Vol.015 | ハワイのバイリンガル事情 その15 ~アメリカの文武両道~

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引用・転載元:
https://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal/1209hj/
船津 徹(Funatsu Toru)『Vol.015 | ハワイのバイリンガル事情 その15 ~アメリカの文武両道~』(株式会社 児童英語研究所、2012年)

スポーツ大国アメリカは子どもの競技スポーツが大変盛んです。その背景には、勉強だけでなく、スポーツにも真剣に取り組んでいる子どもほど「Well Rounded Person」に育つという考え方があります。アメリカでは文武両道の学生は「Scholar Athlete」と呼ばれ将来有望なエリート人材として尊敬を集めます。

スポーツで優れた実績や成果を上げることができれば、奨学金を得て大学に入り、世界最高峰の大学スポーツリーグであるNCAAで活躍することも夢ではありません。また秀でた実績がなくても長年スポーツで積み重ねてきた経験は私立校受験、大学受験、就職等、様々な人生の岐路において大きな助けになります。

スポーツはリーダーシップを育てる

なぜアメリカでそれほどスポーツが重視されるのでしょうか。もちろんスポーツを通して運動習慣を身につけることは子どもの健康維持・体力作りに寄与します。しかし競技スポーツへの参加は、健康面だけではなく、子どもの社会性や精神面の発達、つまり人間形成にとっても必要なプロセスだとアメリカでは認識されているのです。

コツコツ努力する根気強さ、失敗を恐れずチャレンジする精神、仲間と助け合う心、最後まであきらめない忍耐力、プレッシャーに負けない精神力、チームの一員としての責任感、コーチやサポートしてくれる人たちへの感謝心。スポーツを通して得られる精神はアメリカ社会が求めるリーダー像そのものです。スポーツは子どもの自信を育て、助け合いの精神を育て、リーダーシップを育成してくれる。だから子どものスポーツが重視されるのです。

充実した子どものスポーツ環境

アメリカ人家庭の多くは子どもが5、6歳になるとスポーツに参加させます。日本で子どものスポーツといえば水泳教室、体操教室、武道など、体を動かす習い事というイメージが強いですね。アメリカでスポーツの入り口といえばチームスポーツです。技術は二の次。どんどん試合に参加させて真剣に競い合うことの面白さを体験させるのです。ハワイでも週末になるとあちこちのグラウンドで子どもたちが汗まみれになって試合をしている姿を見ることができます。

ジュニア選手の育成環境が整っているアメリカでは、コミュニティーごとに、サッカー、野球、バスケットボールなどのチームがあります。これらはほとんどがボランティアコーチや選手の父兄を中心に運営されている非営利組織です。競技にもよりますが、早ければ5、6歳から練習や試合に参加することができます。アメリカのスポーツは3~4ヶ月のシーズン制ですから年間に2~3の異なった競技に参加することも可能です。複数のスポーツを経験することで、偏りのない運動能力の発達を促進できると同時に、子どもの資質や性格に合ったスポーツを選ぶ基準とすることができます。

チームスポーツで経験を積み基礎技術がついてきたら、次のステップはより強いチーム、リーグ、大会への参加、そして個人・グループレッスンによる技術アップです。詳細は異なりますが、大抵のスポーツには体系化されたジュニアプログラムがあります。テニスの場合、全米テニス協会が主催する、テンアンダーテニス、ジュニアチームテニス、個人トーナメントといったレベル別の大会があり、段階を踏みながら技術を向上させていくことができます。

スポーツはたくましい心を育てる

幼い頃からチームスポーツを通して試合での勝利やリーグ優勝を目標に仲間たちと切磋琢磨する経験が子どもの社会性や精神面の発達に悪いはずがありません。日本にもスポーツ少年団など地域のチームスポーツに参加できる機会はありますから積極的に活用して子どもの人間形成の助けにしてください。

船津 徹(Funatsu Toru)

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2602年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールを卒業。
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