話さないことと、英語が育っていないことは同じではありません
発話は、保護者にとって最も分かりやすい英語学習の成果です。
英語の歌を歌った。英語で自己紹介をした。先生の質問へ英語で答えた。
そのような姿を見ると、「英語が身についてきた」と実感できます。
一方、何年取り組んでも子どもが英語を話さなければ、「本当に聞いているのだろうか」「何も身についていないのではないか」と不安になるのも当然です。
しかし、口から英語が出ていないという事実だけでは、子どもの理解力や頭の中に蓄積された英語を判断できません。
英語を話していないことは、
英語を聞き取れない、理解できないという意味ではありません。
ことばは、伝える必要があるときに使われます
人は、知っていることばを常に口にしているわけではありません。
何かを伝えたい。相手へ質問したい。自分の希望を分かってほしい。困った状況を解決したい。
そのような目的があるから、ことばを使います。
おうち英語に取り組む多くの家庭では、親子の生活言語は日本語です。
子どもが日本語で話せば、保護者は内容を理解してくれます。欲しいものも、困っていることも、日本語で伝えられます。
その環境で、子どもがあえて英語を選ばないことは不自然ではありません。
英語を知っていることと、日本語が通じる家族へ日常的に英語を使うことは別の問題です。
例えば、留学経験のある大人でも、日本人から突然「何か英語で話して」と求められると、何を話せばよいか戸惑うことがあります。
反対に、海外で「何か日本語を話してください」と頼まれても、話題が与えられなければ困るでしょう。
ことばを話せることと、その場で話す理由や話題があることは同じではないのです。
理解できることばは、話せることばより先に増えます
子どもの言語発達では、一般に、理解できる語や表現の範囲が、実際に自分から使える範囲より広い時期があります。
聞けば分かる。しかし、自分からはまだ言わない。
選択肢を示せば正しく選べる。しかし、単語を思い出して発音することは難しい。
絵本の内容は理解している。しかし、自分で文を作って説明する段階には達していない。
このような理解と発話の差は、第二言語でも起こります。
| 段階 |
子どもにできること |
外からの見え方 |
| 音への反応 |
知っている歌、名前、決まり文句に気づく
|
表情や動作だけで、発話は見られない
|
| 場面理解 |
英語の指示や物語の流れを場面と結び付ける
|
行動はできても、英語では答えない
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| 理解語彙 |
聞いた単語に合う絵や物を選ぶ
|
単語を自分から発音しない
|
| 模倣・定型表現 |
歌、絵本、レッスンの一部をまねする
|
自由な会話はまだ行わない
|
| 自発的な発話 |
状況に応じて、語や文を自分で選んで使う
|
保護者にも成果が見えやすくなる
|
発話だけを成果の基準にすると、その前に進んでいる理解の発達を見落としてしまいます。
「サイレント・ピリオド」と呼ばれる時期があります
第二言語を使う新しい環境へ入った子どもの中には、目標言語を聞いていても、自分からはほとんど話さない時期を経験する子がいます。
この時期は、一般に「サイレント・ピリオド」と呼ばれてきました。
KrashenとTerrell(1983)のNatural Approachでは、学習者が十分な理解を形成する前に発話を強制せず、理解を中心とした活動から始めることが提案されました。
Tabors(1997)も、家庭とは異なる言語が使われる就学前教育の環境へ入った子どもの第二言語発達を扱い、目標言語での発話が少ない段階を含む発達過程を説明しています。
ただし、すべての子どもに、同じ長さ、同じ形のサイレント・ピリオドが現れるわけではありません。
- 最初から短い語を使う子ども
- 身振りや表情を中心に伝える子ども
- 第一言語を使い続ける子ども
- 小さな声で自分だけに聞こえるように練習する子ども
- 決まり文句から使い始める子ども
- 長く観察した後に発話を増やす子ども
発話が少ない期間の長さや現れ方には、年齢、性格、理解度、環境、対人関係、英語を使う必要性などが関係します。
おうち英語と現地校のサイレント・ピリオドは、完全に同じではありません
サイレント・ピリオドの研究では、家庭とは異なる言語が使われる園や学校へ入り、第二言語で他者と生活する子どもが主に扱われています。
日本語で生活できる家庭で英語教材へ触れ、英語を話す必要がほとんどない子どもの無発話状態と、同じ条件ではありません。
したがって、「話さないのは必ずサイレント・ピリオドだから問題ない」と決めつけるのではなく、理解や読みなど、ほかの成長も確認することが大切です。
静かにしている間も、何もしていないとは限りません
Saville-Troike(1988)は、第二言語環境で公にはあまり話さない子どもたちを観察し、その一部が「プライベートスピーチ」と呼ばれる、自分自身に向けた小さな発話を使っていることを報告しました。
子どもたちは、周囲から聞いた語や文を小さな声でまねしたり、繰り返したり、使う前に練習したりします。
また、近年のサイレント・ピリオドに関する研究レビューでは、発話が少ない子どもも、次のような方法で周囲と関わることが報告されています。
- 視線や表情を使う
- 指差しや身振りで伝える
- 周囲の子どもの行動を観察してまねする
- 第一言語を使う
- 定型的な短い表現を使う
- 自分に向けた小さな声でことばを練習する
- 物や場面を手がかりに意味を推測する
外から見ると黙っているようでも、理解、観察、模倣、記憶、練習などの活動が行われている場合があります。
静かであることは、必ずしも受け身であることでも、
学習が止まっていることでもありません。
おうち英語では、英語を話す必要が生まれにくいのです
現地の園や学校では、子どもは第二言語を使わなければ、友だちへ希望を伝えたり、先生へ助けを求めたりできない場面があります。
一方、日本のおうち英語では、保護者が日本語を理解します。
子どもが「お水が欲しい」と日本語で言えば、目的を達成できます。
その場面で、わざわざ「Water, please.」と言う必要はありません。
そのため、家庭で英語が口から出ないことを、海外の英語環境で話せないことと同じように評価することはできません。
家庭で自発的な発話を見たい場合には、子どもが英語を使いやすい意味のある場面を作る必要があります。
- オンラインレッスンで先生へ答える
- 英語の歌を一緒に歌う
- 絵本の決まり文句を一緒に言う
- ぬいぐるみを使って短いやり取りをする
- 二つの選択肢から英語で選ぶ
- 英語を使うイベントや交流へ参加する
ただし、発話させるために、日本語で伝えた要求を無視したり、英語を言うまで必要なものを渡さなかったりする必要はありません。
英語を使えたら楽しい、英語でも通じたという経験を作ることが目的です。
発話以外にも、確認できる成果があります
子どもへ「この英語の意味は何?」と繰り返しテストしなくても、日常の自然な反応から理解の成長を観察できます。
| 観察する場面 |
見られる反応 |
考えられる力 |
| 歌・音源 |
特定の部分で笑う、動く、次の展開を予測する
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音声の記憶、リズム、内容への親しみ
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| オンラインレッスン |
英語の指示に合う絵や答えを選ぶ
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語や文の理解、場面との対応
|
| 絵本 |
台詞の場面で反応する、ページの内容を予測する
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音声と物語の理解
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| 文字 |
知っている語を見つける、音と綴りを対応させる
|
文字認識、音韻と正書法の結び付き
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| 初見の英文 |
自分で音読する、簡単な内容を理解する
|
読字、語彙、文理解
|
| 英語を使う相手 |
必要な場面で短い語や表現を使う
|
理解した英語を実際に取り出す力
|
こうした反応は、一度だけで判断せず、数か月単位で変化を見てください。
子どもは、その場で答えさせられると緊張して反応できなくても、別の自然な場面では理解を示すことがあります。
「言えるか」より先に「分かるか」を見ます
発話には、複数の処理が必要です。
まず相手の英語を聞き取り、意味を理解します。
次に、自分が伝える内容を決め、必要な語彙と文法を選び、正しい順序へ並べ、発音として口から出します。
子どもが答えられなかった場合、どの段階で難しさが生じたのかを、発話だけから判断することはできません。
発話の前には、複数の理解と処理があります
1
音を聞き取る
連続する英語音声から、語や表現を認識します。
→
2
意味を理解する
相手が何を伝え、何を尋ねているかを捉えます。
→
3
答えを組み立てる
内容、語彙、文法を選び、英語の文を作ります。
→
4
発音する
音の形を取り出し、実際の発話として表します。
そのため、最初の確認では、英語で答えさせるよりも、英語の指示に合う動作ができるか、正しい絵を選べるかなどを見る方法があります。
理解が確認できたら、次に一語の答え、定型表現、短い文へと、無理のない範囲で広げます。
発話を強く求めすぎると、話しにくくなることがあります
子どもが話さないと、保護者は成果を確かめるために、何度も発話を求めたくなります。
- 「英語で言ってごらん」と繰り返す
- 家族や友人の前で英語を披露させる
- 答えられるまで同じ質問を続ける
- 日本語で答えた内容を受け取らない
- 兄弟姉妹やほかの受講生と比べる
- 発音や文法を話の途中で細かく訂正する
このような働きかけが続くと、英語を話すことが、コミュニケーションではなく試験や発表になります。
分かっていても、間違えることや注目されることを避け、話さなくなる場合があります。
発話を促すときは、正解を求める質問よりも、子どもが答えやすい場面から始めます。
- 「Red or blue?」のように二択にする
- 知っている歌の一部を一緒に歌う
- 絵本の繰り返し表現を一緒に言う
- 子どもの一語の答えを、親が自然な文へ広げる
- 発音や文法を途中で止めず、内容へ反応する
- 話さなくても、指差しや動作で参加できるようにする
最初の発話は、自由会話とは限りません
子どもの英語の発話は、いきなり自分で長い文を作る形で始まるとは限りません。
最初は、よく聞いた歌、絵本の一節、レッスンの決まり文句などが、まとまりのまま出てくることがあります。
これは単なる無意味な暗記とは限りません。
子どもは、聞いたことばのまとまりを、対応する場面で使いながら、少しずつ中の語を入れ替えたり、別の文と組み合わせたりします。
| 発話の段階 |
例 |
見られる力 |
| 音や一部の模倣 |
歌の語尾、掛け声、効果音をまねする
|
音声記憶、リズム、模倣
|
| 定型表現 |
“Here you are.” “I don’t know.”
|
音と場面をまとまりで記憶する
|
| 語の入れ替え |
“I like cats.”から“dogs”へ変える
|
文の枠組みと語彙を組み合わせる
|
| 短い自作文 |
自分の経験や希望を短い文で伝える
|
内容、語彙、文法を自分で選ぶ
|
| 会話の展開 |
相手の答えに応じて質問や説明を続ける
|
聞き取り、即時処理、自由な表現
|
暗唱や定型表現が見られた場合は、それを否定せず、意味のある場面で使えるようにしていきます。
発話は、入力だけで自動的に保証されるものではありません
英語を聞いて理解できるようになることは、話すための重要な土台です。
しかし、十分な音声入力があれば、ある日必ず自然に自由会話が始まると保証することはできません。
話すためには、理解した英語を自分で取り出し、文へ組み立て、相手に応じて使う経験も必要です。
特に、日本語だけで生活できる環境では、英語を実際に使う機会を意識的に作らなければ、理解力と発話力の差が大きいままになることがあります。
パルキッズでは、かけ流しだけで終わらせず、次のような活動へつなげます。
- オンラインレッスンで英語へ反応する
- 絵本の暗唱や音読を行う
- 文字と音を結び付けて読む
- 簡単な質問へ語や文で答える
- 英文を書いて、自分の考えを組み立てる
- 英語を使う人や場面と接する
入力を土台に、無理のないアウトプットの機会を加えることで、理解している英語を使える英語へ変えていきます。
読めるようになると、成果が見えやすくなります
発話は、相手や場面、性格、必要性によって現れ方が変わります。
一方、読む力は、比較的観察しやすい成果です。
英語の文字と音を結び付けられる。初めて見る簡単な単語を読める。絵本を音読できる。短い英文の意味を理解できる。
このような読みの成長が見られれば、子どもの中に英語の音、語彙、文の理解が育っていることを確認できます。
町の看板や商品の英語を自然に読む、英語絵本の内容を楽しむ、英検などの問題へ取り組めるといった変化も、英語力を見える形にします。
パルキッズが音声知覚形成の後に読みを重視する理由の一つが、ここにあります。
家庭で英語を話す必要が少なくても、読む力が育てば、蓄積してきた英語を客観的に確認し、自力で新しい英語を増やせるようになります。
成果は、一回の発話テストではなく変化で見ます
子どもの英語力を確認するときは、その日に何語話したかだけでなく、以前と比べて何が変わったかを見てください。
- 以前より英語音声へ自然に反応するようになった
- レッスンの指示を理解するようになった
- 絵本の内容や次の展開を予測するようになった
- 英語の歌や表現を部分的にまねするようになった
- 英語の文字へ興味を示すようになった
- 単語や短い文を自力で読めるようになった
- 必要な場面では、短い英語を使うようになった
- 以前より難しい教材を理解できるようになった
変化は直線的に現れるとは限りません。
しばらく目立った変化がなく、その後に理解や読みが進むこともあります。
ただし、「何年続けても必ず後から成果が出る」と考えて、取り組み方を一度も確認しないのも適切ではありません。
数か月単位で、音声、レッスン、文字、読書が子どもの理解度や発達に合っているかを見直してください。
成果が見えないときに確認したいこと
発話だけでなく、理解や読みの変化もほとんど見られない場合は、次の点を確認します。
| 確認項目 |
見直すポイント |
調整例 |
| 継続性 |
音声やレッスンが長期間途切れていないか
|
短時間でも生活へ安定して組み込む
|
| 音量・環境 |
音が小さすぎる、ほかの音と重なっていないか
|
落ち着いた時間帯に適切な音量で流す
|
| 意味との接続 |
音声が絵、場面、動作と結び付いているか
|
オンラインレッスンや絵本を併用する
|
| 教材の難易度 |
内容が難しすぎる、または簡単すぎないか
|
現在の理解度に合う教材へ調整する
|
| 文字への移行 |
音声だけで止まり、読みへ進んでいないか
|
音と文字を結び付ける活動を始める
|
| 使用機会 |
英語で反応したり伝えたりする場面があるか
|
短いレッスンや遊びのやり取りを加える
|
やみくもに再生時間だけを増やすのではなく、聞いた英語が理解や文字へつながっているかを確認することが大切です。
発話を確認するなら、自然な場面を使います
子どもがどの程度英語を使えるかを知りたい場合は、「何か英語で話して」と求めるよりも、話す内容が明確な場面を作ります。
- 絵を見て、どちらが好きか選ぶ
- 知っている絵本の続きを一緒に言う
- 人形へあいさつする
- オンラインレッスンの質問へ答える
- 今日したことを一文だけ英語で表す
- 簡単な絵を見て、知っている語を使う
子どもが一語で答えた場合は、「一文で言いなさい」と直すのではなく、親や先生が自然な文へ広げて返します。
例えば、子どもが「Dog.」と答えたら、「Yes, it’s a big dog.」と受け止めます。
発話の内容を評価するより、英語を使って意味が通じた経験を積ませることを優先します。
発話が少なくても、子どもの性格とは分けて考えます
日本語でもよく話す子どもと、必要なことだけを話す子どもがいます。
大勢の前で話すことが好きな子もいれば、家族や親しい相手の前でしか話さない子もいます。
英語の発話量にも、性格、慎重さ、完璧に言いたい気持ち、人前での緊張などが影響します。
ほかの子が英語をよく話すからといって、自分の子どもにも同じ時期、同じ量の発話を求める必要はありません。
比較するのであれば、他人ではなく、その子自身の過去の理解、読み、反応と比較してください。
「話さない」で片づけず、相談した方がよい場合もあります
英語を話さないだけで、日本語では年齢に応じた会話ができ、指示を理解し、遊びや園生活で問題なくコミュニケーションできている場合は、家庭で英語を話さないことだけを過度に心配する必要はありません。
一方、英語だけでなく日本語を含めた言語発達全体に心配がある場合は、「第二言語だから黙っている」「サイレント・ピリオドだから大丈夫」と決めつけないことが大切です。
次のような場合は、専門家への相談を検討してください
- 日本語でも、ことばの理解や発話に心配がある
- 以前使っていたことばやコミュニケーションが失われた
- 簡単な呼びかけや指示への反応が乏しい
- 聞こえ方について心配がある
- 家庭では話すが、園や学校など特定の場面で長く話せず困っている
- 本人が話せないことに強い不安や苦痛を感じている
- 保護者や園・学校が、日常生活上の支障を感じている
まず、かかりつけ医、自治体の発達相談、言語聴覚士、園や学校などへ相談してください。多言語環境の子どもを評価するときは、英語だけでなく、使用している言語全体とこれまでの言語経験を確認する必要があります。
パルキッズが最初から発話だけを目標にしない理由
パルキッズでは、英語学習の最初の成果を、英語で話すことだけには置いていません。
まず、英語の音へ継続的に触れ、音や語のまとまりを捉える経験を積みます。
次に、オンラインレッスン、絵、場面などを通して、聞いた英語を意味と結び付けます。
さらに、音声を文字と結び、自分で英文を読める力へ進みます。
読書によって語彙、文法、知識を増やし、書く活動を通して、自分の考えを英語の文へ組み立てます。
そのうえで、実際の相手や必要な場面の中で、理解している英語を話す力へつなげます。
見えにくい理解を、読める・書ける・話せる力へつなげます
1
聞く
英語の音、リズム、語のまとまりへ触れます。
→
2
理解する
音声を絵、場面、動作、意味と結び付けます。
→
3
読む・書く
音と文字を結び、自分で英語を増やします。
→
4
話す
理解した英語を、必要な相手と場面で使います。
話すことを軽視しているのではありません。
自由に話すために必要な、聞き取り、理解、語彙、文法、内容を先に育てるという考え方です。
結論:発話だけで成果を判断せず、理解・反応・読みの成長を確認してください
子どもが家庭で英語を話さないからといって、それだけで英語が身についていないとは判断できません。
日本語が通じる家庭では、子どもが日常的に英語を使わなくても目的を達成できます。
また、ことばの発達では、聞いて理解できる範囲が、自分から話せる範囲より先に広がることがあります。
第二言語環境へ入った子どもの中には、目標言語での発話が少ない、いわゆるサイレント・ピリオドを経験する子もいます。
その間も、子どもは周囲を観察し、身振りや第一言語を使い、聞いたことばを自分の中で練習している場合があります。
ただし、すべての子どもに一定期間のサイレント・ピリオドがあるわけではありません。
また、英語を使わなくても生活できるおうち英語の環境と、第二言語で生活する現地の園や学校の環境は同じではありません。
そのため、「話さないから成果がない」と決めつけることも、「サイレント・ピリオドだから何年でも待てばよい」と決めつけることも適切ではありません。
英語の指示を理解できるか、絵や場面を正しく選べるか、歌や絵本へ反応するか、文字と音を結び付けられるか、簡単な英文を読めるかなど、発話以外の変化を確認してください。
発話を促すときは、「何か英語で話して」と披露を求めるのではなく、歌、絵本、二択の質問、オンラインレッスンなど、話す内容と目的が分かる場面を使います。
十分な入力は発話の重要な土台ですが、入力だけで自由会話が自動的に完成するわけではありません。
理解した英語を、読む、書く、短く答える、実際の相手へ使うという経験へつなげる必要があります。
パルキッズでは、まず聞こえる英語と分かる英語を育て、次に読みと書きによって英語を整理し、最後に必要な場面で使える発話へつなげます。
口から英語が出ていない時期も、理解や読みの成長が見られるのであれば、学習は進んでいます。
一方、日本語を含む言語理解やコミュニケーション全体に心配がある場合は、サイレント・ピリオドと判断せず、専門家へ相談してください。
発話だけを急がず、子どもの中で育っている「聞こえる」「分かる」「読める」という力を見つけ、それを自然なアウトプットへつなげていくことが大切です。