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2020年6月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.108 | 9月入学は内なるグローバル化推進のチャンス

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
http://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal-2006
船津徹「9月入学は内なるグローバル化推進のチャンス」(株式会社 児童英語研究所、2020年)


 「9月入学」は、小学1年生の生徒増加(4月〜8月生まれの子が小学1年に重複するためクラス人数が約1.4倍なる)に伴う教員や教場の確保が困難なこと、幼稚園や保育園の入園・卒園時期を調整しなければならないこと、各種受験・就職活動の時期変更が必要なことなど問題が多く、子ども、保護者、教育現場の不安と混乱を煽るだけだという否定的な意見が多くあります。
 もちろん9月入学に伴う一時的な混乱は避けられません。しかし学校教育の目的である「社会で自立できる人材育成」を実現するためには、教育の国際化を進め、子どもたちの視野を広げ、個々の可能性を引き出す教育環境を、今、整えておくことが必要なのではないしょうか。
 欧米の学校の多くは「コロナ以前から」カリキュラムのデジタル化と遠隔教育の充実化を進めており、今回のパンデミックによって「学びが止まる」という事態には至っていません。日本の教育現場が「遠隔教育の導入」や「学習遅れの取り戻し」であたふたしている間にも、世界は先に進んでいるのです。
 学校年度を世界標準に合わせれば、国境を越えた学生・教員の交流が活性化できます。小学校から大学まで、キャンパス(オンラインも含む)の多様性を高め、異なる価値観や文化の衝突を、安全かつ建設的に実行できる環境を作ることが教育のグローバル化に向けての第一歩です。
 同時に遠隔教育の充実化が急務です。今は世界中の授業をオンラインで受講することができます。また世界中の子どもたちとオンラインで交流することも可能です。日本のユニークな授業を世界に発信する環境を整えるためにも日本の教育現場に外国人を増やす仕組み作りが必須です。


日本は海外の学生にとって魅力的な留学先

 9月入学は日本の高等教育のグローバル化を加速させるチャンスです。2019年の留学生受け入れ国ランキングを見ると「9月入学」を導入している中国は世界第4位の489,000人で、日本は第9位の208,901人でした。(Institute of International Education)
 しばらく中国への留学生数が減ることが予想されますから、日本が受け入れ体制を整えることで、留学生を大きく増やすことができます。日本への留学を希望する若者は世界中にたくさんいます。私が運営するアメリカの塾にも日本の大学進学を希望する生徒が毎年いますが、受験や入学の時期がアメリカと異なるため断念するケースが多くありました。
 極端な例ですが、アメリカの高校生は5月末〜6月初旬に卒業しますから、日本の大学を選択した場合、翌年の4月まで、1年近く入学を待たなければならないのです。(多くの日本の大学が「秋入学」を導入しており、この問題は解消されつつあります)
 受験出願と入学のタイミングを世界標準に合わせれば、世界中の学生が日本の大学を目指しやすくなります。日本の大学の学費は、私立であっても欧米に比べると破格の安さであり、それだけでも留学生にとって十分に魅力的です。ちなみに2020年のアメリカの私立大学の年間学費の平均は41,426ドル(440万円)で(US News)卒業までに学費だけで1700万円以上かかるのです。
 さらに日本の治安の良さ、清潔な環境、四季豊かな自然、各地域に残る食文化、伝統文化、職人文化などは世界に誇れる「強み」であり、世界中から優秀な学生を惹き付けるために十分過ぎる資産です。海外からの学生や教職員を増やし、キャンパスの多様性を高めることで、内なるグローバル化が実現できるのです。


4月入学と9月入学、どちらのメリットが大きいのか?

 そもそもなぜ日本は「4月入学」になったのでしょうか?日本の学校教育制度は、明治5年にフランスを模倣して作られた「学制」と呼ばれる教育法令が始まりです。フランスがベースですから日本も元々は「9月入学」だったのです。
 ではいつから4月入学になったのかと言えば、明治19年に3月を区切りとする「会計年度」を明治政府が導入したことに遡ります。学校は国家予算によって運営されていますから、自ずと4月スタートが定着したわけです。
 北米やヨーロッパなど北半球の国々では夏休み明けの9月入学が主流です。ごく一例ですが、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、イタリア、ベルギー、ロシア、中国、香港、台湾は9月が新学年のスタートです。
 なぜ9月なのかと言うと、その昔、ヨーロッパでは農作業の繁忙期が夏に集中していたからと言われています。子どもたちが農作業の手伝いから開放される9月に新しい学年がスタートし、再び忙しくなる初夏(5月〜6月)に学年が終わるというスケジュールが定着したわけです。
 4月入学も9月入学も昔の社会事情が引き継がれてきただけであり、入学時期によって子どもたちの学びに何ら差が生じることはありません。つまりどちらでもいいのです。では肝心の子どもたちにとってどちらがメリットが大きいかと言えば「9月入学」です。
 世界で主流の「9月入学」に足並みを揃えることで教育の内なるグローバル化が実現できることは述べました。また、進学や就職において海外の学校や外資系企業を視野に入れることが可能になり、子どもたちの人生選択の幅が広がります。さらに9月入学を導入することで子どもにとって「夏休みの意味」が大きく変わってくるのです。


夏休みは好きなことに思い切り取り組む時期

 9月入学を導入しているアメリカやヨーロッパ諸国では「夏休み」に宿題や課題が出ることはありません。(成績不振者の進級条件として夏期講習が課されるケースはあります)なぜなら夏休み前に(6月〜7月)学年が終了しているからです。
 欧米の子どもにとって夏休みは、学校から開放され、自分が好きなこと、打ち込んでいることに専念できる時期なのです。スポーツ合宿に参加したり、音楽やアートに没頭したり、自分が情熱を持っていることにとことん取り組み「人間力」を鍛えることができるのが夏休みです。
 4月入学ですと、学期の間に夏休みを挟みますから、宿題を出して学力低下を防ぐ措置が必要になります。その結果、夏休み中も子どもたちは学校の延長のような宿題・課題が強制され、それぞれの興味や関心を深める活動に従事したり、多様な経験を積むことが難しくなってしまうのです。
 アメリカでは夏休みに子どもをサマーキャンプに参加させる家庭が多いです。サマーキャンプというのは、親元を離れ、大自然の中で1ヶ月程度の集団生活を行うアクティビティです。いつもとは違う環境で、いつもと違う仲間との出会いを通して視野を広げ、身の回りことを自分でやる経験によって自立を促すことができます。
 小学校から高校卒業まで夏休みはたった12回です。この12回をどう過ごすかが、子どもの自立を左右すると言っても過言ではありません。夏休み中に多様な出会いを経験したり、技能や知識を高めるために自主的な努力を重ねてきた子どもは「心身共に一回り成長して」9月から新学年を迎えることができます。
 9月入学によって夏休みの目的が、子どもの個性や才能を育む時期、子どもの自立を促す時期へと変わり、ひいては、自分のやりたいことを見つけ、自分らしく自己実現できる人間形成へとつながっていくのです。


ハワイイメージ1【編集部より】
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プロフィール

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2006年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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