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2017年3月号パルキッズ塾

Vol.47 | 子どもの自信に根拠はいらない?

written by 小豆澤 宏次(Hirotsugu Azukizawa)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
http://palkids.co.jp/palkids-webmagazine/palkids-juku-1703/
小豆澤宏次『子どもの自信に根拠はいらない?』(株式会社 児童英語研究所、2017年)


イメージ1 長年、子どもたちが英語を身につけていく様子を見ていると、やはり大切なのは親子関係であるということがわかります。
 英語環境を作ることで子どもたちは自然に英語のリズムを身につけます。そこからさらに英語力を向上させるためには、読解力が必要なわけですが、その力がある時を境に急激に伸びる子どもたちがいます。厳密に言うとその日に急に伸びたわけではなく、それまでも着実に伸びているのですが、いきなり成果として目に見える形で表れる瞬間があるのです。
 なぜ、成果として表に出たのか、その原因は「子どもの自信」にあります。そしてその自信は親子関係によって作られるのです。


| ネガティブな日本人とポジティブなアメリカ人

イメージ2 私は20代の前半、アメリカはボストンにあるバークリー音楽院に留学していました。大学には高校を卒業したての10代の学生はもちろん、私よりも10歳以上年上の30代の学生も多く在籍していました。そして彼らは皆一様にミュージシャンであったり、作曲家であったり、エンジニアであったりとそれぞれの夢に向かって日々努力をしていました。
 日本の大学を卒業してから留学した私は「その年齢で音楽を勉強しにアメリカに行ってどうするんだ」という周囲の反対を押し切って渡米したのですが、正直、私自身も周りの友人が就職していく中、音楽を勉強するというこの状況に不安しかありませんでした。とはいえ、「周囲の反対に打ち克ってこそ道は拓ける」と自分に言い聞かせ、がむしゃらに勉強をしていたわけですが。
 そんな中、30歳を過ぎたクラスメイトたちを見ると「私よりも年上だけど、この人の人生大丈夫かなあ?」と自分のことは棚に上げて心配をしてしまうのです。しかし、実際に彼らと話しをしてみると、私が抱いているような不安を、彼らはあまり感じていない様子でした。そして「自分はプロのミュージシャンになる」というどこから出てくるのかわからない自信を持っていて、日本人の私ならおくびにも口に出せないようなビッグな夢を語るのです。


| 親や周りの接し方

イメージ3 私は金銭的な事情もあり、1年だけバークリー音楽院で学んだ後、日雇いのさすらいミュージシャンとして、場所や音楽のジャンルを問わず様々なオーディションを受けて、音楽の仕事をするようになりました。そこでも私よりも遥かに年上のミュージシャンたちと大勢知り合ったのですが、彼らもまたミュージシャンとしての自分に誇りを持って、胸を張って活動していました。わずかなギャラで生活していたとしてもです。
 彼らと話しをするうちに、彼らと私との大きな違いに気づかされました。それは、彼らに対する親や周りの接し方です。
 私の場合は周囲の反対を押し切って来たわけですから、多少音楽でお金を稼げたとしても、自分はミュージシャンとしてやっていくとはなかなか言えません。昔で言うと大手のレコード会社からCDをリリースするなどの、誰の目にも明かな成果を出してからでないと言えないような心持ちなわけです。
 しかし彼らの場合は、わずかなお金しか稼げていなくても、それどころか学校に通っているだけでも、彼らの親や友人は「あなたならできる!」「応援している!」と彼らの気持ちの支えになるような言葉がけをするのです。
 この様子を見て「周囲は彼らを甘やかしている」と日本人なら思うでしょう。しかし決してそうではありません。周囲は応援はするのですが、だからといって彼らの人生に対して責任を負うのではありません。周囲は彼らのことを信頼しているからこそ、彼らの決断に対して手放しで応援するのです。ただそれだけです。
 そして、彼ら自身も「困った時は周囲に何とかしてもらおう」という考えはありません。自分の人生の決断に対して責任を負っているのです。日本人からすると突拍子のない決断であってもです。
 人間は強い生き物ではない、というのはよく言われることですが、彼らは周囲の応援によって、自分自身に自信を持ち、そして余計な悩みに患わされることなく、自分の道を胸を張って歩けるのです。


| 根拠なんて必要ない

イメージ4 パルキッズの子どもたちに話を戻しましょう。子どもたちはプライドが高く、失敗を極端に嫌がります。だからこそ、なかなか成果を見せてはくれません。それが自信を持つことによって、失敗を怖れずに間違いながらも成果を見せてくれるようになります。
 日本人の場合、わが子を褒めたり、応援する場合に「○○という成果が出ているから」という根拠を探します。そしてその根拠が見つからなければ「まだまだダメだね」となってしまいます。
 子どもたちにとって根拠なんて必要ありません。必要なのは失敗をしても、わが子がやってきたことを認めて応援してくれる親の姿勢です。それがあるから、自分に自信を持つことができ、引いては自分が取り組んでいる「英語学習」に対しても自信を持つことができるのです。そして自信を持った時から、子どもは能動的に取り組めるようになり、見える成果が変わってくるのです。
 難しく考える必要はありません。根拠がなくても「ママはあなたががんばっているのを知っているよ。だから応援しているよ。あなたはこんなにできるじゃない!」という姿勢で接することで、これまでうまくいかなかった取り組みの歯車が回り出すかもしれません。


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プロフィール

小豆澤 宏次(Azukizawa Hirotsugu)

1976年生まれ。島根県出身。同志社大学経済学部を卒業後、米国ボストンのバークリー音楽大学に留学し、音楽家として活動。帰国後は幼児・児童向け英語教室にて英語講師を務める。児童英語研究所所長・船津洋氏に「パルキッズ理論」の指導を受け感銘を受ける。その後、英語教室の指導教材を「パルキッズ」へと全面的に変更。生徒数を大きく伸ばすことに成功する。児童英語研究所に入社後は、年間1,000件以上の母親への指導を行うとともに、パルキッズのオンラインレッスンのプログラムの制作ディレクションを行う。また大人向けの英語素読教材の制作ディレクションも行う。

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