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2022年4月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.130 | 英語教育の適正年齢は?

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
https://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal-2204
船津徹「英語教育の適正年齢は?」(株式会社 児童英語研究所、2022年)


 英語を身につける適齢期は3歳だ!6歳だ!9歳だ!早ければ早いほどよい!など、様々な意見があります。結論から申し上げますと、英語習得の適齢期は幼児期から小学生時代です。(もちろん中学生以上でも本人のやる気次第で高度な英語力を習得することは可能です)
 ただ幼児期と児童期では学習の焦点が異なるのです。簡単に言えば幼児期は耳からのインプット中心、児童期には目からのインプット中心です。この切り替えをしっかり行わないと思ったように成果が上がらず、英語学習を断念することが多くなるので注意しましょう。
 私は英語教育に25年以上携わっていますが、幼い頃から英語教室や英会話スクールに通わせて、高額な授業料を払ってきたのに、結局英語が身につかなかった!という子どもを嫌というほどたくさん見てきました。
 年齢の小さい子どもほど短期間で「英会話力」が身につくことは事実です。しかし幼い頃に身につけた英会話力というのは、日常的に英語を使う環境がなければ失われてしまう可能性が高いのです。
 子どもの英語教育で大切なのが、乳幼児期に身につけた会話力(英語を正確に聞き取り、発音する力)を「リーディングへつなげる」ことです。正しい発音で英語の本がスラスラ読めるようなれば、基本的には何歳になっても、英語は身につきます!


昔英語ペラペラ、今カタコト!

 私の知人で0歳〜6歳までアメリカで過ごした人がいます。2歳からアメリカのプリスクールに通い、4歳の頃には英語がペラペラに育ちました。その時は「自分はアメリカ人だ!」と思っていたそうです。
 ところが6歳で日本に戻り、日本の小学校に通い始めたら、あれだけ得意だった英語をすっかり忘れてしまった!というのです。この人は今大人になっていますが、残念ながら幼児期のように流暢に英語を話すことはできません。
 どれだけ乳幼児期に英会話が得意でも、日本の学校に通い、日本語で授業を受け、日本語しか話さない環境にいると、英語力は衰えていきます。そして最悪の場合、消えて無くなってしまうのです。 もう一人、父親の仕事に伴って6歳でハワイに移り住んできた女の子(Sちゃん)をご紹介します。
 Sちゃんはハワイに来た時は英語力ゼロからのスタートでした。私が「英会話力は帰国すれば衰えてしまいますから、リーディング力の育成に集中しましょう」とお話しすると、ご両親は納得し、私の学校(TLC for Kids)でリーディングの集中レッスンを受けることを決めました。
 Sちゃんはハワイの公立小学校(完全英語環境)に通いながら、週に2回、私の学校で「フォニックス」「サイトワーズ」「リーディングフルエンシー」の集中レッスンを受けました。
 そして帰国する8歳の時には、アメリカの小学3年生レベルの本が読めるようになりました。英語の分厚い児童書、たとえば「ハリーポッター」レベルの本を原書で楽しめるレベルの英語力を3年間で身につけたのです!(Sちゃんは日本帰国後も英語の読書を継続するだけで英検1級を取得しました)


アメリカのリーディング教育はいつから?

 二人の対照的な例からわかるように、子どもの英語教育を成功させるカギは何歳で始めるかではなく、いつ、どの技能を学習するかです。聴覚が敏感な幼児期には英語の歌や物語などを耳からたくさん入れてあげる。
 そして5〜6歳からは、英語の本を読む力。すなわち目からのインプットへと英語学習の焦点を変えていくのです。小学生のうちにリーディング力の土台(正しい発音で英語を読む力)を育てておけば、そこから先は読書を通して、子どもが自学自習で高度な英語力を習得することができます。
子どもがスムーズにリーディング力を身につけるステップについてはアメリカで行われている幼児教育が参考になりますので少し見ていきましょう。
 アメリカのリーディング指導はキンダーガーテン(5歳)からスタートします。キンダーガーテンは小学校に上がる前の準備学年で「1年間」だけです。英語圏では5歳未満の子どもにリーディングを教えることは一般的ではありません。
 その理由は、英語のリーディング指導法であるフォニックスは、論理的説明が必要な上、覚えるルールが多く、さらに例外も存在するので小さな子どもにとって理解することが難しいと考えられているからです。
 たとえばフォニックスでは「CAT」を始まりの音と「C=ク」終わりの音「AT=アット」に分解して教えますが、幼い子どもにとっては「キャット」という一塊の音を二つに分けるというコンセプト自体、理解できないことが多いのです。
 そのためキンダーガーテン前の子どもの教育施設であるプリスクールでは、英語の音に対する認知を高める指導=フォネミックアウェアネスを取り入れるのが一般的です。何だか難しそうな専門用語ですが、要するに、遊び歌やチャンツを通して英単語の「音」に着目させる指導です。
 日本の「しりとり遊び」を例にとると分かりやすいです。しりとりをするには、言葉の最初と最後の音を識別する必要があります。「あめ→めだか→からす」というように言葉の音に意識を向けなければ遊ぶことができません。
 同様に英語でも始まりの音、終わりの音を認識させる遊びがあります。「She sells seashells down the sea shore」は、初めの音が同じ単語の繰り返しで文章が構成されている早口言葉です。
 また「The cat in the hat sat on the mat」は「at」で終わる単語でセンテンスを構成しています。英語圏の子どもたちはマザーグースの歌やチャンツなどリズムを伴う遊びを通してフォネミックアウェアネスを学んでいきます。


フォネミックアウェアネスを鍛える方法は?

 英語圏の子どもたちは生まれた時から英語の音に囲まれて育ちます。もちろん親から英語の歌いかけや英語の読み聞かせをしてもらっています。英語の発音、リズム、イントネーションに親しんでいるので、どの子もキンダーガーテンに通いフォニックスを学べば、英語の本が読めるようになります。
 一方で英語の音に慣れていない日本の子どもにいきなりフォニックスを教えても、学習が思うように進まないことが多いのです。この問題を解決するには、前述の通り、フォニックスを教える前のステップとして、英語の音に対する認知を高める指導(フォネミックアウェアネス)を取り入れることが大切です。
 と言っても難しいことではありません。英語のわらべ歌やフォニックスの歌を家庭で聞かせれば良いのです。幼い子どもにとって英語の正しい発音を覚え、自分の口で再現することは難しいですが、英語の歌を歌うことは簡単です。
 たとえば「Hickory dickory dock. The mouse went up the clock. The clock struck one, the mouse went down, Hickory dickory dock.」という英語を正しく読むためには多くの練習を要します。ところがこれを歌にすると、どの子も簡単に覚えてしいます。以下にかけ流しのおすすめの歌をご紹介します。

【マザーグース・わらべ歌】
YouTubeで「Mother Goose」「Nursery Rhymes」「Children’s Song」と検索すればマザーズースやわらべ歌を見つけることができます。これらの歌は1曲が短いですから、10曲〜20曲のプレイリストを作ってかけ流すようにしましょう。

【季節の歌】
ハロウィーンやクリスマスの時期には「季節の歌」をかけ流すと、英語圏の文化知識もインプットできます。「Christmas Songs for kids」「Holiday Songs for kids」などと検索してみましょう。たくさんのプレイリストが見つかります。

【手遊びの歌】
「Open Shut Them」「One Little Finger」「Itsy Bitsy Spider」などは定番の手遊び歌です。これらは「Finger Play Songs」「Action songs」と検索すれば見つかります。手遊び歌も基本は「かけ流し」です。繰り返しかけ流していると、子どもはメロディーを覚えてしまいます。その段階で親が手遊び歌を歌ってあげると子どもは興味を持ちます。

【アルファベット・フォニックスの歌】
3歳以上の子どもには、アルファベット、フォニックス、ライミングの歌を聞かせることでフォネミックアウェアネスを育てることができます。「Alphabet songs」「Phonics Songs」「Word Family Songs」「rhyming Songs」などと検索してみましょう。これも基本は「かけ流し」です。「文字を教える歌だから」と動画を見せる必要はありません。最初はかけ流しでメロディーを覚えさせることが大切です。その上で子どもと一緒に「ABC」とブロックや絵本を使って遊んでください。


リーディングは誰でも身につけられる技術

 日本人が誰でも日本語が読めるように、英語のリーディング力も正しい順序で取り組めば誰でも身につけることができます。事実、私が指導する「日本で暮らす」日本人の子どもたちも、皆、英語の本がスラスラ読めるようになります。
 リーディング力の育成は、算数の計算のように論理的なものです。例えば「1+1=2」を子どもに理解させるには「1」「+」「=」というそれぞれの記号の意味を教えることが必要です。このプロセスを飛ばして「1たす1は何?」と聞いても、子どもは答えられません。
 同様に英語のリーディングも「The cat sat on the mat」という記号の羅列から意味を読み取る作業です。まずは単語の読み方を教え、意味をイメージで理解できるようにイラストや動画などの視覚補助と関連づければいいのです。上記のセンテンスであれば「ねこがマットの上に座っている」イラストや写真を見せてあげます。
 短いセンテンスが読めるようになったら、リーダーズと呼ばれる簡単な本の多読で読書スピードと読解力を高めていきます。リーダーズには各ページにイラストが含まれていますから、視覚情報を頼りにイメージで意味を理解する力を鍛えることができます。
リーダーズを読む時は、未知の単語に出会っても、辞書で意味を調べる必要はありません。想像力を働かせならが、簡単な英語を読むことで、英語を英語のまま理解できる力が身についていきます。


多読は「超簡単で短いリーダーズ」からスタートする

 子どもの多読練習は「超簡単で短い本」からスタートします。1ページに英文が1〜2行、全体で8〜16ページ程度の薄い本で、各ページにイラストが含まれていることがポイントです。
 移民の国アメリカでは、家庭で英語以外の言語を話す子どもが無理なくリーディング力を身につけられるように、単語数、単語の難易度、文法の難易度などの読書レベルが細かく分類された短い本(Guided ReadersやLeveled Booksと呼ぶ)が開発・販売されています。
 これらのレベル分けされた「超簡単で短い本」を活用することで、英語を第二言語で学ぶ子どもでも、自分の力でリーディング力を伸ばしていくことができます。最近は日本の図書館でも「英語多読コーナー」が設置されていますので、最寄りの図書館に問い合わせてみましょう。以下はおすすめのリーダーズです。

*Lexileは「文章の難易度」を示す世界標準の読書指標です。200L-500Lが子どもの多読には適切なレベルです。

Oxford Reading Tree Stage 1〜10
My First I Can Read
I Can Read Level 1〜4
Penguin Young Readers Level 1〜4
Ready to Read Level 1〜3
Step Into Reading Level 1〜4
An Elephant and Piggie Book(140-210L)
Clifford Series(200-420L)
Fly Guys Series(270-470L)
Little Critter Series(100L-490L)


ハワイイメージ1【編集部より】
船津徹先生の新著『失敗に負けない「強い心」が身につく 世界標準の自己肯定感の育て方』(KADOKAWA)全国書店にて発売中。困難に負けない「心の強い子」の育て方を詳しく紹介する一冊です。ポストコロナを生き抜くたくましい子どもを育てる知恵が満載です。ぜひご一読ください。▶︎詳細・お申し込みはこちらをクリック
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プロフィール

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2204年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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