Vol.059 | チャレンジ精神を育てる
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引用・転載元:
https://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal/1605hj/
船津 徹(Funatsu Toru)『Vol.059 | チャレンジ精神を育てる』(株式会社 児童英語研究所、2016年)
チャレンジ精神を育てる
国際社会で活躍できる人材に共通する資質に「チャンレジ精神」があります。ご存知の通り、アメリカは市場原理を重視する競争社会です。子どもたちの日常にも「競争」は組み込まれていて、学校の勉強はもちろん、放課後には音楽やスポーツの練習、さらに週末には競技会やコンテストへの参加と、遊ぶ暇なく「競争」に明け暮れる日々を過ごしています。
日本で子どもの習い事といえば練習や体力作り中心ですが、アメリカの親が子どもを課外活動に参加させる目的は「競争」です。初心者でも試合やコンテストに参加させて競い合わせるのがアメリカ流です。「小さな子どもを競争させるなんて可哀想」と思うかもしれませんが、競争が厳しい国際社会で生きていくためには競争をたくさん経験し、競争に慣れておくことが必要なのです。
競争の目的はチャレンジ精神の育成
ストレスや困難に立ち向かう力、敗北から再び立ち上がる力、失敗を恐れず挑戦する勇気、プレッシャーの中で実力を発揮する精神力、絶対にあきらめない根気強さ。これらはコツコツ努力を継続したり、困難を乗り越えたり、真剣に競い合う経験を通して身につくものです。
勝者となってトロフィーを手にする成功体験は、勝利の価値を実感し、より高い目標に向かってチャレンジする精神を育ててくれます。また敗者になった時の悔しい思いは、次の勝利に向けてもっと努力する決意、他の事を我慢してでも頑張り抜く忍耐力など、勝利以上に多くのことを教えてくれます。
最近日本では、子どもから「競争」を遠ざけようとする傾向が強いようですが、競争がなければ、目標に向けてがんばったり、敗北から立ち直る精神を学ぶ機会を失ってしまいます。
また、競争経験が乏しいと、ストレスやプレッシャーといったマイナスの刺激を過度に怖がるようになり「失敗するなら、やらない方がいい」と、何事にも消極的な態度が形成されてしまいます。
子どもを競争させる目的は、相手を打ち負かす優越意識を教えることではありません。「失敗を恐れずチャレンジする精神」を育てることです。勝ったらさらに高い目標に向かって努力を続ける。負けても再び立ち上がり、次の勝利に向けて挑戦を続けていく。そんな前向きな精神を育むために「競争」は必要なプロセスなのです。
親は結果に寛容であること
競争には勝ち負けがあり、順位がつきます。一握りの勝者と多くの敗者が生まれます。子どもを競争に参加させる際に注意したいのが、親が勝敗に寛容であることです。結果よりも、100%全力を尽くしてがんばることを励まし、認めてあげてください。負けても「次にまたがんばればよい」「もっと練習してまた挑戦すればよい」という態度で接していれば、子どもは安心して再びチャレンジすることができます。
反対に「失敗は許されない」「やるからには勝たねばならない」と、勝敗へのこだわりが大きすぎると、競争への恐怖心や不安感を植えつけてしまい、実力を発揮できなかったり、競争を楽しめなくなったり、最悪の場合、プレッシャーに潰されてやる気を失うこともあります。
正しく競争に向き合う
子どもが自分らしい人生を歩み、自己実現を図っていく上で「競争」を避けることはできません。大学受験、就職、昇進、転職、独立。子どもたちの未来は厳しい競争の連続です。もちろん失敗や挫折を経験することもあるでしょう。しかし、目標に向かってチャレンジし続ける精神が育っていれば、どんな困難も乗り越えていくことができるはずです。
子ども時代に正しく競争に向き合った経験は、人生に必ず「プラス」の影響をもたらしてくれます。「負けたらかわいそう」と、競争を遠ざけていても、困るのは未来の子どもたちなのです。
