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2020年4月号パルキッズ塾

Vol.96 | 子どもの英語力を見誤ってないですか?

written by 小豆澤 宏次(Hirotsugu Azukizawa)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
https://palkids.co.jp/palkids-webmagazine/palkids-juku-2104/
小豆澤宏次『子どもの英語力を見誤ってないですか?』(株式会社 児童英語研究所、2021年)


特集イメージ1 これからパルキッズをスタートされる方からいただく質問でよくあるのが「うちの子、英語がよくわかっていないみたいなんです」「わからない単語がたくさんあるみたいで」「全然話してくれないんですが」というものです。こういったご質問を聞くと、毎回、なぜ子どもの英語力が〇〇であると言い切れるのだろうか、と思ってしまいます。
 正直なところ子どもの英語力を見極めるというのは、プロでも相当経験がないと難しいです。私も現場で子どもたちのレッスンをしている時は、英語力を見極めるために、どういう取り組みをやって、どういう素材を出して、どういう反応をするのか、という一定のプロシージャーを決めていました。
 これができたということは、これだとどうだろう。なるほど、これはこういう反応だから、ではこういう結論である。というような形です。また、子どもがどういう反応をするかというのは、子どもの性格を把握していなければいけません。子どもの性格を把握するためには親子関係、特に母親と子どもの関係を知る必要があります。
 このように、子どもの英語力を判断するためには様々な変数があり、その変数を正確に処理するためには、長年の経験で培ったプロシージャーが必要であるということです。
 どうでしょう?プロでもこれぐらいハードルが高いことを、幼児英語教育のアマチュアのお母様が簡単に判断できるとは思えません。だからこそ、最初の「なぜこんなに簡単に言い切ってしまうのだろう」につながるのです。
 少々厳しいことを言ってしまいましたが、そもそもお母様は子どもの英語力を判断する必要はないのです。お母様がお子様の英語教育のプログラムを組むわけではないですからね。餅は餅屋です。今、お子様に必要な取り組みは何なのか、次に必要なのはどういう取り組みなのか、プロである我々に聞いていただければよいのです。そのためのサポートなのですから。


英語を理解している?のホントのところ

特集イメージ2 子どもの英語力を判断することがいかに難しいことなのかおわかりいただけたところで、ここからは誤解部分をもう少し詳しく見ていきましょう。
 まずは「うちの子、英語がよくわかっていないみたいなんです」「わからない単語がたくさんあるみたいで」というご質問がなぜ誤解なのかという点です。子どもの英語の理解について、お母様のご判断基準は往々にして単語力を見ている場合が多いようです。お母様からすると、子どもたちの語彙は、私たち大人が中学以降やってきた単語帳方式で増やしていくものだと思っていませんか?そうでないにしても、語彙というのは「身についた」か「身についていないか」の二択になっている場合が多いようです。
 実は語彙というのは、ON/OFFのような形で獲得していくのではなく、グラデーションのような形で身につけていきます。もっと言うと、語彙は意味の範囲を狭めていきながら身につけていくのです。
 例えば名詞の場合は簡単です。「apple=りんごのイメージ」で間違いありません。オンラインレッスンのフラッシュカードやどっちクイズ、または絵本に触れることで簡単に語彙化できてしまいます。
 しかし、その他の品詞の場合はそうはいきません。例えば青い鳥の絵とともに “This bird is beautiful.” というセンテンスが出てきたとします。そして ‘beautiful’ という単語がどのように語彙化されていくのかを想像すると、最初は ‘beautiful’ を「青色」のことだと思うかもしれません。または、出てきた鳥のことを指すと思うかもしれません。もちろん子どもたちはそんなことを意識することはありませんが。
 この時点ではお母様からすると「わかっていない」ということになるかもしれませんが、実は間違ってはいないのです。なぜなら青色も ‘beautiful’ の一部だからです。その後さまざまな色が ‘beautiful’ であるということ、さまざまなモノが ‘beautiful’ であること、そして形あるものでない音色などで ‘beautiful’ が使われることで、次第に意味の範囲が狭くなって理解が深まっていくのです。
 結局何が言いたいのかというと、語彙の獲得というのは複雑で、子どもによって、もちろん経験すること、興味の対象によって、異なるのです。つまり、簡単に「単語がわからない」と言い切ることはできないのです。


英語が話せない?のホントのところ

特集イメージ3 「全然話してくれないんですが」これは幼児英語教育の永遠のテーマというか、もう何十年もここに縛られている方は一定数います。まずはボタンの掛け違いから直しましょう。「話せない」のではなく「話さない」のです。特にパルキッズのようなイマージョン教育で育った子は「話さない」子が多いですね。
 なぜ「話さない」のか?まず、ひとつ目の理由は「話す必要がないから」です。母語が通じる親や家族、そして出会う日本人に対して、わざわざ英語を話す必要はありません。子どもたちにとって「言語」はあくまでも道具であって、誇れるスキルではないのです。ナットを回すのにスパナを使いますよね。それをわざわざペンチを使うことはありません。それと同じことなのです。
 2つ目の理由は「経験がない」からです。誤解していただきたくないのが「経験がない」ということと「能力がない」というのはイコールではありません。ボールを投げる能力はあるけれど、ボールを投げたことがないから下手なだけなのです。それを証拠にパルキッズの子どもたちは、サマースクールや海外転勤などで海外の学校に編入すると、最初は戸惑いますが、すぐに慣れて問題なくコミュニケーションができるというご報告をたくさんいただいています。
 日本では「話す」という経験を積むためにはある程度のコストがかかってきます。どうせコストがかかるのであれば、しっかりと準備をしてから経験を積む方が効率的です。そのため、どうしても話す経験を積みたい場合は、英検準1級に合格してから儲けてあげましょうとご指導しています。
 英検準1級レベルとなると知識もそれなりにあり、母語で自身の意見を伝えることもできるようになっています。このレベルでネイティブと会話をすると、日常会話はもちろん、時事に関する話題で意見を交換することもできるようになっています。こういう経験にはお金を払っても良いと思えるのではないでしょうか。


蜃気楼を追わない!成果は向こうからやってくる

特集イメージ4 さて、子どもの英語力の本当のところを知るためには、相当の難易度であることをお伝えしてきましたが、実は簡単に「英語ができるようになっている!」と知ることができる方法があります。それは「読めるようになる」ことです。
 これまでは見せてくれる英語力が氷山の一角のような、または蜃気楼のようなものであったのが、読めるようになることではっきりと「相当の英語力が身についている」と傍目でもわかるようになります。
 そしてこれは親だけでなく、本人も読めるようになることで、英語というツールを自分は使うことができると自覚できるようになります。そしてこれが自信になり、能動的な学習へと繋がっていくのです。
 なぜ、読めるようになるということが、そのような判断基準になるのでしょうか?それは偶然では読めないからです。例えば何かを問われた時に適当に ‘Yes!’ といえば何だか通じたような気がしますが、子どものそういった反応では偶然うまくいった場合が往々にしてあります。しかし、読むことに関しては全く異なります。
 “Once upon a time…” と書いてあるのを読むことができれば、それは偶然ではありません。文字を音に変換できるようになっているのです。言うなれば初見で楽譜を見てピアノを弾けるようになっているのです。これは疑いようのない成果です。
 今、お子様の英語力について、「身についているのかしら、それともまだまだなのかしら」と悶々とした日々を過ごしていらっしゃるようであれば、読めるようになるまで、成果について考えるのは止めてみましょう。蜃気楼を追うのではなく、すべきことをしてじっと待っていれば成果は向こうからやってきます。
 4月から新年度が始まりました。まずは環境づくりができているか、その確認をしながら、気負わず、待ちの姿勢で取り組みを続けていきましょう。


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プロフィール

小豆澤 宏次(Azukizawa Hirotsugu)

1976年生まれ。島根県出身。同志社大学経済学部を卒業後、米国ボストンのバークリー音楽大学に留学し、音楽家として活動。帰国後は幼児・児童向け英語教室にて英語講師を務める。児童英語研究所所長・船津洋氏に「パルキッズ理論」の指導を受け感銘を受ける。その後、英語教室の指導教材を「パルキッズ」へと全面的に変更。生徒数を大きく伸ばすことに成功する。児童英語研究所に入社後は、年間1,000件以上の母親への指導を行うとともに、パルキッズのオンラインレッスンのプログラムの制作ディレクションを行う。また大人向けの英語素読教材の制作ディレクションも行う。

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