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おうち英語・保護者の疑問

なぜパルキッズたちは発音がいいのですか?

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保護者の方からのご質問

「パルキッズに取り組んでいる子は、どうして発音がいいのですか?」

発音を先に教えるのではなく、英語の音を聞き取る土台を育てているからです

これは、パルキッズに取り組んでいる多くのご家庭が感じていることの一つではないでしょうか。

パルキッズでは、幼児期から口や舌の位置を細かく説明したり、「thは舌を歯の間に出しましょう」「rは日本語のラ行とは違います」と繰り返し指導したりすることを、学習の中心にはしていません。

それにもかかわらず、歌を歌ったり、絵本の文章をまねしたり、オンラインレッスンの英語を口にしたりするようになると、自然なリズムやイントネーションを伴って発話する子どもがいます。

その理由の一つが、発音に先立って進む「音声知覚形成」です。

自然に発音するためには、
まず目標となる英語の音を聞き分けられることが大切です。

聞き分けられない音は、正確に再現しにくくなります

発音は、口や舌を動かす運動だけで成り立っているわけではありません。

自分が出した音と、目標となる英語の音を聞き比べ、その違いを調整する必要があります。

例えば、二つの英語音が本人には同じ音として聞こえている場合、どの部分を変えればよいのかを判断することが難しくなります。

反対に、音の違いを聞き分けられれば、自分の発音が目標音に近いかどうかを確認しやすくなります。

Flege(1995)のSpeech Learning Modelでは、第二言語の音が母語の音とどのように知覚され、分類されるかが、第二言語の発音習得に深く関係すると考えられています。

また、BestとTyler(2007)のPAM-L2でも、学習者が第二言語の音を母語の音声カテゴリーとどのように対応づけるかによって、音の区別や習得の難しさが異なると説明されています。

つまり、英語の音をどのように聞き取っているかは、その音をどのように発音するかと切り離せないのです。

音の捉え方 発音への影響 学習で必要なこと
英語音を日本語の音として捉える 日本語の音韻カテゴリーに近い発音で再現しやすい 英語音声を聞き、音の違いや分布に慣れる
複数の英語音が同じように聞こえる 自分の発音と目標音の違いに気づきにくい 文脈の中で異なる英語音へ繰り返し触れる
英語の音やリズムを捉えられる 聞いた音声を細部までまねしやすくなる 歌、絵本、会話などのまとまった音声を聞く

日本語の音の仕組みを通して英語を聞くことがあります

日本語環境で成長すると、日本語を効率よく理解するための音声処理が発達します。

これは、日本語を身につけるために必要な発達です。

一方、英語を聞くときにも、すでに身につけた日本語の音韻カテゴリーやリズムが強く働く場合があります。

その結果、英語の音を日本語に近い音へ置き換えて知覚し、それをそのまま発音することがあります。

  • 英語の子音の後ろに、日本語の母音を補って聞く
  • 英語の強弱リズムを、日本語の拍に近いリズムで捉える
  • 日本語では区別しない英語音を、同じカテゴリーとして聞く
  • 弱く発音される機能語まで、一音ずつ強く発音する
  • 単語同士の音のつながりを、単語ごとに区切って発音する

日本人学習者の発音に日本語らしさが残る理由を、発音器官の形だけで説明することはできません。

英語音声をどのように知覚し、頭の中でどのような音として表現しているかも、大きく関係しています。

パルキッズでは、聞いた英語をまとまりごとまねします

幼児期の子どもは、発音記号を見て一音ずつ練習するのではなく、聞いた音声をまとまりとしてまねします。

歌であれば、個々の母音や子音だけでなく、メロディー、リズム、強弱、音の長さを含めて再現します。

絵本の文章であれば、単語を一つずつ日本語的に読むのではなく、読み手のイントネーションや語のつながりを含めてまねることがあります。

最初は、音源を意味のある文法知識として組み立て直しているのではなく、聞こえた音声全体を一つのまとまりとして「コピー」しているような状態です。

しかし、その前に安定した英語音声への接触が積み重なっていれば、母音や子音だけでなく、次のような特徴も再現しやすくなります。

  • 英語特有の強勢と弱勢
  • 文全体のイントネーション
  • 単語同士がつながる音
  • 弱く短く発音される機能語
  • 英語らしいリズムと速度
  • 母音や子音の音色

そのため、個々の音を機械的に練習した場合よりも、文や歌全体が自然に聞こえることがあります。

子どもは単音だけでなく、
英語のリズムやイントネーションごとまねています。

聞くことと話すことは、相互に関係しています

音声知覚を説明する理論の一つに、LibermanとMattingly(1985)が提唱したMotor Theory of Speech Perceptionがあります。

この理論では、人が音声を知覚するとき、単なる音響的な刺激として聞くのではなく、発話者がその音を作るために意図した調音ジェスチャーを捉えていると考えます。

ただし、Motor Theoryは音声知覚を説明する複数の理論の一つであり、すべての研究者がその強い主張に同意しているわけではありません。

音声知覚が純粋に聴覚的な分析だけで説明できるのか、発話運動の情報もどの程度関係するのかについては、現在もさまざまな立場があります。

それでも、聞く経験と発話運動が学習の中で相互に関係すること、自分が出した音を聞きながら発音を調整することは、発音習得を考えるうえで重要です。

「耳が育てば、口が自動的に完成する」という意味ではありません

音の違いを聞き取れることは発音習得の重要な土台ですが、実際に発音するには、舌、唇、顎、呼吸などの運動を調整する必要があります。

年齢が上がってから新しい音を身につける場合や、特定の音が定着しにくい場合には、口の形や舌の位置を確認する発音練習も有効です。

乳児の発声も、周囲の音声から影響を受けます

乳児は、生まれた直後から完成した言葉を話すわけではありません。

喃語や母音に近い発声を繰り返しながら、自分の声を聞き、周囲の大人の声にも反応して、少しずつ言語らしい発声へ変化していきます。

KuhlとMeltzoff(1996)は、生後12週、16週、20週の乳児を対象に、大人が発する母音に対して乳児の発声がどのように変化するかを調べました。

その結果、乳児の母音様発声が、提示された大人の母音の音響的特徴に近づく傾向が見られ、発声発達に音声模倣が関係する可能性が示されました。

これは、乳児が大人から発音方法の説明を受けなくても、周囲で聞く音声を手がかりに、自分の発声を変化させていくことを示す研究の一つです。

子どもの発音発達には、聞くこと、自分で発声すること、自分の声を聞くこと、周囲から反応を受けることが関わっています。

一時的な言い間違いは、発達過程で見られることがあります

パルキッズに取り組む子どもの中にも、英語の音を最初からすべて正確に発音できるわけではない子がいます。

例えば、英語の「three」に含まれる歯摩擦音を、最初は「f」に近い音で発音する場合があります。

英語母語児の発音発達でも、獲得途中の子音を、調音方法や調音位置が近い別の音へ一時的に置き換えることがあります。

Smit(1993)は、Iowa-Nebraska Articulation Norms Projectに参加した子どもたちの子音の誤りを年齢別に整理し、摩擦音や流音などに多様な置換や歪みが見られることを報告しています。

したがって、幼い子どもが「th」を一時的に別の音として発音することだけで、英語音声を正しく聞けていない、あるいは間違った発音が定着したと判断する必要はありません。

ただし、日本語を母語とする子どもの第二言語発音と、英語母語児の第一言語発達は同一ではありません。

同じような置換が見られたからといって、両者がまったく同じ発達過程をたどっていると断定することはできません。

大切なのは、すぐに一音ずつ矯正することではなく、正しい英語音声へ継続して触れ、自分の発音を調整できる経験を積むことです。

発音は、単音の正確さだけでは決まりません

発音がよいというと、「rとlを区別できる」「thを正しく発音できる」といった個々の子音に注目しがちです。

しかし、英語全体が自然に聞こえるかどうかには、単音以外の要素も大きく関係します。

発音の要素 内容 音声入力から得られる経験
母音・子音 英語で区別される個々の音 同じ音がさまざまな語の中で現れる例を聞く
語強勢 単語内で強く長く発音される部分 単語を音のまとまりとして聞く
文のリズム 内容語を強く、機能語を弱くする英語の強弱 歌、物語、会話をまとまった音声で聞く
イントネーション 文全体の音の高さの変化 疑問、驚き、説明などの場面と一緒に聞く
連結・弱化 単語同士がつながり、一部の音が弱くなる現象 自然な速度の文や会話を繰り返し聞く

単語を一音ずつ正しく発音できても、すべての音を同じ強さと長さで発音すると、英語全体は不自然に聞こえることがあります。

反対に、細かな子音に発達途中の部分があっても、英語のリズム、強勢、イントネーションをまとまりとして再現できると、自然な英語らしく聞こえることがあります。

パルキッズで歌、物語、日常表現などを繰り返し聞くことは、単音だけでなく、英語全体の韻律を経験することにつながります。

音声、意味、文字を順番に結び付けます

パルキッズでは、かけ流しによる音声入力だけで発音学習を完結させるわけではありません。

まず、かけ流しを通して英語の音やリズムに繰り返し触れます。

次に、オンラインレッスンや絵本を使い、聞いてきた音声を絵、場面、意味と結び付けます。

さらに、文字を読むようになると、耳の中にある英語音声と綴りが結び付きます。

音声表象が先に形成されていれば、英単語を文字から日本語式に一音ずつ組み立てるのではなく、すでに知っている英語の音へ文字を対応づけやすくなります。

英語発音を支える学習の流れ

1 英語音声を聞く 英語の母音、子音、リズム、強勢、イントネーションへ繰り返し触れます。
2 聞いた音をまねる 歌、絵本、日常表現を、音のまとまりとして口で再現します。
3 意味・文字・運用へ 音声を意味や綴りと結び付け、読む、話す活動へ発展させます。

必要に応じて、発音指導を加えることもできます

幼児期には、正しい英語音声を聞き、それをまねする経験を中心に進められます。

ただし、年齢が上がって文字の影響が強くなった場合や、特定の音を日本語式に発音する習慣が定着した場合には、意識的な発音練習も役立ちます。

  • 自分の発音を録音して、音源と聞き比べる
  • 単音ではなく、語や文の中で目標音を練習する
  • 口や舌の位置を必要な範囲で確認する
  • 強勢、リズム、イントネーションも一緒に練習する
  • 速さよりも、聞き取りやすさを優先する
  • 誤りを過度に指摘せず、正しいモデルを繰り返し示す

音声入力と発音指導は対立するものではありません。

豊富な音声入力によって目標となる英語音を頭の中に作り、必要に応じて調音方法を確認することで、発音をより細かく調整できます。

結論:発音の良さは、発音練習より前の「聞く経験」から育ちます

パルキッズに取り組む子どもの発音が自然に聞こえる理由の一つは、発音方法を細かく教える前に、安定した英語音声へ繰り返し触れていることです。

英語の音を聞き分けられなければ、自分の発音と目標音の違いを確認することは難しくなります。

一方、英語の母音や子音、強勢、リズム、イントネーションを音声のまとまりとして捉えられれば、聞いた英語をより自然にまねしやすくなります。

子どもは、歌や絵本、日常表現を通して、単音だけでなく英語全体の音の流れをコピーします。その後、聞いてきた英語を意味や文字と結び付け、読む、話す活動へ発展させます。

もちろん、音声を聞くだけで、すべての子どもが同じ発音を身につけるわけではありません。発達のペース、音声への接触量、発話する機会、母語の影響などによる個人差があります。

また、必要に応じて口や舌の使い方を確認する発音練習も役立ちます。

それでも、発音練習を有効にするための最初の土台は、目標となる英語の音を十分に聞き、その特徴を捉えられることです。

十分な英語音声を聞き続けることで、まず英語の音声表象を育てる。その音を聞きながら、子ども自身が少しずつ口で再現していく。それが、パルキッズが大切にしている発音習得の順序です。

参考文献・引用

  1. Best, C. T., & Tyler, M. D. (2007). Nonnative and second-language speech perception: Commonalities and complementarities. In O.-S. Bohn & M. J. Munro (Eds.), Language experience in second language speech learning: In honor of James Emil Flege (pp. 13–34). John Benjamins. DOI
  2. Flege, J. E. (1995). Second language speech learning: Theory, findings, and problems. In W. Strange (Ed.), Speech perception and linguistic experience: Issues in cross-language research (pp. 233–277). York Press.
  3. Kuhl, P. K., & Meltzoff, A. N. (1996). Infant vocalizations in response to speech: Vocal imitation and developmental change. The Journal of the Acoustical Society of America, 100(4), 2425–2438. DOI
  4. Liberman, A. M., & Mattingly, I. G. (1985). The motor theory of speech perception revised. Cognition, 21(1), 1–36. DOI
  5. Smit, A. B. (1993). Phonologic error distributions in the Iowa-Nebraska Articulation Norms Project: Consonant singletons. Journal of Speech and Hearing Research, 36(3), 533–547. DOI

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