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2025年6月号パルキッズ塾

Vol.146 | わが子の学習を妨げるマイナスな「ことばがけ」

written by 小豆澤 宏次(Hirotsugu Azukizawa)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
https://palkids.co.jp/palkids-webmagazine/palkids-juku-2506/
小豆澤宏次『わが子の学習を妨げるマイナスな「ことばがけ」』(株式会社 児童英語研究所、2025年)


わが子の学習を妨げるマイナスな「ことばがけ」 6月に入りました!新しい環境に慣れる4月、せっかく慣れてきた頃にゴールデンウィークでリセットされてしまう5月を経て、夏休みに向けて、しっかりとペースづくりをしておきたい6月になりました。4月から2ヶ月を経て、なかなかペースがつかめず、わが子の学びが少し滞っている気がする、伸び悩んでいる気がする…そんな風に感じているご家庭もあるかもしれませんね。
 実は、その「伸び悩み」の背景には、日々の親御さんの「何気ないことばがけ」が影響している可能性があります。もちろん、英語教育は一朝一夕では叶いません。誰もが順調と停滞を繰り返すので必要以上に一喜一憂することはありません。でも、親御さんのことばがけが、わが子のやる気や自信にブレーキをかけることがあるとしたら、それは避けたいですよね。
 親御さんが日々口にする言葉は、子どもにとって想像以上に大きな影響を及ぼします。特に幼児・児童期は、親御さんの言葉が何のフィルターもなく入っていき、暗示すらかけてしまうのです。そして子どもたちはその言葉を良くも悪くも自己評価の材料にしてしまいます。つまり、親御さんの何気ない言葉が、「自分はダメなんだ」「苦手だからやりたくない」と、子どもの中に思い込みとして定着してしまう危険性があるのです。
 さらに、近年は共働きで忙しい家庭が基本です。特にタイパ重視のパルキッズをお選びの親御さんならそういった方が多いでしょう。そんなご家庭では、つい効率を求めてしまいがちです。「早くやって!」「なんでやらないの!」と、焦りや苛立ちから出てしまう言葉が、子どもの学習意欲を削いでしまうこともあります。
 今回は知らず知らずのうちに、わが子の学習意欲や自己肯定感を下げてしまう「マイナスなことばがけ」を3つ紹介しながら、その背景や影響、そしてどうすれば良いのかを一緒に考えてみたいと思います。


その1:「なんでやらないの?」「なんでできないの?」

その1:「なんでやらないの?」「なんでできないの?」 忙しい日常の中で、タイパ、つまりタイム(効率)とパフォーマンス(成果)を求めるがあまり、つい口をついて出てしまう言葉。「なんでやらないの?」「なんでできないの?」――でも、ちょっと待ってください。この問いかけ、実は子どもにとってはとても答えにくいものなんです。
 大人だって、理由がわからないまま気分が乗らない時や、うまくいかない時ってありますよね。それは子どもも同じです。「なんでやらないの?」と聞かれても、その日その時の気分で…とはさすがに子どもも言いづらいので、わからない、となるわけです。何か考えがあって、判断してやらなかったわけではないので、よくわからないまま一方的に叱られてしまうのです。本当は子どもが悪いのではなく、そして親が悪いのではなく、取り組みをする仕組みに問題があるのでそこを改善すればよいだけなのですが…。子どもにその理由を紐づけることで、子どもには自己否定の感情が芽生えます。
 さらにこういった質問によって、これまで歯磨きと同じような日常の中で行っていた取り組みが、「正解を探さなきゃ」というプレッシャーがあるものへと変わっていきます。こういう状況になると、子どもがまずやることは「逃げる」ことです。プライドが高いのもそうですが、負けないためにはそもそも戦わない、という方向へと行ってしまいます。
 大切なのは、安心して失敗できる環境づくりです。失敗を責めるのではなく、つまり子どもや親自身に原因を紐づけるのではなく、仕組みに問題があるとし、その仕組みを改良していく方に考えを向けることです。早期教育で大切なのは、伴走です。わが子と同じ視点に立って、一緒に課題解決をしていく姿勢です。失敗はあります。課題も生まれます。最初からうまくいくことはありません。少しずつ一緒に取り組み環境を改良していきましょう。


その2:「苦手だね」「疲れたね」――気持ちを決めつける言葉

その2:「苦手だね」「疲れたね」――気持ちを決めつける言葉 何事でもそうですが、わが子が少し手を止めた時、「疲れたのね」「苦手だもんね」と声をかけてしまっていませんか?例えば食事でもそうです。本当はトマトが好きでも嫌いでもない子がいたとします。親御さんはその子が何度かトマトを嫌がったことから「トマトが嫌い」と認識をしたとします。そしておじいちゃんおばあちゃんの家でトマトが出された時に「ちょっとトマト苦手だもんね」といった声かけをしてしまったことはありませんか?これ、とても危険な決めつけの言葉なのです。
 このような決めつけの言葉は、一見すると気遣いのように聞こえますが、実は子どもにとっては「そうか自分は苦手なんだ」という暗示になってしまうことがあります。
 特に幼児・児童期、つまりメタ認知できない子どもは、大人の言葉に敏感です。親が「苦手だ」と言えば、「苦手なんだ」と思い込むし、「疲れている」と言えば「疲れたふり?」をしてしまいます。そうなると、本当はできることも「できない」「やらなくていい」と思い込んでしまうのです。
 気持ちを代弁してあげることがすべて悪いわけではありませんが、子どもが意思を伝える前に、親が代弁してしまうのは良くありません。きちんと待って、子どもが意思表示したけど上手く伝わらない時に、代弁してあげるようにしましょう。
 決めつけをせず、今はどういう状態なんだろう、何を考えているんだろうと、子どもの気持ちに寄り添い、意思表示するサポートしてあげることが大切です。取り組みでも勝手に「難しかったね」「まだ無理だったね」という言葉は御法度です。あくまでも子どもが意思表示するのを待ち、それがなければ親は見守るだけで良いのです。


その3:「うちの子はまだまだで……」――謙遜が自信を奪う

その3:「うちの子はまだまだで……」――謙遜が自信を奪う 日本の文化には「謙遜」が根付いています。だからこそ、親としては他人の前ではつい「うちの子なんてまだまだ。全然できていなくて…」と口にしてしまいがちです。
 でも、その言葉を、わが子がすぐそばで聞いていたら?
 子どもは謙遜というものがわかりません。そう親御さんが言っているのを聞くと、自分を否定されたように感じます。「自分はできないんだ」「パパもママもそう思っているんだ」と自信をなくし、自主性を失いかねません。
 親御さんとしてはただの社交辞令だったとしても、子どもはその裏を読んだりはしません。大好きな親が言うならそれが真実だと思ってしまうのです。
 そしてそれが繰り返されると、子どもの自己肯定感は低くなり、挑戦する意欲を失ってしまいます。これは学習だけでなく、人間関係や将来の自己評価にも影響を与えることになるかもしれません。
 必要以上に自慢をすることはありませんが、わが子を褒められたら素直に「嬉しいです。ありがとうございます」これで良いのではないでしょうか?そしておじいちゃんおばあちゃんのような近しい人で、謙遜の必要がない人には「最近こんなことができるようになったんですよ」とポジティブな言葉を発するようにしましょう。親が自分をポジティブに評価しているというメッセージは、子どもにとっては最高の応援になります。
 もちろん、家庭内では子どもの努力や成長を、直接わが子に伝えるようにしましょう。具体的に「〇〇ができるようになったね」といった言葉がけは子どもにとって大きな励みになりますし、自分のことをしっかり見てくれているんだという安心感につながります。


「大丈夫だよ」――この一言に尽きる

その3:「うちの子はまだまだで……」――謙遜が自信を奪う 最後にお伝えするのが、魔法の声かけ「大丈夫だよ」です。タイム(効率)もパフォーマンス(成果)も求めず、親御さんは自分自身にも、そしてわが子にも常に「大丈夫だよ」の姿勢で、ゆるゆる子育て&教育をしていただくのが一番です。特に幼児教育は継続こそが大切です。ストレスなく、プレッシャーなく取り組めるようになることで継続率はぐんと上がります。
 そして子どもにとって家庭は「安心できる場所」であることが大切です。それが心の安定を生み、自主的な学習に向かうエネルギーになります。
 子どもは本来、学ぶことが大好きです。失敗しても笑って受け入れてくれる環境があれば、挑戦することが怖くなくなります。そして自信(根拠がなくても全然OK)――「自分はできるかもしれない」という感覚が育っていきます。
 この「なんとなくの自信」がある子は、誰かに言われなくても、自身が持つ好奇心に動かされて自主的を超えて主体的に動けるようになります。すると放っておいても実力をつけていくのです。
 子どもに安心を与えるのも、自信を失わせるのも「ことばがけ」ひとつです。ぜひ今日から意識していきましょう。


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プロフィール

小豆澤 宏次(Azukizawa Hirotsugu)

1976年生まれ。島根県出身。同志社大学経済学部を卒業後、米国ボストンのバークリー音楽大学に留学し、音楽家として活動。帰国後は幼児・児童向け英語教室にて英語講師を務める。児童英語研究所所長・船津洋氏に「パルキッズ理論」の指導を受け感銘を受ける。その後、英語教室の指導教材を「パルキッズ」へと全面的に変更。生徒数を大きく伸ばすことに成功する。児童英語研究所に入社後は、年間1,000件以上の母親への指導を行うとともに、パルキッズのオンラインレッスンのプログラムの制作ディレクションを行う。また大人向けの英語素読教材の制作ディレクションも行う。

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