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2024年1月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.150 | 子どもの強み育ては「気質」の見極めから

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
https://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal-2401
船津徹「子どもの強み育ては「気質」の見極めから」(株式会社 児童英語研究所、2024年)


 研究者気質だね!
 スポーツの素質があるね!
 音楽の才能があるね!

気質、素質、才能、どれも人の能力を評価する時に何気なく使っている言葉ですが、意味を明確に使い分けている人は少ないと思います。「強み作り」は、どの子にも生まれつき備わっている三つの特性、

1) 性格的特性=気質(例:優しい)
2) 身体的特性=素質(例:背が高い)
3) 技能的特性=才能(例:リズム感がある)

の中から「優れた部分」を見極めることからスタートします。
 たとえば、優しい気質で、背が高いという素質があり、リズム感が良いという才能を持つ子でしたら、どんなことに向いているのか、直感でわかりますね。私が親でしたら、その子にダンス、演劇、バレエなどを紹介して「強み」を作ってあげるでしょう。


気質の見極めが習い事の伸び代を決める

 子どもの強み作りを長期的視野で考える時、カギを握るのが「気質」です。多くの親は、「身体が大きい」という身体的特性や、「リズム感が良い」という技能的特性を伸ばそうと直感的に考えると思います。子どもの性格面の特性である「気質」については、「強み」というよりは、むしろ「弱み」として捉えているケースがしばしば見られます。
 しかし、子どもの「強み作り」を進める上では、性格的特性である「気質」の中から良い部分を特定することが不可欠です。その理由は明快です。気質に合っていないことは「楽しめない」からです。楽しめなければやる気にならない。やる気にならなければ長続きしない。長続きしなければ強みにならないのです。
「身体が大きい」子は、一見してスポーツの素質があることがわかります。しかし子どもの気質が「優しい」という場合、相手を打ち負かすことが求められる競技を「心から楽しめない」のです。楽しめなければ、「やる気」が出ず、自発的な意欲で向き合えませんから、「伸びしろ」が小さくなってしまいます。
 同様に、活発な気質の子をピアノ教室に入れたり、マイペースな気質の子をサッカー教室に通わせても、「気質」に合っていないため上達ペースが(気質に合っている子よりも)遅くなりがちですから、自信につながらないのです。
 これとは反対に「負けず嫌い」という気質の子であれば、たとえ身体が平均よりも小さいというハンデがあっても、勝ち負けがつく競技スポーツに従事させれば活躍できる可能性は高まります。気質を見極めて、気質に合った環境を提供してあげると技能習得が早く、結果として「強み作り」が成功しやすいのです。
 強み作りは「気質の見極めから」。子どもの気質に合わない環境に入れても精神的なストレスを与えるだけなのです。強みを作りというのは、気質にあった教育や環境を与えて、才能(技能)を高いレベルへ引き上げることなのです。


生来子どもに備わる気質を最大に活かす!

 気質というのは心理学用語で、人間の性格の中心にある精神・感情面の傾向(強弱)のことです。「活発・おとなしい」「おおらか・神経質」「頑固・飽きっぽい」など、生まれつき備わっているものであり、基本的には一生変わりません。
 性格もほぼ同じ意味で使われますが、性格は家庭環境、親の育て方、育つ土地、学校環境、子ども自身の努力や経験によって変わることが珍しくありません。ですから子どもの性格を変えたければ環境を変えてあげればいいのです。
 たとえば、海外で育つ日英バイリンガルの子どもは、日本語と外国語を話す時に性格がガラリと変わることがあります。日本語を話す時は物静かで優しい雰囲気の子が、英語を話す時はアグレッシブで直接的になったりします。
 環境(集団社会)に適応するために子どもは性格を作り上げていくのです。子ども生来の気質のまま、うまく環境に溶け込めればベストなのですが、多くの場合、自分が属する集団社会に調和するために、ありのままの自分を少しだけ変える作業が必要になります。
 環境が変わった時に子どもの性格が変わったという経験、あるいは親である自分自身が、引っ越し、進学、就職などで新たな環境に適応する時(集団に調和するために)自分を少し変えるという経験をした人は多いと思います。
 「うちの子は内弁慶で、外ではいい子なのに家では暴れん坊なんです」というのも、子どもが自分が属する環境に適応するために(外では)性格を変えているために起こる現象です。
 気質は変わらないが、性格は環境によって変わるのです。子どもの気質を見極める時は、環境に合わせるために形成された「性格」と混同しないように注意してください。気質は生まれつきの性格です。「外ではいい子で家では暴れん坊」という場合、暴れん坊が子どもの気質です。
 気質は子どもが一番リラックスしている時、安心できる環境、すなわち家庭にいる時に現れるのが自然です。親子関係が良好で、子どもが親を信頼していれば、「家庭で過ごしている時の様子」に子どもの気質が隠れています。子どもが遊んでいる時、何かに集中している時、どんな様子なのか、何をするのが好きなのか、行動にどんな傾向があるか、観察してみましょう。
 子どもが小学生以上の場合は、乳幼児期にどんな性格的な特徴があったのか、思い出してみてください。甘えん坊でお母さんから離れられなかった、音楽が流れると身体を動かしていた、何時間も一人で黙々とブロックを作っていた、話好きで知らない人にどんどん話しかけていた、活発でしょっちゅう怪我をしていた、そんな子ども時代のエピソードの中に「気質」が隠れています。


ビッグファイブから「気質の強さ」を見極める

 1990年代にアメリカの心理学者ルイス・R・ゴールドバーグは、人の性格は「5つの気質の組み合わせ」によって作り上げられるとする「ビッグファイブ理論」を提唱しました。「ビッグファイブ理論」は、文化や民族差を越えた普遍的な理論として、現在も世界中で性格診断テストや適性検査に活用されています。
 ルイス・R・ゴールドバーグによる「5つの気質」は以下の通りです。直感で構いませんので、お子さん(あるいはご自身やパートナー)の気質のうち、どの部分が「強い」のかを診断してみましょう。すでに年齢が大きいお子さんの場合、幼児(6歳以下)だった頃に該当するものを選びましょう。(強いが二つ以上あっても構いません)

 外向性:外向的、社交的、活発(強い・普通・弱い)→パフォーマー気質
 協調性:仲間意識、気配り(強い・普通・弱い)→共感者気質
 誠実性:勤勉、几帳面(強い・普通・弱い)→研究者気質
 精神耐性:機嫌が良い、楽観的(強い・普通・弱い)→商人気質
 開放性:探求心、美的感性(強い・普通・弱い)→天才気質
 *精神耐性は本来「神経症的傾向」ですが、言葉にネガティブな印象を含むため、対義語である「精神耐性(メンタルの強さ)」に置き換えました。

 我が子の気質(強いに丸がついた項目):

 ルイス・R・ゴールドバーグによると、子どもの「個性」は、ベースになる5つの気質が、それぞれに異なるレベル(強弱)で組み合わさって形成されているもの。だから、同じ家庭で、同じように育った兄弟姉妹であっても個性が一人ひとり異なるというわけです。
 子どもに当てはまる「強い気質」が複数ある場合、どの気質が最も強いのか、「軸になる気質」を見定めておくと「強み育て」をする時に応用しやすくなります。
 たとえば「誠実性が強い」研究者気質の子どもはコツコツ一人で練習できる何かに取り組ませると技能を伸ばしていってくれます。「外向性が強い」パフォーマー気質の子どもであれば、スポーツ、演劇、ダンスなど、人前で身体を動かす活動に従事させると、生き生きと技能を伸ばすことができます。「開放性が強い」天才気質の子であれば、感性や好奇心を刺激するような環境(自然体験、美術館、動物園、博物館など)を与えれば食いついてくるでしょう。
 当てはまる「強い気質」が一つもないという場合は、「どちらかというと強い」で構いませんので、何か一つ子どもの「軸になる気質」を見つけてください。繰り返しますが、「5つの気質」は、どの子にもまんべんなく備わっている性格的な特性です。それぞれ気質の「強い・弱い」のレベルが子どもによって異なるだけです。
 「うちの子は内向的で、わがままで、飽きっぽくて、神経質で、無関心です!」という方は、ネガティブな気質の裏側にある「良い面」に目を向けてみてください。繰り返しますが、気質の弱さは「良い面の裏返し」なのです。子どもの悪い部分に目を取られて良い面を見逃さないように、子どもの見方を変える努力をしてください。


「気質」から子どもに合うスポーツを選択する

 習い事選択において、どの家庭でも検討すべきが「スポーツ」です。「うちの子は運動神経がないからスポーツは無理」「才能診断で運動的才能が弱かったからスポーツには向かない」、と決めつけずに、何か一つ子どもが長く続けられるスポーツ、一生を通して趣味にできるようなスポーツを見つけてあげることを「強く」お勧めします。
 机から離れて身体を動かしたり、仲間と共通のゴールに向かって切磋琢磨したり、本気で競争する経験は、子どもの「やる気」「対人スキル」「自己肯定感」などの「非認知能力」を高めてくれます。スポーツで培った精神力は勉強面にも良い影響をもたらしてくれますから、受験で忙しいという場合でも、可能な範囲で子どもをスポーツに従事させるように配慮してください。
 子どものスポーツ選択のポイントは、「気質」に合った種目を選ぶことです。スポーツは「競争の種類」によって「自己競争」「ガチ競争」「集団競争」「表現競争」の四つに分類できます。これらの異なるタイプの「競争」の中から子どもの「気質」に合ったものを選んでいきます。
 「自己競争」というのは、ゴルフ、陸上、水泳、アーチェリー、弓道、ボート、自転車、スピードスケート、スラロームスキーなど、特定の相手と勝ち負けを争う直接的な競争ではなく、スコアやタイムの向上を目指す「自分との戦い」です。集中力が高く、コツコツと物事に取り組む「天才気質」と「研究者気質」の子どもは「自己競争」で伸びやすい傾向があります。
 「ガチ競争」は、テニス、卓球、バドミントン、レスリング、柔道、空手、剣道、相撲、ボクシングなど「一対一のガチンコ対決」によって勝敗がはっきりと決まる競争です。負けず嫌いで粘り強い「商人気質」の子どもは「ガチ競争」に参加させると伸びるケースが多いです。
 「集団競争」とは、サッカー、野球、ソフトボール、バレーボール、バスケットボール、ハンドボール、ラグビー、ラクロス、ホッケー、水球など「チーム単位の競争」によって勝敗が決まるスポーツです。こちらは社交的で活発な「パフォーマー気質」やチームワークを重視する「共感者気質」の子どもに向いています。
 「表現競争」というのは、バレエ、ダンス、チアリーディング、体操(新体操)、トランポリンなど、「技術力と表現力を第三者(審査員)が審査(採点)する分野」です。こちらは調和を愛する「共感者気質」、そして、身体表現が得意な「パフォーマー気質」、さらに、感性が豊かな「天才気質」の子どもに向いている分野です。  わが子の「気質」から子どもにマッチしそうな習い事を選んでみましょう。


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プロフィール

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2401年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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