Vol.064 | カンフォトゾーンから出る!
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引用・転載元:
https://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal/1610hj/
船津 徹(Funatsu Toru)『Vol.064 | カンフォトゾーンから出る!』(株式会社 児童英語研究所、2016年)
カンフォトゾーンから出る!
「カンフォトゾーン/'Comfort Zone'」という言葉をご存知でしょうか?「'Comfort'/居心地がよい」「'Zone'/地域・場所」―――自分にとって「居心地のよい場所や環境」のことです。誰にでもありますね、気の置けない仲間や安心できる場所。アメリカの親が子どもによく言う言葉に"Get out of comfort zone."があります。日本語では「居心地の良い場所から脱出せよ!」です。「エー!何故ですか?気の合う仲間と過ごすことが青春でしょ!」それが違うんです!アメリカでは「この仲間は気が合う!」「ここは居心地がいい!」というのは「成長が止まっているサイン」と考えられているのです。だから「居心地がいい時ほど注意しなさい!」と子どもに警告するのです。
例えばスポーツ。多くの場合、チーム内のグループは上手い選手と下手な選手で分かれます。下手な選手が集まるのは「つらい気持ち」や「劣等感」を共有できるからです。そのグループにいる間は、周囲も同じように下手な人たちだから、自分が劣っているという感覚が薄まるのです。そして、そのグループと一緒にいる時間が多くなるにつれ「気が合う仲間」という思いが強くなるのです。
居心地が良い場所は成長を止める
居心地がよい場所というのは、成長を止める危険性をはらんでいます。敢えて居心地が悪いグループ、自分よりも優れた人、苦手だと思う人と一緒に過ごすことで、自分を成長させていくことができるのです。
子どもが一番またはトップクラスにいる場合も同様です。子どもにとって一番でいることは居心地がよいことです。しかし「自分が一番」という環境よりも、自分よりも優れた人がいる環境の方が大きく成長できます。子どもが学校のサッカーチームで一番になったら、もっと上手い選手がいるジュニアチームを探して参加させる。すると「まだまだ上がいる!」と子どもは気を引き締め直し、さらなる努力を重ねていくことができるのです。
少し難しい環境、少しレベルが高い環境に子どもをチャレンジさせ続けることによって「成長を止めないようにする」のがアメリカ流の伸ばす子育てです。今、子どもが置かれている環境(仲間)をよく観察してください。そして成長を止めないように、少し上のレベルの環境を与えることを心がけましょう。
手の届く範囲で挑戦させる
環境を変える時のポイントは「手の届く範囲」であること。実力よりもはるか上の環境に入れてしまうと、やる気を失うことがあるので注意してください。「カンフォトゾーンから脱出せよ!」言うのは簡単ですが、実践するには強い意志と勇気が必要です。人は誰もが「楽な道」「甘い水」を選びたくなる生き物なのです。子どもであればなおさらです。居心地のよい場所から出るには相当な勇気を要します。子どもが一歩を踏み出す時は親が背中を押してあげましょう!
「サマーキャンプに参加してみない!」「短期留学に行ってみない!」「ボランティアに挑戦してみない!」と提案をしてください。「嫌だ!」と反発するかもしれません。でも、どこで誰と何をするのか、そこで何が得られるのか、子どもの将来にどれだけプラスになるのかを説明すれば、大抵の子どもは「やってみようかな」という気持ちになるものです。子どもが新たな環境にチャレンジをする時は、親はいつも子どもの味方でなければいけません。チャレンジした結果がどうであれ、親は「がんばったね」と必ず子どもを受け入れ、努力を認めてあげましょう。子ども時代の失敗などはいくらでも取り戻すことができるのです!
失敗を恐れ、新しい環境を恐れ、新しい出会いを恐れ、チャレンジできない子に育ててしまう方が、その後の人生にマイナスの結果をもたらします。学生時代にカンフォトゾーンから脱出する経験をたくさん積ませれば、社会に出てからも環境の変化を恐れない、新しいことに挑戦できる子どもに育ちます。
