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2021年11月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.125 | 日本語で「話す力」を育てる

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
https://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal-2111
船津徹「日本語で「話す力」を育てる」(株式会社 児童英語研究所、2021年)


 子どもの英語教育でよく話題になるのが「会話力」です。日本人は英会話が苦手だから子どもに「英会話」を学ばせるべきだ、という考えです。日本で英会話教室が人気の理由も「子ども時代に英会話に慣らしておけば、将来、英語が得意になるだろう」という期待が大きいからではないでしょうか。
 私はアメリカで「日本人の子どもに」英語を教えていますから分かりますが、確かに、日本人の子どもは「英会話」が苦手です。苦手というのは「英語が流暢に話せない」という意味ではありません。アメリカで暮らし、流暢なネイティブ発音を身につけているにも関わらず「英語を話すことをためらう」日本人の子どもが多いという意味です。
 なぜ積極的に英語を話そうとしないのか?根本的な原因は子どもの「英語力」ではありません。母国語である日本語で「話す力」がトレーニングされていないからです。自分の考えを日本語で説明したり、人前で話すことが苦手という子どもが、ある日突然、英語をペラペラ話すようになるはずがないのです。


思考を言葉で表現する訓練が足りない

 一般的に日本人の子どもは自己表現が控えめで、自分の意見をはっきり述べようとしません。日本人が謙虚で集団の調和を重んずる国民性であることは、アメリカでも好意的に評価されています。しかし、控えめな日本人の子どもが現地校に通い始めると、困った問題に直面するのです。
 アメリカの学校では、生徒一人ひとりが自分の意見を持ち、議論や討論に参加することが要求されるのですが、日本人の子どもは英語力に問題がなくても、発言をためらう傾向があります。アクティブラーニングが主流のアメリカでは、授業中に黙っていると「参加していない」「やる気がない」とみなされ、成績評価が下がってしまうことが多いのです。
 もちろん日本人の子どもだって意見や主張を持っています。ただそれを「言葉で表現する」訓練が足りないのです。私はアメリカ流の個人主義を叩き込めと言っているのではありません。日本人の価値観やアイデンティティを維持しつつ、必要な場面では自己表現できるように訓練することが大切ということです。
 家庭では、日本語で構いませんから、子どもが自分の気持ちや意見を「言葉で表現する」場面を増やすことを意識してください。やり方は簡単です「何で」「どうしてそう思うの」と親が「問い」を増やせばいいのです。これを実践するだけで子どもの「話す力」を伸ばすことができます。
 「どうしてそう思うの?」と聞かれると、子どもはその理由を「言葉で」考えるようになります。頭の中に漠然と存在する思考を言語化して、相手に分かりやすいように整理して伝える。このプロセスを子どもの頃から訓練しておくことで、子どもの「話す力」を高度に発達させることができます。
 子どもとの会話の中に「なぜ」「どうして」「本当の話なの」と「問い」を投げかけることを意識してください。親が上手に質問することによって子どもは、より深く考えて答えられるようになっていきます。くれぐれも「はっきり言いなさい」「ちゃんと喋りなさい」などとプレッシャーを与えないように注意してください。「質問」でなく「尋問」になると子どもは逃げていきます。


話す力が重視されていない日本の学校教育

 日本の学校教育では子どもに「話す力」を教えることはほとんどありません。自己紹介、プレゼンテーション、スピーチ、ディベートなど、話す力のトレーニングを全く受けないまま大学生になり、就職活動が視野に入る頃になって、慌てて「話す力」の育成に取り組むという学生も珍しくありません。
 初対面の人と打ち解けたり、年長者や異性相手に話をしたり、大勢の人前で話をしたり、自分の意見を正確に伝えたり、論理的かつ分かりやすく物事を説明したり、相手の気持ちを汲み取りながら適切な言葉で表現するという「話す力」は、高度なコミュニケーションスキルを要します。「話し方」についての本を読んだり、セミナーに参加しても、一朝一夕で身につくものではないのです。
 「話す力」の育成に関してはアメリカが先進国です。アメリカの学校では「話す力」の育成が、幼稚園から大学まで、学校教育を通して段階的に行なわれています。アメリカの学校教育でどのように「話す力」が指導されているのか、参考に少し見ていきましょう。
 幼稚園(アメリカの幼稚園は小学校入学前の1年間のみ)では、自分のお気に入りの物をクラスメートに紹介する「Show and Tell」というアクティビティーが定番です。生徒は一人でクラスメートの前に立ち、自分の好きな物を見せながら、なぜそれが好きなのか、エピソードを交えながら、決められた時間内でおもしろおかしく説明します。
 たとえば、お気に入りのぬいぐるみを持っていき、それを皆に見せながら、「名前はミッキーです。4歳の誕生日におばあちゃんからもらいました。ふわふわで可愛いからいつも一緒に寝ています」と、ぬいぐるみにまつわるストーリーを話します。
 「Show and Tell」の目的は、人前で堂々と発言できるように場慣れさせることです。小さい声でぼそぼそ話していると、「聞こえません!」「分かりません!」とクラスメートから突っ込みが入ってしまいます。


プレゼンテーションやスピーチで論理的に話す力を鍛える

 小学生になると、プレゼンテーションを通して、筋道を立てて話す技術を学んでいきます。たとえば社会の授業では「ジョージワシントンについて」というテーマでプレゼンテーションをします。生徒は独自にリサーチを行い、パワーポイントを使ってプレゼンしたり、ジョージワシントンに扮して本人になりきってプレゼンしたり、個性を発揮して自由に発表することができます。
 さらに小学高学年から中学ではスピーチを学びます。数ヶ月かけて準備してきた原稿を暗記して、身振り手振りを加えながら、生徒の前でスピーチをします。生徒や先生が審査員となって、スピーチの内容、声の出し方、話すスピードや間合い、ジェスチャーの使い方、目線や表情の使い方などを細かく審査し、順位をつける学校もあります。
 中学から高校にかけてはグループプロジェクトやディベートや模擬裁判などを通して「論理的に話す力」を学びます。グループプロジェクは数人のグループごとに与えられた課題についてリサーチし、意見をまとめて発表したり、ディスカッションを行うものです。チーム全体で評価されますので、チームワークやリーダーシップが要求されます。
 ディベートは、ある議題について「賛成派」と「反対派」にグループを分けて、それぞれの立場から、根拠を述べ合い、説得力を競い合うものです。たとえば「原発は廃止すべきだ」というトピックについて、「賛成」と「反対」の立場から、それぞれが理由と根拠を論証していきます。より高い説得力と合理性を持って理論を構築したチームが勝ちです。
 ディベートでは、どちらのチームが「賛成」「反対」になるか直前まで知らされないことが多く、賛否分かれる議題について、その両面の立場から議論を作ったり、反証する訓練を積むことができます。賛成と反対、一つのトピックについて両面から深く検証することで、自分の固定観念やバイアスに気づくことができ、クリティカルシンキングの能力を身につけることができます。


演劇で「話す力」を鍛える

 子どもの「話す力」を伸ばす最高の習い事が演劇です。演劇にはコミュニケーションスキルを向上させるあらゆる要素が詰まっています。演劇で話し下手を克服した例をご紹介しましょう。
 サラちゃんはシャイな女の子です。人と接する時に何となく不安になってしまい、思っていることが口から出てこなくなってしまいます。本が大好きなサラちゃんはスポーツなど大勢の人と一緒に身体を動かす活動は苦手でした。
 そんなサラちゃんを変えたのが演劇との出会いです。小学4年生の時、芸術鑑賞会で演劇を見に行きました。その舞台では一人の俳優がいくつものキャラクターを演じていました。キャラクターが変わるたび、表情から話し方までガラリと変わり別人になる姿に衝撃を受けたサラちゃん。自分でも演劇をしてみたいと思い立ち、子ども演劇に参加することを決めたのです!
 演劇を習うことでサラちゃんは人との関わり方、言葉遣い、発声方法、表情やジェスチャーの作り方などを応用して「伝える技術」を磨くことができ、自分に自信が持てるようになっていきました。すると自然にサラちゃんの回りに人が集まってくるようになったのです。
 学校の先生とも良い関係を築けるようになり、何かにつけて(勉強面でも)助けてもらえるようになりました。他にも友だちの父兄から良くしてもらったり、ラッキーなことが増えたのです! 演劇はコミュニケーション力を鍛える最高の習い事です。他の演者たちと息を合わせて台詞を言い合ったり、一緒にダンスをしたり、歌を唄ったり、全てにおいて周囲の人たちとの親密なコミュニケーションが要求されます。
 コミュニケーションする相手は共演者だけには留まりません。脚本を書く人、衣装を作る人、ダンスを教える人、歌を教える人、演じ方を教える人、様々な大人たちとも交流しながら一つの舞台を作り上げていきます。多様な人と関わり合う経験が「話す力」を鍛えてくれるのです。


家庭で「話す力」を伸ばす方法は?

 家庭で子どもの「話す力」を伸ばす取り組みをいくつかご紹介しましょう。対象年齢は幼児から小学生です。お子さんの年齢に応じて試してみてください。

3〜5歳向け:ごっこ遊び・おままごと

 「演劇」はちょっとハードルが高い!という方には、グンと身近な「ごっご遊び」や「おままごと」をお勧めします。ヒーローごっこ、お店屋さんごっこ、お医者さんごっこ、運転手さんごっこ、お母さんごっこ、お父さんごっこなどは、自分以外の誰かを「演じる遊び」です。
 ごっこ遊びをすると子どもはその役になりきりますから、言葉使いや態度がガラリと変わります。たとえばファミレス屋さんごっこをすると、「いらっしゃいませ。2名様ですか?ご注文はお決まりでしょうか?」など、習ったこともない敬語を上手に使いこなすようになります。
 お母さんごっこをすれば、お母さんの普段の言葉使いをそっくり真似しますし、幼稚園の先生ごっこをすれば、先生の言葉や教え方を見事に再現してくれます。男の子の場合はテレビのヒーローごっこなどを一緒にすると良いでしょう。親は悪役になる場合が多いでしょうが、ぜひつき合ってあげてください。

4〜5歳以上:創作話

 子どもにオリジナルの創作話をしてもらうと「話す力」がアップします。一から作るのは難しいですから、既存の物語りの話の「続き」を作ることから始めてみてください。たとえば「桃太郎」の続きを話してもらう。「シンデレラ」の続きを作ってもらう。また既存の物語の結末を変えるのも面白いです。想像力をおもしろおかしく言葉で表現する力を身につけることができます。

5〜6歳以上:人形劇・紙芝居

 ぬいぐるみや人形を使って人形劇をやってみましょう。子どもが知っている話でも、創作話でも、何でも構いません。ぬいぐるみや人形に役を与えて、台詞を言い合う遊びです。子ども一人でもできますが、両親が一緒にやってあげると盛り上がります。
 たとえば「浦島太郎」を人形劇で演じてみる。カメのぬいぐるみがなくても大丈夫です。手元にあるぬいぐるみがうさぎであれば、うさぎを使ってやってみてください。また太郎役もスーパーヒーローの人形で構いません。仮面ライダーとうさぎで「うらしまたろう」を演じれば、話がどんどん飛躍していって面白い結末になるかもしれません。
 家庭に紙芝居があれば、子どもに紙芝居をやってもらうのも「話す力」を伸ばす良いトレーニングです。紙芝居がない場合は、絵本の絵だけを見て創作話を作ることもできます。昆虫図解や動物図鑑の写真を見ながら話を作ることもできますね。
 紙芝居遊びをやると、感情を込めて文章を読む、あるいは言葉を発する練習をすることができます。紙芝居を見た事がないという子どもには、親が見本を見せてあげて下さい。「デジタル時代に紙芝居?」と思うかもしれませんが、子どもは驚くほど興味をもちます。Youtubeで「紙芝居」と検索すれば動画が見つかります。

小学高学年以上:ディベート・討論

 親子でディベートをすると「聞く力」と「話す力」の両面を鍛えることができます。その日のニュースや新聞記事などからトピックを見つけて、親子で「賛成」「反対」に分かれてディベートしてみてください。
 最初は子どもに「賛成」か「反対」選ばせてください。たとえば「英語の教科化についてどう思う?」という議題で話をしてみます。まずはそのトピックについて説明してあげてください。そして、子どもが「勉強する教科が増えるから反対」と言えば、母親(父親)は「グローバル化が進んでいるから賛成!」と逆の立場から反論してください。
 ディベートのポイントは「賛成」「反対」、両方の立場から議論できるようにすることですが、最初は子どもが選んだ立場で立論できるように練習させてください。子どもがディベートに慣れてきたら、自分の考えとは反対の立場でも議論させてみましょう。話す力はもちろんですが,論理思考やクリティカルシンキングを伸ばすことができます。

小学高学年以上:落語

 日本の伝統芸能である落語は高度な話芸です。座布団の上に座り、一人で何役も演じることはもちろん、身振り手振りと小道具だけで、観客を江戸時代の人々の世界に引き込んでいきます。
 落語の話芸を学ぶのは子どもにとって難しいと思うかもしれませんが、大人よりも子どもの方がストーリーを覚えるのも、話し方を真似るのも上手です。最近は子どもが本物の落語を鑑賞できる子ども寄席や子どもが落語を学べる教室やワークショップも開催されています。落語の練習をすることで大人顔負けの高度な「話す力」を身につけることができます。


ハワイイメージ1【編集部より】
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プロフィール

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2111年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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