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2015年08月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.50 | コミュニケーション能力と英語力 その1

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
http://palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal1508/
船津徹『コミュニケーション能力と英語力 その1』(株式会社 児童英語研究所、2015年)


 アメリカで生活する子どもが英語の「会話力」で不自由を感じなくなるには、通常1年から2年かかります。さらに、学校の授業や宿題で不自由を感じなくなるには、5年から7年かかります。この期間をいかに短縮するかが、子どもの学校適応を大きく左右することは言うまでもありません。
 私はアメリカで3,000人以上のバイリンガルを指導してきましたが、ごく稀に、英語力を通常の半分位の時間で身につけてしまう「英語の天才」に出会うことがあります。確率としては300人に1人くらいです。
 アメリカに移り住んだ子どもは、当初半年から1年位は英語力が停滞します。いわゆる低空飛行の期間を経て、ある日、機首を上に向けて英語力が急上昇していきます。でも「英語の天才」たちは、最初から急上昇の状態で英語力を吸収していくことができるのです。
 日本で小さい頃から英語を勉強していたわけでなく、両親が英語に堪能なわけでもない。私は「英語の天才」を育てる秘密は何なのだろうと、ずっと不思議に思っていました。
 先日、ハワイ滞在3年で現地校トップの成績を収めた「英語の天才」のお母さんと話をしていました。その時、そのお子さんが「演劇」を習っていることを知ったのです。そこで私は「ハッ」と気づきました。私が過去に出会った「英語の天才」たちも何らかの形で演劇を経験していたのです!


| コミュニケーションツールとしての英語

 英語は言葉であり、コミュニケーションツールのひとつです。コミュニケーションには「言語」と「非言語」があります。「言語コミュニケーション」は言語情報を通して伝わるもの。そして「非言語コミュニケーション」は声の調子や大きさといった音声情報、そして表情、目線、仕草」などの視覚情報を通して伝わるものです。
 大抵の人は英語を学ぶ時に「言語情報」に着目します。単語を覚え、文法を覚え、対話方法を覚え、翻訳方法を覚える。すなわち英語を構成する知識をひとつひとつ積み重ねていくことで、英語を身につけようと努力します。
 でも現実には「言語情報」はコミュニケーションのごく一部に過ぎないのです。文化人類学者のバードホィステル(Ray Birdwhistell)の研究によると、コミュニケーションの内訳は「言語情報」が30~35%、そして「非言語情報」が60~65%とされています。つまり、人と人とが円滑にコミュニケーションするためには、言語情報に加えて、声の調子、表情、仕草といった「非言語コミュニケーション」を駆使する必要があるのです。


| サマーファン

 YMCAやKamaaina Kidsが主催するサマーファンはローカルの子どもたちに大人気です。ハワイのビーチや水族館などを訪れて様々なアクティビティーを行う、子どもたちの交流を目的としたプログラムです。
 もちろん遊びだけでなく、動植物と触れ合ったり、ハワイの歴史や文化を体験したり、ウォータースポーツをしたりと、盛りだくさんな内容です。サマーファンは一般に開放されており、ハワイはもちろん世界中の子どもたちと知り合うことができます。参加年齢は5歳から、期間は最低1週間からです。
 サマーファンはアクティビティー中心なので高い英語力は必要ありません。でも最低限のサバイバル英会話(挨拶、トイレに行きたい、水が飲みたい)は知っていなければなりません。


| アメリカは非言語コミュニケーションの社会

 日本人は、発声方法、声のトーン、声の大きさ、アイコンタクト、表情、ボディランゲージといった「非言語コミュニケーション」の技術をほとんど学ぶことはありません。明治維新以降の日本では、文化、言語、習慣、価値観の標準化が理想的な形で実現されました。その結果、北から南まで、人々が多くの努力をしなくても円滑にコミュニケーションがとれる社会になったのです。
 一方アメリカは、多文化、多民族、多言語が混在する多様性の高い社会です。そこで人々が意思疎通をするためには、言葉に頼ることなく、表情やジェスチャーなどの付加情報を加える必要があるのです。アメリカ人の表情が豊かで、声が大きくて、抑揚が激しくて、ジェスチャーが大げさなのには理由があるのです。
 多くの欧米人にとって日本人が分かりづらいのは「非言語コミュニケーション」が少ないからです。無表情のまま、アイコンタクトをせず「Hello.」と言っても相手が好意を持っているのか、迷惑がっているのか、欧米人には判断できません。満面の笑顔で、目を見て「Hello.」と言えば、欧米人は「ああ好意を持ってくれているのだな」と理解することができるのです。(次回に続く)


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プロフィール

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2001年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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