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2018年2月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.80 | リーディング・フルエンシーの育て方

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
http://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal-1802
船津徹「リーディング・フルエンシーの育て方」(株式会社 児童英語研究所、2018年)


 英語教育のゴールは「リーディング力の育成」です。英語の本(ネイティブ向けに書かれた小説など)がスラスラと読めるようになれば、子どもは英語圏に留学しなくても、読書を通して独学で英語力を上達させていくことができます。
 英語の本を、感情を込めて流暢に読む指導を「リーディング・フルエンシー」と言います。アメリカでは幼稚園(5歳)から小学2年生がリーディング・フルエンシーを身につける大切な時期です。
 この時期に本の多読を通してリーディング・フルエンシーを身につけた子どもは、語彙力が豊かになり、読解力が高まりますから、教科学習で苦労することがなくなるのです。
 その反対に小学2年の終わりでリーディング・フルエンシーが身についていない子どもは、90%の確立で小学4年終了時でもリーディング力が低いという調査結果が報告されています。つまり、小学2年生のリーディング習熟度が、子どもの将来の学力を占うバロメーターなのです。


| なぜ感情を込めることが大切なのか?

イメージ1 英語の本を読み始めの子どもは、英単語を正しく「発音すること」に集中していますから、本を読んでも理解が伴わないのです。ロボットが読むように、単語を一語ずつ、単調に発音しているうちは、理解できていないと思ってください。
 子どもの理解力は「耳」から発達します。乳幼児期の子どもは文字を読むことができませんから、周囲の人たちの話し言葉や、お母さんが読み聞かせてくれる絵本の内容を「耳」で聞いて理解していきます。
 だから子どもに英語を読ませる場合も「音読」させることが大切なのです。音読すれば、英語を読みながら、自分の声を「耳」で聞くことができますから、理解が伴うようになるのです。
 また感情込めて読むほど、幼い頃から慣れ親しんできた「話し言葉」に近いので、理解が深まるのです。感情を込めることが読解力を高めることは、演劇経験者の読解力スコアが、未経験者よりも高いことからも明らかです。


| 読書スピードをチェックしよう!

イメージ2 アメリカのESL指導において、子どもにリーディング・フルエンシーが身についているか否かを判断する基準が英語を読むスピードです。英語ネイティブの子どもは、小学1年生平均で1分間に40〜60単語、2年生平均で60〜90単語を「感情を込めて正確に音読」できます。

以下は学年別1分間に音読できる単語数の目安です*

小学1年:53単語
小学2年:89単語
小学3年:107単語
小学4年:123単語
小学5年:139単語
小学6年:150単語
大学生:280〜480単語(黙読)

ちなみに以下のストーリーは50単語です。早口で読むのではなく、感情を込めて、正確に読むことを意識して音読してみましょう。まずはお母さんが何秒かかるかチェックしてみてください。

A gnat flew over the field buzzing so loudly for such a small creature.
He rested for a bit on a bull’s horn and was about to fly away.
“You must be glad I am going,” he said to the bull who replied, “I didn’t even know you were there.”

以下のストーリーは88単語です。

A hare made fun of the tortoise for being so slow.
The tortoise said, “Let’s have a race!”
The hare was amused, but agreed.
The hare was soon out of sight and to make the tortoise feel foolish for racing with a hare, he lay down to take a nap.

The tortoise kept going slowly, but steadily, and passed the hare sleeping.
The hare slept on and when he woke up, the tortoise was near the goal.
The hare ran his fastest, but could not beat the tortoise.


| 理解よりも流暢に読むことが先

イメージ3 子どもがリーディング・フルエンシーを身につける過程では「理解よりも感情を込めて流暢に読めること」を優先してください。読み始めの子どもに「理解すること」を要求すると、必ず読書スピードが遅くなります。
 読書に時間がかかりすぎると、理解が深まるどころか、読み終わっても「何を読んだのか覚えていない」という悪循環に陥ってしまいます。上手に英語が読めるようになるまでは「流暢に読むこと」に専念させてください。スラスラ読めるようになれば、必ず理解は伴ってきます。

 世界で活躍できる子どもを育てる方法について、詳しくは「世界標準の子育て」をご一読ください。「世界標準の子育て」をぜひご一読ください!


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プロフィール

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2001年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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