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2015年09月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.51 | コミュニケーション能力と英語力 その2

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
http://palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal1509/
船津徹『コミュニケーション能力と英語力 その2』(株式会社 児童英語研究所、2015年)


 バイリンガルの人たちを観察していると、日本語と英語を話す時では、声の高低、声の強弱、話すスピード、顔の表情、身振り手振り、表現方法などが微妙に変わることが分かります。バイリンガルは使用する言語に合わせて、無意識のうちにコミュニケーションスタイルを変えているのです。
 コミュニケーションスタイルと言葉は非常に親密な関係にあります。車の両輪と言っても過言ではありません。日本語には日本語のコミュニケーションスタイルがあるように英語には英語のコミュニケーションスタイルがあります。せっせと英単語を覚え、文法を覚え、翻訳方法を覚えても、いざアメリカ人と話してみると全く通じない。これはコミュニケーションスタイルの違いを理解していないことが原因です。


| バイリンガル&バイカルチャー

 完璧なバイリンガルと考えられている人は、日本語と英語の言語運用能力が優れているだけでなく、文化的な違いにも対応することができます。アメリカ人と接する時はアメリカ的なコミュニケーション、日本人と接する時は日本的なコミュニケーションがとれる人です。
 言語能力が優れていてもコミュニケーション面の違いに対応できないと、異文化の人たちと良好な人間関係を構築することはできません。私の知り合いで日本語が堪能な弁護士がいます。頭の回転の早い彼はアメリカ的な表現のまま日本語を話すので、多くの日本人には高圧的な人、傲慢な人と映ってしまいます。
 言葉だけでバイリンガルな人とバイリンガル&バイカルチャーな人の違いは「コミュニケーションスキル」の差です。英語に加えて、欧米的なロジカルコミュニケーションを身につけることによって、外国人とのコミュニケーションがよりスムーズになるのです。


| 言語コミュニケーションスキル

 日本で生活しながら欧米的なコミュニケーションスキルを子どもに指導するにはちょっとした工夫が必要です。というのも多くの両親が日本的なコミュニケーションに慣れきってしまっているからです。まずは親の側が子どもに対する言葉の使い方への意識を高め、注意を払わなければいけません。
 日本では子どもがいちいち言葉で説明しなくても、敏感に察してあげる母親が「良いお母さん」と思われているかもしれません。でもこれからは「察しが悪い母親」になって下さい。「みんな持ってるから買ってよ!」「みんな遊びにいくからボクも行って良い?」というあいまい言葉を子どもはよく使いますね。そんな時は「みんなって誰のこと」と聞き返してください。「お母さん、あれ取って!」と子どもが言えば「あれって何?」と聞き返すのです。
 他にも「それ」「別に」「何となく」「ちょっと」「~とか」というあいまい言葉を子どもが使った時は、わざと「察しが悪い母親」を演じてください。「お母さんよく分からないからもっと説明してもらえる?」と尋ねることを習慣にしてください。


| 非言語コミュニケーションスキル

 コミュニケーションには言葉を介する「言語コミュニケーション」と動作、表情、しぐさ、声の強弱といった「非言語コミュニケーション」があります。外国人と意思疎通する時は「非言語コミュニケーションスキル」に目を向けましょう。
 ご家庭でもぜひ「非言語コミュニケーション」を取り入れてください。例えば、本を読む時、ロボットのように抑揚なく読むのと、感情を込めて読むのとでは、相手に伝わる度合いが変わってきます。また身振り・手振りなどの動作を加えるとさらに内容が伝わりやすくなります。
 非言語コミュニケーションスキルを鍛える一番の方法が演劇です。私の指導経験からも言えることですが、演劇経験のある子どもは英語習得のスピードが経験のない子よりもはるかに早いのです。演劇で培われた発声・発音の技術、表情や身体をつかった表現力、人前で堂々と話をする技術などは、コミュニケーション能力全体を高め、英語習得を促進してくれます。


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プロフィール

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2001年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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