Vol.041 | どうしたら英語が身につくのか
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引用・転載元:
https://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal/1411hj/
船津 徹(Funatsu Toru)『Vol.041 | どうしたら英語が身につくのか』(株式会社 児童英語研究所、2014年)
「どうしたら英語が身につくのか?」教育関係者や英語教育に熱心な保護者たちが探し求めている答えは、アメリカの移民英語教育にあります。ご存知の通り、アメリカは移民の国です。世界中から、あらゆる言語を母語とする人たちが、成功を夢見てアメリカに移り住んできます。多様な言語が混在する社会で、人々のコミュニケーションを円滑にする基盤となるものが移民英語教育です。
国際化の進展により、日本でもブラジルやペルーからの移民子女の日本語教育が大きな社会問題となっています。彼らが学校で要求されるレベルの日本語を獲得していくには、今までの「日本人向けの国語教育」では不十分です。移民子弟には「移民のための日本語教育」が必要なのです。
移民先進国アメリカでは、今から300年前、1700年代から「移民のための英語教育」が研究されてきました。移民子弟が満足な英語力を身につけることは、アメリカ社会に安定と発展をもたらす土台です。そのような国家ニーズを背景に発達したアメリカの移民英語教育は、世界で最も進んだ、歴史と実践のある英語教育法だと言えます。
移民英語の焦点はリーディング指導
アメリカでは移民の英語指導をESL (English as Second Language)、またはELL(English Language Learner)と呼びます。多くの大学には、移民英語を専門的に研究する学部があり、活発にリサーチが行なわれています。例えば、ハワイ大学には、Second Language Study(第二言語研究)という学部があり、英語を第二言語とする移民のための英語教育法が研究されています。
フロリダ大学は、2002年に、Florida Center for Reading Researchという研究所を設立し、移民英語教育の中でも「リーディング」に特化した研究を行なっています。この研究所には、アメリカ合衆国政府から、毎年10億円の助成金が交付されており、移民英語教育の中で最も注目されている研究機関です。
近年の移民英語指導の焦点は「リーディング指導」です。移民の子どもたちが英語力を身につけ、学校適応し、学力を獲得し、アメリカ社会で成功していく近道が「リーディング力」であることが、多くの研究によって明らかになっています。日本では英語というと「会話力」が着目されますが、移民先進国アメリカでは「英語力=リーディング力」なのです。
大量のリーディングが英語力を育てる
アメリカの学校へ留学経験のある方はご存知だと思いますが、留学して一番苦労するのが宿題の多さです。アメリカでは学年を問わず、日本よりもはるかに大量のリーディングが要求されます。毎日学校から帰ってくると、教科書や資料との格闘が始まります。英語を読むスピードが遅い留学生は、ただ教科書を読むだけで数時間を要し、宿題が終わるのは真夜中という生活を余儀なくされます。
しかし、この苦労を経験した人、つまり大量のリーディングを経験した人は例外なく英語を身につけて日本に帰ってくるのです。アメリカに留学したから英語ができるようになったのではなく、留学中に大量のリーディングを実践したから英語が身についたのです。
「英語力=リーディング力」そう考えると、日本で生活する子ども(あるいは大人)が英語力を身につけることは可能ですね。まずは、英語を正しい発音で流暢に読む技術を身につけ(正しく読めないとリーディングスピードが向上しない)そこから先はコツコツと多読を継続していけばよいのです。
毎日90分間のリーディング練習
前述のフロリダ大学では「毎日90分のリーディング練習」を提唱しています。これは、正しい言語発達の順序に従って、毎日90分のリーディング練習を行なうことで、どの子も学年レベルのリーディング力を身につけることができるというものです。詳細については次回のお楽しみ!
