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2019年2月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.92 | コミュニケーション力を高める方法

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
http://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal-1902
船津徹「コミュニケーション力を高める方法」(株式会社 児童英語研究所、2019年)


 社会に出て活躍している多くの人は、高いコミュニケーション能力を持っています。専門分野で高い能力を持っているだけではなく、人とうまく交流する力を持つことで、どんな場所でも自分のやりたことを次々と実現していけるのです。
 コミュニケーション能力とは具体的に、聞く力、話す力、ユーモアや独創性、場の空気を察する力など様々あります。


ユーモアと学力の関係

 2010年に米国のニューメキシコ大学で400人の学生を対象にユーモアと学力の関係を調査する実験が行なわれました。空白の3コママンガにセリフを書き込むこの実験で、ユーモアを作り出す能力が高い学生ほど高い学力(言語運用能力、推理力など)を持っていることがわかりました。ユーモアは人間性だけではなく、学力にも密接に関係しているのです。
 実際、優秀な子たちはみな気さくで、どんな人とも瞬時に仲よくなっていく適応性を持っています。そのような子たちも、当然、最初からコミュニケーションの達人であったわけではありません。


食事中の楽しい雑談が大切

 コミュニケーション力は自然に育つもの、あるいは、子どもが持って生まれた性格だと思っている方が多いと思います。しかし実際には、子どものコミュニケーション力は家族との交流の中で育っていきます。特に重要なのが「家族で食事をする時間」です。
 この時に行うのは「楽しい雑談」です。子どもにその日の出来事を聞き、親がおもしろおかしく話し、その場を楽しむことがコミュニケーション力の育成につながります。
 親が自分の些細な失敗をおもしろおかしく話してあげることもよいでしょう。悲しいこと、イライラすること、怒ってしまう出来事も、見方を少し変えると「ユーモア」になるということを教えてあげると、子どもは悪いことや嫌なことが起きた時にも悲観的にならず、笑い飛ばせる「楽観性」を身につけていきます。


小言や尋問は厳禁!

 また食事中の親の何気ない問いかけで、子どもの考える力を伸ばすことができます。地頭力の強い子どもは、多くの場合、家庭での過ごし方によって当意即妙の発想力、言語力を獲得していきます。
 一方で食事中の会話が「宿題やった?」「これをしなさい」といった小言や尋問中心になると、子どもは親の話に聞く耳を持たくなります。たとえば子どもの食べ物の好き嫌いも、楽しい会話をしながら食事をする家庭ではほとんど聞かれませんが、家庭でのコミュニケーションが楽しくないと感じれば、食事に対しての興味も薄れてしまうのです。
 親との会話が楽しければ、子どもはリクエストされずとも自ら話題を提供するようになります。子どもが勉強や人間関係などの悩みを何でも親に相談できれば、ストレスを溜め込むことが少なくなります。また、勉強面でもわからないことを放っておくことがなくなり、学習の消化不良に陥らずに済むのです。これは、習い事の継続、進路の相談などでも非常に役立ってきます。


習い事でコミュニケーション力を育てる!

 最近の子どもたちは気の合う限られた集団の中でしかコミュニケーションをとらない傾向があります。興味や関心、世代の違いを越えてコミュニケーションをとることが苦手と感じ、幅広い背景の人と相互に理解する能力が低下しているのです。子どもの世代を越えたコミュニケーション力を伸ばすには「身体を動かす集団活動」に参加させることが効果的です。机にかじりついて勉強しているだけでは満足なコミュニケーション力は育ちません。
 教科書から離れ、新しい仲間と思いっきり身体を動かして遊ぶ経験を積ませましょう。スポーツや演劇などに取り組むと、子どものコミュニケーション力が飛躍的に伸びるということを知ってください。


集団で行なう習い事が大切

 習い事は集団で行なうものをお勧めします。球技、ダンス、演劇など、他の子どもたちと一緒に身体を動かしていく活動を通して、他者と意思疎通したり、共感したり、伝え合う力を伸ばしていくことができます。
 さらに言えば、習い事は「学校とは違う子どもの集まり」であることが好ましいです。学校とは違う子どもたちと交流を経験させることが、子どものコミュニケーション力作りではとても重要です。
 日本で習い事というと、水泳、バレエ、ピアノなど個人で行なうものから始めることが多いですね。アメリカでは子どもを習い事に参加させる目的の一つにコミュニケーション力の育成がありますから「集団活動」に参加させるのが一般的です。
 集団活動を通して子どもたちは仲間とのコミュニケーションを密にしていきます。周囲とうまくコミュニケーションをとらなければ、チームとしてまとまりを欠き、試合やコンテストで勝つことができません。子どもたちは共通の目標に向かって互いにコミュニケーションをとることの大切さを集団活動で学ぶことができるのです。


理想は複数の習い事に参加すること

 私が暮らすアメリカでは、いくつか異なる習い事に子どもを参加させるのが普通です。スポーツであってもサッカーとテニスというように異なる競技を経験させます。身体的な偏りをなくすことに加えて、同じ集団との交流に子どもの人間関係も偏らせないようにという配慮です。
 また、スポーツと舞台芸能を同時に経験させる家庭も多いです。サッカーとダンス。バスケットボールと演劇。野球と合唱。これも子どもの人間関係が「スポーツだけ」「文化活動だけ」に偏らないための工夫です。
 複数の習い事を経験することによって、子どもは学校の友だち、スポーツの友だち、音楽の友だち、と全く異なる雰囲気を持つ集団との交流を経験することができます。この幅広い交流経験が将来の子どものコミュニケーション力に大きな影響を与えるのです。

【編集部より】
船津徹先生の新著『すべての子どもは天才になれる、あなた(親)の行動で。』全国書店で発売中です。英語力の育て方、地頭を強くする方法、STEM(理数系)の伸ばし方、子どもの特性を「才能」へと引き上げる方法について、世界中の優秀な子どもたちの実例と共に紹介している一冊です。才能のない子など、この世に一人もいません。いかに才能を開花させるかが、親の腕の見せ所です。


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プロフィール

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2001年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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