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2016年7月号パルキッズ塾

Vol.39 | 英検の新システム

written by 小豆澤 宏次(Hirotsugu Azukizawa)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
http://palkids.co.jp/palkids-webmagazine/palkids-juku-1607/
小豆澤宏次『英検の新システム』(株式会社 児童英語研究所、2016年)


特集イメージ1 6月に2016年度第1回目の英検が開催されました。現時点(6月21日現在)ではまだ1次試験の結果は出ていませんが、それでも自己採点をした方々から「合格点に達しました!」という喜びの声が続々と届いています。
 この「パルキッズ塾」でも繰り返しお伝えしているのですが、幼稚園児・小学生が英検に合格するというのはパパ、ママが想像する以上にすごいことなのです。単純に考えて、我々が中学生・高校生で受けたレベルのテストに挑むわけですから。
 しかし、ここ10年でその様相が変わってきています。幼稚園児・小学生の英検級取得は間違いなくすごいことなのですが、それが昨今当たり前になってきています。
 我々親世代では、中学校に入学した時点で英検の級を持っている子は少数派でした。基本的に中学校入学時点での英語力はどんぐりの背比べで、本人の努力次第で成績を上げ、上位に入るのはそう難しくありませんでした。しかし、今は小学生以下の英検受験者が急激に伸びています。10年前のおよそ2倍にもなっており、現在もその数は増え続けています。一方で、中学生の英検受験者数は減少しています。この数字を見ると、小学生の間に英検に合格した子どもたちが、中学校に進学してさらに上の級を受験し、一方中学校から英語学習をスタートした子は英検を受験しない、そんな現実が見えてくるのです。つまり小学生の間に英検級を取得出来る程度の英語力を身につけておかないと、中学以降、英語力の二極化の波に飲み込まれ、逆転不可能な状況に追い込まれることになるのです。幼稚園児・小学生の英検受験は当たり前という、子どもたちにとってはシビアな環境になっていますが、将来のことを考えると早めに対策をしておこうと考えるパパ、ママが増えているのはよくわかります。


| 2016年度から英検が変わりました:出題形式

特集イメージ2 昨今ニュースで取りざたされている公教育における英語のプログラム改変は、主に「リーディング・リスニング・スピーキング・ライティング」の4技能を今後は強化していこうというものです。これに合わせて、英検も4技能を強化する目的で、一部の級で出題形式、また全級において採点方法が変わりました。それでは、まずは各級における出題形式の変更点について見ていきましょう。

●5級:筆記試験、リスニング試験ともに出題形式に変更はありません。ただし、新たに導入されたスピーキングテストを受けることができるようになりました。スピーキングテストは1次試験の合否にかかわらず受験することができます。受験形式は3級からある対面式ではなくオンライン上で行うもので、受験日の指定はありません(2次試験日から1年間いつでも受けることが可能)。またスピーキングテストの結果は現在のところ5級試験の合否に関わることはありません。

●4級:筆記試験、リスニング試験ともに出題形式に変更はありません。ただし、新たに導入されたスピーキングテストを受けることができるようになりました。スピーキングテストは1次試験の合否にかかわらず受験することができます。受験形式は3級からある対面式ではなくオンライン上で行うもので、受験日の指定はありません(2次試験日から1年間いつでも受けることが可能)。またスピーキングテストの結果は現在のところ4級試験の合否に関わることはありません。

●3級:筆記試験、リスニング試験ともに出題形式に変更はありません。スピーキングテストもこれまでどおり対面式で行われますので、3級に関しては出題形式に変更はありません。

●準2級:筆記試験のみ出題形式に変更が2点あります。(1) 会話文の空所補充問題の問題数が8問から5問に変更になりました。(2) 長文空所補充問題の選択肢が単語ではなく句になりました。(1) に関しては会話文に慣れているパルキッズ生からすると若干のマイナスになりますが、(2) に関してはとても有利に働くかもしれません。パルキッズ生は長文を読み解く時に単語単位ではなく句で大意を把握していきます。そういった子どもたちにとって空所に単語入れるよりも、単語よりも情報量が多い句が選択肢になることで、正答を選びやすくなるでしょう。

●2級:筆記試験のみ出題形式に変更が3点あります。(1) 語句整序問題(語句を並び替えて英文を作成する問題)がなくなり、英作文問題が加わりました。(2) 長文空所補充問題の選択肢が単語ではなく句になりました。 (3) 筆記試験の解答時間が75分から85分になりました。(1) は日本語でも自分の考えを作文にすることがまだまだ難しい小学生以下の子どもたちにとってハードルが上がったと言えるかもしれません。実際今回出題された問題を見てみると「職場でカジュアルな服を着ることが許されている企業があるが、そういった企業は今後増えると思うか」という質問が英語で書いてあり、それについての自分の意見を’business culture’ ‘comfort’ ‘fashion’ という3つの語句を用いて80~100語を目安に書くというものです。小学生以下のお子様には内容も含め難問と言えます。ただ、今後のためにも普段から親子間の会話の中で互いに意見を交し合う機会を設け、簡潔に自分の意見を相手に伝える練習をしていきましょう。(2) は準2級同様、パルキッズ生には有利に働きそうですね。

 準1級、1級に関しては変更点のみご紹介させていただきます。

●準1級:筆記試験の英作文がEメール形式からエッセイ形式になり、語数が100語程度から120~150語程度に変更になりました。

●1級:筆記試験の英作文でPOINTS(作文内で指定された使用すべき内容)がなくなり、語数が200語程度から200~240語程度に変更になりました。


| 2016年度から英検が変わりました:採点方式

特集イメージ3 出題形式から今度は採点方式の変更をお伝えいたします。これまでは試験開催回ごとに合格点が違い、例えば準2級であれば40~46点と正答率が約60%あたりを合格点として設定されていました。しかし2016年度第1回からは前述した4技能に重きが置かれ、国際基準規格であるCEFR(*)と関連をもたせた「CSE2.0(**)」という、よりユニバーサルな採点基準が採用されています。

●5級合格点:419点/850点満点
●4級合格点:622点/1000点満点
●3級合格点:1099点/1650点満点
●準2級合格点:1284点/1800点満点
●2級合格点:1980点/2600点満点
●準1級合格点:2304点/3000点満点
●1級合格点:2630点/3400点満点

 まだ始まったばかりのシステムなので今しばらく様子を見る必要がありますが、今のところ出題される単語、レベルには大きな変化はありません。パルキッズの「英検オンラインレッスン」で引き続き対策を行っていただくのが小学生以下のお子様にとっては最も良い方法であることは変わりないでしょう。


(*) Common European Framework of Reference for Languagesの略称。語学のコミュニケーション能力別のレベルを示す国際標準規格として、欧米で幅広く導入されつつあります。 (**) CEFRのA1レベルからC2レベルまでの範囲を「聞く・話す・読む・書く」の4技能を各1000点満点とし、合計0点から4000点スコアに尺度化したもの。

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プロフィール

小豆澤 宏次(Azukizawa Hirotsugu)

1976年生まれ。島根県出身。同志社大学経済学部を卒業後、米国ボストンのバークリー音楽大学に留学し、音楽家として活動。帰国後は幼児・児童向け英語教室にて英語講師を務める。児童英語研究所所長・船津洋氏に「パルキッズ理論」の指導を受け感銘を受ける。その後、英語教室の指導教材を「パルキッズ」へと全面的に変更。生徒数を大きく伸ばすことに成功する。児童英語研究所に入社後は、年間1,000件以上の母親への指導を行うとともに、パルキッズのオンラインレッスンのプログラムの制作ディレクションを行う。また大人向けの英語素読教材の制作ディレクションも行う。

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