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2018年12月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.90 | 英語教育のゴールは?

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
http://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal-1812
船津徹「英語教育のゴールは?」(株式会社 児童英語研究所、2018年)


イメージ1 2020年から小学5〜6年で英語が正規教科になります。また英語に親しむ「外国語活動」が小学3年生から段階的に導入されています。この改革は日本の英語教育全体のレベルを底上げすることが目的です。現在の中学生レベルを小学校で、高校生レベルを中学校で、大学生レベルを高校で学ぶというイメージです。 英語教育改革に伴って大学入試も変わります。大学入学共通テストでは、今までの「聞く」「読む」に加えて「書く」「話す」の4技能が評価されます。また「英語外部検定利用入試」と呼ばれ、英検やTOEFLなどのスコアを代替したり、英語が得意な生徒に対して「英語試験免除」や「みなし満点」などの優遇措置を与える制度が導入されます。


| 英語教育のゴールが明確になった!

 2020年教育改革によって子どもに施す英語教育のゴールが明確になりました。それが「CEFR B2レベル」を高校時代までに取得することです。これが達成できれば、大学入試の英語外部試験において「みなし満点」「得点加算」など優遇措置を得ることができます。(大学ごとに外部試験の種類や基準点の詳細は異なります。各大学のウェブサイトを参照してください。) また高校卒業までにこのレベルを達成できれば、将来、奨学金を得て海外の大学や大学院へ留学するチャンスも大きく広がります!


| B2レベルを達成する方法とは?

 高校三年までに「CEFR B2レベル」を達成する方法は大きく2つあります。1つはティーンエイジャーの時に英語圏に留学させる方法。そして2つ目は小学校時代に英語のリーディング力を身につけさせる方法です。 小中高と真面目に英語に取り組み、高校時代に英語圏(日本人がいない場所)に最低1年間留学すれば、帰国後は「CEFR B2レベル」を達成できる上に、国際感覚と自信が身につきますから、人間的に一回り成長できます。 高校時代の留学は大学受験に不利になるのではいか?という心配もありますが、英語の比重が高まる日本の受験においては有利になります。さらに留学を通して「英語が話せる」ようになれば、キャリア面でも大きな「強み」となりますから、長い目で子どもの人生を考えればメリットの方がはるかに大きいのです。


| 小学校時代に英語のリーディング力を育てる

 経済的に(あるいは他の事情で)留学は難しい!という場合は、小学生時代に英語を先取りさせ、子どもの英語に対するモチベーションを高め、主体性を持って英語学習に取り組めるようにサポートする(仕掛けを作る)ことが大切です。 海外留学をせず日本国内の学習だけで「CEFR B2レベル」を獲得するには、英語の本を読み解ける力、すなわち「英語のリーディング力」を身につけることが不可欠です。いくら英語の成績が良くても、ネイティブ向けに書かれた本が読み解けるレベルのリーディング力を身につけなければ「CEFR B2レベル」達成はかなり難しいでしょう。 英語の本が読めるようになり、その後もリーディング練習をコツコツと継続していけば4〜5年間で「B2レベル」を達成することが可能です。逆算して考えると、小学生のうちに基本的なリーディング力(英語の本が初見で音読できる状態)を身につけさせることがカギとなります。


| 英語の本が読めるようになるには…

 リーディング力を身につけるためには、適切な順序でリーディングを指導することが大切です。まずはアルファベット26文字の正しい発音を教え、三文字単語、四文字単語、五文字単語と順に読み方を教え、サイトワーズと呼ばれる頻出単語を指導します。さらに頻出フレーズの読み方(単語をつなげて読む方法)を指導して、ようやく簡単な文章が読めるようになります。 アルファベットからスタートして初級レベルの英語の本が読めるようになるまでに平均で2年かかります。ひらがなから始めて日本語の本をスラスラ読めるようになるのに2年程度かかるのと同じことです。 英語の本が読めるようになるまでに2年。そこから毎日30分のリーディング練習を4〜5年間継続することで読書スピードと内容理解を伴う高度なリーディング力(リーディングフルエンシー)を定着させることができます。


| たった3年間で高度なリーディング力を身につけた!

 父親の仕事に伴って5歳から8歳までの3年間をハワイで過ごしたメイちゃん(仮名)。ハワイに来た時は英語力ゼロでしたが、私の主宰するTLC for Kidsで3年間徹底的に英語のリーディングを指導しました。帰国時の小学2年生の時には原書でハリーポッターが楽しめる高度なリーディング力を身につけることができました。 メイちゃんは帰国後も大好きな英語の読書を継続することで英語力を上達させていきました。英語を話す機会がほとんどなくても、読書をすることで、語彙力、読解力、表現力、構文力、リスニング力など、英語の全技能を伸ばしていくことができるのです。 メイちゃんは小学3年生で英検準1級に合格。その後も英語のリーディングを継続する以外に指導を受けることはありませんでしたが、小学5年生で英検1級に合格しました。 メイちゃんの例から分かるように、英語を使う機会が少ない日本で高度な英語力を獲得するには「英語のリーディング力」を身につけることがベストな方法です。英語の本が楽しめるようになれば、読書を通して英語力を限りなく向上させていくことができるのです。


| 日本語で本好きに育てる

イメージ1 メイちゃんが短期間でリーディング力を獲得することができたのは「本好き」であったことが大きく影響しています。母親はメイちゃんが赤ちゃんの頃から熱心に読書指導を実践したのです。絵本の読み聞かせに加えて、遊び感覚でひらがなを教えました。その結果、メイちゃんは4歳の頃には一人で簡単な絵本が読めるようになっていたのです。 英語のリーディング力を育てるには子どもを本好きに育てることが近道です。そのためには就学前から小学低学年にかけての読書教育が重要であり、日常的に本や活字に親しませることが大切です。日本語で構いませんので絵本の読み聞かせを実践しましょう。読み聞かせは子どもを本好きにすることはもちろん、想像力を働かせて文章を理解する力(読解力)を育ててくれます。 日本語で育った読書力は英語にも応用されます。日本語で本好きな子は英語でも本好きに育ち、日本語で読解力が高ければ英語でも読解力を発揮できるのです。毎日コツコツと読書指導を実行し、子どもを本好きに育てましょう。小さな努力の積み重ねが将来子どもの英語力へと発展していくのです。

【編集部より】
12月13日に船津徹先生の新著『すべての子どもは天才になれる、あなた(親)の行動で。』が発売されます。英語力の育て方、地頭を強くする方法、STEM(理数系)の伸ばし方、子どもの個性を「才能」へ引き上げる方法について、世界中の優秀な子どもたちの実例と共に紹介する一冊です。才能のない子など、この世に一人もいません。いかに才能を開花させるかが、親の腕の見せ所です。


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プロフィール

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2001年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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