Vol.007 | ハワイのバイリンガル事情 その7 ~英語ができれば国際人?~
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引用・転載元:
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船津 徹(Funatsu Toru)『Vol.007 | ハワイのバイリンガル事情 その7 ~英語ができれば国際人?~』(株式会社 児童英語研究所、2012年)
お子さんに英語教育を実践している父兄の多くは、子どもが将来世界で通用する国際人に育ってほしいと願っていることでしょう。日本では「国際人=英語教育」という印象が強いですが、誰もが英語を話せるアメリカで国際人といえば、高いコミュニケーション能力とクリティカルシンキングスキルを有する人です。
残念ながらこれらは日本の学校教育ではほとんど教えてもらうことはできません。特に自己表現としてのコミュニケーション能力は日本人が最も苦手とする分野であり、子どもに国際感覚を与えたければ「言語コミュニケーション」を強調した家庭教育の実践が大切です。
「以心伝心」「空気を読む」など相手に察しを期待した日本的なコミュニケーションスタイルは国際社会では通用しません。自分の考えや気持ちをできるだけ正確に言葉で表現する技術を身につけることが、文化や習慣が異なる人たちで構成される国際社会で生きていくためには必要です。
クリティカルシンキングとは
クリティカルシンキング(批判的思考)は、情報を客観的に分析・解釈・判断する思考習慣のことです。日本語で「批判的」と訳すと何でも否定ばかりしている「ひねくれ者」みたいなイメージですが、「クリティカル」とは、情報を鵜呑みにすることなく、物事の本質を見抜き、多面的に深く考え、自分自身の答えを導き出していく態度のことを言います。
アメリカの学校教育の目標は、子どもたちが自分らしく幸福な人生を歩むための実用的な能力を与えることです。教科書知識の詰め込みでなく、日常的に直面する様々な問題にどう対応し解決していくのか。人が幸福な人生を送るためには決まった「方法」や「答え」はありません。アメリカでクリティカルシンキングが重視されるのはそれが主体的に人生を生きていくために必要だからです。
国境や民族を越えて世界中の人たちが相互に依存し合うグローバル時代を生きていく子どもたちにとってクリティカルシンキングは必須です。異文化の人たちと友好な関係を築き、問題解決をしていくためには世界規模の視野と思考を身につけていることが求められます。
家庭で行なう国際人教育
1)子どもの人格を認める
幼い子どもといえども「一人の人格者」として扱いましょう。子どもの意見や考えを尊重し一人前に扱うことで自尊心や自立心を育てることができます。同時に一人の人格者としてのマナー、エチケット、道徳など社会的責任を要求します。欧米の子育ての根底にあるのは自立心の強い子どもに育てることです。
2)コミュニケーション能力を育てる
コミュニケーション能力の育成は家庭教育の最重要項目です。幼い頃から自分の考えや気持ちをはっきり相手に伝えることを促しましょう。親は子どもの話を真剣に聞きます。同時に子どもにも相手の話をしっかり聞くことを要求します。親子間、兄弟間、友達間で衝突があった時には当事者の話し合いによって問題解決することを教えます。
3)自主的な積極性を育てる
自主的な積極性を育てなければ国際社会で生き抜くことはできません。幼い子どもでも自分でできることはやらせます。また自分でしたいことを子どもに選ばせ、やらせます。親が極力手出し口出しをせずに子どもを見守る姿勢を保つことで子どもの自主性、積極性を育てます。
4)家事分担で社会性を育む
子どもに社会の一員としての自覚と責任ある行動を教えます。家庭で家事の手伝いを子どもにさせることで、家族の構成員としての自覚と社会性を育てます。また手伝いの報酬として小遣いを渡すことで労働の意味と価値、金銭感覚を育てることができます。
