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2018年3月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.81 | クリティカル・シンキング

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
http://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal-1803
船津徹「クリティカル・シンキング」(株式会社 児童英語研究所、2018年)


 アメリカの学校教育で重視されるのがクリティカル・シンキングです。国語、算数、理科、社会、あらゆる教科の指導にクリティカル・シンキングの手法が取り入れられています。
 「クリティカル=批判的」と聞くと「あら探しの思考」や「あげ足取りの思考」と勘違いされるかもしれませんが、その本質は「物事を鵜呑みにせず、客観的かつ多面的に吟味し、より正しい(賢い)意思決定をするための思考ツール」です。
 日本では「自分が何をしたいのか分からない」という大学生が多いですが、その原因はクリティカル・シンキングを学校や家庭で教えないからだと私は考えています。自分の思考に疑問を持たない、常識や周囲に流される、人から言われなければ行動できない、自分の軸を確立できない、全てクリティカル・シンキングの欠如によるものです。


| クリティカル・シンキングは自分を知る技術

イメージ1 クリティカル・シンキングは1980年代以降、アメリカの教育改革の柱としてその重要性が強調されるようになりました。知識や技術を教えるだけではなく、社会生活で活かせる実用的な力を与えることが学校の役割である。そのような背景をベースに小学校から大学まで、あらゆる授業にクリティカル・シンキングが応用されています。
 アメリカの学校の授業では、先生は「それは事実か?」「偏っていないか?」「その根拠は?」「なぜそう思うのか?」「他に考えはないか?」と次々に生徒に問いかけます。質問や疑問を投げかけ、子どもの考えを引き出しながら、自分の思考の偏りに気づかせ、「考えること」への理解を深めていく授業が小学校から行われています。
 子どもが将来どんな分野を目指すにせよ、グローバル化の進行、多様性の広がる社会で周囲から突き抜けるには「自分は誰なのか」を明確にする必要があります。「みんなと一緒」「右にならえ」では、誰からも相手にされない、尊敬されない、埋もれてしまう、それが国際社会の常識なのです。
 アメリカの子どもたちは学校で教育されるまでもなく、ごく自然に「私はこう思う、なぜならば~」という表現をするように育ちます。学校教育を通して思考技術を学んだ親が子どもを教育するわけですから、親子の会話の中で考える力の育成が自然に行われているのです。


| 考える力は現代社会を生き抜く力

 なぜクリティカル・シンキングがそれほど重視されるのか?それは、一昔前とは比べものにならないほど情報化が進んだ現代社会で生きていくために欠かせないツールだからです。情報の洪水に流されずに、自分にとって必要な情報を取捨選択し、自分の人生に有効に活用していくためには「賢い選択をする力」が不可欠です。
 「常識や思い込みや固定概念=バイアス」にとらわれず情報を正しく読み取る力。物事を客観的かつ多面的に分析し適切な判断を下す力。問題点を明確にして合理的な問題解決を導き出す力。未来を予測する力。筋道を立てて分かりやすく表現する力。異文化の人たちと円滑なコミュニケーションをする力。
 クリティカル・シンキングは学校の勉強だけに必要な技能ではなく、子どもたちが社会の中でたくましく自己実現していくために必須の力です。自分の好きなこと、自分のやりたいこと、自分ができること、自分がどんな人生を歩みたいのか、それを見つけて、自己実現していくための思考ツールです。


| たった1%のバイアスが、意思決定に大きな歪みをもたらす

 Googleの人事担当者、ブライアン・ウェル氏の言葉です。Googleの採用では学歴が仕事のパフォーマンスに影響すると長らく信じられてきました。ところが社内調査を実施したところ、出身大学と仕事のパフォーマンスは比例しないことが判明したのです。
 「アイビーリーグやスタンフォードやMIT卒業の学生は優秀だ!」というバイアスによって、ミスマッチの人材を採用したり、本当に会社に貢献してくれる優秀な人材を見落としていることが分かったのです。以来、Googleは採用において出身大学を見ることをやめました。
 また「リーダー=男性」「女性=数学が苦手」「若い=フレッシュ」というようなバイアスが、適材適所の人事決定を妨げていることも分かり、社内で「無意識のバイアス」を排除するためのトレーニングを実施するようになりました。


| 教育や子育てはバイアスだらけ!

 「男の子よりも女の子の方が育てやすい」、「男の子は男らしく、女の子は女らしく育てるべきだ」、「長男は家を継ぐべきだ」、「6歳までの知的教育が子どもの将来を決める」これらは教育に関わるバイアスの例です。
 親が自分の中にあるバイアスに気づかずに、たとえば「男の子が育てにくい」という言葉を鵜呑みにしてしまうと、「育てにくい」という先入観が定着してしまい、本当に子育てを難しくしてしまうのです。
 「本当か?」「なぜか?」「根拠は?」「思い込みではないか?」「人の意見ではないか?」クリティカル・シンキングは、自分の思考の偏りや思い込みに気づくことからスタートします。


| 「なぜ?」「どうして?」を大切に

イメージ2 家庭でできるクリティカル・シンキングの育て方は、会話に「なぜ?」「どうして?」を増やすことです。自分の思考の根拠について深く考えさせると同時に、自分の考えを言葉で表現することを習慣づけてください。
 「○○ちゃんはなぜそう思うの?」と問いかければ、子どもは一生懸命考えて答えてくれます。まだ言語力が十分に発達していない子どもにとって自分の考えを言葉で説明するのは大変難しいことです。でもお母さんが聞く耳を持っていれば、子どもは必ず答えてくれます。
 大切なのは、子どもの話を最後まできちんと聞くこと。腰を折ったり、言葉を補ったりせず子どもの言葉で最後まで真剣に話をさせましょう。その上で、何で○○ちゃんはそう思うの?○○ちゃんだったらどうする?などの「問い」を重ねていってください。
 また、子どもが「なぜ?」と聞いてきたら、あいまいにせずきちんと答えましょう。大人が子どもの「問い」にしっかり答えないと、子どもは考えなくなります。お母さんが分からない場合は、「ママはこう思うけど、○○ちゃんはどう思う?」と子どもと一緒に考えるようにしましょう。

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プロフィール

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2001年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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