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2010年12月号特集

Vol.153 | 「英語の身につけ方」は大人も子どもも一緒?

written by 船津 洋(Hiroshi Funatsu)


| なぜ私たちは英語が出来ないのか?

特集イメージ1 日本人は英語が苦手ですが、なぜこれほどにも出来ないのでしょうか?受験英語ではしっかりと文法を教わり、語彙もたっぷり持ち合わせています。そして、その知識を用いれば英文を日本語に訳したり、日本語を英語に訳したりしつつ、英語でコミュニケートできるはずです。
 しかし、語彙をどんどん増やしていって、例えばTOEICで800点ほどの高得点を上げられるようになった人たちでも、いざ話をするとなると、少し変な英語になってしまうことが多いのです。受験英語の延長線で、学習を進めれば、語彙は増やせるし、文法博士にもなれるけれども、結局実際の運用となると、ネイティブの幼稚園児にも敵いません。
 不思議ですよね。


| 幼児も大人も原理は同じ

特集イメージ2 私事ですが、ここのところ、「大人の英語教育」を深く考える機会に恵まれています。今春に出版した『たった80単語!読むだけで英語脳になる本』は出版から半年あまりで8刷りになりましたし、11月に出版されたばかりの「ローマ字で読むな」もアマゾンで発売1週間にしてなんとあの「シリコンスチームなべつきレシピ」を抑えて総合1位を獲得するに至りました。ひとえに読者の皆様方のおかげです。ありがとうございます。
 さて、このように大人向けの英語学習書を書くのに当たって、長年にわたり携わってきた、幼児や小学生向けの英語教育の体験がとても役立ちました。大人も幼児が英語を身につける過程を参考にすれば、英語を身につけられることも極めて具体的になりました。
 といっても、誤解しないでください。幼児と同じ手法は大人には通用しませんので、お子さまにかけ流しているCDを聞き続けても、大人は英語を身につけることは出来ません。あくまでも「幼児に英語を獲得させるために必要な段階」を大人も踏めばよいのであって、入力インターフェイス(方法論)は幼児と大人では全く異なるのです。
 大人の英語修得の考察を進める中で、色々な発見がありました。幼児英語から得られた体験が、大人の英語学習に貢献したのですから、今度は大人の英語学習から得られた論理を、幼児の英語教育へ役立たせる番ですね。


| 幼児にはかけ流し

特集イメージ3 幼児達になぜ「CDのかけ流し」をするのでしょうか。
 これは、講演や当誌紙面上、または拙著やブログなどで繰り返し触れていますが、CDをかけ流すと「どうなるか」ではなく、そもそも言語を身につけるために「何が必要なのか」を知れば、幼児の場合の働きかけは、自ずと「CDのかけ流し」にたどり着くのです。そのあたりを簡単に見て参りましょう。
 少し視点を外して、幼児ではなく「大人がなぜ英語が出来ないのか」に焦点を合わせるとくっきりと見えてきます。
 私たち大人は英語を読めますし、日本語訳も知っています。でも、英語の本を読むと、いくら訳しても分からない文章がたくさんあるのです。例えば、 “I’m up for the game. Let me in on it.” この文章。とても簡単な単語ばかりで成り立っています。すべて中学1年生で習った単語です。これは言い換えると “I want to play the game. Let me join in.” こうなります。これならば「ゲームに参加したいから、仲間に入れて」と言っているのが分かりますよね。


| 重要なのは「スモールワード」

特集イメージ4 英語では上記のような表現が非常に多く使われるのです。こうした文章の特徴は「スモールワード」と呼ばれる基本的な単語、短くて使用頻度の高い単語を組み合わせて、色々な意味を産み出していることです。例えば ‘eliminate’と言わずに ‘do away with’ と言う。 ‘proceed’ と言わずに ‘get along’と言う、 ‘succeed’ と言わずに ‘come though’と言う、などなど。このように、いわゆる難しい単語、長い単語=ビッグワード(前者)を、スモールワードの組み合わせ(後者)で表現することが、極めて頻繁に行われるのです。
 しかし、受験英語のアカデミックな世界では、これら簡単な単語の組み合わせで色々な意味を表現する方法は、卑しまれているのかどうなのか、あまり教わりません。それよりも、ひと言でズバリ言い表す「ビッグワード」をたくさん覚える方が尊重されます。
 また、「ビッグワード」は価値(定義)が狭く、日本語と一対一で合致することが多いのに対して、この「スモールワード」は価値(定義)が幅広く、日本語訳がひとつどころか数十も付けられています。そして、価値の幅が広いからこそ、組み合わせによって色々なニュアンスを産み出すのです。
 しかし、これら「スモールワード」。例えば、in, on, to, at, for, up…などの前置詞や、have, get, go, come, take, give, see, run…をはじめとする動詞には、数十の日本語訳が付けられているにも関わらず、学校では1つか2つの訳とペアで覚えて「はい、おしまい」なのです。
 実際の英語の会話では、ビッグワードよりもスモールワードの方が遥かに使用頻度が高いのですが、それら重要なスモールワードの学習を、私たちはあまりしてきていないのです。


| 「スモールワード」を身につけるために

特集イメージ3 私たちが英文を読めるのに、なぜ英語を理解できないのか分かりますね。単語を知らないからではありません。聞き取れないからでもありません。原因は意外や意外、こんな身近な単語たち、「スモールワード」の学習をさぼったことにあったのです。
 原因が分かれば、処方も分かります。私たち大人が英語を身につけたいと思えば、スモールワードをもう一度やり直せばよいのです。
 ただ、この方法がとても重要です。スモールワードには語義(日本語訳)がたくさんあります。その語義を丸暗記すればよいわけではありません。そもそも、ひとつの単語につき50も100も日本語訳が付いているのです。そんなスモールワードを数百覚えるとなると大事です。
 実は、このスモールワード、アメリカ人や英語に堪能な日本人は、語義(日本語訳)の集合体ではなく価値そのもので身につけているのです。例えば、runなら「物や概念が比較的速い速度で滑らかに移動する」様子を表します。そして、「ある人」が主語になれば「走る」という語義になりますし、「川」が主語ならば「流れる」となり、目的語が「報告書」となれば、「サッと目を通す」との語義になるのです。
 このようにスモールワードを語義でなく価値で覚えることによって、単語が組み合わさって文章になった時に、最適な語義を導き出すことが出来るようになるのです。
 「語義(日本語訳)」ではなく、「価値(単語の定義)」でスモールワードを覚えることが大切なのです。


| 「価値」で身につけるには?

特集イメージ3  さて、スモールワードを価値で身につける。どうすればよいのでしょうか。
 英英辞書をひくのもひとつの方法です。英英辞書には単語の定義が載っていることがあります。定義は単語の価値のような物ですから、その意味では有効です。しかし、そもそも英英辞書を読みこなすだけの英語力がないわけですから、辞書を読んでみても、結局定義文に登場する単語を語義にして、日本語に訳して理解していく、というトンチンカンなことになります。
 そもそも単語の価値とは、単語の持つ雰囲気の様なものなので、雰囲気で覚えていくのが自然なのです。
 基本的な英語を理解するために必要な語彙数は、わずか1000~2000語です。しかも、名詞や代名詞、形容詞や副詞などはスモールワードでありながら、価値が狭いのです。例えば色や形、数、月、曜日、物質、自然物などは、日本語とほぼ一対一で対応しているので、誤解の余地がありません。
 すると、学習しなくてはいけない、価値の幅の広いスモールワードはわずか数百しかないのです。しかもほとんどは中学の1、2年で習う単語ばかりです。
 そして、スモールワードを身につけるには、それらの単語に毎回異なった文脈で触れ続けることが大切なのです。ひとつの単語にひとつの例文ではなく、ひとつの単語を数百もの異なった文中で目にし続けることが大切なのです。


| 音読

特集イメージ3 ここで、「音読」という極めてありふれた言葉が登場します。そして、この「音読」がスモールワード獲得のための、大人達に残された、唯一の方法なのです。大量の異なった英文を脳にインプットし続けるためには、大人には音読しか道がないのです。理由は簡単です。英語を聞き取れない大人は、耳からのインプットが不可能なのですから。
 さて、「音読」ですが、難しい本を音読するのではいけません。知っている単語ばかりが登場する本を音読するのです。中学レベルの1000語から2000語までで書かれている本をとにかく音読します。ここで重要なのは、日本の英語の教科書ではないこと。
 教科書は、日本の英語教育システムで必須とされている内容を盛り込みつつ、作られています。自然な読み物ではないのです。
 自然な会話や読み物ならば、いきなり過去形や、完了形、仮定法などが無造作に出てきます。使用する語彙は少なくとも、文法的に(日本の英語教育業界では)高度と考えられている表現もいきなりたくさん出てきます。音読には、このような自然な文章が適しています。
 さて、これらを読み進める際に重要なことは、日本語に訳さないことです。日本語訳が浮かんだら打ち消します。分からない表現が出てきても、日本語に訳さないのが大前提ですから、辞書はひいてはいけません。
 このように日本語を打ち消しながら、速いスピードで繰り返し読みます。すると英語のリズムが分かってきます。それと同時に、スモールワードの持つ独特の雰囲気が何となく分かってくるのです。そして、音読を繰り返すうちに、スモールワード達の持つ価値の幅が、頭の中でどんどん広がっていくのです。


| 幼児には音読は出来ない・・・

特集イメージ3 大人が簡単な英文の音読を通してスモールワードを身につけると、結果として「英語を英語のまま理解する」能力を身につけることとなります。スモールワードは単語の雰囲気のようなものです。そして、スモールワードの連続である文章も、雰囲気同士の組み合わせによって醸し出されるイメージに過ぎません。そして、そのイメージを日本語に変換した段階で、日本語訳となるのです。
 私たち日本人は、日本語を目にしたり耳にすると、即座にイメージ化します。
 ご主人なり奥様と、食事に出かけることを想像してください。「今日は晩ご飯お寿司にしようか」ということばを耳にしたら、何をイメージしますか?行きつけの寿司屋の大将の顔が頭に浮かぶ人もいれば、店ののれんが浮かぶ人もいるでしょう。または、好きな寿司ネタや、その味を思い浮かべる方もいるでしょう。これが言語のイメージ化なのです。
 「明日の遠足楽しみだね」とお子さんと会話を交わしたとしましょう。そのときお母さまは、我が子がリュックを背負って友だちと楽しそうにしている姿を思い浮かべているかも知れませんし、明日の弁当作りの段取りのことをイメージしているかも知れません。同時に、子どもたちは、外でお弁当を広げているところをイメージしているかも知れませんし、バスに乗ってみんなと遊んでいるところを想像しているかも知れません。
 このように、同じ1行の文章も受け取る側によって、まちまちのイメージとなります。しかし、大切なのは、言語を耳にした瞬間、または目にした瞬間、何らかの情景が脳裏に浮かぶことなのです。
 そして、スモールワードを身につけることによって、日本語では日常的になされているこの言語のイメージ化を、英語においても出来るようになるのです。英語を日本語というフィルターを通さずに英語のままイメージできるようになるのです。


| 日本語訳から「解放してあげる」こと

特集イメージ3 これは子どもにも大人にも言えることですが、英単語を日本語訳の “くびき” から解放してやることが、英語を自然な形で身につける最良の方法です。同時に、まだ「英単語→日本語訳」の習慣が身についていない子には、そんな変な癖をつけないことですね。
 皆様も、お子さまが英語を理解しているかどうかを確認するために、「appleは英語で何だっけ?」とか「ほら、walkは歩くでしょう」などと声かけしてはいけません。これをすることで、せっかく価値で身につけている英単語を、ほんの一面しか表していない日本語訳で歪めてしまうことになるのです。
 また、英語を英語のまま理解できると言うことは、英語を日本語に訳す技術とは違います。既に触れたように、日本語の文章を耳にすると、十人十色で別のイメージを浮かべます。英語アタマが身につけば英文を耳や目にすれば、その人なりのイメージをします。それで、理解は完結しているのです。
 それを日本語や英語に変換するのは、また別の技術なのです。私たちは受験英語の中でその技術を身につけてきましたが、幼児達はまだそんな芸当は出来ないのです。また、幼児達に特定の英文に関して「どんな意味?」と尋ねることにも意味がありません。
 例えば、 “I like apples” said the mama bear.この文章を指して、「 “I like apples” ってママベアが言っているね。どういう意味か分かる?」と尋ねたとしましょう。これは、子どもたちに日本語の絵本を指さして、「リンゴが好きってお母さんぐまが言っているね。どういう意味か分かる?」と尋ねているのと同じことなのです。
 「今日はレストランでご飯食べようか」というママの言葉を耳にして、好物のハンバーグやパフェを想像している子に、たたみかけて「どういう意味か分かる?」と尋ねているようなものなのです。
 日本語を耳にしたらその情景をイメージできる。これで言語理解は完結です。その文章の意味を説明出来る必要はありません。同様に、英語を目や耳にしたらイメージが浮かぶ。これで英語の理解は完結しています。日本語で説明できる必要はないのです。
 このように、日本語と英語の言語回路はひとつひとつが独立しているもので、お互いを行き来しつつ理解するものではないのです。
 親は親なりに、音読や多読でスモールワードの価値を身につけましょう。同時に子どもはかけ流して、英語の回路を育て行きます。結果として目指しているのは、入力された言語がすぐにイメージ化される回路、日本語ならば日本語アタマ、英語ならば英語アタマを育てることなのです。

 本文でも触れた拙著「たった80単語!読むだけで英語脳になる本」(三笠書房)は今回のテーマである「スモールワードの価値」を身につけるきっかけ作りとして、世に送り出しました。
 お子さまには「パルキッズ」のかけ流しでバイリンガル教育を進めると同時に、親御さんご自身の英語力の見直しに随分お役に立てる本になっています。
 お子さんに単語に意味を尋ねられた時などにも、単語のニュアンスを身振り手振りで伝えられます。
 また、フナヒロドットコムでは、大人の英語学習について有用な情報を提供しています。たとえば今は「スモールワード」の価値の説明やフレーズ集を、毎週ひと単語ずつ配信しています。もちろん無料ですので、是非メルマガ登録してください。


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プロフィール

船津 洋(Funatsu Hiroshi)

株式会社児童英語研究所 代表。幼児英語教材「パルキッズ」をはじめ多数の教材制作・開発を行う。これまでの教務指導件数は6万件を越える。卒業生は難関校に多数合格、中学生で英検1級に合格するなど高い成果を上げている。大人向け英語学習本としてベストセラーとなった『たった80単語!読むだけで英語脳になる本』(三笠書房)など著書多数。

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