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2022年6月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.132 | 英語教育を成功させる秘訣は環境作り

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
https://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal-2206
船津徹「英語教育を成功させる秘訣は環境作り」(株式会社 児童英語研究所、2022年)


「オギャー!」とこの世に生まれてきた赤ちゃんの仕事は「環境に適応すること」です。子どもの周囲に日本語が豊かにあれば、子どもの頭脳は「日本語は生きるために必要なもの」と判断します。すると頭脳のコンピューターが働き出し、日本語を蓄積し、パターン分析し、自在に操れるようにしてくれるのです。
 乳幼児の言語処理能力は世界最先端の人工知能よりもはるかに優秀です。子どもの環境に日本語と英語があれば、二つの言葉を流暢に操るバイリンガルに育ちます。二つの言語を同時に与えても、混乱したり、言葉が混ざったりすることはありません。日本語と英語を二つの言語として取り込み、二つの独立した思考回路を構築してくれるのです。
 乳幼児期の英語学習のおすすめは「環境適応能力」を活用することです。すなわち、子どもの環境に豊かな「英語環境」を作り、頭脳に「英語は生きるために必要なもの」と思わせるのです。あとは頭脳のコンピューターに任せておけば、英語を操るために必要な情報を(勝手に)取り込んでくれます。


わらべ歌で英語の音とリズムに馴染ませる

 ひと昔前は家庭で「英語環境」を実現することは簡単ではありませんでした。しかし、今はインターネットを使えば、家から一歩も出ることなく、いくらでも生きた英語環境を作ることができます。
 YouTubeで「Nursery Rhymes」「Mother Goose」「Toddler Songs」というキーワードで検索してみてください。英語のわらべ歌をたくさん見つけることができます。これらわらべ歌を、毎日数時間、小さな音量でかけ流しておけば「英語の音環境」を作ることができます。
 なぜ「わらべ歌」なのか?
 その理由は、母から子へと歌い継がれてきた「わらべ歌」には、その土地の言葉が持つ「特徴的な音とリズム」が凝縮されているからです。
 世界中の言葉はそれぞれ異なる音とリズムを持ちます。生まれてきた赤ちゃんは、言葉の意味を理解するよりも先に「音とリズム」を認知することがわかっています。子どもに二か国語環境を与えても混乱することがないのは、言葉の「音とリズム」を聞き分けているからなのです。
 たとえば日本語には「だるまさん、だるまさん、にらめっこしましょ」「せっせっせーのよいよいよい」などの擬態語・擬音語・反復が多い「わらべ歌」があります。これらの歌に含まれる音やリズムを真似することで、日本語を話すために必要な発声法や口周辺の筋肉の使い方が身につくのです。
 同様に英語にも「Hickory Dickory Dock」や「Hey, Diddle, Diddle」などのわらべ歌に見られるライム(終わりの音が同じ)や頭韻(最初の音が同じ)が英語独特の音とリズムを作り出しています。これらを日常的に聞かせることで、子どもは英語を正しい発音で話すための身体的機能を発達させることができます。


英語をかけ流すときの注意点

1)子どもが気づかないくらいの「小さな音量」でかけ流す
決して子どもに「英語を聞かせよう」「覚えさせよう」「歌わせよう」「リピートさせよう」としないでください。小さすぎて聞こえないだろうと音量を上げると、英語の音が耳につくようになり、英語を嫌がるようになります。BGMとして小さい音量でかけ流すことがポイントです。

2)同じ歌を「繰り返し」かけ流す
リピート再生機能などを使って同じ歌を繰り返しかけ流してください。親としては次々に新しい歌を聞かせたくなりますが、「繰り返し」が子どもにとっては最高の学習法です。さすがに1曲だけを繰り返せば子どもも気づきますから、10~20曲程度のプレイリストを作ってリピート再生することをお勧めします。

3)1日1時間〜2時間が目安
かけ流しをする時間は、1日1時間〜2時間が目安です。CDならアルバム全体を2〜3回繰り返すイメージです。朝晩など何回かに分けて聞かせても構いません。子どもが遊んでいる時や食事の時間など、「他の何かに集中している時」にかけ流すと効率的に英語の音とリズムをインプットできます。

4)会話をしていても大丈夫
かけ流しをしている時は子どもと会話をしても、遊んでいても構いません。「うるさくてよく聞こえないだろう」と、静かにしている必要はありません。乳幼児の頭脳は身の回りの情報を無条件に吸収しますから、聞いていないようでも聞いていますので安心してください。


英語の絵本の音声を聞かせる

 わらべ歌に加えて英語の絵本や物語の「朗読音声」をかけ流すと効果大です。ネイティブの朗読音源は「Audible.com」や「YouTube」で見つけることができます。絵本には子どもに身近な言葉や表現が満載です。さらに英語圏の文化や習慣も詰まっており、子どもの言語学習にとって最高の教科書です。
 以下に英語圏の親が子どもに読んであげる定番絵本をご紹介します。これらの朗読音源のほとんどは「Audible.com」で購入できます。また「YouTube」でも朗読動画が見つかるかもしれません。

・Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?(Bill Martin)
くまさん、くまさん、なにみてるの?
・The Very Hungry Caterpillar(Eric Carle)
はらぺこあおむし
・Where the Wild Things Are(Maurice Sendak)
かいじゅうたちのいるところ
・Goodnight Moon/ The Runaway Bunny (Margaret Wise Brown)
おやすみなさい おつきさま/ぼくにげちゃうよ
・The Rainbow Fish(Marcus Pfister)
にじいろのさかな
・The Giving Tree(Shel SIlverstein)
おおきな木
・GO, Dog. Go!/ Are You My Mother?(P.D. Eastman)
それいけ、わんちゃん!/あなたがぼくのおかあさん?
・Pat the Bunny(Dorothy Kunhardt)
ばたばたバニー
・I Wish You More(Amy Krouse Rosenthal)
おかあさんはね
・Where is Spot?(Eric Hill)
コロちゃんはどこ?
・If You Give a Mouse a Cookie(Laura Numeroff)
もしもねずみにクッキーをあげると
・Guess How Much I Love You(Sam McBratney)
どんなにきみがすきだかあててごらん
・Caps for Sale(Esphyr Slobodkina)
おさるとぼうしうり

 また「YouTube」には「Fairy Tales and Stories for Kids」「KiddoStories」「English Fairy Tales」など、英語の昔話や絵本の動画が無料で視聴できるチャンネルがたくさんありますので活用してください。(乳児にはモニター画面は見せずに「音声だけ」を聞かせてください)


英語の文字環境を作ると、さらに効果的

 英語の音とリズムに慣れてきたら「英語の文字環境」を作ってあげましょう。聴覚に加えて視覚からも英語情報を取り込めるように環境を整えることで、子どもは効率的に文字読みを習得することができます。
 視覚からのインプットが少ないと「文字への抵抗感」が強くなり、スムーズに文字を習得できなくなります。たとえば大人でもアラビア文字やハングル文字を見た時に「難しそうだ!」という抵抗感を持ちますね。子どもも同様です。
 子どもの目に入る場所に「アルファベットチャート」「フォニックスチャート」など英語の文字が書かれたポスターを貼りましょう。ポイントは子どもの目に入る高さに貼ること。子どもが触ってやぶってしまうからと、手の届かない場所に貼っても目に入らないと情報を吸収してくれません。
 子どもの本棚には簡単な英語の本を並べておきましょう。アルファベットの絵本、色や形の絵本、動物や魚の絵本、可愛いイラストが豊富な絵本などを並べておくと、子どもが自分で引っ張り出してページをめくるようになります。本を眺めているだけで英語の文字が子どもの頭脳に蓄積されていきます。
 おもちゃ箱には、アルファベットブロック、アルファベットパズル、ボタンを押すと英語の音が出る英語玩具などを入れておきます。子どもはおもちゃで遊びながらごく自然に英語の文字に親しんでいくことができます。
 さらにマグネットアルファベット(磁石がついたアルファベット)を並べて子どもの名前を作り冷蔵庫に貼ったり、ホワイトボードに家族の名前をアルファベットで書いておくだけでも文字のインプット効果があります。
 家庭で「英語の音と文字の環境」を作る。この二つを実践することで、親が教え込むことなく、子どもの持つ環境適応能力を英語習得に最大限活かすことができます。


子どもの「やる気」をアップさせる方法

「The Cat in the Hat」「Daniel Tigers」「Curious George」「Moly of Denali」「Arthur」「Sesame Street」「Splash and Bubble」「Martha Speaks」「Super Why!」など、アメリカの子どもに大人気のキャラクターが登場する番組を提供しているチャンネルが「PBS Kids」です。
 PBS Kidsのウェブサイトは宝の山です。「PBS Kids/pbskids.org」と検索すれば見つかります。
 このサイトでは、人気番組の視聴はもちろん、キャラクターが登場するゲーム、塗り絵、クラフトなどを「無料」で提供しています。ライブストリームで(モニターを見せず)音声だけをかけ流せば、英語の音環境を作ることもできます。
 PBS Kidsのウェブサイトを親子で探検して、子どものお気に入りのキャラクターを見つけてあげましょう。子どもが気になるキャラクターが見つかれば、その番組の動画を見せてあげます。
「お気に入りのキャラクター」があると、その後の英語学習がスムーズに進みます。子ども向けの簡単な本(リーダーズ)や教育的なゲームなどにはPBSのキャラクターが登場するものがたくさんあります。
 子どもが「好き!」「カッコいい!」「可愛い!」と思えるキャラクターを見つけてあげて、そのキャラクターを入り口に英語学習へ導いていくと、子どもが自分の意欲で英語に取り組めるようになります。
 子どもの英語教育を成功させるには「環境作り」に加えて「関心作り」にも配慮することが大切です。幼児期は英語が大好きだった子どもでも、小学生になると英語学習を嫌がるようになります。小学校時代に起こる英語停滞期を乗り越えるためにも、お気に入りのキャラクターを見つけられるように、親が導いてあげてください。


セミリンガル・ダブルリミテッド問題

「英語よりも思考や人格形成の土台である日本語を育てることが先!」
「日本語が発達途上の子どもに英語を教えると日本語も英語もあやしくなる」
 英語教育の早期化が進む中で、乳幼児の英語学習に対する否定的な意見を多く耳にするようになりました。
 私は海外(強い外国語環境)で育つ子どもたちのバイリンガル教育をサポートしていますから、母国語である日本語をしっかり育てることの大切さについては100%同意します。
 しかし日常的に日本語しか使わない日本で、毎日数時間程度の英語教育を行なったからといって、子どもの言語発達がおかしくなるという事態はまず起こりません。親や兄弟姉妹が普通に日本語で話しかけ、同年代の日本人の子どもと遊んで過ごせば、子どもは自然に日本語を身につけます。
 日本語がおかしくなる可能性があるとすれば、「極端に英語が強い環境」に母語(日本語)が発展途上の子どもを浸す場合です。たとえば、親が日本人なのに(カタコトの)英語だけで話しかけたり、英語ネイティブのベビーシッターに一日中面倒を見させたり、朝から晩まで英語メディアを視聴させて「英語漬け」にしたり、英語オンリーのプリスクールに長時間預けたりするケースです。
 日本語がままならない子どもを、上記のような強い英語環境に浸せば、日本で暮らしていても、日本語の発達が悪くなる可能性があります。ただこれらは非常に特殊なケースです。子どもに「毎日数時間」英語を聞かせても言語発達がおかしくなる心配はありませんので安心して「英語環境」作りを実践してください。


ハワイイメージ1【編集部より】
船津徹先生の新著『失敗に負けない「強い心」が身につく 世界標準の自己肯定感の育て方』(KADOKAWA)全国書店にて発売中。困難に負けない「心の強い子」の育て方を詳しく紹介する一冊です。ポストコロナを生き抜くたくましい子どもを育てる知恵が満載です。ぜひご一読ください。▶︎詳細・お申し込みはこちらをクリック
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ブログはこちら▶︎https://ameblo.jp/tlcforkids/

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プロフィール

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2206年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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