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2012年08月号特集

Vol.173 | 子どもが英語を学ぶ理由

こんなにも子どもの将来を左右する英語教育

written by 船津 洋(Hiroshi Funatsu)



プロフィール

船津 洋(Funatsu Hiroshi)

1965年生まれ。東京都出身。株式会社児童英語研究所・代表取締役。上智大学外国語学部英語学科卒業後、言語学の研究者として、日本人の英語習得の在り方を研究中。35年以上、幼児・児童向け英語教材開発の通して英語教育に携わる経営者である一方、3児の父、そして孫1人を持つ親として、保護者の視点に立ったバイリンガル教育コンテンツを発信し、支持を得ている。著書に20万部のベストセラーを記録した『たった80単語「読むだけで」英語脳になる本』(三笠書房)をはじめ『子どもの英語「超効率」勉強法』(かんき出版)など多数ある。


 最近、講演会でお話ししている中で、皆様がとてもご関心を抱かれる「ある話題」があります。講演会に来るまでは、漠然とモヤがかかっていて、見通すことが出来ず、また「その話題」に関して、そもそも深く考えたことが無い方が大多数を占めています。それが一転、目の前がパッと開け、スッキリしてお帰りになられる。今回はそんな「とある話題」についてお話をいたしましょう。


| なぜ子どもに英語を?

 本誌をお読みの皆様は、お子さまに英語を、とお考えのはずです。確かに、幼児期の方が英語を身につけやすいし、小学校から英語も始まることですし、また就職でも昇進でも英語力が必要となってきます。進むグローバル化の中、お子さまが大きくなる頃には、今以上に英語力が求められることは間違いありません
 それで英語を身につけさせる訳ですね。と、ここまでは結構です。ただ、目的が漫然としすぎている感じがします。まだはっきりとした目的意識が定まっておらず、何となく、英語をスタートしている。すると、こんなことになります。
 ある講演会で、講演終了後に、とある保護者の方からこんなご質問を頂戴しました。「日本人の9割に英語は必要ないと聞きますが、先生はどうお考えですか?」
 この議論は歴史が古く、昭和50年の「英語教育大論争」でも似たようなことが行われています。結局、結論は出ないままです。
 果たして日本人に英語は必要なのか?この問いに対して、僕は「9割以上の日本人にとって英語は必要ないでしょうね」と答えます。そして「ただ、お子さまをその9割に放り込んでしまって良いのですか?」とお尋ねします。
 外資系企業といえど、すべての人に英語が要求される訳ではありません。昇進なんかしなくて良いというのであれば、英語なんて不要です。公務員でもサラリーマンでも、英語を求められる職種は限られています。実際、英語なんてほとんどの日本人にとって必要の無いものです
 ただ、必要とする人たちもいます。日本から飛び出して、海外でバリバリと自分の能力を発揮したい人や、企業の中で出世の一段階として海外赴任をしたり、外資系企業の役員レベルまで登りたい人、国内企業でも最近では役員レベルに英語力を義務づけているので、トップダウンで実力を発揮したい人には英語力は必要となります。また、研究者などになった場合にも英語力は必要とされます。論文などは先手必勝。一番でなければ意味がありません。その論文も英語で書かないと世界的に認められないので、競争の激しい研究の分野では、英語力が無いこと自体、自分の研究の足を引っ張ることにもなりかねません。
 と、以上のような方々、ひと握りの人々ですね。もし、お子さまがこのようなクリエイティブかつ影響力を持つ職業に就くのであれば、英語力が必要です


| 英語力が無いと子どもの将来の幅を狭める

 もう1グループ、英語が必要な人たちがいます。
 大学全入時代の今日、望めば誰でも大学へ進学できます。しかし、一流の大学へ入学したければ、英語力は不可欠です。
 新卒の就職率が低迷する中、早慶レベルの一流大学を出ても、学部によっては就職できなかったりします。いわんや学校推薦で入学できるような大学であれば、希望の会社への就職は困難、というよりも不可能に限りなく近いのです。つまり、進学する大学が子どもの職業の幅を決めてしまう。であれば、少しでも優秀な大学の、少しでも優秀な学部、もしくは子どもたちが進みたい進路へと進学させることによって、子どもたちの未来の選択肢を広げることになるのです。
 また、ひとつ付け加えると、将来子どもたちが社会で活躍するにおいて、彼らが頑張れば頑張るほど、社会に対する影響力が大きくなれば大きくなるほど、必要になってくるのが「人脈」です。その人脈は学生時代から形成されるので、その点でも優秀な仲間たちを持たせてあげることは、将来に大きくメリットをもたらします。
 そう考えれば、大学の選択がとても重要だということは明らかですね。
 そして、そういった一流の大学へ進学させたければ、かなり高い英語力を求められることになります。これは、文系へ進む子どもたちだけの話ではありません。理系へ進む子も、英語が足を引っ張るようでは、望みの大学へは進学できないのです。
 受験の準備期、英語に足を引っ張られているようでは、選択科目の勉強ができなくなってしまい、結果、志望校を1段階、2段階引き下げざるを得なくなります。
 誤解の無いように付け加えますが、何でもかんでも一流大学が良い、と言っている訳ではありません。野球、サッカー、ゴルフにテニス、スポーツ選手になるのも良いでしょうし、料理人になるのも良いでしょう。それこそ職業は山ほどあります。子どもたちが就きたい職業に就けば良いのです
 ただ、子どもの夢ほどはかなく、気まぐれなものはありません。彼らが夢を見つけてそれに向かって全身全霊で取り組んでくれれば夢もかなうでしょう。しかし、途中で挫折したらどうなりますか?それならまだしも、もし彼らが夢を見つけられなかったらどうなのでしょう。
 大人が、働き社会の役に立ち家族を養うことが義務づけられているように、子どもの本分は「学業」です。彼らが天職を見つけられなかったときに、その本分である学業が、彼らを助けてくれるのです。優秀なほど、将来の選択肢は広がります。仮に高校生で「医者になりたい」と感じたとき、そこから勉強しはじめたのでは遅いのです。「弁護士になりたい」と子どもたちが感じたとき、その彼らの可能性をかなえてくれるのが学業なのです。一流大学へ進むのは、子どもたちが夢を見つけられなかったときのための「プランB」、つまり保険のようなものなのです。


| プランBを実現するために

 さて、それでは一流大学へ進学しようと思ったら、どうしますか?結局「英語」なのです。脅す訳ではありませんが、大学入試センター試験の英語で満点を取れるくらいの実力を身につけておかなければ、極端な話、お話にならないと言ってもよいでしょう。
 センターで満点を取れるほどの英語力とは、それほどレベルの高いものではありません。アメリカ人の小学4年生が満点を取れる程度の代物です。ただ、普通に学校教育や塾・予備校などで、文法学習・語彙記憶を中心に進めている場合には、7割取れれば御の字でしょう。
 これは、大事です。なぜなら、センター試験において「英語」は「国語」と並んで200点が配点されています。ほかの教科の2倍です。つまり、英語が得意ならば倍の得点が可能。英語が苦手ならば、2教科苦手なことと同じです。仮に英語が得意ならば200点、普通ならば6割の120 点。その差はなんと80点です。得意科目一教科分が、まるまるプラスされた形です。逆に、苦手ならば、全体の足を引っ張ることになります。英語が苦手ということは、大学入試では致命的な弱点となります
 そんな英語ですが、通常の学校教育で伸ばすことは、大変失礼ですが、統計的に不可能です。中学2年生で6割が落ちこぼれ、頑張った人でもセンター7割が関の山。それ以上の点をとっている人たちは、わずか数%の相当優秀な人たちです。
 ご存知ですか?加熱する中学受験の中、受験科目ではない「英語」に焦点を当てる人はあまりいません。しかしふたを開けてみれば、中学1年生の2学期で、英検2級を受験する子がいるのです。
 皆が中学受験の準備に脇目もふらず突き進んでいるのを傍目に、見通しが利いている親御さんたちは、すでにその先の大学受験を見据えて英語の準備もしているのです
 私立中学は、確かに英語に手厚いのですが、それでも従来型の学習法ですので、普通に勉強していればセンター7割なのです。その間、出来る子は高校に入る頃には英検の準1級を取得している。つまり、高校1年生の段階で、センター英語で満点を取れるレベルになっているのです。そんな子たちは英語に時間を割く必要がないので、安心してその時間と労力を自分の選択教科に注げます。同じ私立に通っても、英語ひとつでこれだけ差が出てしまうのです。
 このように考えれば、早期の英語学習の目標がくっきりしてくるのではないでしょうか。


| 「生活言語」ではなく「学習言語」!

 さて、英語教育のゴールが少しくっきりしましたか?それでは次に、どんな英語力を身につけるのか、「具体的なゴールの定め方」に話を進めましょう
 幼児英語をしていてよく耳にする話が、「でも、大きくなったら忘れてしまうから」というお決まりのトーク。これは「あること」をしなければ必ず起こります。
 せっかく幼児期に英語を身につけて、会話くらいは出来るようになったものの、小学生になり、受験が視野に入り、成長とともに時間が無くなり英語から離れていく…。そして、中学入学。気づけば英語を忘れていた…。
 英語は1年も離れてしまえば、すっかり頭から消えてしまいます(正確には、消えるのではなく錆び付いて働かなくなるのです)。
 これはもったいないですね。ただ、この現象は避けることが可能です。問題は「目標の設定の仕方」なのです。
 大抵の親御さんにとって「子どもに英語を!」という思いは「英会話が出来るようになってほしい!」こととイコールです。ここに英語力が消えてしまう現象の原因があります。
 言語には、「生活言語」というイメージレベルの右脳的な言語回路があります。「喉が渇いたからジュース飲みたい」「イチゴがおいしそうだから食べたい」などきわめて原始的な、頭の中の五感イメージと連動した言語の回路です。ここまではちょっとした環境づくりと、若干のレッスンがあれば到達できます。
 そして、大半の子がここで伸び悩んでしまうのです。
 しかし、幸運にも「あること」をしている子たちは、ここからぐんぐん伸びていきます。そのあることとは「読書」です
 伸び悩んでいる子どもたちは、頭の中の膨大な英語情報が混沌としているのです。ごちゃごちゃになっていて整理整頓がまだ出来ていない。この状態を整理整頓してくれるのが読書なのです。そして、頭の中の英語情報がきちんと整理できてくると「実感できる英語力」となり「一生消えない英語力」へと育っていくのです。
 この一生消えない英語力、読書から情報を吸収できる能力を「学習言語」と呼んでいます。つまり幼児期のお遊び的な「生活言語」をしっかりと安定した力「学習言語」へと高めてあげることが大切なのです


| 目標はとりあえず準2級!

 パルキッズでは、当面の学習のゴールを「英検準2級」に設定しています。毎年実施している「英検チャレンジ」のご報告で、今回も小4で英検2級、小3で準2級合格など、数多くのうれしい声が寄せられています。
 小学校の中学年で英検2級までとってしまえば、もうこれは「学習言語レベル」の英語力です。あとは中学受験などでしばらくお休みしても忘れることは無く、中学生になっても、身につけたリスニング力や語彙は健在です。そうして、中学生の早い段階で英検の準1級を取得。こうなれば、東大京大も夢ではなく、早慶も問題なく手が届くレベルになっています。
 そんな思いから、我々は毎年の「英検チャレンジ」を実施しているのです。ただ、子どもによってはなかなか読解力が身につかない子もいます。そんな子どもたちのために、先月、英語素読用テキスト「7-day English」をリリースしました。
 これによって、学習のはやい子もゆっくりな子も、その子のペースに合わせて英検準2級を目指した学習ができるようになりました。
 ちなみに、現実問題として「金銭面」での話を少し加えておくと、お子さんの教育に「これからいくらかかるか」計算したことはありますか?
 国立大学へ行ってくれれば、大学院まで6年間で300万円ほどの学費で済みますが、これが私立の理系だと1,200万円ほどかかります。英語が苦手で私立へ進むだけで、なんと900万円もの差が出てしまうのです。これは大学の学費だけの話です。
 受験するためにはほとんどの子が予備校へ通いますが、予備校は1年間で60~80万円以上かかります。これもほとんど英語のためです。さらにそれ以前にも中学高校と英語の塾へ通うでしょうから、それだけで50万円くらいは軽くかかってしまいます。つまり、英語教育を先延ばしにすればするほど、お金がかかる仕組みになっているのです
 子どもが小さいうちに英語教育をやっつけてしまうことは、子どもたちの進路を左右し、就職にも大きく影響し、ひいては人生にも影響します。それと同時に、子育て真っ最中の家計にも大きな差を生むのです。
 どうせやるなら早めに手を打った方がお得です。当面のゴールは英検準2級です。幼児期のうちに、もしくは小学生のうちにしっかり英語を身につけさせてしまいましょう。


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引用・転載元:
http://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/tokushu-1208
パルキッズ通信2012年08月号特集『子どもが英語を学ぶ理由』(著)船津洋 ©株式会社 児童英語研究所

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