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2023年9月号パルキッズ塾

Vol.125 | 子どもとデジタルデバイスとの付き合い方を考える

written by 小豆澤 宏次(Hirotsugu Azukizawa)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
https://palkids.co.jp/palkids-webmagazine/palkids-juku-2309/
小豆澤宏次『子どもとデジタルデバイスとの付き合い方を考える』(株式会社 児童英語研究所、2023年)


子どもとデジタルデバイスとの付き合い方を考える 夏休みも終わり、新学期開始とともに新たに英語教育をスタートされるご家庭が多いことに大変うれしく感じています。ご存じの通り、パルキッズは、英語の音環境作り、そしてレッスンを含めすべてオンラインでの取り組みになります。そのため、取り組みの多くはスマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイスを使用しておこなうことになります。
 オンラインレッスンがスタートした10年ほど前と比べてずいぶん少なくなりましたが、いまだに「子どもにデジタルデバイスを使わせたくない」という親御さんがいらっしゃいます。そこは各ご家庭の教育方針もあるでしょうから一概にそれが良い・悪いとは言えませんが、子どもとデジタルデバイスとの付き合い方について一度考えてみるのもよいと思い、今回テーマとして取り上げさせていただきました。
 まず子どもとデジタルデバイスとの関係について、環境面で考えてみましょう。2022年時点でのデータですが、文科省のデータによると、すべての児童生徒が学習用端末を活用できる環境の整備状況として、実に98.5%の自治体で整備完了となっています。つまり日本全国ほぼどこに住んでいても、小学生になったらデジタルデバイスとのお付き合いがスタートすると考えて間違いないようです。
 つまり、どれだけ我が子からデジタルデバイスを遠ざけても、就学すれば不可避になってしまうわけで、それまでに我が子とデジタルデバイスとの付き合い方の方針を決め、親子でコンセンサスをとっておかなければいけないことになります。


なぜデジタルデバイスを遠ざけるのか

なぜデジタルデバイスを遠ざけるのか 子どもにデジタルデバイスを与えたくない親御さん、その理由は何なのでしょうか?これも至る所にデータがあるのですが、その理由の代表的なものは、「依存」「目や脳への影響」について危険であると感じていらっしゃるようです。
 事実、スマートフォンに関してですが、未就学児の使用率を見てみると、1歳児で4割、3歳児で6割の子どもたちが利用経験があり、その頻度も5割が「毎日必ず」または「ほぼ毎日」と、幼児の日常にデジタルデバイスが深く入り込んでいる一方で、「子どもにデジタルデバイスを利用させること」について9割以上の保護者が何らかの不安を感じているようです。つまり「依存」「目や脳への影響」が不安であるため使わせたくないということなのでしょう。
 私としてはデジタルデバイスが「依存」「目や脳への影響」というネガティブな面があることを否定も肯定もしません。ただ大切なのはもう少し深く考えてみることだと思います。
 こういった不安がある時に、一番やってはいけないのが、正常性バイアスがかかった状態で情報収集するということです。特にインターネット上にはさまざまな無責任な記事が溢れています。「我が子にデジタルデバイスを与えたくない」と思っている親御さんは、その証左となるような記事ばかりが目につき、それを以って「ほら、やっぱり危ないんだ!」となるわけです。これはとても危険です。


ネット上のこんな記事に注意して!

ネット上のこんな記事に注意して! 私もこの記事を書く上で、ネット上のさまざまな記事を読みましたが、信用できないな、と思った記事にはある傾向が3つありました。1つは「言い切っている記事」です。「子どもにスマホは絶対与えてはいけない!」というように言い切っている記事は、内容が非常に主観的である場合が多く、読み手が冷静で、中道的思考で相対すれば、色々とクエスチョンな内容が多いように見受けました。
 2つ目は「数字がない記事」です。これも1つ目と同じように、数字がないことで非常に恣意的で主観的な立場で論が展開されているものが多かったです。デジタルデバイスが「依存」「目や脳への影響」というネガティブ要素があることは間違いありません。これには私も同意します。しかしそれは「0」か「100」ではなく、程度の問題であると考えています。例えば毎日20時間スマホを幼児が使用していれば、間違いなく悪影響があるはずです。一方、10分程度であればどうでしょう?私がこのように程度を知るのに参考にしているのが、数字が記してある論文です。もちろん論文であるから正しいと言い切ることはできませんが、複数の論文を見ると、幼児であれば毎日1時間以上、小学生であれば毎日2時間以上という数字がよく出てくることに気づきました。つまり、程度をコントロールすればそういった悪影響に対する不安を払拭できるわけです。
 3つ目は専門家ではない方の記事です。例えば幼児とデジタルデバイスの関係に関する記事であるのに、教育心理カウンセラーの方が書いていたり、ウェブコンサルタントが書いていたり、どちらか一方に専門性が偏っていたり、どちらの専門でもないまるでテレビのコメンテーター的な立ち位置の記事もあります。そういった意味で論文は専門家が書いているものなので、それらよりは信用できる情報であると思っています。


程度と目的をコントロールするのが親の役目

程度と目的をコントロールするのが親の役目 ここまでで、情報による不安を大きくさせないためにどうすればよいかをお伝えしてきました。安全・安心という言葉がありますが、安全面で言えば、程度をコントロールすれば問題ない、あとは安心するにはどうすればよいかということになります。前述の通り、デジタルデバイスを子どもから遠ざけることはもはや不可能です。デジタルデバイスとの関係に安心を持ってくるにはどうすればよいかを考えることが必要です。
 安心のために一番重要なのは「コントローラブル」な状態をキープすることです。親御さんが常にわが子とデジタルデバイスとの関係をコントロールできれば関係のON/OFFが容易だからです。
 そのために必要なのは「ルール作り」と「使用目的」を明確にし、親子間でコンセンサスをとることです。まずは、ルール作りです。私が調べた限りでは、未就学児であれば1日1時間以内であれば問題ないようです。パルキッズのオンラインレッスンでは1日30分程度の使用に限定しています。時間としてはその程度に限定し、就寝前の使用による睡眠障害を危惧するのであれば、朝、または帰宅後すぐに取り組みようにしましょう。
 次に使用目的です。幼児にとってデジタルデバイスをエンターテインメントに使用する必要はありません。子どもたちにとってのエンタメは絵本やお絵かき、ひとり遊びなどさまざまあり、あえてデジタルデバイスを使用する必要はありません。あくまでも教育目的としての使用に限定するとよいでしょう。そうすることで、デジタルデバイスはお勉強のための道具として使うものであるとの認識が子どもに芽生えるでしょう。
 今回はデジタルデバイスと子どもの関係について考えてみました。私なりの意見も多いに含まれていますので、ぜひご自身でさまざまな意見を参考にして、ご家庭なりのルール作りをしていただければ幸いです。


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プロフィール

小豆澤 宏次(Azukizawa Hirotsugu)

1976年生まれ。島根県出身。同志社大学経済学部を卒業後、米国ボストンのバークリー音楽大学に留学し、音楽家として活動。帰国後は幼児・児童向け英語教室にて英語講師を務める。児童英語研究所所長・船津洋氏に「パルキッズ理論」の指導を受け感銘を受ける。その後、英語教室の指導教材を「パルキッズ」へと全面的に変更。生徒数を大きく伸ばすことに成功する。児童英語研究所に入社後は、年間1,000件以上の母親への指導を行うとともに、パルキッズのオンラインレッスンのプログラムの制作ディレクションを行う。また大人向けの英語素読教材の制作ディレクションも行う。

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