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2021年8月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.122 | コミュニケーション上手は英語上手

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
https://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal-2108
船津徹「コミュニケーション上手は英語上手」(株式会社 児童英語研究所、2021年)


 中学2年生の時にアメリカ留学に挑んだケンタ君(仮名)。猛勉強が功を奏してカリフォルニア州の有名ボーディングスクール(全寮制学校)に合格しました。日本では学校の授業以外に特別な英語教育を受けたことがなかったケンタ君ですが、驚くほど短期間でボーディングスクールに合格するレベルの英語力を身につけることができました。
 留学先の学校では、最初の数ヶ月間は慣れない英語にとまどいましたが、すぐに友だちもできて、英会話力も目に見えて向上していきました。さらに二学期にはクラス委員に推薦されるなど、学校の人気者になったというのです。なぜケンタ君は短期間で高度な英語力を身につけられたのでしょうか?


演劇経験者は英語習得が早い?

 私は25年以上英語教育に携わっていますが、まれに超特急で英語を身につける人に出会うことがあります。そんな英語の達人は「演劇経験者」なのです。
 ハリウッドで活躍する渡辺謙さんや真田広之さんは「英語上手」で知られていますが、英語を本格的に習い始めたのは大人になってからだといいます。
 演劇経験者はなぜ英語習得が早いのかと言うと、「コミュニケーション力」が高いからです。相手の言葉を正確に聞き取ったり、発音や喋り方を真似たり、セリフを覚えたり、表情や身体の動きを駆使して表現する力など、演劇を通して身につけた「コミュニケーション力」はすべて英語習得に役立つのです。
 日本の学校では英語が「教科学習」として組み込まれているので、どうしても「英語を学問的に学ぶ」習慣が身についてしまいます。すなわち英単語の意味を覚え、文法ルールを覚え、辞書で英語を日本語に翻訳して理解する方法です。
 しかし英語は教科書とにらめっこをしながら学ぶよりも、スポーツや音楽のように、身体全体を使って実践する方法、すなわち「コミュニケーション」として学ぶ方が、学習者にとってはるかに楽しく、短期間で技能が上達するのです。
 事実アメリカの学校では、英語を第二言語で学ぶ子どもの指導(ESLやELLと呼ぶ)に「リーダーズシアター」「ロールプレイ」「ドラマ」など、演劇の手法を応用し、英語力向上に大きな成果を上げています。
 実は冒頭のケンタ君は5歳の時からダンスと歌を習っていたのです。小学生からは本格的に演劇を始め、数々の舞台に出演した経験があります。演劇を通して人前で話す力、台詞を覚える方法、相手に伝わりやすい発声・発音の方法、表情やジェスチャーを使って意思疎通する方法などを身につけていたのです。


演劇で「コミュニケーション力」が高まる

 イギリスの学校では演劇が必修科目になっていることが珍しくありません。また演劇の技術を駆使して歴史や国語などの教科を教える「ドラマ教育」がカリキュラムに組み込まれており、どの子も学校生活の中で大なり小なり演劇を経験します。
 アメリカでも演劇はスポーツに並ぶ人気を誇る課外活動(部活)です。2002年にアメリカの舞台芸術研究連合(PARC)は、学齢期の子どもを持つ親を対象に演劇やドラマについての調査を実施しました。その結果、回答者の「90%以上が演劇は子どもの教育に役立つ」と考えていることが分かりました。
 なぜ欧米で演劇が人気なのか?
 一番の理由は、演劇を学ぶことで「コミュニケーション力」を鍛えることができるからです。伝わりやすい発声・発音方法、目力や表情の効果的な作り方、身振りやジェスチャーなどで人を魅了する技術など、演劇を通して言語と非言語、二つのコミュニケーションスキルを同時に向上させることができるのです。
 舞台演劇を作る過程では、参加者同士がコミュニケーションを密にすることが要求されます。互いの思いを伝え合い、互いを尊重し、団結を深め、息を合わせて演じることによって一つの舞台を作り上げていきます。
 また舞台は、演者だけなく、台本作り、照明、音響、舞台美術、衣装、監督などたくさんの人たちの支えによって成立しています。舞台を作るという共通のゴールに向かって、多様な人たちと関わり、協力し合う経験が、子どものコミュニケーション力を豊かにしてくれるのです。
 グローバル社会では、一部の気の合う仲間だけでなく、多様な価値観を持つ人たちと協力し、共存することが求められます。実社会において良い人間関係を形成していくトレーニングとして子どもに演劇を経験させることは、欧米社会では「当たり前」というわけです。


演劇で「自己肯定感」が向上する

 演劇の恩恵は「コミュニケーション力」だけではありません。演劇には自分のよい面を発見し「自己肯定感を高める効果」があることが分かっています。
 米国ケンタッキー州の「シアターワークショップ・オブ・オズワルド」が舞台演劇に参加した子どもを対象に行なった調査によると、演劇を経験したことによって84%が「自分自身をより尊重するようになり」78%が「自分自身により満足している」と答えています。
 その理由として「よりよい自己規律が身につき(80%)」「同時に多くのことを処理できる能力が向上し(82%)」「やるべきことがスムーズにできるようになった(78パーセント)」と回答しています。
 舞台演劇に参加し、新しい仲間たちと、それまで経験したことがない活動にチャレンジすることで、子どもは自分のよい部分や新たな才能を発見することができます。その経験が「自己肯定感」を高めてくれるのです。
 演劇は、安全な環境(周囲の目を気にすることなく)の中で、子どもが思い切り全身を使った自己表現する機会を提供してくれます。参加者同士がお互いのよさを認め合い、支え合い、あるがままの自分を表現することで、新しい自分を発見することができるのです。


内気な子、シャイな子には「自信の補充」を!

 演劇をやらせてみたいけど、子どもの人見知りが激しくて心配、という場合は、「自信を補充する」ことから始めてください。自信を大きくする手っ取り早い方法は、親が「子どもを頼る」ことです。
 家の掃除、料理の手伝い、ゴミ出し、電球の交換、壊れた電気機器の修理、コンピューターの使い方、何でも構いませんから、子どもを頼って、助けを求めてみてください。そして子どもが協力してくれたら「◯◯が手伝ってくれて本当に助かったわ!」と大げさに喜んで、感謝の気持ちを伝えてあげましょう。
 お手伝いは3〜4歳の幼児から学齢期の子どもまで、自信を大きくする効果があります。子育て上手なお母さんは、子どもに頻繁にお手伝いを頼み、成功体験のインプットを積み上げています。何より子どもが手伝ってくれると親の負担が減り、本当に助かりますね。
 お手伝いを頼む時の注意は、命令で動かさないことです。どんなに小さな用事でも「頼むこと」を忘れないでください。「◯◯ちゃん、悪いけどこのお皿をテーブルに持っていくのを手伝ってもらえない?」と頼めば、子どもは必ず応えてくれます。そして手伝ってくれたら「ありがとう。◯◯ちゃんのおかげでママ助かったわ。頼りになるわ」と抱きしめて、感謝を伝えるのです。
 自分の働きは人の役に立つ、自分は必要とされている、自分には価値がある、それを実感できる体験を積み重ねることで、子どもは自信を少しずつ高めていくことができます。
 まずは身近なお手伝いを頼んでみてください。親が子どもを頼って、感謝するようになると、子どもは「もっとやりたい」「何か手伝うことない?」と自分から手伝ってくれるようになります。
 お手伝いを通して「自信」が大きくなれば、演劇などの新しい習い事にチャレンジする勇気が湧いてきます。今は半日や一日単位で気軽に参加できる子ども向けの演劇ワークショップが多く開催されています。まずはそこからスタートすることをお勧めします。


ハワイイメージ1【編集部より】
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プロフィール

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2108年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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