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2014年09月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.39 | 英語を読む力を育てるには

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
http://palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal1409/
船津徹『英語を読む力を育てるには』(株式会社 児童英語研究所、2014年)


 子どもに実用的な英語力を身につけさせるには「読む力」を育てることが近道です。日本では英語といえば、未だに「会話力」が重視されていますが、教育熱心なパルキッズ通信読者の皆様は「読む力」の重要性をいち早く認識し、ご自宅の英語教育に取り入れていることと思います。
 子どもが自分の力で英語の本をスラスラ読めるようになれば、必ず世界で通用する英語力を身につけることができます。このことはアメリカのESL(English as a Second Language)研究者の間ではもはや常識です。アメリカに移り住んできた移民の子どもたちが、短期間で英語力を身につけ、学校適応するための特効薬は「読む力」の育成なのです。
 ご存知の通り、アメリカは移民の国です。アメリカにとって移民は最も重要な政策であり、移民英語教育の成否はアメリカ社会の経済発展を左右するほど大きな課題です。その最先端のノウハウを持つアメリカのESL研究者たちが導き出した答え、最良の英語学習法が「読む力」を育てることなのです。


| どう英語の読解力を育てるのか

 ここで、初歩の読む力の育成について、アメリカの移民英語指導を参考に、おさらいしておきましょう。基本的な学習法は2つ。1つはフォニックスで、日本語のひらがなに該当するもの。そして2つ目がサイトワーズで、日本語の漢字に該当するものです。この2つをきちん学べば、どの子もほとんどの単語を初見で読めるようになります。
 この段階までは大抵の学習者が到達するのですが、この次のステップである「流暢に読む力」の育成が大きな壁です。というのも、文章を読むトレーニングをするには「英語の発音を知っている指導者」が必要だからです。つまり、英語が苦手という両親が家庭で指導することが困難なのです。
 では、どうやって文章を読む力を育てるのか。家庭で実践できる方法が、皆さんご存知の「暗唱」です。フォニックスとサイトワーズで単語を読み始めた子どもに、オーディオブックの暗唱をさせるのです。オーディオブックというのは本の内容が収録されたCDや音声ファイルです。これを繰り返し聞かせて内容を丸暗記させるのです。
 最初は欧米の小学校低学年向けの短い本から始めるとよいでしょう。いきなりハリーポッターは無理です。まずは、シンプルで子どもが興味を持てる「短い本」を選んで挑戦させましょう。聞く回数が増えれば、必ず覚えることができます。繰り返し音声をインプットしてから本を与えて読ませてください。


| 理解よりも流暢に読むことが先

 文章を読む力を育てる原則は「理解よりも読めることが先」です。英語を読み始めの子どもに「読むこと」と「理解すること」を同時に要求すると、必ずリーディングスピードが遅くなります。内容の理解はひとまず横に置いておき、流暢に読むことに専念させましょう。
 人間の脳は素晴らしい能力を持っていますが、二つの作業を意識を伴いながら同時処理することは苦手です。流暢に読むことにフォーカスしながら、頭の片隅で意味を考えていると、脳の処理スピードは遅くなり、学習効率が下がってしまいます。
 日本語の文字を習い始めた子どもを観察すると、これは一目瞭然です。大抵の子は文字を「読むこと」に集中するので、本を読み終わっても内容を全然覚えていません。子どもに「内容を考えながら読みなさい」と指示すると、読書スピードは極端に遅くなり、その結果、いつまで経っても理解が伴わないという悪循環に陥ってしまうのです。
 まずは英語を流暢に読むことに集中させましょう。理解することよりも英語の活字に慣れ、読書スピードを向上させることが先です。英語に対する抵抗感がなくなり、英文をスラスラと読めるようになったら「多読」によって読解力を育てていけばよいのです。


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プロフィール

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2001年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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