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2022年9月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.135 | 世界中で英語話者が激増している

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
https://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal-2209
船津徹「世界中で英語話者が激増している」(株式会社 児童英語研究所、2022年)


 2011年から2021年の間に世界で英語を話す人の数(英語第二言語話者含む)は、約10.5億人から13億人(英語力の評価によっては15億人)に増えました。10年間で約2.5億人の増加であり、他のどの言語よりもはるかに早いペースで増え続けています。
 英語の重要性の高まりに合わせて日本の文科省も英語教育改革に取り組んでいますが、世界のスピードに追いつけていないのが現状です。小学校からの英語教育がスタートし、新たな試みが実践されていますが、英語に興味を持たせるための「コミュニケーション」や「遊び」に重点が置かれすぎており、肝心の英語力の底上げにはつながっていません。


目標が低すぎる日本の英語教育

CEFR(セファール) 日本人の英語力が停滞している一番の原因は「目標レベルが低すぎること」であると私は考えています。文科省が目標とする英語力は高校卒業までに「CEFR A2/英検準2級相当」です。ちなみにCEFR(セファール)というは言語力を評価する世界標準のガイドラインです。A1からC2まで6段階にレベルが分かれており、A2は下から二番目のレベルです。
 日本の高校生が「CEFR A2」を目標にしているのに対して、韓国、中国、台湾の高校生は、2段階上の「CEFR B2」を目標に定めています。その理由は明快です。国際基準で「実用的な英語力」と言える最低ラインが「CEFR B2」だからです。
 ちなみにCEFRガイドラインによると、B2の技能レベルは以下の通りです。

・自分の専門分野での技術的な議論を含めて、抽象的な話題でも、具体的な話題でも、複雑な文章の主旨を理解できる。

・英語ネイティブ話者とはお互い緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。

・幅広い話題について明確で詳細な文章を作ることができる。
 CEFR B2は、国際基準では「平均レベル」ですが、日本人の感覚では「英語の達人」と言えるような高度な英語力です。このレベルに到達するには、英会話だけでなく、リーディング力、ライティング力など英語の核となる技能のレベルアップを図る必要があります。
 このようにお伝えすると「英語ばかりに時間をかけるわけにはいかない!」「英語のゴールを高めるなど非現実的だ!」「子どもの負担が増えてかわいそうだ!」「英語より日本語が先だ!」という声が聞こえてきます。


何のための英語教育なのか?

 ここで原点に戻り、英語教育の目的を考えてみましょう。
 「受験のため?」「就職のため?」「多様性に触れるため?」様々なゴールがあると思いますが、英語に限らず、学校教育の目的は「社会で使える実用的な技能の育成」であることを忘れてはいけません。
 冒頭で述べた通り、英語を使える人の数は加速度的に増えています。それに伴い世界の英語レベルも「ひと昔前よりもはるかに高くなっている」のです。TOEFL iBTのスコア推移を見ると、2006年の世界平均スコアは79でしたが、2020年には87まで上昇しています。
 英語が苦手とされていたアジアの国々の英語力も年々向上しており、2020年のTOEFL iBT国別平均スコアでは、台湾が85、韓国が86、中国が87と、ほぼ世界平均レベルまで英語力を上げてきています。ちなみに日本は73で、じわじわとスコアを上げてきてはいますが、世界のスピードに追いつけていない状況です。
 つまり、子どもたちが将来、社会で使える「実用的な英語力」を育成するためには、韓国・中国・台湾のように、国際平均水準である「CEFR B2(TPEFL iBT 72-94)」を目標にすることが理にかなっているのです。
 同じアジアの国民ができるのですから、日本人にできないはずがありません。私はアメリカで英語学校を経営し、アジア諸国の子どもたちを指導していますから断言できますが、目標設定を高めることで、日本人も確実に高いレベルの英語力を身につけることができます。
 もちろんゴール設定を高くするだけであり、すべての人がそのレベルに到達しなければならないという意味ではありません。事実、日本の高校生のうち、現在の目標であるCEFR A2を達成している割合は「5割に満たない」のです。


どうしたらCEFR B2に到達できるのか?

 「CEFR B2レベル」を高校までに達成できる最も確実な学習方法が「英語多読」です。英語の本を読むことでCEFR B2のガイドラインにあるような高度な読解力、リスニング力、スピーキング力、ライティング力の全てを「同時に」身につけることができます。
 「本を読んでも会話力が身につかないではないか!」と思いましたか?
 読書でも会話力を鍛えることができます。英語の本には「会話中心」で書かれているものがたくさんあります。そのような本を読むことで、英語ネイティブが自然に使っている「生きた英語」に触れることができるのです。
 また英語の本を読んでいる時は、たとえ黙読していても、頭の中で「音読」していますから「スピーキング力」を鍛えることができます。さらに音読している英語を自分の耳(心の耳を含む)で聞いていますから「リスニング力」も一緒に鍛えているのです。
 「英会話力を鍛えるには英語ネイティブと会話をしなければならない」というのは多くの日本人の「思い込み」です。英語の読書力(英語の本を辞書なしで正しい発音で読む力)を育てることができれば、英語多読によって確実に英会話力も向上させることができます。
 さらに言えば、英会話で通用するブロークン英語とは違い、読書で培った英語は、正しい文法、洗練された表現、豊富な語彙を伴っていますから、より正確に(品良く)相手にメッセージを伝えることができるのです。つまり国際社会でも恥ずかしくない知的レベルの高い英語力が身につくというわけです。
 英語多読の一番のメリットは「子どもが自学自習できる」ことです。英語の本があれば、いつでも、どこでも、いくらでも英語学習をすることができます。英会話のように話し相手は不要ですし、英語塾のように先生の講義もいりません。読書だけで自分の英語力を限りなく向上させることが可能です。


正しい発音で読む力を育てることがスタート

 英語多読で重要なポイントが「正しい発音」を身につけることです。自己流の発音で英語の本を読んでいても、読みの流暢さ(正しい発音、ポーズ、イントネーションで読める状態)が向上せず、理解が伴わないのです。読みの流暢さと内容理解が比例する関係にあることは、多くの第二言語研究によって明らかにされています。
 日本の子どもが、最初に「ひらがな五十音」を習うように、英語圏の子どもは「フォニックス」で英語の読み方を学びます。フォニックスは子どものための読書指導法ですが、大人もフォニックスを学ぶことで発音を劇的に向上させることができます。
 YouTubeで「Phonics」「フォニックス」と検索してみましょう。たくさんのフォニックス動画を見つけることができます。また子ども向けのフォニックスアプリやゲームもたくさん開発されていますので、それらを活用して「正しい発音」を教えてあげましょう。
 もう一つ、正しい発音を身につける効果的な学習が「サイトワーズ/Sight Words」です。サイトワーズは「英語の頻出単語」で、英語の本を読む時に頻繁に出会う単語です。ちなみにサイトワーズの頻出上位10単語は「the, of, and, a, to, in, is, you, that, it」です。どれも誰もが知っている単語ですが、正しく発音するのはかなり難しいですね。
 サイトワーズは、よく見る単語を、よく見る順に覚えるというシンプルな学習ですが、高い効果が期待できます。というのも、あらゆる活字化された英語の「50%は頻出上位100単語」のサイトワーズで、そして、「70%は頻出上位300単語」のサイトワーズで構成されているからです。理屈の上では、サイトワーズを300語覚えれば、どんな本でも70%読めるのです。サイトワーズもYouTubeで検索すればネイティブ音声付きの動画を見つけることができます。
 私が20年かけて開発し、アメリカの学校(TLC for Kids)で使用しているフォニックス教材もお勧めです。こちらはオンディマンド型のオンライン教材で、歌とビジュアルキューを通してフォニックスとサイトワーズを学べます。興味ある方は無料トライアルにご登録ください(tlcphonics.com)。


英語多読は「リーダーズ」で行う

 正しい発音を一通り学んだ次のステップが「英語多読」です。ここで重要なのが「本の選び方」です。いきなり分厚いペーパーバックを与えても子どもが読めるはずがありません。
 英語の本には単語や文法が簡易化された「リーダーズ」と呼ばれる「やさしく短い本」がたくさん開発されており、ここから多読をスタートするのが成功への近道です。
 リーダーズは少しずつ難易度が上るように単語や文法に制限をつけて文章が書かれています。また各ページにはテキストの内容に沿ったイラストがありますから、英語力が弱い子どもでも(辞書なしで)内容を推察しながら読み進めていくことができます。
 リーダーズの内容は、名作文学、映画や演劇の原作、自伝、ミステリー、コメディー、SF、ノンフィクションなど多種多様であり、子どもの好みや興味に合った本を選ぶことができます。
 世界的に有名なリーダーズといえば、Pearson English Readers(旧ペンギンリーダーズ)です。Pearsonのウェブサイトでは、年齢、レベル、ジャンルなどを入力して本を検索するシステムがあります。これを活用することで子どもにベストマッチの本を見つけることができます。
 Pearsonリーダーズは、単語数200語(英検4級レベル)から、単語数3000語(英語準1級レベル)まで、7レベルに分かれています。まずは今の子どもの英語レベルよりも1ランク低い本からスタートすることをお勧めします。最初から難易度の高い本にチャレンジすると挫折することが多くなります。
 Pearsonリーダーズには、英語を始めたばかりの子ども向け(幼児〜小学低学年対象)のシリーズもあります。人気アニメのキャラクターが登場する本、グリムやアンデルセン童話など、子どもに人気のストーリーが豊富にありますので、年齢の小さいお子さんの英語教育にも活用できます。
 子どもの英語教育のゴールは「CEFR B2」です。このレベルを高校までに達成できれば、日本では英語の達人になれます!


ハワイイメージ1【編集部より】
船津徹先生の新著『失敗に負けない「強い心」が身につく 世界標準の自己肯定感の育て方』(KADOKAWA)全国書店にて発売中。困難に負けない「心の強い子」の育て方を詳しく紹介する一冊です。ポストコロナを生き抜くたくましい子どもを育てる知恵が満載です。ぜひご一読ください。▶︎詳細・お申し込みはこちらをクリック
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ブログはこちら▶︎https://ameblo.jp/tlcforkids/

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プロフィール

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2209年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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