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2013年05月号パルキッズ塾

Vol.01 | 聞き取る力を身につける「かけ流し」学習

written by 小豆澤 宏次(Hirotsugu Azukizawa)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
http://palkids.co.jp/palkids-webmagazine/palkids-juku-1305/
小豆澤宏次『聞き取る力を身につける「かけ流し」学習』(株式会社 児童英語研究所、2013年)


 掲示板やメルマガを通して、お子さまをバイリンガルに育てるためのノウハウをお伝えしている「あずき」こと小豆澤宏次です。今月からここ「パルキッズ塾」にて教務指導員として『パルキッズ』を取り組む上でのテクニカルなアドバイスをさせていただくことになりました。『パルキッズ』をこれから始めようとお考えの方、まだ始めたばかりの方、取り組みを中断している方、順調に取り組まれている方、『パルキッズ』でつながっている全てのパパ・ママがお子さまをバイリンガルに育てられるよう、お手伝いをさせていただきますので、ぜひ「パルキッズ」を有効かつ楽しくお読みいただければ幸いです。
 初回となる今回は、『パルキッズ』の根幹となる「かけ流し」の取り組みについてお話しを進めていきます。
 今でこそCDの「かけ流し」によって家庭内に英語環境を作り、そこからお子さまが英語を身につけていくという方法が一般的に認知されていますが、それでも我々パパ・ママ世代にとって中学校から学んできた文法教育とは180度違う「かけ流し」による英語教育を無条件に受け入れることはなかなか難しいようです。そんなパパ・ママのために、なぜ「かけ流し」こそが幼児にとって最も最適な英語学習法なのか、という理由を一緒に見ていきましょう。


| 英会話から地に足の着いた学習へ

 15年から10年ほど前の「幼児英語教育ブーム」では「英語を楽しく学んで好きになってほしい」と願う多くのパパ・ママが、お子さまを英会話スクールへ通わせていました。しかし週1回数時間のお遊び英語では、挨拶や取り組みの中での決まりきった会話文や色・形などの基礎概念をある程度身につけることはできても、結局使える英語は身につきません。そこで、情報に敏感なパパ・ママは「お遊び英語」から次第に離れ、地に足の着いた英語教育へと目を向け始めます。そして今では、簡単な会話ではなく、「読み」を中心とし「英検」をゴールに据えた、より実用的で費用対効果の高い学習にスポットが当てられるようになりました。その初めの一歩が家庭で行える「かけ流し」による英語学習法なのです。
大切なのは日常会話

 ただ「かけ流し」と言っても、お子さまに「CNNニュース」やパパ・ママが大好きな「洋楽」、大人向けの「英会話教材」など、英語であれば何でもかけ流せばよいというわけではありません。ネイティブの子どもたちが幼児期にどのような英語に触れているのか、または我々が幼児期にどの様な日本語に触れてきたのか、そこにどんな内容のものをかけ流せばよいのかのヒントが隠されています。日本語であれ英語であれ、幼児が言語を獲得する上で耳にしている音の大半は「母と子の日常会話」です。その他に、家族間でかわされる会話、家の内や外で交わされている会話、幼児向けの「絵本」「童謡」が考えられます。こういった内容を日々耳にすることで、幼児は自然にことばを身につけていきます。
 『パルキッズ』ではお子さまの周りで現実的に起こりうる出来事を日常会話のみで構成したストーリー「としおの一日」「ケイの一日」を収録しています。
 さらに基礎概念の学習をポイントに置いた「絵本」、英語圏の子どもたちであれば誰でも耳にする童謡「マザーグース」といった、子どもたちの周りのごくあふれている英語で『パルキッズ』は作られています。お子さまにとって、非現実的なファンタジーなどで構成されていない点が大きな特長と言えるでしょう。


| 1日90分のかけ流し

 次に「日常会話」をどれくらいかけ流せばよいのか、「時間」に焦点をあててみましょう。『パルキッズ』では1日90分CDをかけ流していただくよう指導しています。なぜ90分なのか、その理由を日本人の赤ちゃんが育つときに、どれだけの日本語に触れているのかを元に考えてみましょう。
 核家族でひとり目のお子さまを出産した場合を例に見ていきます。
 まず、ここではテレビやラジオから耳にする音は考えません。というのもそういった家電がない時代でも、我々は日本語を身につけているからです。
 生まれたての赤ちゃんは1日のほとんどを寝て過ごしますが、お腹が空いたとき、オムツが濡れたときは目を覚まします。そのときに「おっぱい飲みましょうね」「うんちがたくさん出たね」といった語りかけをしていますよね。この目覚めてから寝入るまでを1回の授乳セッションと考えます。目が覚めている間は30分程度でしょうか。ママはその間ずっと話しかけているわけではありません。話している部分だけを抜き出せば、多くて5分程度ではないでしょうか。ですので1回の授乳セッションで赤ちゃんが耳にする日本語は、5分とここでは考えます。
 1日のうちに授乳セッションは8回ほどあります。時間にすると5分×8回で約30~40分ほどの日本語に接していることが想像できます。
 先にもお話ししたように、ママの語りかけ以外に、赤ちゃんは家庭内で交わされる会話も耳にしています。主にパパとママの会話です。パパが帰宅してからママとその日の出来事を食事中や団らん中に話します。これも多く見積もったとして、正味60分程あれば良い方ではないでしょうか。
 つまり赤ちゃんが日本語を耳にしている時間は良くて1日90分ほどであると推測できます。たったこれだけで赤ちゃんは日本語の基礎を身につけてしまうのです。驚きの能力ですね。ここから『パルキッズ』のかけ流しに必要な時間は導き出されています。
 さらに、赤ちゃんは1日90分耳にする日本語を、意識して聞いているわけではありません。聞いているのではなく「聞こえている」だけなのです。ことばを身につけるためには「無意識に日常会話を1日90分耳にする」。このポイントがようやく見えてきましたね。


| かけ流すことで聞き取れる

 さて、「英語が身につく」と言われると、お子さまがペラペラと英語を話している様子を想像されるかもしれません。日本語でもそうですが、1日90分の音環境があったとしても、いきなり流ちょうな英語を話し出すことはありません。ここでも日本語を例に見ていきましょう。
 生まれてからすぐに子どもたちは母国語の音の中で過ごします。先ほどご説明したように、1日90分ほどの日本語が語りかけられます。この環境で1年ほど過ごすと、日本語であれば日本語の、英語であれば英語の「リズム回路」が脳内に作られます。「リズム回路」があれば、それまで単なる音の連続にしか聞こえなかったものが、単語単位で聞き取れるようになります。これこそが「ことばが聞き取れる」ということであり、幼児期にしかできない、音環境からリスニング力を身につけるということなのです。しかし、この時点ではまだ語彙は少なく、音は知っているけれど意味は知らない「仮語彙」を蓄積している段階です。
 さらに1年かけ流すことによって、仮語彙と語彙をどんどん蓄積していきます。2年を過ぎるころには言語のリズムを完全に身につけ、3年目を迎えるころには言語の完成期を迎えます。『パルキッズ』のかけ流しをここまで続けたお子さまであれば、すでにバイリンガルに育っているといってよいでしょう。これが『パルキッズ』をかけ流すことによって、どんなお子さまでもバイリンガルに育てられる秘密なのです。特別なことをしているわけではなく、ごく自然な言語発達に沿った形で「ことば」を育てているだけなのです。
 「かけ流し」とはどういうものなのか、なぜ「かけ流し」で英語が身につくのかその理由がわかったところで、最後に取り組み中に実際に起きる問題についていくつか「Q&A形式」でお答えします。

Q『パルキッズ』のCDの音量をどのぐらいにすればよいかわかりません。これまではボリュームを低めにしていたのですが、子どもが聞いている様子が全くなかったので音を大きくしました。すると今度は「うるさい!」と嫌がるようになりました。(3歳/プリスクーラー)

 ママが毎日一生懸命『パルキッズ』をかけ流しているのに、お子さまが反応してくれないと「このままでよいのか」と不安になりますし、イライラしてしまうのもよくわかります。それでCDのボリュームを上げてしまう。『パルキッズ』をお取り組み中の方は1度はご経験があるかもしれません。
 まず、CDのボリュームは常に低めに設定することを徹底してください。生活音にまぎれながらも、集中して聞けば聞こえる、その程度で結構です。 というのも、幼児は意識して周囲にある言語の音を聞いているわけではありません。意識せず、周囲の音が勝手に耳に入り鼓膜が震える。それを脳が感知しているわけです。その状態を作ってさえいればボリュームの大小は関係ありません。
 逆にボリュームが大きいとお子さまは意識的に『パルキッズ』を音を聞かざるを得ません。大人でも10~15分ほどの内容の音を毎日8回聞かされるのは苦痛です。『パルキッズ』の核となる「かけ流し」を4年間続けるためにも、常にボリュームは低めにし、お子さまが意識しない状態で『パルキッズ』が流れている環境を作りましょう。

Q『パルキッズ』を90分かけ流す時間がありません。親が2人とも仕事をしているので、ただでさえ時間の確保が大変だったのですが、上の子がこの4月から小学校に通い始めたため、さらにかけ流しの時間の調整が難しくなりました。どのように工夫すればよいのでしょうか。(6歳・4歳/キンダー)

 小学校に通うようになれば、幼稚園の頃よりも家にいる時間は短くなります。学校の時間が増えることも当然ですが、習い事もあるでしょうし、お友だちとの時間も増えるでしょう。さらに共働きのご家庭であれば、時間の確保は難しいでしょう。この様に「英語はしたいけど時間がない」とお悩みの方は少なくありません。
 その対処法として最も効果的なのが朝の時間を活用することです。まず学校の宿題は前日の夜にやっつけてしまいます。そして今よりも1時間ほど起床時間を早めます。起床後は好きなことをさせながらCDをかけ流します。ゆっくりと朝の準備をしてもよいですし、本を読んでもよいでしょう。この時間にプリントや暗唱の課題ができればとても時間を有効に使えていると言えますので尚良しですね。
 また、早起きすることで、必然的に夜寝る時間も早くなり、成長ホルモンに好影響を与えます。さらに起きてから朝ご飯までの時間が長くなり、お腹が空いたところでしっかりと朝食をとることができるようになります。最初は大変ですがこの一石三鳥の方法をぜひお試しください。 Q 引っ越しや入園などの環境の変化が続き『パルキッズ』を中断しています。1年以上のブランクがあるのですが、また最初からやり直した方がよいのでしょうか。(5歳/プリスクーラー)

 どのご家庭にも環境の変化はあります。全く取り組めない時期が生じてしまうのも珍しくありません。しかし、「かけ流し」で英語を身につけられる時期は限られています。できることならすぐにでも再開してください。
その場合のルールです。どれほど長期にわたる中断でも、再開する場合には必ず中断した箇所の続きから始めてください。復習をする必要はありません。一度インプットされた情報は頭の中に残っていますし、過去にかけ流した情報に関して、脳は新しい情報として処理してくれません。幼児期の英語教育の3原則は「大量に」「新しい情報を」「繰り返し」インプットすることです。この原則を守るためにも復習ではなく、中断したところから再開するようにしてください。


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プロフィール

小豆澤 宏次(Azukizawa Hirotsugu)

1976年生まれ。島根県出身。同志社大学経済学部を卒業後、米国ボストンのバークリー音楽大学に留学し、音楽家として活動。帰国後は幼児・児童向け英語教室にて英語講師を務める。児童英語研究所所長・船津洋氏に「パルキッズ理論」の指導を受け感銘を受ける。その後、英語教室の指導教材を「パルキッズ」へと全面的に変更。生徒数を大きく伸ばすことに成功する。児童英語研究所に入社後は、年間1,000件以上の母親への指導を行うとともに、パルキッズのオンラインレッスンのプログラムの制作ディレクションを行う。また大人向けの英語素読教材の制作ディレクションも行う。

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