Vol.038 | 読書量が少ない日本の英語教育
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引用・転載元:
https://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal/1408hj/
船津 徹(Funatsu Toru)『Vol.038 | 読書量が少ない日本の英語教育』(株式会社 児童英語研究所、2014年)
日本の英語教育最大の問題は英語を読む量が極端に少ないことです。中学生の教科書に出てくる単語数(新出単語数ではなく総単語数)は中学1年~3年の合計で約5000単語です。アメリカの小学1年生の読書量が1日平均で1000~1500単語ですから、日本の中学生は「3年間」かけて、アメリカの小学1年生の3、4日分しか英語を読んでいないことになります。
学力を伸ばしていく近道は、読書を通して多くの単語と表現に触れ、読解力を高めることです。これはアメリカの教育現場では常識であり、どの子も小学校に上がると徹底的に読書指導を受けることになります。大量の読書が英語力と学力の向上に寄与することをアメリカの教師たちはよく知っているのです。
多読で流暢さを身につける
大量の読書を経験すると「読みの流暢さ」が身につきます。英語では「Reading Fluency」と呼ばれ、これを獲得させることが初期の読書指導の目標です。読みの流暢さが身につくと読書スピードが速くなり、読書スピードが上がると活字に対する抵抗感が少なくなり、活字への抵抗感が少なくなると読解力が高まります。
読書指導中心のアメリカの初等教育には、大いに学ぶところがあります。日本では子どもの本離れが問題になっていますが、これを解決するには、文字を習い始める小学校低学年の時期に、多くの本に触れる必要があります。学校、家庭、地域社会が連携して、子どもたちに本の面白さ、本の奥深さを伝え、読書教育を推進していくことが期待されます。
話が横道にそれました。英語に戻しましょう。英語を流暢に読めるようなるには、それなりの読書量が必要ということです。アメリカの小学生2年生は1年間で平均10万単語を読みます。小学低学年向けの本は1冊の単語数が1000~1500語ですから、年間50冊~60冊は本を読んでいる計算になります。お子さんに「読みの流暢さ」を身につけさせたければ、アメリカの子どもたちと同じように、簡単な本を50~60冊読ませればいいのです。
多読に適した本
日本の子どもたちの多読に適した本は、グレードリーダーズ(Graded Readers)と呼ばれるシリーズです。 これは、英語を母語としない学習者向けに単語や文法が簡易化された本で、語彙力が弱い子でも、読み進めていくことができます。内容は英米のクラッシック文学から映画のシナリオまで幅広く用意されていますから、年齢や興味に応じて、飽きることなく読書量を増やしていくことができます。
代表的なグレードリーダーズは「Penguin Readers」「Oxford Readers」「Richmond Readers」「Black Cat Readers」などです。グレードリーダーズの多くは、見出し単語数(総単語数ではありません)によってレベル分けされています。例えば「Penguin Readers」は、レベル1が見出し語300語以内、レベル2が600語以内、レベル3が1200語以内という要領です。ペンギンリーダーズは日本語のウェブサイトがありますから、興味ある方はチェックしてみてください。http://www.longmanjapan.com/penguin/readers_j.html
多読以前の子ども
本を読む前提は単語が読めることです。単語を読むために必要な取り組みは「フォニックス」と「サイトワーズ」です。フォニックスは英語の五十音であり、英単語を正しく発音するための基本中の基本です。[abcde]を「アブクドエ」と教えます。すると[cab][bed][bad]が読めますね。
サイトワーズは英語の漢字学習です。よく出る単語をよく出る順に覚えていきます。サイトワーズは「一目で読めなければならない」重要単語です。これらはフォニックスのように単語を分解せず、丸ごと読めるように教えます。サイトワーズのリストはインターネットで入手できます。単語リストを印刷して家庭で読み方を教えてあげましょう。
