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2018年9月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.87 | 演劇と英語の関係

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
http://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal-1809
船津徹「演劇と英語の関係」(株式会社 児童英語研究所、2018年)


 ハリウッドで活躍する俳優の渡辺謙さん。英語を身につけたのは44歳の時に出演した映画「ラストサムライ」の時。それ以前は全く英語を話せなかったそうです。それがたったの5ヶ月で、英語でインタビューに対応できるまでになりました。渡辺謙さんは「五感をフル活用する方法」で英語を覚えていったそうです。
 同じくハリウッドで活躍する真田広之さん。やはり大人になってから英語を本格的に習い始めたそうです。真田広之さんはイギリスなまりやアメリカなまりの英語を完璧にコピーするなど「発音の良さ」で知られています。
 真田さんはあるインタビューで自身の英語学習法について次のように語っています。「作品ごとに求められるレベルやアクセントが全部違うんですよね。ですから、毎日毎日受験生という感じで。車の中だろうが、トイレの中だろうが、繰り返しセリフを言っていました。」


| なぜ俳優は英語上達が早いのか?

 ハリウッド俳優が特別な方法で英語を学んでいるかというと、そんなことはありません。一般の学習者との違いは、机から離れて英語に接していることです。辞書を片手に教科書とにらめっこをして、「英語を日本語に訳す」という勉強をしていないのです。その代わり、身体を動かしながら台詞を覚えたり、ひたすらネイティブの発音を真似るという学習をしています。
 ハリウッド俳優に限らず、演劇経験者は英語習得が早いのです。その理由は、英語を学問的に捉えず「コミュニケーションの手段」として学んでいるからだと私は考えています。
 英語は人と人とが思いを伝え合うためのツールです。受験勉強や資格試験のための英語学習から離れて、「コミュニケーションの手段」という原点に戻って英語に向かい合えば、英語を身につけることは決して難しくないのです。
 イギリスでは演劇はコミュニケーション能力を高める優れたツールとして古くから学校教育に組み込まれています。アメリカの学校では外国人子弟の英語教育(ESL)に演劇の手法は古くから応用されており、その効果はアメリカの長い移民英語教育の歴史が証明しています。


| コミュニケーション上手は英語上手!

 文化人類学者のレイ・バードウィステルの研究によると、コミュニケーションの内訳は「言語情報」が30〜35%、そして「非言語情報」が60〜65%だそうです。人間は言葉よりも、表情、言葉の強弱、語気の荒さ、身振り手振りなどの「非言語情報」に依存してコミュニケーションを成立させているのです。
 コミュニケーション能力が高い人は、空気を読んだり、相手が何を伝えようとしているのかを推察したり、その場の状況から会話内容を想像したりできる人、言い換えると「非言語情報を読み取る能力が高い人」です。
 そう考えると、子どもに英語を身につけさせる近道は「コミュニケーション力」を高めてあげること!という答えが見えてきます。人と関わることが好き、人と話をすることが好き、人の話を聞くことが好き、人と出会うことが好き、そんな社交的な子どもに育てることが、遠回りなようで、実は、英語を身につける近道なのです。


| 友だちができれば英語は上達する

 私は長年英語教育に関わっていますが、英語を短期間で身にける人は、年齢に関わらず「コミュニケーションがうまい人」なのです。いくら学力が高くても、人と関わることが苦手な人は、英語の四技能を上達させるのに時間がかかります。
 その一方で、学生時代は英語が得意だったわけでないのに、アメリカに来たら、あっという間に英語が話せるようになる人がいます。そのような人は例外なくコミュニケーション能力が高いのです。
 コミュニケーション能力が高ければ、すぐにネイティブの友だちができます。友だちができれば英語を聞く機会も英語を話す機会も増えます。つまりインプットもアウトプットも人間関係の中で積み上げていくことができるのです。
 また英語の発音や意味で分からないことがあった時は気軽に友だちに聞くことができますから、どんどん知識と技能が上達していくのです。コミュニケーション力が高い人は身の回りに(無料の)英語の先生をたくさん持っている。だから英語が短期間で上達するのです。

| 日本にも英語話者はたくさんいる

 国際化が進んだ今は、日本にも英語を話す人がたくさんいます。そんな外国人たちと線を引かずに、積極的に関わり合ってみてはいかがでしょうか?外国人だって日本人の友だちが欲しいのです。日本語や日本の習慣についての疑問を気軽に聞ける人がいれば相手にとっても得るものは多いのです。
 外国人の友だちができれば、日本にいながら英語を身につけることだって十分可能です。地域自治体が主宰する国際交流イベント、大学が主宰する文化交流イベント、観光ボランティアなど、日本にいながら外国人と交流する機会はいくらでもありますので活用してください。

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プロフィール

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2001年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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