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2023年4月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.142 | 中学受験と英語は両立できる

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
https://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal-2304
船津徹「中学受験と英語は両立できる」(株式会社 児童英語研究所、2023年)


 幼児〜小学生の子どもに「英語」を習わせている家庭は多いと思います。しかし子どもが小学3〜4年生になり、中学受験が視野に入ってくると、受験科目に集中させるために「英語学習をやめる」という選択をする家庭が増えてきます。
 幼児期からコツコツと英語に取り組み、綺麗なネイティブ発音が身についてきたタイミングで英語学習を中断してしまうのは「もったいない!」というのが、20年以上子どもの英語教育に関わっている私の率直な意見です。
 小学校時代は「英語習得の黄金期」と言えます。日本語の読解力が著しく発達するこの時期は、英語力も伸び盛りなのです。バイリンガル研究の世界では、日本語も英語も、言葉の力は底辺で繋がっている(氷山説)が定説となっています。つまり日本語の運用能力が発達する小学校時代は、英語力も同じように伸ばしやすい時期ということです。
 子どもの成長を長期的視野で考えた時、小学校時代は「英語の読解力」を強化する時期なのです。英語は他の教科と違っていくらでも「先取り」ができます。算数や理科は小学生が大学生レベルの技能と知識を身につけるのは困難ですが、英語であれば小学生でも大学生以上の技能習得が可能です。


英語学習の適齢期は何歳なのか?

 ボストン大学、マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学の研究チームはインターネットで参加できる英語クイズを開発し、英語を第二言語で学ぶ世界67万人の英語力、学習開始年齢、学習期間、英語圏での生活経験を分析しました。
 その結果、ネイティブレベルの高度な英語力を身につけるには「10歳まで」に英語学習をスタートする必要があることがわかりました。参加者の英語力を集計したデータは、10歳以降に英語学習をスタートした場合、ネイティブレベルの英語力を身につけるのは極めて難しいことを示したのです。
 子どもが大人に比べて言語習得能力が高いことは広く知られていましたが、「何歳までその力が持続できるのか?」に対する明確な答えはありませんでした。しかし、この研究によって「10歳」を境に英語習得能力は下降線をたどっていくことがわかったのです。
 これは10歳を過ぎると英語が身につかないという意味ではありません。10歳までが最適期だということです。言語吸収力が高い10歳までに英語の基礎力を構築しておくことが、子どもにとって最も学習負担が少なく、また、「一生使える英語力」を獲得しやすいということです。
 もちろん一般的な家庭は子どもを「バイリンガル」に育てようとは考えていないでしょう。受験や就職で活かせる英語力を身につけさせたいというのが本音だと思います。しかしそうであっても、最も効率的に英語が身につけられる「10歳」を目標に据えて、英語教育のプランニングしていくことが大切です。
 中学受験をする子の多くが9歳〜10歳になると英語の私教育(塾や英会話スクールなど)を中断します。もちろんそれまでに「英語の基礎技能が身についていれば」英語にかける時間を減らして受験勉強に集中するという戦略もありです。しかし、残念なことに多くの子どもが「基礎技能」が定着する前に10歳に到達してしまうのです。そこで英語をストップしてしまうと、それまで培ってきた英会話力は低下していってしまうのです。


10歳までにどんな技能を身につけるべきか?

 外交官の父親に伴って2歳〜5歳までの4年間をアメリカで過ごしたサラちゃん。アメリカのプリスクールに通っていた時は英語ペラペラで、自分をアメリカ人だと思っていました。サラちゃんは帰国後に日本の小学校に通い始めました。するとあれだけ得意だった英語をすっかり忘れてしまったというのです。
 サラちゃんには4つ年上の姉(渡米時6歳)がいました。お姉ちゃんは日本に帰ってきてからも英語を忘れることはありませんでした。忘れるどころか日本でも(インターナショナルスクールに通うことなく)英語力を伸ばし、英語の達人に成長していったのです。
 一体二人の間にどのような「違い」があったのでしょうか?
 親の海外転勤などで英語圏に移り住んだ時、家族で誰よりも早く英語(英会話)を身につけるのは、年齢の一番小さい子どもです。親よりも、小学生の姉よりも、プリスクールに通う3歳児の方がはるかに短期間で英会話を身につけることができます。
 年齢の小さな子どもほど環境適応能力が高く、スムーズに、そして、ストレスなく英語力を獲得していくことができるのです。こと「英会話力」については年齢が小さい子ほど有利であることは明らかです。
 しかしその一方で、幼児期に身につけた「英会話力」というのは、サラちゃんの例のように、環境が変わり英語を使う必要がなくなると、忘れてしまうのも早いというデメリットがあるのです。
 でも渡米時に6歳だったお姉ちゃんは、なぜ日本帰国後も英語力を維持・向上できたのでしょうか?  その答えは「読解力」です。お姉ちゃんはアメリカの小学校で英語のリーディング(読解)を学習していたのです。日本に帰国する時には、簡単な英語の本が一人で読めるようになっていました。
 そして帰国後も大好きな英語の読書を継続することで、自力で英語力を伸ばしていったのです。英語の読書には、英語を話す力、聞く力、理解する力、思考する力など、英語力全体を向上させる働きがあるのです!


小学生からは英語のリーディング(読解)を実践する

 「英会話力」は、年齢が小さい子どもほど苦労なく、短期間で身につけることができます。しかし肝心なのは、早期英語教育で培った「英会話力」を「リーディング力=読解力」へとつなげていくことです。
 子どもに英語教育を実践している人の多くがこのことを知らず、小学生になってからも「会話中心」の英語教育に終始しています。どれだけ豊かな会話力を身につけても、リーディング力へつなげていかなければ、英会話力も英語に対するモチベーションも下がってしまうのです。英語のことわざ「Use it or lose it.(使わなければ無駄になる)」を心に留め置くことが大切です。
 リーディング力の習得についても「10歳の重要性」が調査でわかっています。全米の4年生、8年生(中学2年)、12年生(高校3年)を対象に定期的に実施されている全米学力調査(NEAP)の統計を見ると、小学4年生時点のリーディング力は、8年生、12年生になっても変わらないことが分かります。つまり小学校4年生までに満足なリーディング力が身につかないと、学年が上がってから取り戻すことが難しくなるのです。
 ロサンジェルスタイムズ紙は「9歳までに読書力を身につけよう(Reading By 9)」という活動を1998年から行なっています。移民の子どもが多い南カリフォリニアを中心に、家庭で「リーディング力をサポートすること」の重要性とその実践方法を保護者に普及させることが目的です。
 1996年にワシントン州で発足した非営利団体、The Children’s Reading Foundationは「小学3年生までに学年レベルのリーディング力を身につける」ことを目標に掲げ、家庭で毎日20分の読書活動を啓蒙しています。
 これらの例のように、英語ネイティブであれ、英語を第二言語で学ぶ移民の子どもであれ、学校の勉強で成功するためには「リーディング力を10歳までに習得する」ことが重要であるとアメリカでは広く認識されているのです。
 日本の小学校でも低学年から英語教育がスタートしていますが、指導内容が「コミュニケーション」に偏りすぎています。この時期の子どもは英会話だけでなく、「リーディング力」も楽に獲得していくことができるのですから、もう少し「リーディング力」の指導を強化することが必要です。
 近年、韓国、中国、台湾など、アジアの国々が英語力を向上させることに成功していますが、その一因として、小学1年から英語を学校の正式教科とし、リーディング指導を行っていることにあると私は考えています。
 では具体的にどうリーディングを指導していけば良いのか、次にご説明します。


どうやって「リーディング力」を育てるのか?

 リーディング力の育成は「フォニックス」からスタートします。フォニックスは日本語の「かな五十音」に相当するもので、アルファベット26文字の「正しい音」を教える指導です。日本の小学一年生が「かな五十音」を学ぶように英語圏の子どもは最初にフォニックスで英語の読み方を習います。
 日本では「A=エイ」「B=ビー」「C=シー」とアルファベットの「名前」を教える指導が一般的ですが、エイビーシーを覚えても簡単な三文字単語の「CAB」すら読むことができません。「CAB=シー エイー ビー」になってしまいます。
 フォニックスは「A=ア」「B=ブ」「C=ク」という要領で、アルファベットの「音」を教える指導です。これを学ぶと「CAB=ク ア ブ」と英単語が正しい発音で読めるようになります。
 フォニックスを一通り学ぶと簡単な本が読めるようになります。日本語では「漢字」を次々に覚えていかなければ本が読めませんが、英語には漢字がありませんから、フォニックスを覚えるだけで、どんな本でも(理屈では)読めるようになるのです。
 ただしフォニックスも万能ではありません。フォニックスは英単語を分解して一文字ずつ読み方を教えるので、どうしても子どもが「拾い読み」をします。日本語のひらがなを習い始めの子どもが拾い読みをするのと同じです。拾い読みを解消するために効果的な取り組みが「サイトワーズ/Sight Words」です。
 サイトワーズは英語の頻出単語です。英語は「よく使われる単語」が明快な言語です。活字化されたあらゆる英語の「50%は頻出上位100単語」のサイトワーズで、そして「70%は頻出上位300単語」のサイトワーズで構成されていると言われています。
 たった300単語のサイトワーズを覚えるだけで、どんな英語の本でも「70%」読めるようなるのですから、取り入れない理由はありません。サイトワーズはその名の通り「一目で読む単語」ですから、拾い読みでなく、瞬時に読めるように訓練します。
 サイトワーズにはいくつかの異なるリストがありますが、子ども向けで最も一般的なものが「ドルチサイトワーズ/Dolch Sight Words」と呼ばれる220単語+名詞95語です。英語圏の子どもが最初に読む本として有名な「Dr. Seussの絵本シリーズ」(The Cat in the Hatで有名)は「Dolch Sight Words」の単語をベースに書かれています。
 フォニックスとサイトワーズを学ぶと英語の本が正しい発音でスラスラ読めるようになります。そこから先は子ども向けの段階別の本(リーダーズと呼ぶ)の多読を通して「読解力」を高めていけばよいのです。


中学受験と英語学習を両立するには

 中学受験と英語学習を両立するポイントは「10歳までに」簡単な英語の本が読めるように英語教育をプランニングすることです。(最初は正しい発音で読めるだけで構いません。読解力は多読が進む中で自然に育っていきます)
 英語の本が正しい発音で読めるようになれば、英会話教室に通わなくても、自学自習で英語力を限りなく伸ばしていくことができます。本があれば、いつでも、どこでも、いくらでも英語学習ができるのです。リーディングほどお金がかからず、便利で、学習効果が高い英語学習法は他には見当たりません。
 中学受験中も「毎日10分」英語の本を読む時間を設けておけば、英語力が落ちる心配はありません。落ちるどころか、受験勉強中も読書だけで英語力を伸ばしていくことができます。そして、中学受験後には「英語が得意な生徒」として学校から認められ、大きな恩恵を得ることが期待できます!
 英語ができる人が極端に少ない日本では、英語は「武器」になります。ぜひ小学校時代に「リーディング学習」に取り組み、英語の本が読める子どもに育ててあげてください。子どもの将来の可能性が大きく広がります。
 リーディングの具体的な進め方については拙著「世界で活躍する子の英語力の育て方」(大和書房)を参考にしてください。フォニックス→サイトワーズ→リーダーズの多読までのステップを細かく解説しています。ご興味の方はこちらから購入できます。

 最後に、リーディング学習をお子さんに実践した読者の方のレビューをご紹介しておきますので参考にしてください。
『息子はインターナショナル幼稚園を卒業後、公立の小学校に入学したため、英語力の維持にかなり苦労していました。しかしながら「世界で活躍する子の英語力の育て方」に出会えてからは全てが変わりました。息子と同じ卒園生の子たちが園のアフタースクールに通っているにも関わらず、みるみる英語を忘れていき、全然話せなくなっていく中、息子はこの本の内容を実践することで、英語力は維持どころか、どんどん力が付いていきました。先日7歳で英検準2級を取ることができました。本当にこの本には感謝しかありません。
 追伸:先日9歳で英検2級に合格しました。この本に書いてある通り、本人の好きそうな洋書を買ってくるだけです。勉強せずにこんなにも英語力がつくものかと驚きです。』


ハワイイメージ1【編集部より】
船津徹先生の新著『失敗に負けない「強い心」が身につく 世界標準の自己肯定感の育て方』(KADOKAWA)全国書店にて発売中。困難に負けない「心の強い子」の育て方を詳しく紹介する一冊です。ポストコロナを生き抜くたくましい子どもを育てる知恵が満載です。ぜひご一読ください。▶︎詳細・お申し込みはこちらをクリック
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プロフィール

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2001年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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