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2019年11月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.101 | 英語教育は「バイリンガル」から「バイリタラシー」へ

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
http://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal-1911
船津徹「英語教育は「バイリンガル」から「バイリタラシー」へ」(株式会社 児童英語研究所、2019年)


 「どうしたら英語が身につくのか?」英語教育を実践する親や教師たちが探し求めている答えはアメリカの移民英語教育にあります。ご存知の通りアメリカは移民の国です。世界中からありとあらゆる言語を話す人たちがアメリカというコミュニティーを形成しています。多様な言語が混在する移民国家において、人々のコミュニケーションを円滑にし、社会に安定をもたらし、国家の経済成長を支える柱が移民英語教育です。


バイリンガルからバイリタラシー教育へ

 移民の国アメリカでは1900年代初めから「移民のための英語教育」が専門的に研究され実践されてきました。移民英語教育は、移民一世がアメリカ社会に適応し、経済活動を活性化することはもちろん、移民子女がアメリカの学校教育に適応するためにも不可欠なものです。そのようなニーズを背景に発達したアメリカの移民英語教育は、世界で最も進んだ、実績ある英語教育と言えます。
 アメリカの多くの総合大学には、移民英語教育を専門的に研究する学部があり、現在も活発にリサーチが行なわれています。フロリダ州立大学は、2002年にFlorida Center for Reading Researchと呼ばれる研究所を設立し「リタラシー/読み書き」に特化した研究を行なっています。この研究所にはアメリカ合衆国政府から毎年10億円の助成金が交付されており、移民英語教育の中でも注目されている分野です。
 一昔前の移民英語教育は「バイリンガル」すなわち「二カ国語が話せる」ことに焦点が置かれていました。しかし近年は「バイリンガル」から一歩進んで「バイリタラシー」すなわち「二カ国語で読み書きができる英語教育」に重点がシフトしています。


家庭でリーディング力をサポートする!

 移民子女がアメリカの学校に適応し、アメリカ社会で成功していくためには学力の土台である「リタラシー教育」が不可欠であることが多くのリサーチによって明らかになっています。「リタラシー教育」の普及にともない、家庭で英語の読み書きをサポートすることの重要性を啓蒙する活動が全米で広がっています。
 前述のフロリダ州立大学は移民家庭に対して「毎日90分のリーディング」を提唱しています。これは、子どもが正しい言語発達の順序に則って毎日90分のリーディング練習を行なうことで、学年レベルのリーディング力を短期間で身につけられるというものです。
 ロサンジェルスタイムズ紙は「9歳までに読書力を身につけよう(Reading By 9)」という活動を1998年から行なっています。移民子女が多い南カリフォリニアを中心に、家庭で「リーディング力をサポートすること」の重要性とその実践方法を保護者に普及させることが目的です。
 1996年にワシントン州で発足した非営利団体The Children’s Reading Foundationは「小学3年生までに学年レベルのリーディング力を身につける」ことを目標に掲げ、親子で毎日20分の読書活動を提唱しています。
 これらの活動に共通することは「家庭でのリーディングサポート」を強く奨励していることです。子どもの英語力発達を学校任せにせず、家庭でもサポートを与えることで、リーディング力を確実に向上させることができるのです。


全米に広がるバイリタラシー認定印章

 二カ国語でリタラシーを身につけた子どもたちの功績を社会に認知させることを目的としてカリフォルニア州でSeal of Biliteracy(バイリタラシー認定印章)が制定されました。
 これは、高校卒業までに二カ国語以上の読み書きを習得した子ども(条件を満たすことが必要)を学校、学区、州が認定し、表彰するものです。受賞者にはState Seal(州の印章)が卒業証書につけられ、成績証明書にも受賞したことが表示されます。
 バイリタラシー認定印章によって、これまで社会的に評価されることが少なかった「二カ国語で読み書きできる技能」を、大学や一般雇用者に示すことが可能になったのです。


日本でも移民の国語教育が求められている

 ローバル化の進展により日本でも移民子女の日本語教育が問題となっています。彼らが勉強で苦労する理由は、アメリカの移民英語問題と同じです。日本語の読み書き=リタラシーが足りないからです。
 移民子女は「家庭で」補助的な日本語教育を受ける機会が少ないため、読み書きの習得に人一倍時間がかかるのです。読み書きができるようにならなければ学校の授業についていけませんから、当然学習遅れが目立つようになります。
 グローバル化に伴い、国境を越えて移動する家庭が急増しています。家庭と学校で異なる言語を話す子どもたちが、自己アイデンティティを維持しながら、現地校適応するには、二つの言語で読み書きできる力=バイリタラシー教育を徹底することが不可欠です。
 今世界中でバイリンガル子育てをしている実践している家庭では、日本語と英語、二つの言葉が話せるだけでなく、二つの言葉で「読み書きができる力」の習得を目標としてださい。


TLCのオリジナルフォニックス

 ハワイとロサンゼルスのTLC for Kidsでは移民子女向けに英語の「リタラシー教育」を2001年から実践しています。家庭でのサポートが少ない移民子女が学習することを前提に、音声と映像を多用したオリジナルのカリキュラムで「英語の読む力」を短期間で身につけることができます。TLC for Kidsのオリジナルフォニックス動画はYouTubeで「TLC Phonics」と検索すれば見つかりますのでぜひご活用ください。


ハワイイメージ1【編集部より】
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プロフィール

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2001年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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