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2025年7月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.168 | おうち英語を成功させる方法 その2

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
https://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal-2507
船津徹「おうち英語を成功させる方法 その2」(株式会社 児童英語研究所、2025年)


「おうち英語」を成功させるために、まず大切なのは「明確なゴール設定」です。「英語が話せるようになってほしい」といった漠然とした目標ではなく具体的なゴールが必要です。そこでお勧めなのが国際基準のCEFR(セファール)です。おうち英語では「B2レベル(英検準1級相当)」を高校生までに取得することが目標として最適かつ実現可能です。
 CEFR B2を目指すには、英会話だけでなく、英語の「読書力」の育成が不可欠です。様々な分野のストーリーに触れる中で語彙・文法力を読書で高め、複雑な内容の理解力を養っていく。日本では英語を話す環境が限られているため、おうち英語を成功に導くには、「正しいで発音で、スラスラと英語の本が読み解く力」の育成にフォーカスすることがカギとなります。
 ある家庭ではお子さんに読書を中心とした英語学習を実践したことで、7歳で英検準2級、9歳で英検2級に合格する成果を得ました。この成果をお子さんが好きな洋書を読むだけの英語学習法で実現しています。日本人家庭でも正しい目標設定と戦略があれば、子どもは高い英語力を育むことが可能なのです。


学習の重点は「リーディング力」の育成

 おうち英語において、長期的に英語力を伸ばしていく柱となるのが「リーディング力」です。読む力こそがすべての言語スキルの土台となります。強固なリーディング力が育てば、多様な知識に加えて、語彙力や文法理解が自然と広がり、リスニング・ライティング・スピーキングといった他のスキルにも良い影響を与えてくれます。
 実際、英語圏の子どもたちは「自力読み」を通じて、言語感覚や表現力(構文力)を豊かに身につけていきます。同じように、非英語圏の子どもたちが英語を習得していく上でも、良質な英語の文章に多く触れることは不可欠です。やさしいリーダーズから始めて、章分けされているチャプターブック、そしてノンフィクション、さらには英語のニュースや学術的な内容まで段階的に読む力を育てていくことで、CEFR B2に必要な「幅広い話題を理解し、考える力」を養うことができます。
 また、リーディングの魅力は“自分のペースで進められる”点にもあります。聞き逃してしまうリスニングと違い、何度も読み返せるため、わからない単語や表現を丁寧に確認しながら理解を深めることができます。同じ本であっても繰り返し読む度に新たな発見と気づきがあるのも読書の魅力です。
 さらに、リーディングは読解力だけだけでなく「英会話力」も鍛えてくれます。本を読む過程では「文字を音声化」します。音読する場合はもちろん、黙読している時も「頭の中で文字を音に変換」しています。このプロセスは英語を実際に話していること(&聞いていること)と同じなのです。つまり読書によってリスニングとスピーキングの力を同時に育成することができるわけです。
 だからこそ、おうち英語の中心には「読むこと」を据えるべきです。絵本の読み聞かせ(親が英語が苦手な場合はネイティブ音声を活用)、自分で読む練習、音読の習慣づけなど、リーディング力を少しずつ積み上げる時間を、家庭の中でぜひ作ってみてください。


フォニックス、サイトワーズ、多読

 リーディング力の育成を効果的に育てるためには、年齢や発達段階に応じたアプローチが重要です。特に、おうち英語では「フォニックス」「サイトワーズ」「英語多読」の3つを柱とした学習ステップが成功の鍵を握ります。
 まず、最初のステップが「フォニックス(Phonics)」です。これはアルファベット26文字の発音ルールを学ぶ学習法で、「文字を正しく音声化する力」「音を聞いて文字を思い浮かべる力」を養います。フォニックスを習得することで、正しい発音が身につくことはもちろん、知らない単語に出会った時、自力で音声化できる“読みの基礎体力”がつきます。
 次に必要なのが、「サイトワーズ(Sight Words)」の習得です。サイトワーズは「英語の頻出単語」ですが、フォニックスのルールに当てはまらないものを多く含みます(例:the, said, comeなど)。このサイトワーズを瞬時に認識できる力をつけることで、読解スピードが一気に向上します。サイトワーズは、英語圏の学校でも初期リーディング指導の重要要素として位置付けられています。
 そして最も大切なのが「英語多読」です。多読は、たくさんの英語の文章に触れることで、語彙・文法・表現を自然に吸収し、読解力を高めていく学習法です。英語圏にはリーダーズと呼ばれ、段階的に難易度が上がる本のシリーズが多く販売されています。リーダーズを活用することで、英語を第二言語で学ぶ子どもたちも無理なく読書力を身につけていくことができます。
 英語多読の準備段階として「フォニックス」と「サイトワーズ」をしっかりと教えることで、子どもは自力でやさしい本が読めるようになります。英語の本が読めることは子どもにとって「成功体験」です。自分の力で英語の本が一冊読めた!という「自信」を大きくすることができるのも「英語多読」の効果です。
 この「フォニックス→サイトワーズ→多読」という流れは、英語圏の子どもたちが読みの力を育てていく自然な順序でもあります。おうち英語においても、この3本柱を意識してリーディング環境を整えることで、子どもの英語力は確実に伸びていきます。


リーディング練習をコツコツとこなす

 子どもの英語学習は楽器やスポーツの習得と似ています。つまり「記憶や理解」よりも「毎日の練習」を重視してください。楽器を習得するには「毎日その楽器に触れて、練習を繰り返すこと」で技術を身体に覚えさせますね。同様に英語のリーディングを身につけるには「毎日英語に触れて、読む練習を取り入れること」が最も効果的です。
 読む練習といっても、いきなり英語の本を読ませるわけではありません。最初はフォニックスで英語の文字と音の関係をゲーム感覚で教えていきます。次にサイトワーズ(頻出単語)を一目で読めるように丁寧に指導していきます。このプロセスを経て、初めて簡単な英語の本が読めるようになります。
 そこから先は子どものレベルと興味に合ったやさしい本を「多読」することで読書スピードと読みの流ちょうさを高めていけばいいのです。多読を成功させる重要なポイントが「内容理解よりも読めることが先」です。英語の本を読み始めの子どもは「理解よりも読むこと」に集中しています。子どもに内容理解を求めると読書スピードは遅くなり、むしろ読解力を下げてしまうことにつながります。ですから、英語の本がスラスラと読めるようになるまでは「理解」は求めないことが大切なルールとなります。
 言語学者の白井恭弘氏は著書「英語教師のための第二言語習得論入門」の中で、日本の英語教育は「語彙・文法知識の習得」段階で止まっており、次のステップである「知識を自動的に使えるように練習する」プロセスが欠けていることを指摘しています。英語を読む練習が少ないと、英語を英語のまま処理できる「自動化」が発達せず、結果、英語が身につかないのです。
 まずは超簡単で短い本(リーダーズと呼ぶ)がスラスラと読めるように家庭で練習してください。子ども向けのやさしいリーダーズであれば「1分で一冊」を読み切ることができます。このような読みやすく短い本の多読を通して、強固なリーディング力が形成されることを知ってください。
 事実、アメリカの学校では子どものリーディング力を「音読スピード」と「流ちょうさ」によって評価します。1分間で何文字読めるか、読みミスがどのくらいあったか、流ちょうさは伴っていたか、を総合評価してリーディング力を診断するのです。以下は学年別「1分間に音読できる単語数」の平均です。

学年 語彙数(単語)
小学1年53単語
小学2年89単語
小学3年107単語
小学4年123単語
小学5年139単語
小学6年150単語

 ちなみに、子ども・大人を含めた全ての英語話者の平均音読スピードは「1分間に120単語」です。早口で不明瞭に読むのでなく、全ての単語を正確に、かつ、流ちょうさを伴って音読できる平均値です。(2003年の成人リテラシー全国評価 (NAAL) 口頭読解の流暢さデータ)まずは「1分間で120語読めること」を目標に多読練習に励んでください。

キャラクターが登場するリーダーズリスト

ArthurStep into Reading Level 3
BarbieStep into Reading Level 1〜Level 3
Berenstain BearsStep into Reading Level 1〜Level 2
Elmo, GroverStep into Reading Level 1〜Level 2
Thomas & FriendsStep into Reading Level 1〜Level 2
Sponge BobStep into Reading Level 2
Paw PatrolStep into Reading
BiscuitMy First I Can Read
Pete the CatMy First I Can Read
Little CritterMy First I Can Read
Tug the Pup & FriendsMy First I Can Read
Amelia BedeliaI Can Read Level 1
PaddingtonI Can Read Level 1
Clark the SharkI Can Read Level 1
Fancy NancyI Can Read Level 1
Berenstain BearsI Can Read Level 1
Danny and the DinosaursI Can Read Level 1
PaddingtonI Can Read Level 1
PinkaliciousI Can Read Level 1
Splat the CatI Can Read Level 1
Flat StanleyI Can Read Level 2
Daniel TigerReady-to-Read (Ready to Go/Pre-Level 1)
MiffyReady-to-Read (Ready to Go/Pre-Level 1)
OliviaReady-to-Read (Ready to Go/Level 1)
OttoReady-to-Read (Ready to Go/Pre-Level 1)
BatmanReady-to-Read (Ready to Go/Level 2)
Curious GeorgeGreen Light Readers Level 1

面倒な「おうち英語」を簡単にするオンライン教材

 ここまでご説明してきたように、おうち英語を成功させるためにはゴール設定と達成のための戦略が非常に重要となります。英語は子どもの才能や特性とは無関係の「技術」であり、正しい順序と方法で指導すれば、必ず、どの子も高いレベルに到達することができます。 私が開発したTLCフォニックスは「毎日5分の動画レッスン」で「英語を読む技術」を段階的に積み上げていくためのオンライン教材です。正しい発音で英語を読むために必要な技能は、すべてこの教材だけで身につけることができます。おうち英語を成功に導く教材としてぜひご活用ください。ご興味ある方はこちらからフリートライアルにお申し込みください。


「強み」を生み出すノウハウを解説する本

 拙著【強みを生み出す育て方】は、強みの見つけ方・伸ばし方を、科学的エビデンスをベースに、家庭で簡単に行える35の具体的なメソッドに落とし込んだ1冊です。「この世に強みのない子など、いない。すべての子が“強みの芽”を持って生まれている!だからこそ、1人1人に合った“強み育て”が大切だ」。これが、本書でお伝えしたいことです。
 前半では、わが子が生まれながらに持つ「気質5タイプ」「才能5タイプ」と「ピッタリの習い事」を判定し「強みの芽」を見極めます。さらに、全タイプの強み育てにおいて不可欠な「やる気の引き出し方」「学業と習い事の両立方法」について具体的ノウハウを体系化しています。
 幼児から小学生のお子さんを育てている方、子どもの「強み」がわからない、どんな習い事が向いているのかわからない、何が得意なのかわからないという方におすすめです!ぜひご一読ください。

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プロフィール

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2507年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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