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2016年05月号パルキッズ塾

Vol.37 | 迷ったら日本語のことを考えよう

written by 小豆澤 宏次(Hirotsugu Azukizawa)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
http://palkids.co.jp/palkids-webmagazine/palkids-juku-1605/
小豆澤宏次『迷ったら日本語のことを考えよう』(株式会社 児童英語研究所、2016年)


特集イメージ1 今年は、4月からパルキッズの取り組みをスタートした方が例年に比べて大きく増えました。早期英語教育への関心が高くなっているのと同時に、これまでの「楽しさ中心の英語教育」から、パルキッズのような「将来の受験や就職まで見据えた上での英語教育」へ親御さんの関心が移ってきているように感じます。
 今回は特にパルキッズの取り組みを始めたばかりの方に読んでいただきたい内容をお届けします。それはパルキッズの取り組みで何かしらの疑問やお悩みが出てきた時に、常に判断基準にしていただくものです。
 我々親世代は「英語」というと、学校の科目としての英語をイメージしてしまいます。他の科目である国語・数学・理科・社会と同じものとして捉えてしまうということです。
 お子さまにどういった英語教育を行うのかということはもちろん、取り組みをしていてうまくいかないことが起こると、自分が中学生・高校生だった頃のことを思い出し、取り組みの軌道修正を行おうとします。国語・数学・理科・社会であれば自分が学生時代にやってしまった失敗をお子さまの教育に活かすことができるかもしれませんが、英語はまったく違います。そもそも科目として英語を捉えてしまうと、早期英語教育の場合はうまくいかないことが多いのです。
 答えから先に言うと、英語は科目として捉えるのではなく、もっと本能的なスキルとして、つまり我々日本人が母国語としての日本語をどうやって身につけたのかを考えると、パルキッズの取り組みが非常にスムーズに進みます


| かけ流しの取り組み

特集イメージ2 まずは、パルキッズの最も重要なかけ流しの取り組みから見ていきましょう。
 かけ流しの取り組みでよくいただくご質問の中に、「子どもが聞いている様子がないのですが、これで身につくのでしょうか」というものがあります。科目としての英語のお勉強であれば(といっても我々が学生の頃はネイティブの英語を聞く機会は少なかったのですが)英語が流れていればその音をしっかりと聞くことが一般的に期待されます。
 しかし、我々が日本語を身につけた時の事を考えてみるとどうでしょう。我々は生まれた時から日本語が周りにある環境に身を浸しています。お母さまやお父さまによる語りかけ、家族の会話、そういった日本語の音を耳にしています。赤ちゃんはそういった日本語の音を意識して聞いていたかというとそうではありません。また、親も自分たちや家族が発する日本語の音をわが子が聞いているかどうか気にしていたでしょうか。そうではありません。わが子が聞いてるか聞いていないかを別段意識することなく、一方的に語りかけます。
 さらに言えば、自分たち親、家族が語りかける日本語をわが子が理解しているかどうかも気にしていないはずです。ただただ、わが子にごく日常的な日本語環境を一方的に与えているだけなのです(多くの方は与えていることすら意識していないでしょう)。
 パルキッズのかけ流しの役割は、我々が赤ちゃんの時に身を浸した言語環境を作ることです。聞いているのか聞いていないのかを意識することなく、理解すら求めず、ごく日常的でありふれた家族間の会話を子どもたちに与えるということです。
 日本語であれば言語環境を一方的に与えるというたったこれだけの働きかけで日本語を身につけてしまうということをまったく不思議に思わないのですが、英語を科目として捉えてしまうと、何とも信じがたいように思えてきます
 このように英語を身につける過程を、我々が日本語を身につけた過程と重ねることで、パルキッズのかけ流しの取り組みがもっとシンプルに捉えられるようになるでしょう。


| 読解力育成の取り組み

特集イメージ3 ずいぶん少なくなってきたとは言え、日本において英語教育というと「会話」を重視する傾向は未だに根強く残っています。この会話重視の英語教育も、元を正せば英語教育を科目として捉えているところから来ています。
 ご存じのように我々が中学校から受けてきた英語の授業は文法重視です。会話をする機会はほぼありませんでした。そのため、英語が苦手だった方の中には特に、英語習得の失敗を「会話の経験が少なかった」ことに起因していると考えている方が多くいらっしゃいます。
 果たしてそれは正しいのでしょうか。ここで判断基準にしていただきたいのが、先にご説明した母国語である日本語の言語発達の段階です。
 パルキッズのかけ流しで身につくのは英語のリズムです。もっと分かりやすく言えば、言語の完成期を迎える3歳児レベルの英語力です。ただ、この年齢の子どもたちの語彙レベルは900語程度だと言われている一方で、パルキッズでは2,500語程度定着させていくことから、幼児教育を行っている3歳児レベルの言語力と考えていただくとよいでしょう。
さらにそこから言語力を伸ばしていくために日本語であれば何をするのか、そこを考えてみましょう。果たして言語力を伸ばすために「会話」を積極的に行うでしょうか。例えば日本語の会話教室に通わせたり、家でも言語力アップのためにトレーニングとして親子の会話を行うでしょうか。こうやって考えると実はそうではないことに気づきます。
3歳児レベルの言語力をさらに向上させるために多くのご家庭でなされていることは「読書」です。とはいえ、幼児がいきなり読書をすることはできませんので、まずは親による絵本の読み聞かせです。読み聞かせをしているうちに拾い読みが始まり、それが音読になり、小学校に上がるころには国語の教科書を音読できるようになります。読める文字・単語(日本語であれば漢字)や語彙が増えることで、次第に読める本のレベルが上がっていきます。そして最終的には年齢に合った内容の本で読書ができるようになります。当たり前のことですが、言語力を向上させるのはやはり「読書」であるということは皆様ご存じのところでしょう。そのため、パルキッズでもかけ流しで英語のリズムを身につけつつ言語力をさらに伸ばす目的で同時に取り組んで行くのが読解力育成の取り組み,です。
 読解力育成の取り組みとしてまず取り組んでいただくのが絵本教材「アイキャンリード」です。日本語でも幼児にとって文字と触れあう1番の機会が絵本です。「アイキャンリード」で1番大切なことは、絵本の読み聞かせです。そこから暗唱につながっていけば尚良しですが、ここに関してはお子さまの性格に寄るところも大きいので、上手く声かけをしたり、環境作りをしていく必要があります。ここはまた別の機会に改めて解説したいと思います。
 読解力育成というと最近よくお問い合わせいただくのがフォニックスの学習についてです。フォニックスとは日本語で言うところの仮名五十音です。文字読みのルールと言えます。確かに英語の文字を読めるようになるにはフォニックスの学習は非常に有効ですが、絵本に触れる前から文字読みのルールを教えるのは不自然に思えます。
 日本語でも絵本の読み聞かせをする前からひらがなを教えるようなことはありません。もちろんフラッシュカードを見せたり五十音表を壁に貼ることはありますが、プリント学習などでルールを教えることはありません。まずは絵本で繰り返し読み聞かせをして、お子さまの中である程度ひらがなを認識できるようになってから、意識的に教えていくのと同じで、英語でもフォニックスを教える前に、絵本をしっかりと読み聞かせることが必要です。
読み聞かせをすることでお子さまの中で間違いながらもフォニックスのルールが形作られていきます。お子さまが作ったそのルールを整理整頓するのにフォニックスの学習は有効です。
 読み聞かせをして拾い読みが始まり、文字のルールを身につけ、音読をし読書ができるようになる。そうすることで言語力が際限なく伸びていく。英語でも日本語と同じです。
 かけ流しの取り組みや、読解力育成の取り組み、その他にも語彙を増やすこと、音読の取り組みなど、お子さまの英語力を伸ばすための取り組みにおいて、迷った時は「日本語の場合はどうだろう」と考えてみてください。きっと悩みが解消されるはずです。


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プロフィール

小豆澤 宏次(Azukizawa Hirotsugu)

1976年生まれ。島根県出身。同志社大学経済学部を卒業後、米国ボストンのバークリー音楽大学に留学し、音楽家として活動。帰国後は幼児・児童向け英語教室にて英語講師を務める。児童英語研究所所長・船津洋氏に「パルキッズ理論」の指導を受け感銘を受ける。その後、英語教室の指導教材を「パルキッズ」へと全面的に変更。生徒数を大きく伸ばすことに成功する。児童英語研究所に入社後は、年間1,000件以上の母親への指導を行うとともに、パルキッズのオンラインレッスンのプログラムの制作ディレクションを行う。また大人向けの英語素読教材の制作ディレクションも行う。

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