Vol.083 | 日本国内で英語を身につける方法
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引用・転載元:
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船津 徹(Funatsu Toru)『Vol.083 | 日本国内で英語を身につける方法』(株式会社 児童英語研究所、2018年)
海外留学をせず、インターナショナルスクールに通わず、なるべくお金をかけず、日本で日本の学校に通いながら実用的な英語力を獲得するには、英語の本をスラスラと読み、理解する力、すなわち「英語のリーディング力」を身につけることが必要です。
英語の本が読めれば英語は身につく
英語の本がスラスラと読めるようになれば、読書を通して語彙力、文法力、表現力、構文力の全てが上達するのです。もちろんリスニング力やスピーキング力を育てるのもリーディング力です。英語の本が読めるようになれば、英語はかならず身につくのです!
読書ではスピーキングやリスニングは育たないのでは?と疑問に感じた方がいると思います。そんなことはありません。読書をする時、子どもは頭の中で英語を発音しています。さらに自分で発音した英語を聞いていますから、スピーキングもリスニングも上達するのです。
子ども向けの英語の本には会話文が多く含まれます。子ども同士の会話であったり、子どもとお母さんとの会話だったり、子どもと学校の先生との会話だったり、様々なシチュエーションで行なわれる生きた英会話に読書を通して触れることができるのです。アリとキリギリスで体験してみましょう。
キリ: What a fine day! I have nothing to do but sing and play.
アリ: Don’t you ever work?
キリ: Of course not! Do you want to play with me?
アリ: No, I’m very busy right now.
キリ: Work, work, work! Don’t you have time to play with me?
アリ: No, I don’t.
キリ: Why are you in such a hurry?
アリ: I have to store food for the winter.
キリ: How can you think about winter on such a fine day?
アリ: Because the winter will be here soon and food will be hard to find.
キリ: I don’t want to worry about winter now! You just go ahead and work!
アリ: Soon, you will not have enough food to eat.
キリ: I have plenty of food right now.
アリ: And what about tomorrow?
キリ: I don’t worry about tomorrow.
アリ: I do. Good-bye.
リーディング力獲得までの期間は?
英語の本を読む前提として、英文をスラスラ読めるようにすることが必要です。アルファベット26文字の正しい発音を覚え、頻出単語の読み方を覚え、フレーズの読み方を覚えて、ようやく短い文章が読めるようになります。アルファベットからスタートして簡単な英語の本が(何とか)読めるようになるまでに、小学校以下の子どもの場合、3年かかります。
しかし、多くの子どもがこの段階では拾い読みをしています。英文がスラスラとストレスなく早いスピード読めるようにする(フルエンシーと呼ぶ)には、さらに、毎日30分の読書を最低2年間続けることが必要です。30分程度で読み終えることができる短い本を多読することで、英語の活字に対する抵抗感を取り除き、英文を初見でスラスラ読めるフルエンシーが身につきます。
英語の本が拾い読みできるまでに3年、さらにフルエンシーを身につけるのに2年。英語のリーディング力を獲得するには「最低でも5年」かかります。それだけの時間と労力を英語学習にかけるのはやり過ぎではないか?と感じる人もいるかもしれません。しかし、英語圏で暮らすバイリンガルの子どもたちは誰もがこのプロセスを乗り越えてきているのです。
トロント大学のジム・カミンズ博士は、英語を母語としない子どもが学習言語力(英語の読み書き力)を獲得するには5年〜7年かかるという調査結果を発表しています。英語圏の学校に通っている子どもでも満足なリーディング力を身につけるには最低5年必要なのです。
難しすぎる本を与えてはいけない!
子どものリーディング力指導で失敗する原因は「難しすぎる本」を与えることです。多くの親が子どもが少し読めるようになるとすぐに本の難易度を上げてしまいます。英語のリーディング力を育てるには、簡単に読める本を大量に読ませることが必要です。「できる!」「読める!」「面白い!」という達成感が伴わなければ子どもは英語の本を読まなくなってしまいます。
30分程度で読み終える短い本を100冊も読めば英語の活字に対する抵抗感がなくなり、大抵の本であれば初見でスラスラ読めるようになります。それまでは、ひたすら「簡単で短い本」を与えることを心がけてください。
もう一つリーディング失敗する原因が「理解を確認すること」です。子どもが本を読み終えても「何が書いてあったのか説明して」「この単語はどんな意味」と日本語で説明させてはいけません。子どもの英語教育は、英語を英語のまま理解させることが原則です。そもそも子どもは日本語に訳そうと思って読んでいませんから「日本語で説明して!」と言われても困ってしまうのです。
日本語に訳さずにどうやって理解するのだ?と疑問が湧きますね。基本的な単語についてはピクチャーディクショナリーと呼ばれる、イラストや写真がついた辞書を活用してください。ちなみにアメリカの子どもたちがよく使うのは、「Scholastic Children's Dictionary」や「Merriam-Webster Children's Dictionary」です。基本単語の意味が分かれば、それをつなげて全体の意味が何となくイメージできるようになります。
また英語のアニメや絵本などのメディアを活用すると、英語を英語で理解する補助になります。最近はYouTubeでたくさんの子ども向けのアニメや教育番組を見ることができますからぜひ活用してください!
