習で身につく!

 フランスの神経科学者スタニスラス・ドゥアンヌ(Dehaene)は、話す力は「自然に身につく」のに対し、読む力(リーディング)は脳の中に新しい神経回路をつくる「文化的な発明」であり、教えられて初めて習得できるものであると指摘しました。
 アメリカの心理学者リネア・エリー(Linnea Ehri)は、子どもがどのように単語を読めるようになるかを調べました。その結果、子どもは単語全体を丸覚えするのではなく、単語を構成する文字をつなげて、段階的に単語全体を読むようになることがわかりました。
 さらに、アメリカ国立読書パネル(National Reading Panel)は、10万件を超えるリーディングに関する研究を詳しく分析し、段階的かつ系統的なフォニックス指導が子どものリーディング力と理解力を高めることを明らかにしました。
 以上の研究が示しているのは、英語のリーディングは段階的な指導を通して身につけられる「技術」であるということです。日本のように日常生活で英語を使う機会がほとんどない環境では、勘や偶然任せの「英会話」で英語力を向上させるのは現実的ではありません。それよりも、英語を「技術」として習得できる「リーディング」に重点を置く方が、はるかに確実な方法なのです。
 リーディングを習得するプロセスで、語彙力・文法力・スピーキング力・リスニング力も同時に伸ばしていくことができます。英語の本には、日常ではあまり耳にしない言葉や表現、ネイティブがよく使うイディオムや自然な言い回し、正確な文法が豊富に含まれています。そのため、リーディングを通して、英語話者が自然に使う表現や語感を効果的に身につけることができるのです。
 また、文脈の中で意味を理解する練習にもなるため、単語やイディオムを単体で覚えるよりもずっと効果的です。リーディングは「英語の技術」を総合的に育てる最も確実な方法であり、日本で育つ子どもが英語ペラペラになるための最短ルートなのです。


リーディング指導のコツ

 リーディング指導は「段階的」「系統的」「継続的」であることが重要です。どれか一つが欠けると、英語の文字に対する抵抗感が残り、英語がスラスラ読めるようにならず、英語の本嫌いになることがあるので注意が必要です。以下に、それぞれのポイントを説明します。

【1】段階的フォニックス指導

 フォニックスは文字と音の関係を教える学習です。日本でも認知されてきましたが、段階的指導を取り入れている教育機関は少数です。段階的とは、子どもが無理なく読みを習得していけるように、「単純→複雑」の順に、小さなステップに分けて文字と音の対応を「丁寧に」教えることを意味します。具体的なステップは以下の通りです:

1.アルファベット26文字の音
2.短母音ワードファミリー(3-4文字単語)
3.長母音ワードファミリー(4-5文字単語)
4.子音ブレンド(連続子音)
5.ダイグラフ
6.二重母音・R母音
7.特殊な綴り

 上記のように段階的にフォニックスを教えることで、どの子も少しずつ文字が読めるようになり、短い単語から長い単語と、読める単語が増えていきます。初歩のフォニックス指導が不足すると未知の単語に出会った時に「音声化」がうまくできず、(音声的に)知っている単語であっても理解が伴いません。音声化の流ちょうさは「理解力」と直結しますから、「読めない=わからない」となってしまうのです。
「音」から「文字」への移行をスムーズにするためには、段階的かつ丁寧にフォニックスを指導することが大切です。上記のようにフォニックスはアルファベット26文字が読めるようになれば終わり!ではありません。アルファベットは入り口のステップです。そこから3文字単語、4文字単語と少しずつ長い単語が読めるように「段階的に」教えていくことが大切です。

【2】系統的なリーディング指導

 フォニックスは「文字と音の関係」を学ぶ学習です。文字をつなげて単語を読むため「流ちょうさ」が育ちにくいという欠点があります。これを補うためには「サイトワーズ」や「頻出センテンス」などを含めた「系統的な指導」が必要となります。
「系統的」とは、単なる順序立てではなく、下位スキルを段階的に統合し、「単語→センテンス→本読み」までの技能習得をスムーズにする指導を指します。たとえば「cat, hat, sat, mat」という「CVC単語」の読み方をフォニックスで教えます。同時に「the, in, on」などのサイトワーズ(頻出単語)を指導します。すると、どの子も「The cat in the hat sat on the mat.」というセンテンスが読めるようになります。
 このように「系統的なリーディング指導」を導入することで、「読む力」の育成を、誰もが到達可能な「技術」として実現することができます。
 ここで「サイトワーズ」について少し説明します。サイトワーズとは英語の頻出単語のことです。英語はよく使われる単語が明快な言語です。高頻度で英語の文章に現れる単語から順に学習していくことで、子どもは効率的に読む力を伸ばしていくことができます。
 サイトワーズには「the, they, come, was, your」など、フォニックスのルールでは正確に読めない単語が多く含まれています。サイトワーズは分解して読み方を教えるのではなく、視覚的に瞬時に認識できるように訓練することが大切です。高頻度語を即座に読めるよう指導することは、系統的な指導の中核となる重要なプロセスです。
 サイトワーズにはいくつか異なるリストがありますが、お勧めは「ドルチサイトワーズ」と呼ばれる220語のリスト、そして、「フライインスタントワーズ」と呼ばれる1000語のリストです。これらをフォニックスと並行して指導することで、効果的に読む力を育成することができます。
 サイトワーズとフォニックスを組み合わせた読みの練習を取り入れることで「単語からセンテンスへ」読む力をスキルアップできます。そこから先は単語数や文法が制限されて書かれている「リーダーズの多読」というプロセスを経て「系統的リーディング指導」が完結していきます。
 ざっくりですが、「フォニックス・サイトワーズ・センテンス」という3つの指導を系統的に行うことで、どの子も技術として読む力を伸ばしていくことができます。

【3】継続的な指導

「継続的な指導」の重要性は、主に子どもの心理学的側面から説明できます。新しい文字に触れる初期段階で、子どもは不安や挫折感を抱きやすく「読めない=自分には無理かもしれない」という心理が生じます。自己効力感が低い子どもは読書活動そのものを避ける傾向があり、結果として語彙・文法・読解力の発達も阻害される。(Bandura)という研究からも、継続的な指導を通して、文字に対する抵抗感を少なくすることが重要となります。
 継続的な指導により、子どもは「自分でも読める」「英語がわかる」という感覚を繰り返し経験することができます。この経験は、英語に対する心理的抵抗感を減少させるとともに、学習意欲の向上に直結していきます。この時に重要なのが「小さな成功体験」を周囲がポジティブにほめてあげること。毎日英語に触れること、英語を読むこと自体が成功体験となることで、自己効力感が高まり、英語力全体の技術習得が促進されます。


アメリカのScience of Readingとは

 近年、アメリカの教育現場では「科学的リーディング/Science of Reading」と呼ばれるリーディング指導が急速に拡大しています。科学的リーディングは、神経科学、心理学、教育学の知見に基づき、「フォニックス・サイトワーズ・フルエンシーの段階的な指導」を推薦する教育ムーブメントです。
 全米40州において科学的リーディングに基づいたカリキュラムが法制化され、初等教育において実践されています。科学的リーディングは、英語のリーディング力は、個人の才能に依存するのではなく、誰もが到達可能な「技術」として体系化できることを強調しています。
 日本の子どもたちにとっても、アメリカで急拡大する「科学的リーディング」の手法を取り入れ、段階的・系統的・継続的なリーディング指導を行うことは、実用的な英語力を身につける有効な手段です。リーディング力の育成にフォーカスすることで、英語の四技能が総合的に向上し、日本で暮らしながら高度な英語力を実現することができます。


科学的リーディングを実践できるオンライン教材

 私が開発したTLCフォニックスは、「毎日5分の動画レッスン」で「リーディング力」を育成するオンライン教材です。科学的リーディングが提唱する指導をカリキュラムに織り込み、「フォニックス・サイトワーズ・フルエンシー」を段階的、系統的に学習できます。すでに多くの卒業生が、小中高生のうちに「CEFR B2レベル」の高度な英語力を獲得し、グローバルに活躍しています。英語は「一生使える武器」です。わが子に何か一つ「強み」をつけたい!という方は、無料トライアルにお申し込みください。


「強み」を生み出すノウハウを解説する本

 拙著【強みを生み出す育て方】は、強みの見つけ方・伸ばし方を、科学的エビデンスをベースに、家庭で簡単に行える35の具体的なメソッドに落とし込んだ1冊です。「この世に強みのない子など、いない。すべての子が“強みの芽”を持って生まれている!だからこそ、1人1人に合った“強み育て”が大切だ」。これが、本書でお伝えしたいことです。
 前半では、わが子が生まれながらに持つ「気質5タイプ」「才能5タイプ」と「ピッタリの習い事」を判定し「強みの芽」を見極めます。さらに、全タイプの強み育てにおいて不可欠な「やる気の引き出し方」「学業と習い事の両立方法」について具体的ノウハウを体系化しています。
 幼児から小学生のお子さんを育てている方、子どもの「強み」がわからない、どんな習い事が向いているのかわからない、何が得意なのかわからないという方におすすめです!ぜひご一読ください。

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プロフィール

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2511年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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