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2013年09月号パルキッズ塾

Vol.05 | 取り組みを失敗させる3つのキーワード

written by 小豆澤 宏次(Hirotsugu Azukizawa)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
http://palkids.co.jp/palkids-webmagazine/palkids-juku-1309/
小豆澤宏次『取り組みを失敗させる3つのキーワード』(株式会社 児童英語研究所、2013年)


 『パルキッズ』の取り組みは順調ですか?1カ月半の長い夏休みも終わり、この間取り組みを習慣化できた方もいれば、旅行や帰省などのイレギュラーなイベントのせいで取り組みが中断してしまった方など様々でしょう。ここは新学期のスタートを機に、もう一度帯を締め直して日々の取り組みを行っていきましょう。
 そこで今回は、取り組みが上手くいかなくなる典型的な3つのキーワードをご覧いただき、「あ、これうちのことだわ!」と感じた方には軌道修正をしていただこうと思います。もちろん3つのキーワードが当てはまらない方も、今後取り組みがおかしな方向へ行かない様にするためにも、ぜひ参考にしてください。

 『パルキッズ』の取り組みが上手くいかなくなる典型的な3つのキーワードとは「やめる」「試す」「教える」です。『パルキッズ』の取り組みは大きく2つに分けることができました。1つ目は「1日90分のCDのかけ流し」、2つ目は「絵本の暗唱による読解力の育成」です。この2つの取り組みを行うことで、小学生の間に英検準2級合格レベルの英語力を身につけることがゴールになります。英検準2級といっても文法学習や英検に特化したテクニックなどは一切教えません。ネイティブ同様ごく自然に日々培った「リスニング力」と「読解力」だけでこのゴールに到達するのが「パルキッズ・プログラム」です。しかも、どんなにお忙しいご家庭でも、インストラクション通りに取り組みを進めるだけでお子さまをバイリンガルに育てられるシンプルなプログラムになっています。しかし、シンプル過ぎるほどシンプルな点、またお母様がひとりで4年という長い期間取り組みを家庭内でコントロールしていかなければいけないことから孤独感を感じてしまう点、以上の2点から、多くのお母様は日々「これでよいのかしら?」という不安と戦いながらの取り組みを行っています。そして、その不安が先ほどご紹介した3つのキーワードを生み、それらがせっかく頑張って続けている取り組みの邪魔をします。どんなご家庭でも一度はこのキーワードに当てはまるお悩みを持ったことがあるかもしれません。そんな時、道に迷って抜け出せなくなるのを防ぐためにも、しっかりとこの3つのキーワードを常に念頭に置いて日々の取り組みを行っていきましょう。それではこの3つのキーワードをひとつずつ、皆様から寄せられたご質問を元に解説していきます。


| キーワードその1「やめる」

 Q この4月に引っ越しをしてバタバタしていたせいもあり、取り組みが4カ月間中断しています。先日、このままではいけないと思い、かけ流しと暗唱の取り組みを再開させようとしたのですが、全く口から英語が出ず、ショックを受けてしまいました。取り組みを中断してしまった私のせいだとは思うのですが、このままズルズルと取り組みができなくなってしまう様な気がします。(パルキッズプリスクーラー/3歳)

 環境の変化などやむを得ない事情で取り組みが中断してしまうことはどのご家庭でもあります。過ぎてしまったことを後悔しても仕方ありません。まずは中断してしまったことは忘れ、気分をリセットしてもう一度取り組みを再開しましょう。
 また、再開後お子さまの口から英語が出なかったことに関してお母様はそれほど気にする必要はありません。これまでかけ流しをしてきたこと、暗唱の取り組みをしてきたことで培った英語力は、しっかりとお子さまの頭の中に残っています。英語力が消えたのではなく、しばらく英語環境がなかったために、お子さまの中の英語力が単に錆び付いているだけなのです。また、暗唱が習慣化されていたのが中断してしまったことで「英語絵本=暗唱」という図式がお子さまの中で一時的に忘れられていただけという理由も考えられます。どちらにしろ取り組みを再開することで、また以前の様に暗唱できるようになりますから、気を落とさず取り組みを習慣化することに集中していきましょう。
 お母様もご心配されていますが、一番良くないのが完全に取り組みをしなくなることです。当たり前のことですが何もしなければ英語は身につきません。「やる」「やらない」に関して、お子さまはコントロールすることはできません。これはお母様にかかっています。
 言語獲得ができる、またはできない理由は極めてシンプルでその言語環境があるかないかで決まります。「For the first three years, you can’t go wrong unless you lock them in the dark closet.(最初の3年間、暗い押し入れに閉じ込めておかない限り失敗できない)」という言葉が示すように、暗い押し入れにわが子を入れておかない、つまり言語環境からわが子を完全に遮断しない限り、どんな子でも言語を身につけることができるのです。少々極端な言い方になりますが、取り組みをやめる(英語環境を与えることをやめる)というのは、わが子を暗い押し入れに閉じ込めてしまうことと同じであるとも言えます。「やめる」ことは簡単ですが、それによってお子さまに及ぼす影響を考えるとちょっと恐ろしい気がしますね。中断は仕方ないにしても、それが「やめる」にならない様、今日から気持ちを切り替えて取り組みを再開しましょう。


| キーワードその2「試す」

 Q 『パルキッズプリスクーラー』のかけ流しを2年間続け、先月から『パルキッズキンダー』に入りました。『パルキッズキンダー』に付属しているドリルでは『フォニックスドリル』を選び、毎日1枚ずつ取り組みを行っています。しかし、うちの息子は書くのが苦手なのかドリルを嫌がります。最初は嫌がることなく取り組めていたのですが…。また、ドリルを始めてからアルファベットがよくわかっていないことがわかったので、時々チラシやパッケージなどに書いてあるアルファベットを指さして「これは何?」と言って答えさせる練習をしています。ただ、正解するのも半分ぐらいですし、やる気のないわが子を見るとこのままでよいのかと不安になります。(パルキッズキンダー/5歳)

 幼児期に英語の取り組みを行う上で注意しなければいけないことは、子どもに「ストレス」を与えないということです。具体的に言うと取り組み中に自分が失敗したり間違えたりした体験を意識させないということです。「失敗体験をしなければ強い子に育たない」と言う方もいますが、それと「英語」は全く別物です。失敗を経験することで、「よしもっとがんばるぞ!」と思えるようなスポーツや楽器演奏といった習い事とは違い、言語の獲得はもっと本能的に無自覚に行われるものです。我々日本人が幼児期に日本語を身につけるときに、間違った経験を通して「がんばろう!」と奮起し、一生懸命がんばって身につけたという経験はありませんよね。英語もそれと全く同じです。これを踏まえてお子さまがなぜドリルを嫌がるようになったのかを考えてみましょう。
 最初、お子さまはドリルに抵抗なく取り組むことができていました。それが何かを切っ掛けにだんだんと嫌がる様になっていったわけですね。おそらくこれはアルファベットのクイズを始めてからではないかと推測できます。お母様が「これは何?」とクイズを出すのに対して、最初は無邪気に答えていたはずです。しかし、お子さまは、自分が間違う度にお母様のがっかりとした様子を目にします。お母様としては2年間もかけ流しをしてきたのにアルファベットも正確に答えられないわが子に対して相当なショックを受けます。そしてそのショックのせいで、何度も繰り返しわが子にクイズを問うようになり、それでもまだ間違うと、「何でこんなこともわからないの!」とわが子に対してイライラをぶつける様になります。お子さまからすると、このクイズが始まると毎回ママががっかりしたり怒り出すので、クイズの取り組みにストレスを感じます。そしてお子さまの頭の中に「アルファベット=ママ=怖い」という図式が成立し、それがさらに進むと「アルファベット(英語)=怖い」という図式が生まれます。お子さまからするとそういった状況になることをなるべく避けようとします。すると母親が行おうとする英語の取り組みに対して、または母親が話す英語に対して「わからない」「イヤだ」と答える様になります。こう答えれば、間違って自分のプライドを傷つけられることもないし、母親の怒った顔を見なくてもすむわけです。クイズを始めとした「英語の取り組み」という土俵に立たなければ、ストレスを感じずにすむわけですから。あくまでもこれは推測の域を出ませんが、これまで10年以上教務の指導をしてきて、この様な例は過去いくつも見てきました。
 これは極端な例かもしれませんが、この様にわが子の英語力を「試す」ことで不要なストレスを与え、さらにはお母様自身も本来感じることもなかったストレスに悩まされ、結局は取り組みを中断してしまうことになりかねません。百害あって一利なしの「試す」ということをすぐにやめて、これまで通り淡々と取り組み、わが子が間違ったことではなく、口から英語が出たり、アルファベットが読めたり綴れたりといった上達したことだけに目を向け、それをわが子に伝えて「英語は簡単!自分は英語が得意!」と思わせてあげることで取り組みが驚くほどスムーズに進む様になります。実際にできる・できないではなくそうなるために天狗にさせてあげることが必要なのです。


| キーワードその3「教える」

 Q 絵本の暗唱をしていて気になることがあり相談しました。絵本の中で単数形の”dog”と複数形の”dogs”が出てくるのですが、どちらも”dog”と読んでしまいます。”dogs”を”dog”のままで覚えてしまうといけないので、どういう時に”s”を付けるのかを教えるのですが、なかなかうまくいきません。こういう時はどのように教えればよいのでしょうか。(パルキッズキンダー/4歳)

 「パルキッズ」ではお母様に「英語を教えないでください」とご指導しています。教えるとは具体的に何を指しているのかというと、日本語に訳して理解させたり、文法を教えたり、発音を矯正したりということです。なぜこういった内容を教えてはいけないのか、それぞれ理由はあるのですが、今回のご質問の内容に合わせて「文法」に焦点を当ててお話を進めていきます。
 なぜ、お子さまに文法を教えてはいけないのでしょうか。ずばりお答えすると「幼児に文法を教えても理解できない」このひと言に尽きます。例えば、お母様が「○○ちゃん、こっちのワンちゃんは1匹しかいないから”dog”なのよ。でもこっちにはワンちゃんがいっぱいいるわよね。だから”dog”に “s” を付けて”dogs”になるのよ。あとね、こっちにはワンちゃんの赤ちゃんが1匹いるわよね。1匹の時は”puppy”なのよ。でも、こっちにはワンちゃんの赤ちゃんがいっぱいいるわよね。だから”puppy”に “s” をつけるんだけど、”puppy”という単語は”y”で終わっているわよね。しかも”y”の前が子音になっているからその時は”y”を”i”に変えて”es”を付けるのよ。だから “puppies”になるのね。わかった?」と一生懸命説明しても、お子さまは「ママいっぱいお話ししてる」というぐらいにしか思っていないでしょう。理解にはほど遠いですよね。そしてこれだけ説明したにもかかわらず、お子さまの口からは相変わらず”dog”しか出てこないことにお母様はイライラし、また教え、そんなことを繰り返すうちにお母様の方が根負けして、結局取り組みが中断してしまうことになりかねません。こちらも極端な例かもしれませんが、文法を幼児に説明するというのは、客観的に見るといかに不自然なことであるかおわかりでしょう。
 しかし、間違ったままではどうしても心配になるお母様の気持ちもよくわかります。これは今後、絵本や読書を通じて英語に触れ、英語の経験値が上がるにしたがって解決されていきます。たとえ中学校に入るまでに文法の概念が曖昧なものだったとしても、そんなことは中学校に入ってから教えてもらえばよいのです。実際に我々日本人も母国語である日本語ですら、日本語に触れ始めて10年経った小学4年生の時にようやく主語・述語といったごく簡単な文法から習い始めるのです。お子さまは英語に触れ始めてからまだ2年強、しかもまだ幼児です。説明しても理解できない文法を教え、お母様がストレスをためてしまうよりも、お子さまが日本語で間違った表現をしたときに「かわいらしい」と思うように、英語での間違いも微笑ましく思う方が、母子ともにストレスなく、そして中断することなく取り組みを進められるでしょう。

 「やめる」は言うまでもありませんが、ついついやってしまう「試す」「教える」がお子さまに与える悪影響をおわかりいただけたでしょうか。子どもがストレスを感じ、それが母親へと伝染し、結局取り組みをやめてしまうという負のリンクに陥らないよう、この3つのキーワードを忘れずに取り組みを行っていきましょう。


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プロフィール

小豆澤 宏次(Azukizawa Hirotsugu)

1976年生まれ。島根県出身。同志社大学経済学部を卒業後、米国ボストンのバークリー音楽大学に留学し、音楽家として活動。帰国後は幼児・児童向け英語教室にて英語講師を務める。児童英語研究所所長・船津洋氏に「パルキッズ理論」の指導を受け感銘を受ける。その後、英語教室の指導教材を「パルキッズ」へと全面的に変更。生徒数を大きく伸ばすことに成功する。児童英語研究所に入社後は、年間1,000件以上の母親への指導を行うとともに、パルキッズのオンラインレッスンのプログラムの制作ディレクションを行う。また大人向けの英語素読教材の制作ディレクションも行う。

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