Vol.060 | 英会話教室の効果的な活用法

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引用・転載元:
https://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/palkids-juku/1804pj/
小豆澤 宏次(Azukizawa Hirotsugu)『Vol.060 | 英会話教室の効果的な活用法』(株式会社 児童英語研究所、2018年)

英会話教室の効果的な活用法

Vol.060 | 英会話教室の効果的な活用法 セクション1

新年度がスタートしました。みなさんのパルキッズの取り組みは順調ですか?「最近思うように取り組めないなあ」とお感じであれば掲示板でご相談ください。早ければ早いほど取り組みの軌道修正は楽ですからね。

さて、繰り返しお伝えしていることですが、幼児・児童が英語を身につけるにはそれなりに時間がかかります。母語である日本語でも身につけるまでに3年はかかります。外国語である英語であればなおさらです。

その「英語を身につける」、ここでは「成果」と言い換えてもよいでしょう。みなさんはどのような「成果」をお子さまに求めていますか?パルキッズでは「読めるようになる」ことを「成果」と位置づけています。パルキッズのゴールは「英書で読書」です。もちろんその過程として「小学生で英検準2級」という目標もありますが、あくまでも「子ども自身が英語力を上げていくことができる=読書」としています。

一方で英会話信奉が根強い日本では「話す」ことを「成果」と思っていらっしゃる方は少なくありません。ゴールは「英書で読書」とわかっていても、子どもが英語で話すところを見てみたいというのが親の本音ではないでしょうか。

事実、パルキッズの取り組みのご相談やお申込みのご相談でも、「話せるようになりますか?」というご質問を多くいただきます。教務担当の私としては、決して「英会話はダメ!読解力こそ大事!」と乱暴なことは言わないようにしています。なぜなら「英会話教室」に何を求めるのか、ということを明確にして、それをうまく使えばとても有効な「場」になるからです。

そこで今回は「英会話教室」というところにスポットを当てて、「英会話教室」をうまく活用する方法を探ってみましょう。

どのレベルで子どもに話してほしい?

Vol.060 | 英会話教室の効果的な活用法 セクション2

みなさんは「子どもが英語を話せるように」と願っていらっしゃるわけですが、どんな風に英語を話せば満足なのか、具体的にイメージしたことはありますか?「話す」といっても色々あります。挨拶やYES/NO程度の会話も「話す」ですし、国際情勢について意見を交わすことも「話す」です。

親御さんとの会話の中で、「どのレベルでお子さまが英語を話せるようにしてあげたいですか?」と尋ねると、みなさん途端に考え込んでしまいます。ただ、「話してほしい」という思いの背景にあるのは、将来役立つようにという親心からでしょう。仕事や国際交流の場で英語で意見を交わしている、そんな英語力を望んでいらっしゃることは言わずもがなです。

決して3歳児レベルのいわゆる「生活言語」としての会話ではないでしょうし、幼児の英会話教室で交わされる「クラスルームイングリッシュ」でもないでしょう。しかし、未だ多くの親御さんがわが子を「英会話教室」に通わせます。

最近中国に行く機会が多いのですが、中国でも20年ほど前の日本と同じように「英会話教室」が子どもの英語教育手段の第一候補になっているようです。

意見交換、ディベートと言い換えてもよいでしょう。そのレベルの英会話力を求めているのに、クラスルームイングリッシュレベルの英会話しか触れられない英会話教室に通わせる、なぜこういったことが起こるのでしょうか。それはちょっとした勘違いがあるからです。

英会話教室は言語環境ではない

Vol.060 | 英会話教室の効果的な活用法 セクション3

昔から私が親御さんによくする質問として「お金と時間が潤沢にある状況で、お子さまに英語を身につけさせようと思ったら何をしますか?」というものがあります。

するとみなさんほぼ100%の確率で「海外(アメリカ)に行きます」とお答えになります。決して「英会話教室に毎日通わせます」という答えはありません。ということは、本当はアメリカに移住したいのだけれでも、お金や時間、その他諸事情によって断念せざるを得ない、その代わりに「英会話教室」という選択になるのです。

ここで疑問がわいてきます。はたして「英会話教室」は「アメリカ移住」の代わりになるのでしょうか?結論から言うと、「英会話教室」は「アメリカ移住」の代わりにはなり得ません。

なぜみなさんが子どもをアメリカに送るのか、それは英語を身につけるためには「言語環境」が必要であるということを知っているからです。さらに言うと「英会話教室に毎日通わせること」も「言語環境」にはならないことも知っているのです。それでも「英会話教室」に通わせてしまうのは、他に選択肢がないから「何もしないよりもまし」という消極的な判断から導き出された答えなのかもしれません。

ちなみに「英会話教室」で触れられる英語とは「挨拶・基礎概念」が中心です。一方、ネイティブが触れてきた「言語環境」は「家庭内の会話」です。時間も「英会話教室」に週1回60分レッスンに通ったとして年間50時間、一方「言語環境」は1日約90分、年間500時間です。これだけ見ても、「英会話教室」が「言語環境」とは似て非なるものであることがおわかりでしょう。

英会話教室は「獲得」ではなく「運用練習」の場

Vol.060 | 英会話教室の効果的な活用法 セクション4

しかし、「やっぱり子どもが話している姿を見たい」「話すことこそ成果だ」と思っていらっしゃる方は、「英会話教室」を「言語環境」としてではなく、別の役割を担わせて活用してみてはいかがでしょう?

「英会話教室」が「言語環境」だと勘違いをしていた場合は、幼児・児童期の英語教育のファーストステップとして「英会話教室」があるわけですが、これを「言語環境(パルキッズ)」→「英語で知識を得る(読書)」→「英会話教室」と、「英会話教室」を3番目のステップに置いてみましょう。

「英会話教室」を「英語を獲得する場」ではなく、「英語を試しに運用する場」としてみてはいかがでしょう?まずは『パルキッズ』で「言語環境」をお子さまに与え、読解力も同時に育てることで、「英書で読書」ができるようにします。高校生にもなれば、得た知識をもってして、それなりに自分の意見を持つようになります。そこで「英会話教室」の出番です。実際にネイティブと英語で意見を交わす場として「英会話教室」を使うことは非常に有効です。

近年ではSkypeを使って、安価で自宅にいながらネイティブと会話をすることもできます。「英会話教室」同様に、ディベートができるぐらい知識を蓄え、意見が持てるようになったら、それを試してみてもよいでしょう。

「英会話教室」は「英語獲得の場」ではなく、「英語運用の練習の場」と考えると、「英会話教室」に抱いていたモヤモヤが晴れ、幼児・児童期の今、「英語獲得」には何をすればよいのかが見えてくるのではないでしょうか。

小豆澤 宏次(Azukizawa Hirotsugu)

小豆澤 宏次(Azukizawa Hirotsugu)

1976年生まれ。島根県出身。同志社大学経済学部を卒業後、米国ボストンのバークリー音楽大学に留学し、音楽家として活動。帰国後は幼児・児童向け英語教室にて英語講師を務める。児童英語研究所所長・船津洋氏に「パルキッズ理論」の指導を受け感銘を受ける。その後、英語教室の指導教材を「パルキッズ」へと全面的に変更。生徒数を大きく伸ばすことに成功する。児童英語研究所に入社後は、年間1,000件以上の母親への指導を行うとともに、パルキッズのオンラインレッスンのプログラムの制作ディレクションを行う。また大人向けの英語素読教材の制作ディレクションも行う。
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