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2015年09月号パルキッズ塾

Vol.29 | 取り組みきらい!の対処法

written by 小豆澤 宏次(Hirotsugu Azukizawa)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
http://palkids.co.jp/palkids-webmagazine/palkids-juku-1509/
小豆澤宏次『取り組みきらい!の対処法』(株式会社 児童英語研究所、2015年)


 パルキッズは生まれてから21年、幼児・児童の家庭用英語学習教材として長年多くのご家庭でお使いいただき、バイリンガルキッズを育ててきました。私自身も12年前にパルキッズに出会い、パルキッズ教室の講師として、今では教務指導員としてパルキッズ掲示板や本誌で皆様の取り組みのお手伝いをさせていただいております。
 パルキッズの「母と子の日常会話を1日90分かけ流すことによってバイリンガルを育てる」という根幹はこの21年間まったく変わりません。しかし、時代とともに、そしてお母さまお子さまのライフスタイルの変化とともに進化を遂げてきました。
 例えばメディアです。かけ流し用のメディアとして最初はカセットテープが使われていました。それがCDになり、さらに現在ではオンラインでも行えるようになりました。
 フラッシュカードも最初はお母さまがカードの絵に色を塗って、実際にお母さまの手でめくるというものでした。それがビデオテープになりDVD、さらにはこちらもオンラインでご覧いただけるようになりました。
 このように、パルキッズの進化とは、より多くのお母さまにとって取り組みやすいものへと変わっていくことであると言い換えることができるかもしれません。
 取り組みやすくなることで、中断してしまうお母さまが減り、結果、成果を出すお子さまが増えることへとつながりました。
 教室や掲示板でのお母さまのお悩みも、パルキッズの進化とともに変わってきました。以前はフラッシュカードのめくり方に関するご質問をいただいていたのが、今ではそういったご質問はありません。絵本の暗唱もしかりです。以前はお母さまに絵本の読み聞かせをしていただいていました。そのため発音のご質問や、リピートをさせるさせないといったご質問、また基本的に絵本は各ご家庭に1セットしかないため、兄弟がいる場合にはどのように取り組むか、といったご質問をいただいていました。それが今ではオンラインレッスンや英検のご質問を中心にいただくようになりました。
 教材や取り組み方が改良されることで、以前いただいていたご質問はなくなり、新たなご質問をいただく一方で、消えることがない定番?とも言えるご質問があります。それは「子どもが取り組みを嫌がります」というご質問です。今回は、子どもが取り組みを嫌がることについて考えてみましょう。


| きらい!は気分の問題

 「英語きらい!」「CDきらい!」「これ(オンラインレッスン)したくない!」そんなことをわが子に言れれば、ほとんどのお母さまはショックを受け、「私がやってきたことは意味がなかったのか」と愕然とする方もいらっしゃるでしょう。
 まずお伝えしたいのが「ショックを受ける必要はまったくない」ということです。ご安心ください。
 お子さまが取り組みに対して拒否反応を示すのには2つの段階があります。1つ目の段階としては「気分」です。眠かったり、お腹が空いていたり、遊びたかったりと、何か深い考えがあるわけではなく、その時の気分で「きらい!」「やりたくない!」という言葉を発しているということです。当たり前のことですが幼児は語彙や表現が我々大人よりもずっと少ないのです。「今眠いので1時間ほどお昼寝をしてから取り組みます」とは言えません。そういった理由をすべてスキップして「きらい!」「やりたくない!」となるのです。
 この場合、お母さまの対応としては無理に取り組みをさせないことです。そこで無理に取り組ませようとすると必ずお子さまとファイトになってしまいます。眠いのであれば「あらあら眠いのね。じゃあちょっとお昼寝をしてからにしましょうね」、遊びに夢中になっているようであれば「上手に積み木でお家が作れたわね。写真に撮ってあとてパパに見せてあげようね。写真を撮ってから英語をしようね」といった具合に、お子さまの気分のコントロールをしてあげることが必要です。これはお子さまがお風呂に入るのを嫌がったり、ご飯を食べるのを嫌がったりするのと同じですから、お母さまも対応に慣れていらっしゃるでしょう。深刻に考えすぎないようにすることで、いつも通りの母と子のやりとりをすることができ、お子さまの英語の取り組みに対するイメージが次の2つ目の段階に行くのを防ぐことができます。


| 取り組み方が間違っていませんか?

 気分ではなく取り組みを嫌がる場合は、取り組み方に原因がある場合が多いようです。そういった場合は、毎回必ず特定の取り組みに対して拒否反応を示しているはずです。まずは正しく取り組めているかどうかを確認しましょう。
 かけ流しのボリュームは大きすぎないか、1日中CDを流していないか、毎日DVDを流していないか、オンラインレッスンを1日何レッスンもやらせていないか、CDと一緒に歌を歌わせたり、DVDやオンラインレッスンのフラッシュカードをリピートさせたり、筆圧が十分でないのにプリントに取り組ませたりしていないか、など誤ったオリジナルの取り組み方をしていないかをガイドブックで確認してみましょう。
 また、お子さまに対する接し方に問題がないかも確認しましょう。パルキッズでは取り組み中やってはいけない3つのルールがあります。それは「教えない・試さない・叱らない」です。
 CDの内容を日本語に訳して教えたり、CDで出てきたフレーズをお子さまに教えて練習してみたり、「イチゴは英語で何て言うの?」とお子さまの英語力を計るために試したり、暗唱が口から出てこないことに対して、またはオンラインレッスンで不正解だった場合に叱ったりしていないかを確認しましょう。
 お母さまとしては良かれと思って行っていることが、結果としてお子さまの取り組みの障害になっていることはよくあることなのです。しかも良かれと思っている分、それが原因だと気づきにくい場合が多いのです。
 このようにお子さまが取り組みを嫌がるのには、何かしらの原因があります。その原因は決して「英語」ではありません。言語自体を嫌いになるということではなく、言語環境の与え方に原因があります。まずはその原因を冷静に探し、取り組みの軌道修正をしていくことが必要です。


| 取り組む環境を変えてみよう

 しかしお子さまが一度取り組みに対してネガティブなイメージを持ってしまった場合、取り組み方を修正したとしても、すぐに取り組んでくれるようになるわけではありません。正しい方法で取り組みつつも、お子さまの取り組みに対するイメージを一度リセットしてみましょう。
 幼児の場合、ちょっと目先を変えてあげるだけで、すんなりと受け入れてくれることがあります。苦手な食べ物も調理法を変えるだけで食べてくれるようになるのと同じです。ニンジンの甘みが苦手なお子さまであればニンジンを細かく刻んでオムライスの中のケチャップライスに混ぜると食べてくれるといったやり方です。お母さまも日々様々な工夫をされていると思います。
 英語の場合は環境を変えることがこれにあたります。まずお子さまが誤った取り組み方法でネガティブなイメージを持っている場合は、思い切って1カ月ほど取り組みを休んでみましょう。1カ月休むのは勇気がいりますが、今後のことを考えると思い切った決断も必要になります。
 それでもまだネガティブなイメージを持っているのであれば、道具を変えてみましょう。オンラインレッスンであればパソコンで取り組んでいたのをタブレットで取り組む、またはApple TVやChromecastを使ってテレビ画面にレッスン画面を投影して取り組むのも効果的です。ドリルやプリントであればお気に入りの鉛筆や消しゴムを文房具店に一緒に探しに行くのもよいでしょう。かけ流しの場合も同様です。これまではリビングにあるステレオから流していたのを、スマートフォンからかけ流してみるだけで、お子さまからするとまったく別の音だという印象を持つことができるようです。
 お子さまに取り組みを拒否されると本当にショックです。しかし冷静に適切な対応をすることで取り組みが中断することを防ぐことができるのです。


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プロフィール

小豆澤 宏次(Azukizawa Hirotsugu)

1976年生まれ。島根県出身。同志社大学経済学部を卒業後、米国ボストンのバークリー音楽大学に留学し、音楽家として活動。帰国後は幼児・児童向け英語教室にて英語講師を務める。児童英語研究所所長・船津洋氏に「パルキッズ理論」の指導を受け感銘を受ける。その後、英語教室の指導教材を「パルキッズ」へと全面的に変更。生徒数を大きく伸ばすことに成功する。児童英語研究所に入社後は、年間1,000件以上の母親への指導を行うとともに、パルキッズのオンラインレッスンのプログラムの制作ディレクションを行う。また大人向けの英語素読教材の制作ディレクションも行う。

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