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第7章 子どもの「英作文力」はこうすれば上がる!

written by 船津 洋(Hiroshi Funatsu)


1 意見と論理性

◉まず意見を持つことから

 早期の英語教育開始の最大のメリットは「リスニング力」が身につけやすいこと。英語をボトムアップ処理で直解できる「生活言語」レベルの英語力を楽に身につけられる点です。
 しかし、文科省も苦悩しているように、日本人には発信力が足りません。入力回路を身に付けて、英語を読んだり聞いたりして理解出来るようになったとしても、出力する技術を身に付けなければ、それは宝の持ち腐れなのです。
 日本においては、もちろん国語の作文指導はありますが、論理的な思考、魅力のある表現の技術に関わる指導は、私の知る限り行われておりません。つまり、日本人は英語のみでなく、母語である国語においても表現力、つまり、書いたり話したりする力が弱いのです。

 大学の授業で愕然としたことがありますが、授業のリアペ(講義内容に関する反応)を提出する際に、とにかくなんでもよいから、だらだらと書くことを目標としている学生のナント多いことか。それでも、何も書かないよりは評価されてしまうのが、日本の高等教育なのですから言葉もありません。意味がなければ、どれほど苦労して長い文章を書いても、それには意味がないのです。
 我武者羅に長い文は良質でないばかりか、ひたすら書くことを続けても、いつまで経っても上手にならず、周囲に迷惑をかけるばかりです。しかし、ちょっとしたコツを身につければ、あっという間に伝わる文章力は身につけられるのです。

 日本人全般として、まずは自分に意見がなく、さらに話を筋立てるのが苦手である点がみられます。しかし、一度文章力を身に付けると、英検はもちろんのこと、人生の様々なシーンで威力を発揮しますので、是非これを機会に習得させたいところです。
 しかも、それがナント英検の記述対策にもなるのですから、これは身に付けない手はありません。

◉思考を整理する習慣を身につけよう

   さて、そのコツとは一つに「意見」を持つことと、もう一つは「論理性」をもたせることです。しかし、これが難しい。
 「『意見を持つこと』をしないこと」、もしくは「『持っている意見』を言わないこと」が日本人の美徳な訳です。「男は黙って○○ビール」などというCMがあったりとか「沈黙は金」などが普通に言の葉に上るお国柄なのです。

 日本人の作文下手は、もはや民族的遺伝子と言ってよいレベルで、日本人の日常を支配しています。もちろん、意見を持っているけれども、それを口にしないのならそれは美徳です。しかし、そもそも意見がないのですから手に負えません。
 メディアで報じられている雑多なアンケート結果などをみて、呆れてしまうことが少なくありません。日本では「どちらでもない」とか「わからない」という選択肢を選ぶ人いかに多いことか。
 本当に「どちらでもない」第三の意見を持っているのではあれば、それは大いに頼もしいことですが、ただ単に「分からない」のであれば、これは一人前の大人としていかがなモノかと心配になってしまいます。

 欧米では自分の意見を持つことが重要とされます。もっとも、根拠の薄い意見もありますが、それでも持たないよりは持つ方がよいのです。 
 アメリカ人などは、何事につけても自分の意見を持っています。「立場」を持っているともいいます。
 「自分は、専門家ではないが・・・」などと前置きしながらも、あらゆるコトに自分なりの考え方を述べていきます。常識として専門外のことは公の場では話せませんが、プライベートな場では、このように専門外のことも前置きして意見を述べます。

 ところが日本はこの逆で、専門家でもない人たちがコメンテーターとして登場して、様々な意見や感想を述べます。あくまでも娯楽ですから、もう何でもありです。
 ただ、気になるのは、意見を持たない人たちは、自分の好みのオピニオンリーダーの意見をもってして、「あの人がこう言うんだから」と盲信してしまう点です。この延長で、先生や教科書も丸ごと信じます。
 考えることを放棄しているのです。「意見」など持とうとすらしないのです。
 しかし、これでは英作文はできません。まず「意見」を持つことが大切なのです。

 ただ、「意見」を持っていてもその意見が支離滅裂ではどうにもなりません。理路整然と意見を伝える技術が必要となります。2番目の「論理」性です。
 「論理」などというと、大それた印象を受けるかも知れません。
 しかし、これ、小学生でも十分に理解できるのです。推理小説などがそれです。シャーロック・ホームズにエルキュール・ポアロ、ミス・マープルに明智小五郎などなど、定番推理小説で繰り広げられるのは、ロジックに次ぐロジックです。
 子どもたちは、そんな「論理」にどきどきワクワク、固唾を呑みながら読み進めるわけです。
 まずは「意見を持つ」そして、それを理路整然と説明できるだけの「論理性を持たせる」。以上の2点を如何にして小学生に身につけさせていくのか、次項以降見て参りましょう。
 それはそのまま英検のライティング対策の準備となります。各級の具体的な対策はその後に述べて参ります。

2 知らないから意見がない

◉知らないことは判断できない

 最近では学校でも「思考・判断・表現」などを重視する傾向があり、そのような授業も行われているようです。
 またアクティブラーニングなどで発表の場も設けられるのですが、どうも積極性に欠けている学生が少なくないように思われます。
 大学の授業を見ていても、中学生向けの講座を開いてみても、「手を挙げる」学生はほんの一握り。他は黙り込んで様子見を決め込んでいるのです。

 これには、二つの理由があると思われます。
 1つ目は「知らない」点で、2つ目は「正しい答えを探す」点でしょう。この2点が子どもたちが「意見」を持ったりそれを伝えることの妨げになっています。

 まずは「知らない」点です。
 知らなければ、「思考・判断・表現」などしようがありません。世の中で行われていることに関心を持つというのはとても大切なことです。
 この「知らない」という点に関して、英検3級・準2級では社会問題などは取り上げられないので、「無知」でもなんとかクリアしてしまうかも知れません。
 しかし、その上の級ではふんだんに社会問題が取り上げられます。それらを知らないことには思考も判断もできないので、当然のこととして意見も何も生まれようがありません。もちろん、意見がなければそれを表現しようもないのです。

 18歳選挙権以降、政治や様々な法制度に関しての議論を若者達が交わす雰囲気が作られていますが、これも大人としての自分の「意見」を持つコトの第一歩でしょう。
 これは中高生でなくても、もちろん小学生でもできます。トピックと情報さえ与えれば、小学生でも時事・社会問題を考えることは十二分にに可能です。
 例えば英検で最近頻繁に取り上げられる、環境、国際関係、ダイバーシティ、持続可能な開発、ITに絡めて経済問題や技術革新などは積極的に関心を持つように育てましょう。
 関心を持たせるのは簡単です。その概念の存在を教えて上げればよいのです。
 ニュースで気になることがあれば、それに関して親子で話をすればよいのです。人は知らないことに関しては関心を持てません。逆に知れば知るほどに関心を持てるようになるのです。
 「意見」を持たせる第一歩は「知る」ことです。では次に「正しい答えを探さない」ことを見ていきます。

◉正しい答えでなく、自分なりの答えを探そう

 2点目は「間違いを恐れる」点です。大学でも中高でも黙っている学生が多いのが日本の日常の授業風景です。
 もちろん、彼らが理解できる範囲の事柄について意見を求めるのですが、それでも黙りこくっている子が多い。そこには「間違えたくない」という心理が働いているのでしょう。
 間違えると恥ずかしいのです。「恥の文化」は結構なことですが、これが染みついてしまっているのは問題です。
 そもそも、個々の意見に「正誤」はないのです。
 例えば、「制服を廃止すべきかいなか」「学校の勉強は社会に出て役立つか」といった、英検2級くらいまでに出てくるようなトピックから、「移民受け入れの是非」や「オリンピック開催に意味があるか」などなど、賛成や反対、両方の立場があってしかるべきなのです。
 親子で様々なトピックについて話し合いをしつつ、いろいろなことを「知る」過程では、意見の押しつけや、子どもの意見に異を挟むのは賢明ではありません。
   重要なのは、「正しい意見」を持てるか否かではなく、「自分の意見」を持てるか否かなのです。

3 論理性は「なぜ?」を持つことと「逆の立場に立ってみる」こと

◉「なぜ?」を繰り返して思考を掘り下げる

  自分なりの意見をもったら、今度はそれを検証することが大切です。
 いろいろな角度から物事を見たり、自分の中で思考を掘り下げることで、やもすると支離滅裂になりがちな「自分の意見」を「論理的」に整然とまとめ上げていく練習が必要となります。
 これは練習しないと身に付かない技術です。これを機に身につけさせましょう。

 「論理性」を身につけていくのに効果的なのは、ひとつに「なぜ?」と自問自答する事です。また、自分が「こう!」と直感的に感じたモノに対して、その「逆の立場」に立ってものを見てみることです。
 最初の「なぜ?」は単純明快です。
 とあるモノやコトに対して、とある反応、例えば「これが好き」とか「こちらが正しい」と思ったときに、「なぜ」そう考えた、あるいは感じたのかを、内省させる習慣をつけることです。
 これは、小学生でも、幼稚園児でもできる事です。
 例えば、「好きな果物は?」と問いかけてみます。
 その問いに「イチゴ」と答えたならば、「どうしてイチゴが好きなの」なのかを考えさせます。
 「甘いから」と答えるのであれば、リンゴも柿も他にも甘い果物はたくさんあるなかで、なぜイチゴを選んだのかをさらに考えさせます。
 すると「甘い」だけではなく、「食べやすいから」という答えを得られるかも知れません。でも、サクランボもブドウも「甘く」「食べやすい」サイズです。

 さらに考えさせてみます。そして「赤い」からとなれば、これはもう理由にもなりません。そのようにしてなぜ「イチゴ」が思い浮かんだのかを考えさせるのです。
 ひょっとすると、誕生日のケーキに載っていたイメージに支配されているのかも知れません。そのあたりを内省すること、つまり「なぜ?」と自問自答させることが理路整然とした「論理的」思考への第一歩なのです。

◉逆の立場は宝の山

 つづいて、逆の立場でモノを考えさせることです。
 この考え方はディベートと同じです。ディベートにはいろいろな進め方があるようですが、ディベートゲームでは、トピックは事前に与えられ、各チームがそのトピックについて予め下調べしておきます。そして賛成か反対か、いずれの立場を取るのかは、直前に決められます。
 つまり、ゲームの前に賛成反対いずれの立場でも論理を展開できるように準備しておくのです。実際にやってみると分かりますが、日常的には体験できない興味深い思考訓練を経験できます。

 この思考練習よって、自分が直感的に持っている「意見」や、漠然と「こうだ」と感じているコトが、思いの外単純で論理性に欠けていて、逆に反対意見の方に重みがあることに気づかされたりもします。
 また、前章で述べた「意見に正誤はない」こと、世の中には様々な立場があることを実感できるので、そこで改めて「では自分の意見(立場)は?」と考える切っ掛けにもなるのです。
 それでは、次項では「意見を持つこと」そして「論理性を持たせること」の具体的な取り組み方を見ていきましょう。

4 組み合わせた練習

◉3級レベルの思考の練習法

 それではここからは、英検の各級の英作文を例に取りながら「意見を持つこと」と「論理性を持たせること」の思考練習をしてみましよう。英検対策としては既に効果が認められているメソドです。

 まず、3級レベルでは「夏休みと冬休み、どちらが好きですか?」といった問題が出されます。つづいて「夏休み」なり「冬休み」のどちらかを選び、なぜなのか、その理由を少なくとも二つ挙げる必要があります。
 ここで、一つの課題は「直感的」に答えないことです。実は反対意見の方が本当の自分の意見だったりします。
 さて、仮に直感的に「夏休み」を選んだとします。「夏休みが好き」な理由としては「休みが長いから」「実家に帰れるから」「ゆっくりできるから」など挙げられます。
 しかし、自分の意見を決める前に「冬休み」でも考えてみます。
 「冬休みが好き」な理由としては「夏は暑くて嫌い」、「宿題が少なくて済む」「家族でスキーに行くのが好き」「お年玉をもらえるから」などなど、掘り下げて考えてみると、ひょっとすると、宿題の多い夏休みより、お小遣いのもらえる冬休みの方が好きなのかも知れません。

 このような思考のメリットは、二つの選択肢から「より答えやすい」方を選べる点にあります。まだ3級・準2級では問題ありませんが、準1級や1級となると、書く内容に煮詰まってしまうことがあります。書くことがなくなってしまうのです。そうするうちにタイムアウトなんてことになってしまったら残念すぎます。
 しかし、直感的な選択ではなく論理的にどちらの立場が「答えやすいか」を検証するという、一手間加えることによって、劇的に自分を有利な立場に導くことができるのです。

◉準2級レベルの思考の練習法

 準2級の作文では以下のようになります。
 「親は子どもにゲームをさせるべきか?」の問いに対して、直感的に「ゲームが好き」な自分がいたとします。一方で「ゲームより勉強が大切」だと考えるのが一般的に「倫理的」です。

 答え方としては倫理的な「させるべきではない」を選ぶと、理由としては「勉強する時間が無いから」「成績が落ちるから」「友達と遊べないから」などが挙げられるでしょう。
 まだ、様々な角度から物事を見る訓練ができていなければ、ひょっとすると「勉強」に関わる答えばかりになります。これでは、挙げなくてはいけない二つの理由を挙げられなくなる可能性があります。

 一方の「させるべき」を選ぶと、「楽しい」「友達と遊べる」「プロゲーマーになる」「リラックスできる」など、比較的幅広い答えが出てきます。

 これは「夏休みか冬休み」と似たような構図です。もちろん、本当に「夏が好き」で「ゲームはさせるべきではない」と考えているのであれば話は別ですが、直感的な選択、あるいは倫理的感覚に基づいた選択より、そうでないものを選んだ方が、より豊かな論理を繰り広げられる可能性があるのです。
 このような思考法は2級や準1級、さらには1級受験では必須です。例えば「憲法九条改正に賛成か反対か」などといった思考をするときに、直感的に反対を選ぶのは無難ですが、賛成の立場で考えてみると、思いの外、興味深い考察が得られたりするのです。

 子どもたちに限らず、日本の学校教育に慣らされてきた我々も、なにか立場を取らなくてはいけないときに、直感的、あるいは倫理的と思われる立場を正しい立場と考えている節があります。
 しかし、繰り返しますが、「立場に正誤はない」わけです。子どもたちはその思考の中で、どちらの立場を取ってもよいわけです。そうであれば、論理を展開しやすい立場を取るという選択肢を持つことは計り知れないメリットなのです。
 それでは、最後に、次項では各級に出題される傾向と、その対策について書いて参りましょう。

5 3級と準2級でクリアしておくこと

◉3級の英作文対策

 3級と準2級の英作文は17年度にスタートしたばかりなので、まだ過去問もわずかしかありません。しかし、傾向は見て取れます。
 まず扱われる題材はとしては、休日に関してと、日常に関してで、それらに関わる好みで大半が占められます。
 休みの過ごし方では、
「夏休みどこに行きたいか。」
「どこの国に行きたいか。」
「街と自然とどちらが好きか。」以上のようなお題が出されます。
 日常の過ごし方にでは、
「家にいるのと外で遊ぶ、どちらが好きか」
「読書とゲームのどちらが好きか」
「友達と家族とどちらと話すのが好きか」といったお題です。

 予想される問題としては、
 「好きな教科」「好きなスポーツ」「好きな食べ物」「好きな動物」「好きな季節」など「好きな○○」に付いて述べる問題。
 あるいは「将来の夢」「何をしたいか」などを問う問題です。

 出題される形式は、
  “Do you like (to) 〜?”
  “What is your favorite 〜?” あるいは
  “Which do you like better, ○○ or ××?” といった形です。

 それに対する答えは
  “I (don’t) like (to) 〜. I have two reasons. First 〜. Second 〜.”
  “My favorite 〜 is 〜. Because 〜, and 〜.
  “I like ○○ better. I have two reasons (Because〜). First 〜…と答えられれば大丈夫です。(I have two reasons. でもBecause でもどちらでもOKです)
 以上の形式で答えられるように、まずは口頭で夕食時にでも親子で練習するとよいでしょう。

◉準2級の英作文対策

 準2級では出題されるお題が変化します。「好き嫌い」ではなく、とある事柄に関して「どう思うか」が出題されます。つまり、前項までで述べてきた「意見」とか「立場」が問われるようになるのです。
 取り扱われるトピックは、食文化、健康増進、スポーツ、勉強などです。

 食文化では、
 「外食と内食どちらがよいと思うか」
 「ファストフードはよいか悪いか」
 健康や余暇に関しては、
 「子どもにスポーツをさせるべきか」
 「子どもにゲームをさせるべきか」
 勉強に関しては、
 「一人で勉強するのとみんなでするのではどちらがよいと思うか」
 「プレゼンの練習は授業ですべきか」などなどが、過去問では出されています。
 予想される問題としては、「スマホを使わせるべきか」「留学すべきか」「スポーツさせるべきか」「プログラミングをさせるべきか」など「○○させるべきか」とか「○○は重要と思うか」などです。

 出題形式は、
  “Do you think it is better (important) for ○○ to 〜.”
  “Do you think ○○ should 〜.”
  “Do you think 〜.” などの形式です。

 答え方は、まず質問を肯定(否定)文で繰り返します。
  “I (don’t) think it is 〜.” “I (don’t) think ○○ should 〜.” “I (don’t) think 〜.” と自分の「意見(立場)」を明確にし、それについて、二つの理由とそれをサポートする根拠を書きます。
 例えば “ Do you think school should allow children to take their smartphones to school?” というお題に対しては、
  “I think school should allow students to take their smartphones to school.” と立場を述べ、続いて、
  “I have two reasons.” とお定まりのフレーズを書きます。全体の目安は50〜60語です。ここまでで16語、その後に1つ目の理由とその根拠です。
  “First, it is convenient for students. Students can use online dictionaries or other services.” これで都合30語。
  “Second, it is safer for students. Students can contact their parents in case of emergency.” これで45語。最後に〆です。
 For these reasons I think school should allow students to take their smartphones to school.” これで60語です。

 作文ともいえない長さです。逆に60語以内に修めるのに苦労するかも知れません。
 3級と準2級はこの程度で十分です。

 本書では、当面のゴールを英検の準2級と設定しているので、あまり詳しくは触れませんが、一応2級以上も簡単に傾向を書いておくことにします。
 2級のノルマは80〜100語で、環境問題、IT関連、社会問題が主に扱われます。特に環境問題でも資源の無駄遣いや汚染問題は一通り自分の意見をもっておいた方がよいでしょう。
 準1級では、120〜150語がノルマです。お題は環境問題、IT 関連はもちろんのこと経済問題、国際問題や文化などさらに幅が広がります。グローバル化、多様化、持続可能性など大学生が一般教養で学ぶような内容が増えます。
 1級に関しては、とうに本書の範疇外ですが参考までに書いておくと、国際紛争、国際協力、改憲問題、大学の意義など、大人の話題です。200〜240語で作文します。
 いずれにしても、前項までで述べた練習、一つに「意見を持つこと」と「論理性を持たせること」を日々繰り返すことに尽きるでしょう。社会に出てからも役に立つので、是非実践しましょう。

6 英作文の裏技公開

◉日本語から直訳組と英会話組

 最後になりますが、英検の英作文対策の裏技をご紹介しておきましょう。
 英検対策のプログラムを提供したり、講座を開いている中で、とても気になる子達がいます。添削していると、妙な英文に出会うことが少なくないのです。傾向としては2種類に分かれます。

 1つ目は「日本語から直訳」されたと思われる文で、もう一つは「英会話慣れ」している子が書いたと思われる文です。
 日本語から直訳された文は、be動詞で繋がれていることが多く、英語では繋げない名詞同士すら ‘I am influenza.’ のように繋げてしまうことがあるのです。
 これは本書で紹介したような「直接法」で「生活言語」を身につける子どもたちに関しては全く当てはまりません。彼らの頭の中では常に「モニター」が行われていて、英語の表現として相応しくないものはフィルターに引っかかって外に出てこないのです。

 また、英会話に通っていることも答案を見ればすぐに分かってしまいます。
 英会話に通っている子の答案には口語が多いのです。
  ‘maybe’, ‘OK’, ‘alright’… などなどです。 “I think maybe children should don’t study…” など、助動詞が二つ続いて出てきたりします。
 そんな子達はおそらく、英会話での単発のやりとりに加えて、従来型の文法教育を取り入れているのでしょう。「直接法」で英語を「習得」した子には働く「モニター」がないのです。そして、自然な英語ではあり得ない表現が、そのまま回答に書かれてしまうのです。

◉模範回答を丸暗記しよう

 ただ、このような英語のまま考えられない子にも、裏技がないわけではありません。それも単純明快な裏技です。
 模範解答を丸暗記してしまえばよいのです。
 実際にこれがとても効果的です。和文を英訳してしまう子に、英会話などで単語単位でやりとりする癖のついてしまっている子に、とても有効に働きます。
 模範解答を繰り返し声に出して読むことで、素読と同じような効果が得られます。そして、さらにすごいことに小学生は頭が柔らかいので、50〜60語程度の模範解答などはすぐに覚えてしまうのです。

 もちろん、これは英語のまま文を考えられる子にとっても、有効です。作文の型を身につけるのは模範解答を繰り返し読むことが、全ての受験生にとって効果的なのです。
 丸暗記は英検の英作文に効くだけではなく、思考練習になりますし、今後作文する際の型として使い回しできます。模範解答を丸暗記するくらいのつもりで、繰り返し読み込むことは是非実践されることをオススメします。

7 おすすめ英検対策教材

 英検の対策は語彙・長文・リスニング・ライティングと二次面接のスピーキングです。
 幼児期・児童期に英語を身につける幸福に預かった子達の中には、1000語低度読めるような読解力を身に付けてしまった後は、そこから1年とか2年の間に5級、4級、3級、準2級とポンポンポンと合格できる子も少なくありません。
 そこに必要なのは、試験様式への慣れのみですので、過去問を練習すれば大丈夫です。
 ただ、前記のライティングに関しては別途訓練が必要です。
 これに関しては、ウェブ上にも様々な予想問題がありますが、ボリュームがが少ないのが難点です。弊社で開発した『英検オンラインレッスン』(5級〜準1級)ではライティング対策プリントも含め、オンラインで語彙や長文などの対策が可能です。特に筆記対策は是非サンプルを見て参考にして戴けるとよいでしょう。


7 英検準2級ライティング問題解答例〜パルキッズ『英検オンラインレッスン準2級』より

 以下に1つ模擬質問と解答例を載せます。このように、予想される問題を理解(あるいは裏技として丸暗記)すればよいのです。

QUESTION
Do you think it is better for schools to offer a lot of homework to children?

ANSWER
I think it is better for schools to offer much homework to children.
I have two reasons.
First, homework helps children understand difficult subjects.
By doing homework, children can review them.
Second, children don’t play video games too much.
They study at home, too.
For these reasons, I think schools should offer much homework to children.

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