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2016年6月号パルキッズ塾

Vol.38 | 子どもを子ども扱いしない

written by 小豆澤 宏次(Hirotsugu Azukizawa)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
http://palkids.co.jp/palkids-webmagazine/palkids-juku-1606/
小豆澤宏次『子どもを子ども扱いしない』(株式会社 児童英語研究所、2016年)


特集イメージ1 長年、幼児・児童のお子さまと関わる仕事をさせていただいていると、一般的に大人が思っている「子ども像」が現実のそれと大きく離れているなと感じることがあります。
 例えば、幼児・児童向けの教室でよく見られる光景で、先生は思いっきり笑顔でハイテンション、大きな声を出して子どもたちの注意を引き、まるで何かのキャラクターになったように必死になって子どもたちを楽しませようとしているというものです。
 レッスンの中で子どもたちの注意を引く場合は、声は高めのトーンで、テンポ良く、ということは大切ですが、多くの先生が笑顔でハイテンションでレッスンをすることが、何か違和感があるなと私は長年感じています。
 私がレッスンをする場合、大人と話すのとそう変わらないテンションと声の大きさで話します。声のトーンは少々高めではありますが。さらに子どもたちの様子を見て「おっ面白いな!」と思った時以外は、必要以上に笑うこともありません(だからといってもちろんしかめっ面をしているわけではなく、ただ穏やかにしているだけです)。子どもたちもそんな私のレッスンを、退屈するわけでも、大騒ぎするわけでもなく、淡々と受けてくれます。
 一般的には幼児・児童に対して接する場合、先にご紹介した幼児・児童向けの教室の先生の対応が正しいと思われているのではないでしょうか。なぜ、そうなのかを考えてみると、おそらくそれは幼児向けの教育テレビ番組の影響が大きいのでしょう。出演している歌のおねえさん、おにいさんの様な接し方をすると子どもたちは楽しいのだというのが当たり前の様に思われている気がします。
 しかし、本当に笑顔でハイテンションで接することが子どもたちにとって「楽しい」のでしょうか。大人になると自分たちが子どもだった頃の記憶は曖昧になります。そしていつの間にか「子どもとはこういうものだ」という一般的に言われているイメージで子どもに接するようになります。例えそれが自分が子どもの時に感じていたものとは違っていたとしても。
 私は仕事柄、自分が子どもだったころのことをよく思い返します。幼い頃の私は周りの大人がハイテンションで接してきたり、やたらに頭を触られたりするのが苦手でした。苦手を通り越してちょっと怖かった感すらあります。思い返していただければ私と同じだった方も少なくないかもしれません。
 ちょっと前置きが長くなりましたが、大人が思っている「子ども像」と実際子どもたちが思っていることは違うことが多々あるのです。「子どもはこういうものが楽しい」「こうするとうれしい」というのは実は大人だけが思っていることかもしれません。


| 子どもも大人も同じ1人の人間

特集イメージ2 私がなぜ穏やかにレッスンをするのか、それは子どもを特別視していないからです。つまり子どもも大人も1人の人間である、と思ってレッスンをしているからです。「子どもは○○である」とひとくくりにするのではなく、子どもも十人十色、社交的な子もいればシャイな子もいますし、考えが大人びている子もいれば、ひとつごとに夢中になって周りが見えなくなる子もいます。平静を保って穏やかにレッスンをすることで、「この子はどんな子だろうか、今、英語を身につける過程でどの段階にいるのだろう」とじっくりと見て知ることができます。
 人間と人間がコミュニケーションを取る時に必要なものは「相手に対する興味」です。興味があるからこそ聞きたいことが出てきますし、伝えたいことも出てくるでしょう。また興味があるからこそ、相手は自分のことを理解しようとしてくれているという安心感を持つことができるのです。相手に興味のないコミュニケーションは単なる独り言でしかありません。
 子どもたちは私たち大人が考えている以上に様々なことを考えています。考えているというよりも感じ取っていると言った方が正しいかもしれません。思考を巡らせているのではなく、感覚的に相手の言葉から発せられる空気感を感じ取っているのです。自分に興味があるのか、自分のことを分かってくれているのか、そういったことをです。


| ほめる・叱るはテクニックではありません

特集イメージ3 育児本などを見るとよく目にするのが、「ほめて育てる」という言葉です。ただこの言葉を「叱らずにほめればよい」と安易に鵜呑みにしてはいけません。一方で、「やっぱり子どもに厳しく叱ってやらないとダメだ!」という意見もありますが、こちらも同様に鵜呑みにしてはいけません。
 これらの言葉のせいで悩んでいるママはたくさんいます。特に最近「いつも、すごいね!とほめているのにうちの子が言うことをきいてくれません」とご相談をいただくことが増えたように思います。
 こういったママに共通しているのが、「ほめる」や「叱る」といった方法を子育てのテクニックとして捉えている点です。「ほめる」「叱る」はテクニックではありません。コミュニケーションを重ねる中で表出してくる形のひとつなのです。  育児本で以前紹介されていたのが、ソフトバンク株式会社会長の孫正義氏の父親のエピソードです。孫氏が子どもの頃、食事中に箸を落としてしまった時に、父親が、叱るのではなく箸の拾い方が上手だとほめたというものです。  このエピソードを読んで「やっぱり叱っちゃだめ、ほめなきゃ!」と早合点してはいけません。これは私の想像ですが、孫氏の父親はわが子が箸を落としたときに決して「叱っちゃだめだ、ほめなくては!」という義務感からこの言葉が出てきたのではなく、常日頃からわが子の様子を注意深く見ており、その中で箸の拾い方に目が行った結果だったのではないかと思います。
 本誌をご覧の方で、わが子に興味のない親御さんはいらっしゃらないでしょう。皆さん興味はあるのです。しかし、日々に忙殺され、わが子のどんな所に興味をひかれ、「おやっ?」と感じているのかを自覚できていないときに、安易なテクニックに走ってしまうのかもしれません。
 「ほめる」「叱る」はテクニックではなく、コミュニケーションを重ねる中で表出してくる形であると書きましたが、まずは自分が子どものどういったところに「おやっ?」と感じているのかを考えてみましょう。もしそれが、フォニックスの’A’を認識できたことであれば、そのまま「○○ちゃん、’A’が読めるのね」と言ってあげれば、それは「ほめる」という形になりますし、プリント学習の最中に鉛筆を振り回していることであれば、そのまま「鉛筆が刺さったらケガをするよ。血が出て痛いよ」と言ってあげれば、それは「叱る」ということになるかもしれません。これらは「ほめる=すごいね!」「叱る=ダメでしょ!」という安直なものではなく、お子さまの様子を興味を持って見ていた結果出てきた言葉が「ほめる」であったり「叱る」であったりするということなのです。


| カラスの子育て

特集イメージ4 皆さんは「カラスの子育て」という言葉をご存じですか?あるカラスのヒナが巣から落ちてしまいました。それでもヒナは地面の上で生きています。そんなヒナを親ガラスは助けるわけでもなく、ジッと観察しています。そこに人間が偶然近づくと、親ガラスは外敵である人間の頭を後ろ足でポンと蹴って威嚇します。直接助けるわけではなく、わが子の様子をジッと見守り、危険が近づいた時だけ、それを遠ざけるのです。例としては少々残酷ですが、直接助けることを過干渉とするならば、この親ガラスの行為は過保護と言ってよいでしょう。
 英語教育に限らず、子育てをする上で親は過干渉ではなく過保護であるべきだと私は思います。必要以上の手助けはしないけれど、常にわが子に注意を払い、少しの変化も見逃さない、そうすることで自然にほめたり、叱ったりができるのだと思います。
 もし、「子どもとは○○である」という先入観をお持ちの親御さん、「ほめる」「叱る」といったテクニックに走っているなと感じる親御さんは、わが子を「子ども」ではなく1人の人間として見て、自分がわが子の何に「おやっ?」と感じているのかを再確認してみると様々なことが上手くのかもしれません。<


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プロフィール

小豆澤 宏次(Azukizawa Hirotsugu)

1976年生まれ。島根県出身。同志社大学経済学部を卒業後、米国ボストンのバークリー音楽大学に留学し、音楽家として活動。帰国後は幼児・児童向け英語教室にて英語講師を務める。児童英語研究所所長・船津洋氏に「パルキッズ理論」の指導を受け感銘を受ける。その後、英語教室の指導教材を「パルキッズ」へと全面的に変更。生徒数を大きく伸ばすことに成功する。児童英語研究所に入社後は、年間1,000件以上の母親への指導を行うとともに、パルキッズのオンラインレッスンのプログラムの制作ディレクションを行う。また大人向けの英語素読教材の制作ディレクションも行う。

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