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2018年3月号パルキッズ塾

Vol.59 | 子どもの興味・やる気は信用できる?

written by 小豆澤 宏次(Hirotsugu Azukizawa)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
http://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/palkids-juku-1803
小豆澤宏次『子どもの興味・やる気は信用できる?』(株式会社 児童英語研究所、2018年)


イメージ1  ここ2週間ばかり冬季オリンピックを見続けていたせいか、スキー熱に火がついてしまいました(笑)。羽生選手や高木美帆選手などの「ゆとり世代」の好成績に注目しているメディアもありましたが、もはや「ゆとり」だとか「学校の部活」だとかということではなく、家庭レベルでどれだけ「教育」を受けたかどうかで世界で戦える競技者になるかどうかが決まるような気がします。
 少子化の中、すべてのスポーツにおいて、日本のレベルが上がっているのは「家庭の力」つまり「親のサポート力」が高くなっているからだと思います。  そんな中、先日私の姪っ子が3歳になったのを契機に、スキーをやらせようと考え、彼女の両親にそう伝えました。すると、返ってきた言葉が「興味を持ったらね」ということでした。確かに「興味を持つ」ということは大切かもしれません。しかし、私たち大人が考えている「興味を持つ」と幼児のそれは大きく違うということを知っておく必要があります。
 大人の場合「興味があって、やりたい!」となるとそこには「責任」が生じます。責任は少々言い過ぎかもしれませんが、少なくとも「最後までがんばろう!」と決心するはずです。
 しかし子どもの場合、「やってみたい!」という言葉はあまり信用できません。深く考えた結果の発言ではなく、その日その時の気分で、または親に促されたから、言っている可能性が高いからです。
 だからと言ってやらせない、ということではなく、重要なのは子どもの興味・やる気はあまり信用しないで、いかに一時的な興味・やる気を恒久的なものに変えていくかということを踏まえて始めるということです。


| 大事なのは親の本気度

イメージ2  子どもの「やりたい!」は切っ掛けでしかありません。問題はその先というのは、スキーに限らず、英語を始めとするすべての習い事に通じます。いかにして「その先」をしっかりとやるのか、それは100%親次第です。冒頭のオリンピアンたちも最初の「やりたい!」はそこまで真剣には思っていなかったはずです。その後の親のフルサポートがあったからこそ、良い環境を得ることができ、才能を伸ばすことができたはずです。そして結果が出ることで、恒久的な興味・やる気に変化していったのではないでしょうか。
 パルキッズの場合、というよりも英語教育の場合、1年そこらで親子で感じられる成果は出てきません。少なくとも数年間は親がひたすら環境を整える作業が続きます。この時点では子どもの興味・やる気は気分でしかありませんので、あまり信用しない方がよいでしょう。信用してしまうと、子どもが取り組みを嫌がった時に「あの時やるって言ったのに…」とイライラが募るだけです。
 英語教育の場合、親子で成果を感じられるのは「読めるようになってから」です。読めるようになることで、子どもも「できる!」と感じられます。そしてそれが自信になり面白さを感じられるようになります。親も子どもが本を読んでいる姿を見れば、子どもの英語力の向上が一目瞭然でわかります。ここで初めて「やっててよかった!」と思えます。ここまで根気強くサポートできるかどうかは、親の本気度で決まります。


| 幼児の場合のサポート方法

イメージ3  ここからは幼児と小学生に分けて、親がどのようにサポートすることで子どもの興味とやる気を維持するのか、その方法について考えてみましょう。
 幼児の場合、興味ややる気は先ほどお伝えしたように、ほぼ「気分」です。そのため、子どもの意志を尊重して取り組ませるということではなく、子どもの将来に投資をしているという気持ちで、やる気がある日もそうでない日も、成果は必ず出ると信じて環境作りに徹しましょう。
 かけ流しの場合は簡単です。無意識の学習ですから、子どもが嫌がるということはありません。しかしオンラインレッスンやDVDの場合は意識的な学習になりますので、親のサポートにテクニックが必要になります。
 まず必要なのは「意識」です。「勉強」ではなく子どもが言語を身につけるための「環境作り」をしているという意識です。幼児の場合、今日学んだことが明日できるようになっているというものではありません。また、集中してやっていようが(そう見えるだけです)ダラダラしてやっていようが、その先の成果はほとんど変わりません。
 いかに数年先、つまり読めるようになった将来を見ながら、環境作りができるかどうかです。そう意識が向くことで、1日1日の取り組みの出来不出来に心を振り回されることがなくなります。
 これが親にとって辛いことであることは十分承知の上ですが、これまで成果を出してきた親御さんは、全員がここをクリアしてきた方々ばかりです。何か特別だから成果を出したわけではなく、子どもの気分に振り回されない不動心と本気のサポートが成果を生んだということをご理解いただければ幸いです。


| 小学生以上の場合のサポート方法

イメージ4  小学生の場合は幼児とは少々異なります。まだまだ論理的な考え方ができないにしろ、自分の発言に責任を持つということを少しずつさせてもよいでしょう。また「やるべきことはやる」ということは教えてあげてもよいでしょう。これを教えるためには「約束」と「履行」です。
 小学生の我が子と「英語学習をやろうかな」という話をしていたとします。そして結論として「じゃあやろうか」ということになったとしましょう。よくあるパターンだと「じゃあ教材を買ってあげるから、あとはがんばりなさいよ」と言って教材を子ども渡し、子どもはいつの間にかその教材をタンスの肥やしにしているというものです。すると「やるって言ったから買ってあげたのに、もう買ってあげないからね」というオチ(?)がつくわけです。
 これはどこが悪かったのでしょう。それは「やる」と結論が出てから「やる」までサポートがなかったということでしょう。まず「やる」と決めたら、どのようにやるのか、例えばいつやるのか、日々の取り組みはどのようにやるのか、そこまで一緒に考えることが必要です。しかも親が決めるのではなく決定するのは子どもです。そうすることで「約束」するのです。
 そして取り組みが始まったら、それが履行されているかどうかを遠くから見ます。まだ小学生ですから、その日の気分でやりたくない時もあるでしょう。そんな時に無理をさせても仕方ありません。「今日は疲れているからお休みね。じゃあいつやる?明日の朝?それとも学校から帰ってきてから?」と今やらないことの埋め合わせをいつするのか、子どもに宣言させましょう。子どもも自分が言ったことですから、親に言われるよりも確実に取り組みます。
 このように、できない時もあるけどそのリカバーまで親がサポートしてやる、これが必要です。上から押さえつけるのではなく、下からしっかりと具体的に支えられる(と見せかけてコントロールしているわけですが)サポート体勢を作りましょう。親からすると大変ですが、幼児や小学生に何かしらのことをクリアさせるためにはこれだけのサポートが必要なのです。


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プロフィール

小豆澤 宏次(Azukizawa Hirotsugu)

1976年生まれ。島根県出身。同志社大学経済学部を卒業後、米国ボストンのバークリー音楽大学に留学し、音楽家として活動。帰国後は幼児・児童向け英語教室にて英語講師を務める。児童英語研究所所長・船津洋氏に「パルキッズ理論」の指導を受け感銘を受ける。その後、英語教室の指導教材を「パルキッズ」へと全面的に変更。生徒数を大きく伸ばすことに成功する。児童英語研究所に入社後は、年間1,000件以上の母親への指導を行うとともに、パルキッズのオンラインレッスンのプログラムの制作ディレクションを行う。また大人向けの英語素読教材の制作ディレクションも行う。

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